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昼にもなると、教会をあちこち調べていた警察は退去して行った。
護は教会の扉に『諸事情によりしばらくお休みします』と言う貼り紙をすると、扉に鍵をかけた。
「メフィストフェレス、早速だけど、その魔方陣を描いた奴を捜してくれ」
最初の命令を出したが、ダンディな悪魔は祭壇の上に座って欠伸をした。
「今すぐじゃなくてもいいじゃないか。それよりも、そいつが見つかった時に、どんな罰を与えるつもりなんだ?」
ニヤニヤ笑うメフィストフェレスを睨みながら、護はまだうっすらと残る血痕の上を歩き、祭壇の前に立った。
「今すぐ、取りかかって欲しいから頼んでるんだ。それに罰なんて、それこそ今君に言う必要はないよ」
メフィストフェレスは、靴先も顎髭もクルリとしている。漆黒の髪は丁寧に後ろへ撫で付けていて、洒落た服を着ていた。もし彼の姿が他の人間にも見えたとしたら、きっとどこかの国の俳優か貴族だと思うだろう。だが尖った歯を見たら、そんな想像も吹き飛ぶだろうが。
「こっちにも準備が必要なんでね」
そう言うと、メフィストフェレスは護を足で挟んだ。目は赤く燃えていて、息が荒い。
「それに護、君は指輪を持っていないじゃないか。知ってるだろう?悪魔を従順にしたかったら、ソロモンの指輪が必要だって事ぐらい」
唇を噛んだ。確かにそう記されていたが、指輪は無かった。
「それも無しに素直に従えって言うなら、ご褒美をくれなくちゃ」
「褒美?それは君がちゃんと仕事をしてくれたらあげるよ」
「前払い。魂は24年後にしてやってるんだから、その他のご褒美は前払いでくれよ」
メフィストフェレスは、護がそれ以上言えないのを確認するように笑った。
「……何が欲しい?」
魂以外に、悪魔が何を欲しがるか分からない。血か?それとも24年を半分にとでも言うのだろうか?
「性交させろ。そうしたら、ちゃんと仕事をしてやる。どうだ?悪くないだろう?」
髪を撫でると、メフィストフェレスは護の返事を聞く前に膝上に座らせた。下半身を、固いものが押し上げてくる。
「そ……それは契約の時にしただろう?」
──また悪魔と交われと?
「それはそれ、これはこれ。いいじゃないか。君も気持ちいい思いをするんだから」
そう言い、メフィストフェレスは尻を撫でてきた。いつの間にかズボンは取り払われていて、下着しか履いていない。
「だ、駄目だ!そんな、不浄な事、もう出来ない」
「不浄だって?悪魔喚起はそうじゃないって言うのか?だが、1度汚れたものはもう元に戻らないんだよ」
また下着をずらされた。即座にペニスを挿入され、痛みに体を捩る。メフィストフェレスはがっちりと護を腕に抱き、激しく腰を突き上げてきた。
「はッ、はッ……!」
擦れる度に尻がむず痒く、護は逃げようともがいてみた。だがメフィストフェレスがしっかりと護の尻を掴んでいて、どうにもならない。
「ハァ……ハァ……」
やがて立ち上がったメフィストフェレスは、護の手を祭壇につかせた。そして背後からペニスを挿入し直すと、腰を叩きつけてきた。
「あァッ!あッ、あっあっ!」
この性交には、通常恋人達や夫婦が抱く愛情や慈しみはない。獣のようにペニスを突き挿れ、己の欲望を満たすためだけに行われている。相手は悪魔なのだから、そんなものを求めても無駄だ。優しさすら持ち合わせていないのだから。
「あぁーイく!イくぅ!」
メフィストフェレスはそう言うなり、護の中に不快な温もりを放った。それでもまだ護を解放しようとせず、腰を突き上げてくる。護も射精したが、更なる律動に意思とは反してペニスが持ち上がった。
「も、止め……あっ!うっうっ!止めろ!メフィストフェレス」
拒否を口にすると、扉の向こうから呼びかける声がした。
「酒井さん、警察です。またお話を伺いにきました」
護は教会の扉に『諸事情によりしばらくお休みします』と言う貼り紙をすると、扉に鍵をかけた。
「メフィストフェレス、早速だけど、その魔方陣を描いた奴を捜してくれ」
最初の命令を出したが、ダンディな悪魔は祭壇の上に座って欠伸をした。
「今すぐじゃなくてもいいじゃないか。それよりも、そいつが見つかった時に、どんな罰を与えるつもりなんだ?」
ニヤニヤ笑うメフィストフェレスを睨みながら、護はまだうっすらと残る血痕の上を歩き、祭壇の前に立った。
「今すぐ、取りかかって欲しいから頼んでるんだ。それに罰なんて、それこそ今君に言う必要はないよ」
メフィストフェレスは、靴先も顎髭もクルリとしている。漆黒の髪は丁寧に後ろへ撫で付けていて、洒落た服を着ていた。もし彼の姿が他の人間にも見えたとしたら、きっとどこかの国の俳優か貴族だと思うだろう。だが尖った歯を見たら、そんな想像も吹き飛ぶだろうが。
「こっちにも準備が必要なんでね」
そう言うと、メフィストフェレスは護を足で挟んだ。目は赤く燃えていて、息が荒い。
「それに護、君は指輪を持っていないじゃないか。知ってるだろう?悪魔を従順にしたかったら、ソロモンの指輪が必要だって事ぐらい」
唇を噛んだ。確かにそう記されていたが、指輪は無かった。
「それも無しに素直に従えって言うなら、ご褒美をくれなくちゃ」
「褒美?それは君がちゃんと仕事をしてくれたらあげるよ」
「前払い。魂は24年後にしてやってるんだから、その他のご褒美は前払いでくれよ」
メフィストフェレスは、護がそれ以上言えないのを確認するように笑った。
「……何が欲しい?」
魂以外に、悪魔が何を欲しがるか分からない。血か?それとも24年を半分にとでも言うのだろうか?
「性交させろ。そうしたら、ちゃんと仕事をしてやる。どうだ?悪くないだろう?」
髪を撫でると、メフィストフェレスは護の返事を聞く前に膝上に座らせた。下半身を、固いものが押し上げてくる。
「そ……それは契約の時にしただろう?」
──また悪魔と交われと?
「それはそれ、これはこれ。いいじゃないか。君も気持ちいい思いをするんだから」
そう言い、メフィストフェレスは尻を撫でてきた。いつの間にかズボンは取り払われていて、下着しか履いていない。
「だ、駄目だ!そんな、不浄な事、もう出来ない」
「不浄だって?悪魔喚起はそうじゃないって言うのか?だが、1度汚れたものはもう元に戻らないんだよ」
また下着をずらされた。即座にペニスを挿入され、痛みに体を捩る。メフィストフェレスはがっちりと護を腕に抱き、激しく腰を突き上げてきた。
「はッ、はッ……!」
擦れる度に尻がむず痒く、護は逃げようともがいてみた。だがメフィストフェレスがしっかりと護の尻を掴んでいて、どうにもならない。
「ハァ……ハァ……」
やがて立ち上がったメフィストフェレスは、護の手を祭壇につかせた。そして背後からペニスを挿入し直すと、腰を叩きつけてきた。
「あァッ!あッ、あっあっ!」
この性交には、通常恋人達や夫婦が抱く愛情や慈しみはない。獣のようにペニスを突き挿れ、己の欲望を満たすためだけに行われている。相手は悪魔なのだから、そんなものを求めても無駄だ。優しさすら持ち合わせていないのだから。
「あぁーイく!イくぅ!」
メフィストフェレスはそう言うなり、護の中に不快な温もりを放った。それでもまだ護を解放しようとせず、腰を突き上げてくる。護も射精したが、更なる律動に意思とは反してペニスが持ち上がった。
「も、止め……あっ!うっうっ!止めろ!メフィストフェレス」
拒否を口にすると、扉の向こうから呼びかける声がした。
「酒井さん、警察です。またお話を伺いにきました」
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