死神とミュージシャン

１日目

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私の職業は、死神だ。名前はない。それで不便を強いられる訳でもない。だが、担当した人間がそれで不便を感じる事が多いようで、勝手に名前を付けて呼んだりする。その事に対して不愉快は感じないが、何にでも名前を付けないと気が済まない質には、時折辟易してしまう事がある。
人間と言うものは、我々からしてみれば、たかが記号を重んじる生き物のようだ。

今回私が担当する事になったのは、早瀬はやせタクミと言う２４歳のミュージシャンだ。