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第14章.その後
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今ままでみたいに、仕事を続けられる自信がなくなっている。だけど、せっかく康介さんや朋樹、圭人達と一緒に──同じ職場で──働けるようになったのに、と、思う自分もいた。
康介さんはきっと、どんなに辛くて理不尽でも──朋樹の為に──辞めたりはしないだろう。
──俺は……
自宅まで送ってもらい、シャワーを浴びながら悩んでいた。
営業の仕事は大変だけど、とてもやりがいがある。辞めたとて、今までラグビーしかしてこなかったから、他に出来る事も見当たらない。
──辞めたくない。
自信はないのに、そう思う。他に出来る事がないからではなくて、単にこの仕事が好きだから、だ。
だったら頑張るしかないだろうと、自分を鼓舞し、シャワールームから出る。と、スマホがチカチカと光っていた。
何だろうと見てみると、優から──大丈夫か?と──ラインがきていた。何が大丈夫なんだろうと思いつつ、大丈夫だよと、メッセージを送る。すぐに既読が付き、電話がかかってきた。
「もしもし?」
『おう。本当に大丈夫なのか?』
「え?」
スピーカーモードにし、服を着る。
『今日の顔合わせ、秘書の中村からさー、お前が体調不良で早退したから、代わりに出てくれよって言われてさー』
そうだったのか、と納得しつつ、話を合わせる事にした。
「ごめんね、合宿から帰ったばっかりなのに」
『そんなのはいいよ。で、今さー、見舞いに行こうと思って、お前ん家の近くまで来てるんだけど』
「え?あぁ、うん、いいよ。わざわざありがとう。待ってるよ」
そう言って電話を切り、優が家に来るのは何年ぶりだろう、と、考えていた。
康介さんはきっと、どんなに辛くて理不尽でも──朋樹の為に──辞めたりはしないだろう。
──俺は……
自宅まで送ってもらい、シャワーを浴びながら悩んでいた。
営業の仕事は大変だけど、とてもやりがいがある。辞めたとて、今までラグビーしかしてこなかったから、他に出来る事も見当たらない。
──辞めたくない。
自信はないのに、そう思う。他に出来る事がないからではなくて、単にこの仕事が好きだから、だ。
だったら頑張るしかないだろうと、自分を鼓舞し、シャワールームから出る。と、スマホがチカチカと光っていた。
何だろうと見てみると、優から──大丈夫か?と──ラインがきていた。何が大丈夫なんだろうと思いつつ、大丈夫だよと、メッセージを送る。すぐに既読が付き、電話がかかってきた。
「もしもし?」
『おう。本当に大丈夫なのか?』
「え?」
スピーカーモードにし、服を着る。
『今日の顔合わせ、秘書の中村からさー、お前が体調不良で早退したから、代わりに出てくれよって言われてさー』
そうだったのか、と納得しつつ、話を合わせる事にした。
「ごめんね、合宿から帰ったばっかりなのに」
『そんなのはいいよ。で、今さー、見舞いに行こうと思って、お前ん家の近くまで来てるんだけど』
「え?あぁ、うん、いいよ。わざわざありがとう。待ってるよ」
そう言って電話を切り、優が家に来るのは何年ぶりだろう、と、考えていた。
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