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第4話 播磨の国と塩と銀と綿花

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製鉄の目途が立った。既にいくつかは、鉄の塊として斑鳩の村に届いていて、加工はこちらにいる金山一族に任せていて、鍬などの農具を作っている。

一方、レンガ作りは難航した。
焼いている途中で、割れてしまったのだった。

試行錯誤の末、ようやくレンガが完成した。レンガを作りの目的は、登り窯を完成させることだった。

「これで土器ができる」

村人の中でが土器作りがうまい数名を呼んだ。

「なんでしょうか」

「これで土器を焼いてみよう。焼く前にこれをかけてから」

「これはなんですか」

「釉薬です。焼き上がると表面に光沢が出るから変わるから」

「よくわかりませんが、やってみます」

こうして釉薬を使ったツボができるとそれを見たウマヤド皇子はその見事さに驚いたのだった。

「これは?」

「壺ですけど」

「見ればわかる。この色はどうした?唐(から)からの品物か?」

「ちがいます。ここで作りました」

「これはいい」

こうして煉瓦と土器作りは進んでいったのだった。

そんなある日、ウマヤド皇子から播磨の国の農業指導する連絡が入ってきた。これに対して金山一族から数人を連れて行くことにした。目的は生野銀山だ。
そして、播磨の国といえば、赤穂、そして、塩を手に入れることを目的としたになんと徒歩での移動となった。
到着までにわらじを三足潰してしまった。

播磨の国、今で言う鶴林寺付近に中心街があり、ここの管理人に農業指導だとして、堆肥置き場の製作を指示、斑鳩と同様の対策をを指示した。
農民の栄養失調はひどい、特に奴婢なんかは更にひどい状況だった。とにかく、村人の中で動けるもので猪狩りに出てもなかなか収穫がない。罠を作ってそこへ追い込んで、ようやく一匹を収穫、これだけでは足りない。播磨灘のへ出て魚を取って、数を合わせて村人たちに食べさす。
もちろん、奴婢にもだ。ある村人は反対したが、働き手が減ると困るのはお前たちだ。といっても、脳が筋肉でできているせいか、なかなか理解できないようだったが、これは命令だと言って無理矢理納得をさせた。

春先までの間にやることとして、今からできる農作物の植え付けと猪や魚介類を取って、村人たちの栄養状態をよくすることを指示しておいた。
更に塩の生産方法として、塩田は作らずに蒸発させる方法を伝えた。

とりあえず、播磨の国の予定はこれで良しと思ったとき、とある場所で綿花を栽培しているのを見つけた。渡来人たちが独自に栽培していたようだ。これの種を物々交換でもらい受けることができたのは収穫だった。

一方、生野銀山からは銀鉱石の採取と銀の抽出に成功したとの連絡を受けた。これで後は銅があれば、通貨を作ることができる。

しかし、そう簡単にはいかなかった。元々通貨がない世界で通貨という概念を教えるのがこれほど大変になるとは思わなかった。

更に文字の普及も急務だった。

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