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先週休暇から戻ったハンク・スティアは、フィックスの相棒から信じ難い話を聞かされた。
サバル警察署に未来から来た宇宙人が来て、フィックスを一時人質にしていた、と言われ、彼はすぐにフィックスのデスクを訪れた。
「ケリー、聞いたぞ。宇宙人と会ったんだって?」
「あぁ……まぁ……そう、なんだが」
上目に見上げるフィックスは、長い睫毛を伏せている。言いたくないのか、口ごもっている姿に、ハンクは何が彼に起こったのかを知りたかった。
「聞かせてくれよ。誰にも言わないって約束するから」
肩を撫でる。また痩せたのではないだろうか。そう感じたハンクは、フィックスをディナーに誘った。
「今夜、ゆっくり話を聞かせてくれ」
「いや、駄目だスティア。それは」
断ろうとするフィックスを睨むと、ハンクは無理矢理ディナーの約束をさせた。
「なら、ディナーだけなら構わないだろう?」
返事を聞かずデスクを離れたハンクは、ひっそりと奥歯を噛み締めた。
──もしフィックスの身に何か起こっていたなら、彼はその宇宙人達を許さない。どんな方法を使ってでも、何代に渡ってでも仕返しをしてやる。
ハンクはフィックスを愛していた。
揺るぎない正義への情熱。分け隔てない愛情。柔和な笑みや長い睫毛。
彼の全てを知っている訳ではなかったが、今知っている全てを愛している。
誰にも渡したくない。
だから彼の相棒の座を、常日頃から狙っていた。あるまじき思いではあるが、現在フィックスの相棒であるブラスが、どうにかなってしまえばいい、とも思っていた。
そんな思いを抱き続け、そして宇宙人との接触。ハンクの我慢は限界だった。
彼をいつものように家へ誘って、酒を飲ませて酔わせたハンクは、普段通りフィックスを介抱してやるふりをして彼をベッドに運んだ。
「ありがとう……スティア……」
重い瞬きをしながら見上げてくるフィックスへ、ハンクは友人として笑みを浮かべた。
「いや、いいんだ。こうして弱っている君を見られるのは、俺の特権さ」
そう言いながら、皺になるからと言ってジャケットを脱がせた。
「なぁケリー……俺と君は友達、かい?」
目を閉じていたフィックスが、そっと睫毛を持ち上げる。
「あぁ、勿論……友達だ、君に何があろうと、ね」
良かった、と唇だけでそう囁くと、ハンクはそのままフィックスへと唇を重ねた。
「んぅ……ん、スティ……ア……?」
まだ酔いの抜け切らないフィックスは、戸惑いの表情を浮かべている。
「俺に何があっても友達でいてくれるんだろう?」
赤毛を撫で、そして白い頬を撫でる。するとフィックスは、ハンクの手を弱々しいまでも掴んできた。
「駄目だ……ハンク、それは駄目だ」
意識をはっきりと取り戻しつつあるフィックスは、ハンクを猫のような目で見据えた。
その強い瞳も好きだ。
「好きだ、フィックス」
また唇を重ねる。と、彼はさっきよりも強い抵抗をみせた。だが、ハンクよりも華奢なフィックスに、覆いかぶさるハンクを押し退けられない。
「だ……んっ……ハッ……スティア……やめ……」
左手で彼の両手を拘束し、首筋を唇で伝い下りる。そして右手でフィックスのシャツのボタンを外すと、ハンクはその中へ手を差し入れた。温かな素肌に、荒い呼吸で上下する胸に触れながら、更に彼を愛おしく思う。
「ずっとこうしたかった……フィックス……好きだ……」
シャツを乱し、唇を胸元へと滑らせると、彼は敏感に反応した。
「あっ……!スティア、止めろ」
足を悶えさせ、身をよじるフィックスを見つめ、ハンクは行為を止める事はしなかった。右手を更に下部へと滑らせ、彼を愛でる。
「宇宙人とは、こんな事はしなかったか?」
そう言うと、フィックスの顔が赤く染まった。まさか、と怒りが湧いた瞬間、彼はそれを力強く否定した。
「そんな事ない……!なかった!」
「へぇ……そうか。宇宙人には、君の良さが分からなかったんだろう。安心したよ」
下着の上から彼へ軽く指を挿入しながら、いたぶるように胸の突起を舐める。
体が熱い。
「ス……ティア……ハッ……あぁ……」
言葉の割にフィックスは感じている。それを分からせてやろうと、ハンクは彼のズボンを脱がせた。
下着が軽く湿っていて、ハンクは更に興奮する。
「俺が嫌いか?」
首を振って否定する。
「なら、いいじゃないか」
また否定する。
「俺達に、恋人はいないんだ。こんな事したって、誰も咎めやしないさ」
下着の裾から手を入れ、直に彼に触れる。ペニスは勃起し、ぬるりとしたものがハンクの指先に絡んだ。
「フィックス、ハンクって呼んでくれよ」
「はっ……あぁっ!ハン……ク……あっ!ハンク、そこは!」
左手の拘束を解き、そのまま彼の尻を撫で、そして蕾へと指を押し付けた。フィックスは酷く慌てたが、ハンクはそのまま指を突き入れた。
本当は指なんかじゃ足りない。もう、早くフィックスの中へ入りたかった。
「ふっ……あったかい……フィックス……久しぶりか?」
中を掻き回してやると、彼はハンクにしがみついた。腕が震えている。
「ば……か……!そんな、聞かない……あぁっ!ハンク、ハンク……!あぁ、そんな……ひぃっ」
指を増やす。
乱雑に掻き回す。
舌で胸を舐める。
自身も勃起している。
我慢はもう、無理だ。
「フィックス、愛してる」
両足を抱え上げ、額につきそうなぐらいフィックスの体を曲げると、彼の蕾がまる見えになった。
「いやだ、ハンク……!」
そのまま、彼はフィックスに入り込んだ。
サバル警察署に未来から来た宇宙人が来て、フィックスを一時人質にしていた、と言われ、彼はすぐにフィックスのデスクを訪れた。
「ケリー、聞いたぞ。宇宙人と会ったんだって?」
「あぁ……まぁ……そう、なんだが」
上目に見上げるフィックスは、長い睫毛を伏せている。言いたくないのか、口ごもっている姿に、ハンクは何が彼に起こったのかを知りたかった。
「聞かせてくれよ。誰にも言わないって約束するから」
肩を撫でる。また痩せたのではないだろうか。そう感じたハンクは、フィックスをディナーに誘った。
「今夜、ゆっくり話を聞かせてくれ」
「いや、駄目だスティア。それは」
断ろうとするフィックスを睨むと、ハンクは無理矢理ディナーの約束をさせた。
「なら、ディナーだけなら構わないだろう?」
返事を聞かずデスクを離れたハンクは、ひっそりと奥歯を噛み締めた。
──もしフィックスの身に何か起こっていたなら、彼はその宇宙人達を許さない。どんな方法を使ってでも、何代に渡ってでも仕返しをしてやる。
ハンクはフィックスを愛していた。
揺るぎない正義への情熱。分け隔てない愛情。柔和な笑みや長い睫毛。
彼の全てを知っている訳ではなかったが、今知っている全てを愛している。
誰にも渡したくない。
だから彼の相棒の座を、常日頃から狙っていた。あるまじき思いではあるが、現在フィックスの相棒であるブラスが、どうにかなってしまえばいい、とも思っていた。
そんな思いを抱き続け、そして宇宙人との接触。ハンクの我慢は限界だった。
彼をいつものように家へ誘って、酒を飲ませて酔わせたハンクは、普段通りフィックスを介抱してやるふりをして彼をベッドに運んだ。
「ありがとう……スティア……」
重い瞬きをしながら見上げてくるフィックスへ、ハンクは友人として笑みを浮かべた。
「いや、いいんだ。こうして弱っている君を見られるのは、俺の特権さ」
そう言いながら、皺になるからと言ってジャケットを脱がせた。
「なぁケリー……俺と君は友達、かい?」
目を閉じていたフィックスが、そっと睫毛を持ち上げる。
「あぁ、勿論……友達だ、君に何があろうと、ね」
良かった、と唇だけでそう囁くと、ハンクはそのままフィックスへと唇を重ねた。
「んぅ……ん、スティ……ア……?」
まだ酔いの抜け切らないフィックスは、戸惑いの表情を浮かべている。
「俺に何があっても友達でいてくれるんだろう?」
赤毛を撫で、そして白い頬を撫でる。するとフィックスは、ハンクの手を弱々しいまでも掴んできた。
「駄目だ……ハンク、それは駄目だ」
意識をはっきりと取り戻しつつあるフィックスは、ハンクを猫のような目で見据えた。
その強い瞳も好きだ。
「好きだ、フィックス」
また唇を重ねる。と、彼はさっきよりも強い抵抗をみせた。だが、ハンクよりも華奢なフィックスに、覆いかぶさるハンクを押し退けられない。
「だ……んっ……ハッ……スティア……やめ……」
左手で彼の両手を拘束し、首筋を唇で伝い下りる。そして右手でフィックスのシャツのボタンを外すと、ハンクはその中へ手を差し入れた。温かな素肌に、荒い呼吸で上下する胸に触れながら、更に彼を愛おしく思う。
「ずっとこうしたかった……フィックス……好きだ……」
シャツを乱し、唇を胸元へと滑らせると、彼は敏感に反応した。
「あっ……!スティア、止めろ」
足を悶えさせ、身をよじるフィックスを見つめ、ハンクは行為を止める事はしなかった。右手を更に下部へと滑らせ、彼を愛でる。
「宇宙人とは、こんな事はしなかったか?」
そう言うと、フィックスの顔が赤く染まった。まさか、と怒りが湧いた瞬間、彼はそれを力強く否定した。
「そんな事ない……!なかった!」
「へぇ……そうか。宇宙人には、君の良さが分からなかったんだろう。安心したよ」
下着の上から彼へ軽く指を挿入しながら、いたぶるように胸の突起を舐める。
体が熱い。
「ス……ティア……ハッ……あぁ……」
言葉の割にフィックスは感じている。それを分からせてやろうと、ハンクは彼のズボンを脱がせた。
下着が軽く湿っていて、ハンクは更に興奮する。
「俺が嫌いか?」
首を振って否定する。
「なら、いいじゃないか」
また否定する。
「俺達に、恋人はいないんだ。こんな事したって、誰も咎めやしないさ」
下着の裾から手を入れ、直に彼に触れる。ペニスは勃起し、ぬるりとしたものがハンクの指先に絡んだ。
「フィックス、ハンクって呼んでくれよ」
「はっ……あぁっ!ハン……ク……あっ!ハンク、そこは!」
左手の拘束を解き、そのまま彼の尻を撫で、そして蕾へと指を押し付けた。フィックスは酷く慌てたが、ハンクはそのまま指を突き入れた。
本当は指なんかじゃ足りない。もう、早くフィックスの中へ入りたかった。
「ふっ……あったかい……フィックス……久しぶりか?」
中を掻き回してやると、彼はハンクにしがみついた。腕が震えている。
「ば……か……!そんな、聞かない……あぁっ!ハンク、ハンク……!あぁ、そんな……ひぃっ」
指を増やす。
乱雑に掻き回す。
舌で胸を舐める。
自身も勃起している。
我慢はもう、無理だ。
「フィックス、愛してる」
両足を抱え上げ、額につきそうなぐらいフィックスの体を曲げると、彼の蕾がまる見えになった。
「いやだ、ハンク……!」
そのまま、彼はフィックスに入り込んだ。
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