10 / 16
3.鳴海ケンイチ
2.
しおりを挟む
そうやって拐った村上ハヤトは、随分と静かなものだった。
俯き、涙に濡れる茶色い瞳を覗いても、焦点はオレに合わない。
──なる程、本物ってわけか……
だからと言って、見逃す訳にはいかない。
ただ、オレから見てもコイツは綺麗な顔をしてやがる。運転手でありオレの右腕の栗山も、同じ感想を言っていた。
「死ぬ前に楽しい事をしてやる」
ガキの柔肌に触れると、ビクリと肩を震わせて体を捻る。その反応は可笑しく、オレは何度もガキに触れた。
「鳴海さん、そのガキ気に入ったんですか?」
「あぁ?そんなんじゃねーよ。ただ、反応が面白いんだ」
止めてと、小さく抵抗しているだけで、強引に行けばこのまま抱けそうな予感がする。オレはガキの顎を掴むと、無理矢理引き上げた。相変わらず焦点の合わない瞳は、遠くを見ている。
「お前、セックスした事ないだろ?」
「え……」
見る間に赤く染まる頬。
今まで数多の女や男を抱いてきたが、その誰とも違う反応。
──面白い……
無理に犯したら、泣き叫ぶだろうか?例えそうなったとしても、誰も助けには来ない。
「死ぬ前に経験させてやるって言ってんだよ……!」
「嫌だ!やだ!」
強引に引っ張ると、セーターが伸びた。漸く抵抗らしい抵抗を見せたが、振り回す腕が空を切っている。
「最初は痛いだろうが、すぐ自分から腰を振るようになるぜ」
「いやぁ!ミノル、助けて!」
バタバタする足から、ズボンを引き下ろす。生っ白い足がやけに艶かしい。
「大人しくしろ!」
つい手が出た。ガキの頬が赤くなり、ぐったりする。
「あーあ、可哀想に」
「ッルセー!お前は黙って運転してろ」
バックミラーに映る部下を睨み、オレは次いでガキを見下ろした。気を失っているのか、諦めたのか、静かだ。
「だからガキは嫌いなんだよ」
ガキの下着を下ろし、下半身を外気に晒す。流れる景色は既に暗く、窓が鏡のようにオレ達を映していた。
俯き、涙に濡れる茶色い瞳を覗いても、焦点はオレに合わない。
──なる程、本物ってわけか……
だからと言って、見逃す訳にはいかない。
ただ、オレから見てもコイツは綺麗な顔をしてやがる。運転手でありオレの右腕の栗山も、同じ感想を言っていた。
「死ぬ前に楽しい事をしてやる」
ガキの柔肌に触れると、ビクリと肩を震わせて体を捻る。その反応は可笑しく、オレは何度もガキに触れた。
「鳴海さん、そのガキ気に入ったんですか?」
「あぁ?そんなんじゃねーよ。ただ、反応が面白いんだ」
止めてと、小さく抵抗しているだけで、強引に行けばこのまま抱けそうな予感がする。オレはガキの顎を掴むと、無理矢理引き上げた。相変わらず焦点の合わない瞳は、遠くを見ている。
「お前、セックスした事ないだろ?」
「え……」
見る間に赤く染まる頬。
今まで数多の女や男を抱いてきたが、その誰とも違う反応。
──面白い……
無理に犯したら、泣き叫ぶだろうか?例えそうなったとしても、誰も助けには来ない。
「死ぬ前に経験させてやるって言ってんだよ……!」
「嫌だ!やだ!」
強引に引っ張ると、セーターが伸びた。漸く抵抗らしい抵抗を見せたが、振り回す腕が空を切っている。
「最初は痛いだろうが、すぐ自分から腰を振るようになるぜ」
「いやぁ!ミノル、助けて!」
バタバタする足から、ズボンを引き下ろす。生っ白い足がやけに艶かしい。
「大人しくしろ!」
つい手が出た。ガキの頬が赤くなり、ぐったりする。
「あーあ、可哀想に」
「ッルセー!お前は黙って運転してろ」
バックミラーに映る部下を睨み、オレは次いでガキを見下ろした。気を失っているのか、諦めたのか、静かだ。
「だからガキは嫌いなんだよ」
ガキの下着を下ろし、下半身を外気に晒す。流れる景色は既に暗く、窓が鏡のようにオレ達を映していた。
1
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
組長と俺の話
性癖詰め込みおばけ
BL
その名の通り、組長と主人公の話
え、主人公のキャラ変が激しい?誤字がある?
( ᵒ̴̶̷᷄꒳ᵒ̴̶̷᷅ )それはホントにごめんなさい
1日1話かけたらいいな〜(他人事)
面白かったら、是非コメントをお願いします!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
素直じゃない人
うりぼう
BL
平社員×会長の孫
社会人同士
年下攻め
ある日突然異動を命じられた昭仁。
異動先は社内でも特に厳しいと言われている会長の孫である千草の補佐。
厳しいだけならまだしも、千草には『男が好き』という噂があり、次の犠牲者の昭仁も好奇の目で見られるようになる。
しかし一緒に働いてみると噂とは違う千草に昭仁は戸惑うばかり。
そんなある日、うっかりあられもない姿を千草に見られてしまった事から二人の関係が始まり……
というMLものです。
えろは少なめ。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
憧れていた天然色
きりか
BL
母という名ばかりの女と、継父に虐げられていた、オメガの僕。ある日、新しい女のもとに継父が出ていき、火災で母を亡くしたところ、憧れの色を纏っていたアルファの同情心を煽り…。
オメガバースですが、活かしきれていなくて申し訳ないです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
Endless Summer Night ~終わらない夏~
樹木緑
BL
ボーイズラブ・オメガバース "愛し合ったあの日々は、終わりのない夏の夜の様だった”
長谷川陽向は “お見合い大学” と呼ばれる大学費用を稼ぐために、
ひと夏の契約でリゾートにやってきた。
最初は反りが合わず、すれ違いが多かったはずなのに、
気が付けば同じように東京から来ていた同じ年の矢野光に恋をしていた。
そして彼は自分の事を “ポンコツのα” と呼んだ。
***前作品とは完全に切り離したお話ですが、
世界が被っていますので、所々に前作品の登場人物の名前が出てきます。***
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
エンシェントリリー
斯波良久@出来損ないΩの猫獣人発売中
BL
短期間で新しい古代魔術をいくつも発表しているオメガがいる。名はリリー。本名ではない。顔も第一性も年齢も本名も全て不明。分かっているのはオメガの保護施設に入っていることと、二年前に突然現れたことだけ。このリリーという名さえも今代のリリーが施設を出れば他のオメガに与えられる。そのため、リリーの中でも特に古代魔法を解き明かす天才である今代のリリーを『エンシェントリリー』と特別な名前で呼ぶようになった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
フローブルー
とぎクロム
BL
——好きだなんて、一生、言えないままだと思ってたから…。
高二の夏。ある出来事をきっかけに、フェロモン発達障害と診断された雨笠 紺(あまがさ こん)は、自分には一生、パートナーも、子供も望めないのだと絶望するも、その後も前向きであろうと、日々を重ね、無事大学を出て、就職を果たす。ところが、そんな新社会人になった紺の前に、高校の同級生、日浦 竜慈(ひうら りゅうじ)が現れ、紺に自分の息子、青磁(せいじ)を預け(押し付け)ていく。——これは、始まり。ひとりと、ひとりの人間が、ゆっくりと、激しく、家族になっていくための…。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
サンタからの贈り物
未瑠
BL
ずっと片思いをしていた冴木光流(さえきひかる)に想いを告げた橘唯人(たちばなゆいと)。でも、彼は出来るビジネスエリートで仕事第一。なかなか会うこともできない日々に、唯人は不安が募る。付き合って初めてのクリスマスも冴木は出張でいない。一人寂しくイブを過ごしていると、玄関チャイムが鳴る。
※別小説のセルフリメイクです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる