ホワイト・ルシアン

たける

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第10章.報告

1.

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帰宅して、少し休憩してから、日課の走り込みやジムに行き、汗を流した。昼過ぎに再び帰宅すると、ラインがメッセージを受信した。

『会えた? どうだった?』

連絡しようかどうか迷っていたが、こうして朋樹が気にしてくれているのだから、と、俺は電話をかけた。朋樹はすぐ出てくれて、今大丈夫?と、開口一番に聞いてくれた。

「うん、平気。今家だから」

『オレも練習終わって、家にいるんだ』

暫しの沈黙。俺はありがとう、と、呟いた。

「今回の事はありがとう。朋樹の協力がなかったら、今でもきっと……」

『あはは、いいよ、お礼なんて。それより、今から会えない?』

明るい口調──勿論、表情は分からないけど──に、少し安堵する。
もう朋樹には会えないかもと思っていたから、その申し出は凄く嬉しかった。

「うん。俺も会いたい……」

『じゃあ、何処にする?あ、ねぇ、父さんとは、何処で会ったの?』

「え……?何で?」

後ろめたい事はないのに、何故か胸が緊張に早く鼓動する。

『たんなる興味』

「そうなんだ……えと、T駅前のルトロヴァイユ、ってバーなんだけど」

『行ってみたいんだけど、まだ開いてないよね?』

そう言って、うーんと唸る。それを聞いて、俺はじゃあって、場所を提案した。

「そのバーの近くにある、カフェ・フォレストでどうかな?」

『うん、いいよ。探して行くね』

じゃあ後で、と、通話を終え、俺は慌ててシャワールームに飛び込んだ。




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