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第21章.クリスマス
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クリスマス、豪華なディナーを──Rホテルの最上階のレストランで──済ませた後、オレは澪さんをうちに誘った。
「うん。俺も、行ってみたいって思ってたから」
「やったー!じゃあ、泊まってってくれる?」
そんな要望にも、うん、って答えてくれたから、オレは初めて、澪さんをマンションに連れて帰った。
白い壁に──30階建てで、築年数も浅い──欧風な外観のマンションで、オレは最上階に暮らしている。
「ちょっと目をつぶって」
部屋に入るなりそう言うと、澪さんは──訝しみながらも──目を閉じた。そんな手を取り、ソファに座らせる。
「じっとしててね」
「……うん」
ソファの後ろに隠していた玩具──うさぎの耳のカチューシャだ──を、そっと澪さんの頭に装着した。
凄く可愛い。
「もういいよ」
ゆっくり目を開く。と、澪さんは目を瞬かせ、小首を傾げて見せた。
「頭に、何かつけた?」
そっと頭に手を伸ばすから、袖を掴んで阻止する。そしてそのまま、膝の上で手を握った。澪さんは無理に手を解こうとはせず、じっと見つめてくる。
「何をしたんの?」
「可愛いよ、よく似合ってる」
「で、何なんの?」
「うさ耳」
澪さんが固まる。
「うさ……耳……?」
「そう。うさ耳。似合うと思って、買ったんだ」
手を放し、澪さんの頬を両手で包む。夜風にあたったから冷たい。
「これをつけて、俺にどうしろと?」
分かってる癖に、と言うように、笑みを浮かべた。
「うさちゃん澪さんとエッチしたい」
「馬鹿……」
「萌えるでしょ?」
「萌えない……!」
抱きしめ──頬に、額に、髪に、唇に──キスをする。澪さんはその間、じっとしていた。
「凄く可愛いよ?」
手に唇を這わせ、そのままゆっくりとソファに倒す。
「嘘だ……似合う筈ないよ。俺は可愛くないし、ごついし」
そうは言ってるけど、澪さんは笑ってくれている。
「オレの可愛いうさちゃん」
もう1度、馬鹿、と呟いた唇を塞ぐ。
「好きだよ、澪さん……」
そう囁いて、オレは覆い被さった。
「うん。俺も、行ってみたいって思ってたから」
「やったー!じゃあ、泊まってってくれる?」
そんな要望にも、うん、って答えてくれたから、オレは初めて、澪さんをマンションに連れて帰った。
白い壁に──30階建てで、築年数も浅い──欧風な外観のマンションで、オレは最上階に暮らしている。
「ちょっと目をつぶって」
部屋に入るなりそう言うと、澪さんは──訝しみながらも──目を閉じた。そんな手を取り、ソファに座らせる。
「じっとしててね」
「……うん」
ソファの後ろに隠していた玩具──うさぎの耳のカチューシャだ──を、そっと澪さんの頭に装着した。
凄く可愛い。
「もういいよ」
ゆっくり目を開く。と、澪さんは目を瞬かせ、小首を傾げて見せた。
「頭に、何かつけた?」
そっと頭に手を伸ばすから、袖を掴んで阻止する。そしてそのまま、膝の上で手を握った。澪さんは無理に手を解こうとはせず、じっと見つめてくる。
「何をしたんの?」
「可愛いよ、よく似合ってる」
「で、何なんの?」
「うさ耳」
澪さんが固まる。
「うさ……耳……?」
「そう。うさ耳。似合うと思って、買ったんだ」
手を放し、澪さんの頬を両手で包む。夜風にあたったから冷たい。
「これをつけて、俺にどうしろと?」
分かってる癖に、と言うように、笑みを浮かべた。
「うさちゃん澪さんとエッチしたい」
「馬鹿……」
「萌えるでしょ?」
「萌えない……!」
抱きしめ──頬に、額に、髪に、唇に──キスをする。澪さんはその間、じっとしていた。
「凄く可愛いよ?」
手に唇を這わせ、そのままゆっくりとソファに倒す。
「嘘だ……似合う筈ないよ。俺は可愛くないし、ごついし」
そうは言ってるけど、澪さんは笑ってくれている。
「オレの可愛いうさちゃん」
もう1度、馬鹿、と呟いた唇を塞ぐ。
「好きだよ、澪さん……」
そう囁いて、オレは覆い被さった。
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