2 / 18
序章
※
しおりを挟む
眩しいネオン。騒がしい音楽。同年代の若者達が街のあちこちで戯れている。そんな中、1人なのはマイケルだけだった。
どこにいても1人なんだ。そう内心呟いていると、若者がマイケルに話し掛けてきた。
「よぅ……!辛気臭い顔すんなよブラザー」
馴れ馴れしく肩を抱かれるが、それを拒否出来ない。
「どこ行くんだ?」
明るく話し掛けてくる若者からは、ヤニとアルコールの臭いがする。
「いや……別に」
「何だよ、楽しい事なんかありませんって顔して!女でも抱けば気が晴れるぜ」
そう言われ、顔が熱くなる。
「いいんだ、そんな……」
経験のないマイケルは、その話から目を背けた。すると若者は、ニヤリと悪戯っ子のように笑った。
「俺はビリー。楽しい事なら何だって知ってるぜ」
甘い誘惑。マイケルは彼を見つめた。浅黒い肌と白い歯。癖のある髪が歩く度に揺れている。
「楽しい……事……?」
「あぁ、そうだ。目の前が明るくなるような、な!」
どこにいても1人なんだ。そう内心呟いていると、若者がマイケルに話し掛けてきた。
「よぅ……!辛気臭い顔すんなよブラザー」
馴れ馴れしく肩を抱かれるが、それを拒否出来ない。
「どこ行くんだ?」
明るく話し掛けてくる若者からは、ヤニとアルコールの臭いがする。
「いや……別に」
「何だよ、楽しい事なんかありませんって顔して!女でも抱けば気が晴れるぜ」
そう言われ、顔が熱くなる。
「いいんだ、そんな……」
経験のないマイケルは、その話から目を背けた。すると若者は、ニヤリと悪戯っ子のように笑った。
「俺はビリー。楽しい事なら何だって知ってるぜ」
甘い誘惑。マイケルは彼を見つめた。浅黒い肌と白い歯。癖のある髪が歩く度に揺れている。
「楽しい……事……?」
「あぁ、そうだ。目の前が明るくなるような、な!」
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
白い男1人、人間4人、ギタリスト5人
正君
ミステリー
20人くらいの男と女と人間が出てきます
女性向けってのに設定してるけど偏見無く読んでくれたら嬉しく思う。
小説家になろう、カクヨム、ギャレリアでも投稿しています。
若月骨董店若旦那の事件簿~水晶盤の宵~
七瀬京
ミステリー
秋。若月骨董店に、骨董鑑定の仕事が舞い込んできた。持ち込まれた品を見て、骨董屋の息子である春宵(しゅんゆう)は驚愕する。
依頼人はその依頼の品を『鬼の剥製』だという。
依頼人は高浜祥子。そして持ち主は、高浜祥子の遠縁に当たるという橿原京香(かしはらみやこ)という女だった。
橿原家は、水産業を営みそれなりの財産もあるという家だった。しかし、水産業で繁盛していると言うだけではなく、橿原京香が嫁いできてから、ろくな事がおきた事が無いという事でも、有名な家だった。
そして、春宵は、『鬼の剥製』を一目見たときから、ある事実に気が付いていた。この『鬼の剥製』が、本物の人間を使っているという事実だった………。
秋を舞台にした『鬼の剥製』と一人の女の物語。
マクデブルクの半球
ナコイトオル
ミステリー
ある夜、電話がかかってきた。ただそれだけの、はずだった。
高校時代、自分と折り合いの付かなかった優等生からの唐突な電話。それが全てのはじまりだった。
電話をかけたのとほぼ同時刻、何者かに突き落とされ意識不明となった青年コウと、そんな彼と昔折り合いを付けることが出来なかった、容疑者となった女、ユキ。どうしてこうなったのかを調べていく内に、コウを突き落とした容疑者はどんどんと増えてきてしまう───
「犯人を探そう。出来れば、彼が目を覚ますまでに」
自他共に認める在宅ストーカーを相棒に、誰かのために進む、犯人探し。
没落貴族イーサン・グランチェスターの冒険
水十草
ミステリー
【第7回ホラー・ミステリー小説大賞奨励賞 受賞作】 大学で助手をしていたテオ・ウィルソンは、美貌の侯爵令息イーサン・グランチェスターの家庭教師として雇われることになった。多額の年俸と優雅な生活を期待していたテオだが、グランチェスター家の内情は火の車らしい。それでもテオには、イーサンの家庭教師をする理由があって…。本格英国ミステリー、ここに開幕!
どぶさらいのロジック
ちみあくた
ミステリー
13年前の大地震で放射能に汚染されてしまった或る原子力発電所の第三建屋。
生物には致命的なその場所へ、犬型の多機能ロボットが迫っていく。
公的な大規模調査が行われる数日前、何故か、若きロボット工学の天才・三矢公平が招かれ、深夜の先行調査が行われたのだ。
現場に不慣れな三矢の為、原発古参の従業員・常田充が付き添う事となる。
世代も性格も大きく異なり、いがみ合いながら続く作業の果て、常田は公平が胸に秘める闇とロボットに託された計画を垣間見るのだが……
エブリスタ、小説家になろう、ノベルアップ+、にも投稿しております。
SCHRÖ,DINGER
空色フロンティア
ミステリー
何も変わらぬ友との日常。なんの変哲もないいつも通りの日々。だが、キッカケはほんの些細なことであった。唐突に同じ日に閉じ込められる事になってしまった。そのループを抜け出す為の条件はただ一つ【全員生還する事】。俺は、運命に抗い、あの楽しかった日々を取り戻す為の試練を受ける事になる。
貼りだされた文章
ゆうり
ミステリー
"安田栄一"が取引先へ向かう途中に、庭先に筆で書かれた文字を貼りだす不気味な家があった。
その文字は難解な四字熟語など一応意味のある言葉だったが、
ある日今までとは全く違う謎の文章を貼りだす。
意味不明な行動を繰り返すこの家を訪ねることになった栄一。
少しずつ家の主をことを知っていき、なぜこんな行動をするのかを推理していく。
その理由とは?
そして庭先に貼りだされた文章には一体どういう意味があるのか?
【か】【き】【つ】【ば】【た】
ふるは ゆう
ミステリー
姉の結婚式のために帰郷したアオイは久しぶりに地元の友人たちと顔を合わせた。仲間たちのそれぞれの苦痛と現実に向き合ううちに思いがけない真実が浮かび上がってくる。恋愛ミステリー
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる