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7日目
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購入した本を全て読み終えた頃、三上が──時計を確認したところ、正午を回っていた──訪ねてきた。リビングにいる私を不思議そうに見遣りながらも、早瀬タクミと──実現不可能な──カウントダウンライブの話をしている。私は所在なく、テレビを眺めて──ニュース番組が流れている──いた。
やがて早瀬タクミが伸びをした頃、また時計を見遣ると、5時になろうとしていた。
「じゃあ明日ね」
「迎いに来ましょうか?」
「や、いいよ。アユム君と一緒に車で行くからさ」
また私は何かをしなければならないらしい。うんざりしていると、三上に睨まれた。
「何だ」
私が──何か言いたい事があるなら言えと──促すが、彼女はそっぽを向いて玄関に向かった。それを早瀬タクミが見送りに、リビングから出て行く。
私は新たな本を求め、彼等を玄関で追い抜いた。雪が積もる路地を歩き、ラジオ局に出向いた時に訪れた駅前へと向かう。寒さのせいか──私には感じないが──人通りはまばらだった。商店街の入口に『迎春』と達筆な文字で書かれた垂れ幕が下がり、シャッターの下りたところにも、同じ様なポスターが貼られてある。それらを眺めながら書店に入ると、店員が、いらっしゃいませ、と声をかけてきた。私は軽く会釈し、文庫本の並ぶ棚に向かう。
そう言えば、以前ここで会ったあの仲間──2歳の子供を持つ主婦が担当だと言っていた──は、どうしているだろうと思った。
そろそろ彼女も、担当の死を見届ける期間がくる筈だ。恐らくその担当の近くにはいるのだろう。
明日には、私は早瀬タクミの死を見届けて帰る、と伝えたかったが、だからどうなんだと言う訳でもない。会えないなら会えないで、仕方がない事──夢枕に立つ者とは違い、実際に担当の人間に会うと言うのは、労力のいる仕事なのだ──ではある。
彼女も無事に、担当の死を見届ける事が出来たらいいなと、頭の片隅で思った。
やがて早瀬タクミが伸びをした頃、また時計を見遣ると、5時になろうとしていた。
「じゃあ明日ね」
「迎いに来ましょうか?」
「や、いいよ。アユム君と一緒に車で行くからさ」
また私は何かをしなければならないらしい。うんざりしていると、三上に睨まれた。
「何だ」
私が──何か言いたい事があるなら言えと──促すが、彼女はそっぽを向いて玄関に向かった。それを早瀬タクミが見送りに、リビングから出て行く。
私は新たな本を求め、彼等を玄関で追い抜いた。雪が積もる路地を歩き、ラジオ局に出向いた時に訪れた駅前へと向かう。寒さのせいか──私には感じないが──人通りはまばらだった。商店街の入口に『迎春』と達筆な文字で書かれた垂れ幕が下がり、シャッターの下りたところにも、同じ様なポスターが貼られてある。それらを眺めながら書店に入ると、店員が、いらっしゃいませ、と声をかけてきた。私は軽く会釈し、文庫本の並ぶ棚に向かう。
そう言えば、以前ここで会ったあの仲間──2歳の子供を持つ主婦が担当だと言っていた──は、どうしているだろうと思った。
そろそろ彼女も、担当の死を見届ける期間がくる筈だ。恐らくその担当の近くにはいるのだろう。
明日には、私は早瀬タクミの死を見届けて帰る、と伝えたかったが、だからどうなんだと言う訳でもない。会えないなら会えないで、仕方がない事──夢枕に立つ者とは違い、実際に担当の人間に会うと言うのは、労力のいる仕事なのだ──ではある。
彼女も無事に、担当の死を見届ける事が出来たらいいなと、頭の片隅で思った。
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