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第2話 厩戸皇子の配下になる

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「ハハハ…そうですね。ところで、お名前を聞いていなかったのですが」

「私ですか」

「はい」

「私、ウマヤドと申します」

目の前の少年が厩戸王だった。

「あの、如何なさいましたか?」

「あっいや、別に」

「さうですか。ところで斎藤は、僧侶か?」

「そ…僧侶ではないです」

「では、貴方は何者なのです?」

これは困った。この子供が厩戸王だったら、聡明なはずなにせあの聖徳太子ということは、私自身を見透かす超能力を持っているかもしれない。ここは下手なことは言えない。ど…どうしたらいいのだ。

「あの…如何なさいましたか?僧侶でないのであれば何者なのですか?」

頭にはあのフレーズが流れてきた。〇れん坊将軍と〇戸黄門のフレーズが

「え…と、私はしがない、越後のちりめん問屋で貧乏旗本の三男坊です」

「は?」

しまった~!!やってしまった。なんでことを言ってしまったんだ?物凄い困惑の顔をあれ?していない。

「そうですか。越の国の秦氏の方なのですが」

え?何それ?どういこと?パニックになっているの私の方だ

「え?あ?はい」

目の前で納得したかのように頷いているんですけど

「そうでしたか、秦氏か…やはり文化的に進んでいるんですね」

やばい…ここで話を合わさないと

「あ…ウマヤド様、秦氏といってもかなり遠い親戚でして」

「そうですか。でも、私はあなたのような方にお会いできてうれしいです」

「それは…」

「ところで、何をなさっていたのですか?」

「実は…気が付いたらここにいたんです。無一文で」

「むいちもん?」

「あっ、食料もなく、行くあてもない身でして」

「そうでしたか」

じっと私を見つめてしまったまま、考え込まれている。

「わかりました。これは御仏の啓示かもしれません。あなたを私の従者とします」

「ありがとうございます」

こうして、訳も分からない状態でウマヤド様の従者となったのだった。



ウマヤド様は、数え年で10歳だそうだ。つまり今は敏達天皇12年と言っても誰もわからない状態。ヲサダの大王在位12年目といったらようやく理解してくれた。
今、シマノオホマエツキミと物部ノオオムラジとが権力闘争をしているかと思いきや案外そうではない。

「仏教は着実にこの国に根付き始めている」

その言葉が何を表しているのかは、私にはわからなかった。ただ、物部のオオムラジも河内の国に自分の寺院を立てているらしい。とにかく、ヲサダノ大王の体調がすぐれない点で、シマノオホマエツキと物部ノオオムラジが気をもんでいる。

それは、次期大王になりたいともくろむ皇子がいるからだ、ヲサダノ大王の息子であるシノサカの皇子は、まだ若いこともその要因だ。本来であれば、彼が大王となれば、シマも物部もほっとするところなのだが、ヲサダの大王は、自分の弟であるタチバナトヨヒト皇子を押している。


そんな状態で俺はウマヤドの皇子のもとで働くことになったのだが、まずは、彼の力をつけさせることが先決だ。

と言っても元服前のはず、ということで、タチバナトヨヒト皇子の領地の農業指導することにした。

取り敢えず、現在の斑鳩地域の村を担当することになった。

村人と言えば、見るからに栄養失調の状態だ。人口も50人ほどしかいない。

できることと言えば、堆肥を作ることと。正条植えくらいしかないのだが、この時代の家といえば、竪穴式住居、風呂もろくにない。

ただ、流石、皇子様の所領、牛がいるのだ。これはいいことだ。

取り敢えず、トイレと肥溜めを作る。これは簡単だ。トイレはあなを掘って簡単な柄杓で流すと言う簡単なもので、肥溜めは穴を掘って底とサイドに石を敷き詰めた。

勿論、村人たちは、何をしているのかもわからない様子だった。

近くに大根と菜葉を植えた。更に蓬、つくしを取ってきて食べようとしたら、毒だ。それはにがいと言って食べようとしない。

そして、極め付けは、山芋だ。体力のない彼らは、山芋を食べて、蕁麻疹が出たのだった。

それを見ていた。ウマヤド皇子もあきれた表情をしていた。

その他、菜の花を植えたり、堆肥で土地改良をして、数ヶ月、この村で最初の収穫の時だ。実りの秋、通常の倍以上の収穫があった。

一方で炭焼きの釜や竹を使った簡易太陽光温水器を作り、村の生活の底上げをしたのだった。、





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