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第10章.報告
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帰宅して、少し休憩してから、日課の走り込みやジムに行き、汗を流した。昼過ぎに再び帰宅すると、ラインがメッセージを受信した。
『会えた? どうだった?』
連絡しようかどうか迷っていたが、こうして朋樹が気にしてくれているのだから、と、俺は電話をかけた。朋樹はすぐ出てくれて、今大丈夫?と、開口一番に聞いてくれた。
「うん、平気。今家だから」
『オレも練習終わって、家にいるんだ』
暫しの沈黙。俺はありがとう、と、呟いた。
「今回の事はありがとう。朋樹の協力がなかったら、今でもきっと……」
『あはは、いいよ、お礼なんて。それより、今から会えない?』
明るい口調──勿論、表情は分からないけど──に、少し安堵する。
もう朋樹には会えないかもと思っていたから、その申し出は凄く嬉しかった。
「うん。俺も会いたい……」
『じゃあ、何処にする?あ、ねぇ、父さんとは、何処で会ったの?』
「え……?何で?」
後ろめたい事はないのに、何故か胸が緊張に早く鼓動する。
『たんなる興味』
「そうなんだ……えと、T駅前のルトロヴァイユ、ってバーなんだけど」
『行ってみたいんだけど、まだ開いてないよね?』
そう言って、うーんと唸る。それを聞いて、俺はじゃあって、場所を提案した。
「そのバーの近くにある、カフェ・フォレストでどうかな?」
『うん、いいよ。探して行くね』
じゃあ後で、と、通話を終え、俺は慌ててシャワールームに飛び込んだ。
『会えた? どうだった?』
連絡しようかどうか迷っていたが、こうして朋樹が気にしてくれているのだから、と、俺は電話をかけた。朋樹はすぐ出てくれて、今大丈夫?と、開口一番に聞いてくれた。
「うん、平気。今家だから」
『オレも練習終わって、家にいるんだ』
暫しの沈黙。俺はありがとう、と、呟いた。
「今回の事はありがとう。朋樹の協力がなかったら、今でもきっと……」
『あはは、いいよ、お礼なんて。それより、今から会えない?』
明るい口調──勿論、表情は分からないけど──に、少し安堵する。
もう朋樹には会えないかもと思っていたから、その申し出は凄く嬉しかった。
「うん。俺も会いたい……」
『じゃあ、何処にする?あ、ねぇ、父さんとは、何処で会ったの?』
「え……?何で?」
後ろめたい事はないのに、何故か胸が緊張に早く鼓動する。
『たんなる興味』
「そうなんだ……えと、T駅前のルトロヴァイユ、ってバーなんだけど」
『行ってみたいんだけど、まだ開いてないよね?』
そう言って、うーんと唸る。それを聞いて、俺はじゃあって、場所を提案した。
「そのバーの近くにある、カフェ・フォレストでどうかな?」
『うん、いいよ。探して行くね』
じゃあ後で、と、通話を終え、俺は慌ててシャワールームに飛び込んだ。
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