狂気の涙

たける

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第4章

4─2

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病院へと車を走らせるジェシカの横顔が、夕陽に照らされている。それを見るとはなしに見ていると、ジェシカが笑った。

「何よ、私の顔に何かついてる訳?」
「いや、そうじゃないんだ……事件の事を考えると、どうもね……」

ローレンは事件の真相を仮想してみていた。それはとても虚しいもので、何故こんな事になったのか、想像するしかない。

「今までの証拠では、モーリス家の親子がセルクトラを殺害したと言う事は確実ね」
「うん……そうだね」

モーリス家でセルクトラを招いての夕食会が行われた。そしてオニオンスープを飲まされたセルクトラは、首を掻き毟って死んだ。


──いや、そうじゃない……


ローレンは頭の中で、幾度も推理を組み直した。そして、おおよその検討をつけた。あとは、彼等が自供してくれればいい。

「それで、貴方の見解はどうなの?」

病院の前に車を停めたジェシカは、エンジンを切りながらそう言った。ローレンは暫く考えていたが、自身の推理を彼女に話した。

「計画的だったんだ」

そう締めくくると、2人は病院へと入った。




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