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2章
2−35
しおりを挟む 筋張った硬い指の感触とぬくもりに驚いて、私は思わず肩をすくめた。
「急にどうしたの?」
従兄さんを見上げながら問う。
「いや。本当は頭を撫でたかったんだが、人前では撫でるなと以前言われたから」
頭を撫でる代わりに手を握るって……。従兄さんの考えは、私にはよくわからない。
「でも私、手を握られる方が恥ずかしいよ」
「そうなのか?」
「他の人はどうかわからないけど、私は恥ずかしい。人前じゃなくても、恥ずかしいよ」
それ以前に、女の子の手に勝手に触るのはセクハラな気がする。
「そうか」
残念そうに従兄さんの右手が離れていく。大きくて男性らしいその手が離れていった瞬間、未練を感じた。気付いた時には、私は自分から従兄さんの手を掴んでいた。
「どうした?」
従兄さんの声は驚きに満ちている。当然だ。暗に離せと言われたから離した手を掴まれたのだから。
「あっ、え、えっと」
私はとっさに言い訳が思いつかなかった。
「ごめんなさい。気が付いたら掴んでたの」
無意識下での行動。それが心底恥ずかしかった。どうして自分から手を掴んじゃったんだろう。
私は顔をカーッと熱くさせながら、従兄さんの手を離そうとした。だけど従兄さんは、私の左手をぎゅっと握ってきた。
「お前が嫌じゃないのなら、しばらくこのままでいたい」
そう言って、従兄さんが優しげな眼差しを向けてくる。自分から手を掴んでしまった手前、私は反論できなかった。それどころか、嫌じゃないと思っていた。
やっぱり恥ずかしいとは思ったけど、従兄さんと手を繋いでいることに抵抗はなかった。この感覚が意味するものが恋愛感情なのか、家族愛のようなものなのか、今の私には分からないけど。
「別に……嫌じゃないよ」
だからそう返事をして、左手を大きな右手と繋げたままにした。
園内で他の来園者とすれ違う度、私はどきどきした。
手を繋いで歩いている私と従兄さんは、他人から見たらどんな関係に見えているのだろう。やっぱり、年の離れた兄妹? そう思われるのが自然だよね。
「どうかしたのか?」
落ち着きのない私を見かねたのか、従兄さんが訊ねてきた。
「うん。あのね、私たちって、やっぱり他の人から見たら兄妹に見えるのかなって考えてたんだ」
「俺はお前を妹のようだとは思ってないぞ」
そう話す従兄さんの瞳は、私を女として見ているのが明白だった。スケベ。
「従兄さんがじゃなくて、他の人が、だよ」
「他の人間からどう見られているかが気になるのか?」
「従兄さんは気にならないの?」
「ならないな」
答えは即、返ってきた。悩む時間なし。
そもそも人目を気にするような人なら、最初から私にアプローチなんかしないか。中学生の私と将来結婚したいなんて、真面目に言ってくる人だもんね。
従兄さんは続けて言う。
「他人にどう思われようが、何を言われようが、俺はお前が好きだ。俺とお前はいとこ同士で、合法的に結婚できる男と女だ」
男らしい、真っ直ぐな言葉。だけど今、目の前にあるのは色んな種類の食虫植物で、いまいち格好がついていない。
「ふふっ」
口を開けたままのハエトリグザを見ながら思わず笑うと、従兄さんは眉を下げて残念そうな顔をした。
「俺は真面目に言ったんだが」
「ごめんなさい。食虫植物の展示コーナーで格好いいこと言うから、なんだかおかしくて」
「やっぱり女は、シチュエーションとか気にするものなのか?」
「うーん、そうだなあ。もし薔薇園で同じことを言われても、それはそれでクサすぎて笑っちゃうかも」
私の回答に、従兄さんは困った表情を浮かべた。
「なら、いつ言えば正解なんだ」
「さあ?」
そう意地悪く返して、私は笑った。本当は少しどきどきしていたけど、従兄さんに気付かれたくなくて、感情が表に出ないように頑張った。
外出先でも恥ずかしいことを憚りもなく言われるのは、ちょっと困る。
薔薇園の入り口の近くに来た時、二十代後半から三十代前半くらいのラフな格好の女の人が左側から歩いてきた。そして従兄さんを見るなり、驚きに満ちた声を上げた。
「わー、黒沼くんじゃない。こんな所で会うなんてびっくり」
それに対して従兄さんは、「どうも志村さん。日頃、お世話になっております」と丁寧に頭を下げた。
この志村さんって人、会社の人なのかな? 私がそう考えていると、志村さんはわざとらしく渋い顔をした。
「やあねえ、黒沼くん。プライベートでまで真面目すぎ、大げさすぎ! で、今日は何? そちらのお嬢さんとデート?」
志村さんの好奇心に満ちたような視線が私へと向けられる。そのせいで、少し居心地が悪くなった。
しかも従兄さんは、彼女のからかうような発言に対して「はい。そうです」と迷いなく返事をしてしまった。……ええっ!?
「ちょ、ちょっと……!」
私は慌てて、従兄さんの右手を引っ張った。
「ああ。紹介するのが遅れたな。こちらは俺が勤めている会社の先輩のーー」
従兄さんは悠長に志村さんの紹介なんてし始めてしまった。当の志村さんはぽかんとしている。
「そうじゃなくてっ、デートだなんて認めちゃったらーー」
従兄さんが変に思われちゃうじゃない。そう口にするのを遮るように、従兄さんは言った。
「俺とお前が今デートをしてるのは、本当のことだろう」
「馬鹿っ! 従兄さんは世間体をもっと気にしてよ!」
ああもう、なんでしれっとしてるの! 明日から従兄さん、社内で年下好きの変態だと思われちゃうかもしれないのに!
「さっき話した通り、俺は誰にどう思われようが気にしない」
「会社の人のことは気にしてよ!」
「どうしてお前がそんなに必死になるんだ」
「従兄さんが心配だからに決まってるでしょ!」
私が声を上げた次の瞬間、私たちのやり取りを黙って見ていた志村さんが大笑いし始めた。
「あははははは!」
私と従兄さんの視線が、お腹を抱えて笑っている志村さんに集中する。なんで笑ってるの?
「あの……」
「ご、ごめん、ごめん。なるほど。黒沼くんが寄ってくる女子社員たちを相手にしない理由がわかったわ」
「急にどうしたの?」
従兄さんを見上げながら問う。
「いや。本当は頭を撫でたかったんだが、人前では撫でるなと以前言われたから」
頭を撫でる代わりに手を握るって……。従兄さんの考えは、私にはよくわからない。
「でも私、手を握られる方が恥ずかしいよ」
「そうなのか?」
「他の人はどうかわからないけど、私は恥ずかしい。人前じゃなくても、恥ずかしいよ」
それ以前に、女の子の手に勝手に触るのはセクハラな気がする。
「そうか」
残念そうに従兄さんの右手が離れていく。大きくて男性らしいその手が離れていった瞬間、未練を感じた。気付いた時には、私は自分から従兄さんの手を掴んでいた。
「どうした?」
従兄さんの声は驚きに満ちている。当然だ。暗に離せと言われたから離した手を掴まれたのだから。
「あっ、え、えっと」
私はとっさに言い訳が思いつかなかった。
「ごめんなさい。気が付いたら掴んでたの」
無意識下での行動。それが心底恥ずかしかった。どうして自分から手を掴んじゃったんだろう。
私は顔をカーッと熱くさせながら、従兄さんの手を離そうとした。だけど従兄さんは、私の左手をぎゅっと握ってきた。
「お前が嫌じゃないのなら、しばらくこのままでいたい」
そう言って、従兄さんが優しげな眼差しを向けてくる。自分から手を掴んでしまった手前、私は反論できなかった。それどころか、嫌じゃないと思っていた。
やっぱり恥ずかしいとは思ったけど、従兄さんと手を繋いでいることに抵抗はなかった。この感覚が意味するものが恋愛感情なのか、家族愛のようなものなのか、今の私には分からないけど。
「別に……嫌じゃないよ」
だからそう返事をして、左手を大きな右手と繋げたままにした。
園内で他の来園者とすれ違う度、私はどきどきした。
手を繋いで歩いている私と従兄さんは、他人から見たらどんな関係に見えているのだろう。やっぱり、年の離れた兄妹? そう思われるのが自然だよね。
「どうかしたのか?」
落ち着きのない私を見かねたのか、従兄さんが訊ねてきた。
「うん。あのね、私たちって、やっぱり他の人から見たら兄妹に見えるのかなって考えてたんだ」
「俺はお前を妹のようだとは思ってないぞ」
そう話す従兄さんの瞳は、私を女として見ているのが明白だった。スケベ。
「従兄さんがじゃなくて、他の人が、だよ」
「他の人間からどう見られているかが気になるのか?」
「従兄さんは気にならないの?」
「ならないな」
答えは即、返ってきた。悩む時間なし。
そもそも人目を気にするような人なら、最初から私にアプローチなんかしないか。中学生の私と将来結婚したいなんて、真面目に言ってくる人だもんね。
従兄さんは続けて言う。
「他人にどう思われようが、何を言われようが、俺はお前が好きだ。俺とお前はいとこ同士で、合法的に結婚できる男と女だ」
男らしい、真っ直ぐな言葉。だけど今、目の前にあるのは色んな種類の食虫植物で、いまいち格好がついていない。
「ふふっ」
口を開けたままのハエトリグザを見ながら思わず笑うと、従兄さんは眉を下げて残念そうな顔をした。
「俺は真面目に言ったんだが」
「ごめんなさい。食虫植物の展示コーナーで格好いいこと言うから、なんだかおかしくて」
「やっぱり女は、シチュエーションとか気にするものなのか?」
「うーん、そうだなあ。もし薔薇園で同じことを言われても、それはそれでクサすぎて笑っちゃうかも」
私の回答に、従兄さんは困った表情を浮かべた。
「なら、いつ言えば正解なんだ」
「さあ?」
そう意地悪く返して、私は笑った。本当は少しどきどきしていたけど、従兄さんに気付かれたくなくて、感情が表に出ないように頑張った。
外出先でも恥ずかしいことを憚りもなく言われるのは、ちょっと困る。
薔薇園の入り口の近くに来た時、二十代後半から三十代前半くらいのラフな格好の女の人が左側から歩いてきた。そして従兄さんを見るなり、驚きに満ちた声を上げた。
「わー、黒沼くんじゃない。こんな所で会うなんてびっくり」
それに対して従兄さんは、「どうも志村さん。日頃、お世話になっております」と丁寧に頭を下げた。
この志村さんって人、会社の人なのかな? 私がそう考えていると、志村さんはわざとらしく渋い顔をした。
「やあねえ、黒沼くん。プライベートでまで真面目すぎ、大げさすぎ! で、今日は何? そちらのお嬢さんとデート?」
志村さんの好奇心に満ちたような視線が私へと向けられる。そのせいで、少し居心地が悪くなった。
しかも従兄さんは、彼女のからかうような発言に対して「はい。そうです」と迷いなく返事をしてしまった。……ええっ!?
「ちょ、ちょっと……!」
私は慌てて、従兄さんの右手を引っ張った。
「ああ。紹介するのが遅れたな。こちらは俺が勤めている会社の先輩のーー」
従兄さんは悠長に志村さんの紹介なんてし始めてしまった。当の志村さんはぽかんとしている。
「そうじゃなくてっ、デートだなんて認めちゃったらーー」
従兄さんが変に思われちゃうじゃない。そう口にするのを遮るように、従兄さんは言った。
「俺とお前が今デートをしてるのは、本当のことだろう」
「馬鹿っ! 従兄さんは世間体をもっと気にしてよ!」
ああもう、なんでしれっとしてるの! 明日から従兄さん、社内で年下好きの変態だと思われちゃうかもしれないのに!
「さっき話した通り、俺は誰にどう思われようが気にしない」
「会社の人のことは気にしてよ!」
「どうしてお前がそんなに必死になるんだ」
「従兄さんが心配だからに決まってるでしょ!」
私が声を上げた次の瞬間、私たちのやり取りを黙って見ていた志村さんが大笑いし始めた。
「あははははは!」
私と従兄さんの視線が、お腹を抱えて笑っている志村さんに集中する。なんで笑ってるの?
「あの……」
「ご、ごめん、ごめん。なるほど。黒沼くんが寄ってくる女子社員たちを相手にしない理由がわかったわ」
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