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第3章
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ランチを終えて戻ったローレン達に出動要請があり、2人は通報のあったナシャンテシティ郊外にある1軒家にやって来た。玄関には黄色いテープが張り巡らされ、庭先で雑草は伸び放題だった。かろうじて、昔は手入れされていただろう花壇が埋まっているのが見えた。壁にも蔦が張り巡らされ、小さなヒビがあちこちに入り、赤茶色の煉瓦屋根も雨に打たれて色褪せている。
「随分レトロな趣味ね」
中に入ると異様な臭気が立ち込めていて、ローレンは首を吊る腐った遺体と対面した。
「通報者は隣に住むピタヤ・サマトラで、数日前から変な臭いがすると言ってました。駆け付けた警官によると、呼び鈴を鳴らしても応答はなく、仕方なく扉を蹴破って中に入り、遺体を発見したとの事です。また遺体は、身分証からドナルド・デント48歳で、遺書らしき物はまだ見つかっていません。ですが室内に争った形跡もありませんし、多分自殺だと思われます」
そう14分署の刑事は言った。
まだ天井の梁からぶら下がる遺体は、随分前に命を断ったのだろう。夏の熱で腐った体はあちこちネズミに食われ、骨が見えていた。かろうじて残る頭髪は金色で、免許証の写真と比べるが、顔の肉はもうなかった。だが写真に映る姿は、セルクトラとよく似ていた。
「どうして自殺なんかしたのかしら」
更に奥へ入ると、台所には洗われていない食器が山積みになっていて、食べ残しには無数にカビが生えている。
そう言えばポストに、新聞が大量に突っ込まれていた。それからある程度の死亡時期は探れるだろう。ローレンは鑑識に新聞を持って帰るよう言い、それから遺体を見つめたまま考えた。
──このドナルドと言う男には、セルクトラとの類似点がいくつか見られる。
まず、金髪である事。そして左頬のホクロ。あと、骨の大きさからして、大柄だろうと推測された。また小指の関節については──ネズミが食いちぎっていてなくなっていたが──右小指の傷は食いちぎられたようなものではなかった。
「もしかしたら彼が、誘拐未遂の犯人かも知れない」
そうローレンが言うと、ジェシカは梁から下ろされる遺体を見上げた。
「何か見つけたのね。いいわ、その線で探ってみましょう」
そう言ってからジェシカは家を出た。
「悪いんだけど、彼の検死解剖をパシッシュ検死医に頼んでくれないか?」
そう手近にいた警官に言ってから、ローレンもジェシカの後を追った。
「随分レトロな趣味ね」
中に入ると異様な臭気が立ち込めていて、ローレンは首を吊る腐った遺体と対面した。
「通報者は隣に住むピタヤ・サマトラで、数日前から変な臭いがすると言ってました。駆け付けた警官によると、呼び鈴を鳴らしても応答はなく、仕方なく扉を蹴破って中に入り、遺体を発見したとの事です。また遺体は、身分証からドナルド・デント48歳で、遺書らしき物はまだ見つかっていません。ですが室内に争った形跡もありませんし、多分自殺だと思われます」
そう14分署の刑事は言った。
まだ天井の梁からぶら下がる遺体は、随分前に命を断ったのだろう。夏の熱で腐った体はあちこちネズミに食われ、骨が見えていた。かろうじて残る頭髪は金色で、免許証の写真と比べるが、顔の肉はもうなかった。だが写真に映る姿は、セルクトラとよく似ていた。
「どうして自殺なんかしたのかしら」
更に奥へ入ると、台所には洗われていない食器が山積みになっていて、食べ残しには無数にカビが生えている。
そう言えばポストに、新聞が大量に突っ込まれていた。それからある程度の死亡時期は探れるだろう。ローレンは鑑識に新聞を持って帰るよう言い、それから遺体を見つめたまま考えた。
──このドナルドと言う男には、セルクトラとの類似点がいくつか見られる。
まず、金髪である事。そして左頬のホクロ。あと、骨の大きさからして、大柄だろうと推測された。また小指の関節については──ネズミが食いちぎっていてなくなっていたが──右小指の傷は食いちぎられたようなものではなかった。
「もしかしたら彼が、誘拐未遂の犯人かも知れない」
そうローレンが言うと、ジェシカは梁から下ろされる遺体を見上げた。
「何か見つけたのね。いいわ、その線で探ってみましょう」
そう言ってからジェシカは家を出た。
「悪いんだけど、彼の検死解剖をパシッシュ検死医に頼んでくれないか?」
そう手近にいた警官に言ってから、ローレンもジェシカの後を追った。
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