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第一章
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懐かしい雨だれの音に目を覚まし、カーテンを開けた。窓の外は灰色の雲が立ちこめていて、サラサラと雨を降らせている。
──また頭痛や……
頭痛は雨の日に限って起こる。近頃は雨が降らなかったから忘れていたものの、痛みは昔とちっとも──こめかみがズキズキと痛む──変わらない。小さい頃からずっとだから、もう慣れてもいい筈なのに、歳をとるにつれて痛みも大きくなってきている。今、青山帝 は19で、短大に通っている。今日も学校に行かねばならなくて、朝早くに目覚ましをセットしておいた。それなのに、頭痛の為に目覚ましよりも早く起きてしまい、帝は目覚ましのスイッチを押して枕元に戻した。そして一つ伸びをしてから、寝室を出る。
すっかり身支度をした帝は、そっと家を出て自転車を駅まで走らせた。家族はいなかった。たった1人の家族も、昨日からまだ帰ってこない。時々こういうお泊まりごとがあるのだが、それにも帝は慣れてしまった。
──嫌なことに慣れてもた。
帝は少し寂しくなった。
いつもと変わらない道、駅。何も変わっていないように帝には見えていた。
──また頭痛や……
頭痛は雨の日に限って起こる。近頃は雨が降らなかったから忘れていたものの、痛みは昔とちっとも──こめかみがズキズキと痛む──変わらない。小さい頃からずっとだから、もう慣れてもいい筈なのに、歳をとるにつれて痛みも大きくなってきている。今、青山帝 は19で、短大に通っている。今日も学校に行かねばならなくて、朝早くに目覚ましをセットしておいた。それなのに、頭痛の為に目覚ましよりも早く起きてしまい、帝は目覚ましのスイッチを押して枕元に戻した。そして一つ伸びをしてから、寝室を出る。
すっかり身支度をした帝は、そっと家を出て自転車を駅まで走らせた。家族はいなかった。たった1人の家族も、昨日からまだ帰ってこない。時々こういうお泊まりごとがあるのだが、それにも帝は慣れてしまった。
──嫌なことに慣れてもた。
帝は少し寂しくなった。
いつもと変わらない道、駅。何も変わっていないように帝には見えていた。
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