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第2章
2─2
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2人は最初の通報者ジーン・トラバースの家を訪ねた。婦人の家は、モーリス家の向かいにある。
「どうも、殺人課のローレンとジェシカです。あの、トラバースさん、通報された時の話しをお聞かせ願えませんか?」
警察手帳を仕舞いながら、ローレンは60は過ぎているだろうトラバースに笑みを向けた。
「あらあら、もう来る頃だと思ってたのよ!」
嬉しそうなトラバースに促されて、ローレン達は婦人の家へ招き入れられた。通されたリビングには、骨董品がいくつか飾られている。そしてソファに落ち着き、コーヒーを受け取ると、トラバースは話し出した。
「昨夜21時頃、向かいのモーリスさん家から悲鳴が聞こえたの。私は何かあったんじゃないかって、警察に通報したわ。そしたら、警察の人が10分もしないうちにモーリスさん家を訪ねてたわ。私、そこの窓から様子を窺ってたの」
ローレン達の座ったソファの、ちょうど背中に出窓があった。今はカーテンが開いていて、朝の光が射し込んでいる。
「あぁ、ここからなら、モーリスさん家の玄関が見えますね」
立ち上がって確認するローレンに代わり、今度はジェシカが先を促した。
「そしたら警察は、すぐに引き返して行ったわ。きっと何でもなかったのね。それから私はテレビを見ていたのだけれど、2時間もしたら、今度はパトカーのサイレンが聞こえてね。また覗いたの。そしたら今度は、警察は家の中に入って行ったわ」
言い終えると、トラバースは優雅な所作でコーヒーを飲んだ。
「ずっと見ていた訳ではないんですね?」
ジェシカが念押しすると、トラバースはコクリと頷いた。
食事会は20時に始まった。それから1時間もしてから殺害されたのだ。それはパシッシュの検死報告と一致する。だが、何も目新しい情報はなかった。
「そうそう、刑事さん。3ヶ月前にあった誘拐未遂の犯人、逮捕してくれた?」
「誘拐未遂?」
初めて聞く話だ。ローレンは素早くジェシカの横に戻ると、トラバースから事件のあらましを聞いた。
「早く逮捕してちょうだいね。じゃなきゃ、孫も呼べやしないから」
「どうも、殺人課のローレンとジェシカです。あの、トラバースさん、通報された時の話しをお聞かせ願えませんか?」
警察手帳を仕舞いながら、ローレンは60は過ぎているだろうトラバースに笑みを向けた。
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嬉しそうなトラバースに促されて、ローレン達は婦人の家へ招き入れられた。通されたリビングには、骨董品がいくつか飾られている。そしてソファに落ち着き、コーヒーを受け取ると、トラバースは話し出した。
「昨夜21時頃、向かいのモーリスさん家から悲鳴が聞こえたの。私は何かあったんじゃないかって、警察に通報したわ。そしたら、警察の人が10分もしないうちにモーリスさん家を訪ねてたわ。私、そこの窓から様子を窺ってたの」
ローレン達の座ったソファの、ちょうど背中に出窓があった。今はカーテンが開いていて、朝の光が射し込んでいる。
「あぁ、ここからなら、モーリスさん家の玄関が見えますね」
立ち上がって確認するローレンに代わり、今度はジェシカが先を促した。
「そしたら警察は、すぐに引き返して行ったわ。きっと何でもなかったのね。それから私はテレビを見ていたのだけれど、2時間もしたら、今度はパトカーのサイレンが聞こえてね。また覗いたの。そしたら今度は、警察は家の中に入って行ったわ」
言い終えると、トラバースは優雅な所作でコーヒーを飲んだ。
「ずっと見ていた訳ではないんですね?」
ジェシカが念押しすると、トラバースはコクリと頷いた。
食事会は20時に始まった。それから1時間もしてから殺害されたのだ。それはパシッシュの検死報告と一致する。だが、何も目新しい情報はなかった。
「そうそう、刑事さん。3ヶ月前にあった誘拐未遂の犯人、逮捕してくれた?」
「誘拐未遂?」
初めて聞く話だ。ローレンは素早くジェシカの横に戻ると、トラバースから事件のあらましを聞いた。
「早く逮捕してちょうだいね。じゃなきゃ、孫も呼べやしないから」
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