Love Monster

たける

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警察署に出勤したハンクは、フィックスの姿がないのを不思議に感じた。いつも彼はハンクより先に来ていた。相棒のブラス刑事はデスクに座っている。

「やぁ、おはようブラス。フィックスはまだなのか?」
「おはよう、スティア。いやぁ……フィックスは警部補に別件を任されたらしくてな。暫くこっちには来ないらしいんだ」

苦々しい顔で答えるブラスは、ハンクとフィックスとの間にあった事を知らない。が、多分、ハンクがフィックスをケリー、と呼ばなくなった事には気付いているだろう。

「別件……?そりゃ、どんな事件なんだ?」

聞いていない。そんなそぶりもなかった。

「さぁな。極秘だからって言われたんだが……」

そう聞いたハンクは、すぐに執務室へと向かった。
ノックをし、返事を聞いてから中に入ると、ジグザ警部補は眼鏡をかけて書類を読んでいるところだった。

「失礼します、警部補」
「なんだ?スティア刑事」

顔を上げ、眼鏡をはずす。

「ケリー刑事に別件を任せられた、と聞きました」

その事か、と言わんばかりの警部補は、半ばうんざりした表情をした。

「それについては話せない。極秘なんだ」
「教えて下さい。他言はしません」

そう食い下がるが、ジグザは険しい顔をした。

「いいか。私が極秘だと言ってるんだ」

威圧的に睨まれるが、それで諦めるハンクではない。

「分かってます。ですが、教えて頂きたいんです」

少しの間睨み合い、様子を伺うが、警部補から情報は得られなかった。
執務室を出たハンクは、こちらを見てくるブラスに首を振って見せると、トイレへと入った。警部補から聞けないのなら、本人に聞けばいい。
携帯からフィックスの番号を選び、発信してから耳に押し当てる。呼び出し音に苛々しながら、早く出ろ、と願った。




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