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第三章 聖女は守りたいものがあるようです
王都は、氷河に浸食されていくように
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翌朝、シリウスを抱きながら、天音はため息をつく。
泣くつもりなんてなかったのに。心配させちゃったよね……。
昨夜、アルテアは天音の身体をきれいにすると、天音が泣き止んで眠るまで背を撫でてくれた。あやすように背中を撫でる手から戸惑いと心配が伝わってきた。
天音は、昨夜の自分は、かつての自分の母親にそっくりだと思った。情緒不安定で、父親に依存したまま、最後まで現実を受け入れることができなかった哀れな人。あんな無様に、プライド無く愛を乞う女を軽蔑していたというのに……。
「シリウス、母は、ダメな母ですね……」
そう言って自分の頬をぷくぷくとした息子の頬につけると、シリウスは嬉しそうに歯の生えていない口を開き、きゃっきゃと笑う。そうしているだけで、自分が許されたような、醜い自分が浄化されるような気がした。
自分の子がこんなに愛おしいとは思わなかった。子どもはどちらかと言うと苦手な方だったのに。
「アマネ様、神殿より使いが来ています」
使用人がドアをノックし、天音に神官の来訪を伝える。
天音はシリウスを預けると、神官とともに神殿へ向かう。
瘴気に汚染された人がいるからと一緒に来てほしいと言うことだった。最近は瘴気による被害はほとんどなかったので、一体何が起きたのかと緊張して天音は神殿へ向かう。
神殿の病室には数十人がベッドに寝かされており、苦しそうなうめき声が聞こえてくる。手足が欠損するようなひどい重傷患者はいなかったが、それぞれの肌は真っ黒に染まり、瘴気による火傷のような症状が現れていた。
「聖女様、重傷者の応急手当をお願いします。軽症者は私どもが対応できますので」
「分かりました」
神官に頼まれて、特に瘴気による汚染がひどい人々を治療する。身体中が爛れており、痛みで気を失っているものもいた。
「一体どうして……」
天音はあまりにひどい有様に、指先が震える。治療がひと段落した後、神官たちと話をする。
「彼らはオウロスの南東の村に住んでいる人々で、農作業をしていた所、突然瘴気が濃くなったそうです。逃げ遅れた人々が、汚染されてしまいました」
「そうなのですね。あの辺はかなり地形を整えましたよね?」
「そうなのです。あの地域は元々、瘴気が溜まりやすい場所ではありましたが、整地後は定期的に瘴気を浄化しているので、問題はありませんでした。こんな急に瘴気が濃くなるなんて今までありませんでした」
「いくらミドルアースの大気汚染が酷くても、短時間で瘴気の沼ができるなんて……」
病室の引き戸が静かに開くと、一人の神官が入ってくる。
「聖女様、セス神官長がお戻りになりました」
天音は立ち上がると、「容体が急変したり、何かありましたらすぐにお知らせください」と言い残し、病室を出た。
セスの執務室へ行くと、セスと調査に行った神官たちが疲れた様子で座っていた。
「――どう、でしたか?」
天音がおそるおそる話しかける。
「ひどい有様だった。村の三分の一が瘴気の沼に飲み込まれていた。周りの瘴気も濃く、とても浄化しきれない。ひとまず住民を避難させてきたが、村が消滅するのも時間の問題だ」
セスが淡々と話す。
「今から、私も見に行ってもいいでしょうか?」
「日暮れ前までに少し状況を見るくらいならいいが、神聖力で一度に浄化することは無理であるということは先に言っておこう」
「分かりました。周りを見るだけでもいいので、案内をお願いしてもよろしいでしょうか」
「分かった」
「私たちもご一緒します」
セスが立ち上がると、数名の神官も再び現地に行くと名乗り出てくれた。しかしセスはその申し出を断る。
「取り敢えず、魔力を回復させることが優先だ。君たちはここに残ってくれ。これはきっと長期戦になるだろうから」
天音もそんな予感がしていたので、「あの時みたいに、卒倒したりしませんから安心してください」と微笑む。
「聖女様は、すぐに無理をなさるので全然笑えません! 本当に気を付けてくださいね」
「セス様、どうか聖女様を宜しくお願い致します」
心配する神官たちを残し、セスと天音は現場へ向かった。
***
村はこじんまりとした農村で、いつもならば夕食の準備に忙しい時間帯ではあるだろうが、村人全員を避難させたため、今はしんと静まり返っている。
天音は借りた地図を確認しながら、瘴気の沼がある場所へ向かう。セスに聖水晶を一つ渡すと「この力を半分使い切るところまで進みましょう」と言う。
セスは頷くと、天音から聖水晶を受け取る。
しかし、すぐに瘴気の中を進むのが難しいことが分かる。水晶の力は通常、薄い瘴気ならば三十分位は持つのだが、現場に一歩踏み入れた瞬間に三分の一を消耗したのだ。
「聖女様、この中を進むのは難しいと思う。思った以上に濃い瘴気だ」
「……そうですね。凄い勢いで神聖力が減っていっていますものね」
瘴気の中を直進するのは諦めて、瘴気が発生している地域の外側を進む。南の方へ進めば進むほど瘴気が濃くなっている。晩秋の陽は、驚くほど早く地平線へ沈んでいく。田園風景を抜けて、さらに二キロくらい進むと森の中に入る。
「聖女様、いったん戻りましょう。暗くなれば瘴気は闇に紛れて見え辛くなります」
「そうですね。でも、分かりました。どうやら、あそこから瘴気が流れて来ているようです……」
天音が指差した場所は、昼のような明るい光に囲まれている、エレノアが滞在している王城の別邸だった。
「セス様、もう少しだけ行ってみましょう」
セスは心配そうな顔をするが、天音の提案に頷く。
瘴気の薄い場所を慎重に進むと、別邸の裏手にたどり着く。別邸の裏には、エレノアがやってきた時に見たコンテナが何台も置かれており、そこから瘴気が漏れているように見えた。
風に乗って、何か唸り声のようなものが聞えてくる。
しばらく様子を見ているとエレノアの使用人が、大量の袋をカートでコンテナに運んでいる。
もっと近くで見たいと近寄ろうとする天音の肩をセスが掴む。
「ダメだ、これ以上近寄れない。結界が張ってある。侵入者がいればすぐに王女の所の騎士がやってくるだろう」
コンテナの扉が開かれると悪臭と共に瘴気が流れ出し、こちらに漂ってくる。手慣れた様子で使用人は、コンテナの中に袋を入れていく。
「一体、何をしているのかしら……」
「分からんが、いったん、戻ろう」
「はい」
天音とセスは薄闇に紛れて、神殿へ戻ると、王城へアルテアに報告に向かう。
アルテアは、自分に一言もなく現場に行った天音に困った顔をする。笑顔だが、眉間に皺が寄っている。これは、怒っているかもと天音は少し緊張する。
「緊急事態だからって、二人だけで現場を見にいくなんて……。しかもこんな夕方まで、無謀すぎです。二人に何かあったらどうするのですか? 神官長と聖女という自覚はあるのですか」
アルテアは、こつこつと指先でテーブルを苛々とした様子で叩く。
「すまない。私が不注意だった」
「いえ、アルテア、セス様は途中で戻ろうと仰ったのですが、私が引き留めてしまったのです。すみませんでした」
「まあ、何事もなかったら良かったですけど。何かあったらすぐに私に報告をお願いします。ただでさえ、彼女が鬱陶しいというのに」
聞けば今日もエレノアは、なんだかんだとアルテアにまとわりつき、仕事に支障をきたすほどだったと言う。
「セス、国内の各神殿に瘴気の発生に気をつけるように通達を出してください」
「分かった。ただちに対応を進めよう」
「アマネは、絶対にコンテナを自己判断で調べに行かないように。まずは、私がそれとなく探りを入れてみます」
「はい。分かりました」
天音は、アルテアを心配をさせてしまったことに負い目を感じながら、素直に頷く。
後日、アルテアはエレノアに、別邸に設置されているコンテナについて探りを入れたが、「メイオール王国に、ご迷惑をおかけしないように、コンテナに大量の食材や家畜を積んでいるのですよ」と軽く流されてしまった。
見せて欲しいと言うと、「お見苦しいものですので」と断られた。
その日を境に、次第に瘴気は王城や街の方までゆっくりと充満していった。重く流れる氷河のように、ゆっくりとだが確実に瘴気は国土を飲み込んでいく。
一体何が起きているのか理解できないまま、事態は動いていく。
日々神殿に運ばれる患者たちや濃くなる瘴気に対応するために、アマネやセスは奔走した。国王、王妃やアルテアも避難住宅を準備したり、現地調査を指示したり、慌ただしく働いていた。
これまで経験したことがない、未曽有の危機に国中が混乱する中、一件の報告が入った。
ベルーゲンのナルヴィク侯爵邸が、オーガに襲われた、というものだった。
泣くつもりなんてなかったのに。心配させちゃったよね……。
昨夜、アルテアは天音の身体をきれいにすると、天音が泣き止んで眠るまで背を撫でてくれた。あやすように背中を撫でる手から戸惑いと心配が伝わってきた。
天音は、昨夜の自分は、かつての自分の母親にそっくりだと思った。情緒不安定で、父親に依存したまま、最後まで現実を受け入れることができなかった哀れな人。あんな無様に、プライド無く愛を乞う女を軽蔑していたというのに……。
「シリウス、母は、ダメな母ですね……」
そう言って自分の頬をぷくぷくとした息子の頬につけると、シリウスは嬉しそうに歯の生えていない口を開き、きゃっきゃと笑う。そうしているだけで、自分が許されたような、醜い自分が浄化されるような気がした。
自分の子がこんなに愛おしいとは思わなかった。子どもはどちらかと言うと苦手な方だったのに。
「アマネ様、神殿より使いが来ています」
使用人がドアをノックし、天音に神官の来訪を伝える。
天音はシリウスを預けると、神官とともに神殿へ向かう。
瘴気に汚染された人がいるからと一緒に来てほしいと言うことだった。最近は瘴気による被害はほとんどなかったので、一体何が起きたのかと緊張して天音は神殿へ向かう。
神殿の病室には数十人がベッドに寝かされており、苦しそうなうめき声が聞こえてくる。手足が欠損するようなひどい重傷患者はいなかったが、それぞれの肌は真っ黒に染まり、瘴気による火傷のような症状が現れていた。
「聖女様、重傷者の応急手当をお願いします。軽症者は私どもが対応できますので」
「分かりました」
神官に頼まれて、特に瘴気による汚染がひどい人々を治療する。身体中が爛れており、痛みで気を失っているものもいた。
「一体どうして……」
天音はあまりにひどい有様に、指先が震える。治療がひと段落した後、神官たちと話をする。
「彼らはオウロスの南東の村に住んでいる人々で、農作業をしていた所、突然瘴気が濃くなったそうです。逃げ遅れた人々が、汚染されてしまいました」
「そうなのですね。あの辺はかなり地形を整えましたよね?」
「そうなのです。あの地域は元々、瘴気が溜まりやすい場所ではありましたが、整地後は定期的に瘴気を浄化しているので、問題はありませんでした。こんな急に瘴気が濃くなるなんて今までありませんでした」
「いくらミドルアースの大気汚染が酷くても、短時間で瘴気の沼ができるなんて……」
病室の引き戸が静かに開くと、一人の神官が入ってくる。
「聖女様、セス神官長がお戻りになりました」
天音は立ち上がると、「容体が急変したり、何かありましたらすぐにお知らせください」と言い残し、病室を出た。
セスの執務室へ行くと、セスと調査に行った神官たちが疲れた様子で座っていた。
「――どう、でしたか?」
天音がおそるおそる話しかける。
「ひどい有様だった。村の三分の一が瘴気の沼に飲み込まれていた。周りの瘴気も濃く、とても浄化しきれない。ひとまず住民を避難させてきたが、村が消滅するのも時間の問題だ」
セスが淡々と話す。
「今から、私も見に行ってもいいでしょうか?」
「日暮れ前までに少し状況を見るくらいならいいが、神聖力で一度に浄化することは無理であるということは先に言っておこう」
「分かりました。周りを見るだけでもいいので、案内をお願いしてもよろしいでしょうか」
「分かった」
「私たちもご一緒します」
セスが立ち上がると、数名の神官も再び現地に行くと名乗り出てくれた。しかしセスはその申し出を断る。
「取り敢えず、魔力を回復させることが優先だ。君たちはここに残ってくれ。これはきっと長期戦になるだろうから」
天音もそんな予感がしていたので、「あの時みたいに、卒倒したりしませんから安心してください」と微笑む。
「聖女様は、すぐに無理をなさるので全然笑えません! 本当に気を付けてくださいね」
「セス様、どうか聖女様を宜しくお願い致します」
心配する神官たちを残し、セスと天音は現場へ向かった。
***
村はこじんまりとした農村で、いつもならば夕食の準備に忙しい時間帯ではあるだろうが、村人全員を避難させたため、今はしんと静まり返っている。
天音は借りた地図を確認しながら、瘴気の沼がある場所へ向かう。セスに聖水晶を一つ渡すと「この力を半分使い切るところまで進みましょう」と言う。
セスは頷くと、天音から聖水晶を受け取る。
しかし、すぐに瘴気の中を進むのが難しいことが分かる。水晶の力は通常、薄い瘴気ならば三十分位は持つのだが、現場に一歩踏み入れた瞬間に三分の一を消耗したのだ。
「聖女様、この中を進むのは難しいと思う。思った以上に濃い瘴気だ」
「……そうですね。凄い勢いで神聖力が減っていっていますものね」
瘴気の中を直進するのは諦めて、瘴気が発生している地域の外側を進む。南の方へ進めば進むほど瘴気が濃くなっている。晩秋の陽は、驚くほど早く地平線へ沈んでいく。田園風景を抜けて、さらに二キロくらい進むと森の中に入る。
「聖女様、いったん戻りましょう。暗くなれば瘴気は闇に紛れて見え辛くなります」
「そうですね。でも、分かりました。どうやら、あそこから瘴気が流れて来ているようです……」
天音が指差した場所は、昼のような明るい光に囲まれている、エレノアが滞在している王城の別邸だった。
「セス様、もう少しだけ行ってみましょう」
セスは心配そうな顔をするが、天音の提案に頷く。
瘴気の薄い場所を慎重に進むと、別邸の裏手にたどり着く。別邸の裏には、エレノアがやってきた時に見たコンテナが何台も置かれており、そこから瘴気が漏れているように見えた。
風に乗って、何か唸り声のようなものが聞えてくる。
しばらく様子を見ているとエレノアの使用人が、大量の袋をカートでコンテナに運んでいる。
もっと近くで見たいと近寄ろうとする天音の肩をセスが掴む。
「ダメだ、これ以上近寄れない。結界が張ってある。侵入者がいればすぐに王女の所の騎士がやってくるだろう」
コンテナの扉が開かれると悪臭と共に瘴気が流れ出し、こちらに漂ってくる。手慣れた様子で使用人は、コンテナの中に袋を入れていく。
「一体、何をしているのかしら……」
「分からんが、いったん、戻ろう」
「はい」
天音とセスは薄闇に紛れて、神殿へ戻ると、王城へアルテアに報告に向かう。
アルテアは、自分に一言もなく現場に行った天音に困った顔をする。笑顔だが、眉間に皺が寄っている。これは、怒っているかもと天音は少し緊張する。
「緊急事態だからって、二人だけで現場を見にいくなんて……。しかもこんな夕方まで、無謀すぎです。二人に何かあったらどうするのですか? 神官長と聖女という自覚はあるのですか」
アルテアは、こつこつと指先でテーブルを苛々とした様子で叩く。
「すまない。私が不注意だった」
「いえ、アルテア、セス様は途中で戻ろうと仰ったのですが、私が引き留めてしまったのです。すみませんでした」
「まあ、何事もなかったら良かったですけど。何かあったらすぐに私に報告をお願いします。ただでさえ、彼女が鬱陶しいというのに」
聞けば今日もエレノアは、なんだかんだとアルテアにまとわりつき、仕事に支障をきたすほどだったと言う。
「セス、国内の各神殿に瘴気の発生に気をつけるように通達を出してください」
「分かった。ただちに対応を進めよう」
「アマネは、絶対にコンテナを自己判断で調べに行かないように。まずは、私がそれとなく探りを入れてみます」
「はい。分かりました」
天音は、アルテアを心配をさせてしまったことに負い目を感じながら、素直に頷く。
後日、アルテアはエレノアに、別邸に設置されているコンテナについて探りを入れたが、「メイオール王国に、ご迷惑をおかけしないように、コンテナに大量の食材や家畜を積んでいるのですよ」と軽く流されてしまった。
見せて欲しいと言うと、「お見苦しいものですので」と断られた。
その日を境に、次第に瘴気は王城や街の方までゆっくりと充満していった。重く流れる氷河のように、ゆっくりとだが確実に瘴気は国土を飲み込んでいく。
一体何が起きているのか理解できないまま、事態は動いていく。
日々神殿に運ばれる患者たちや濃くなる瘴気に対応するために、アマネやセスは奔走した。国王、王妃やアルテアも避難住宅を準備したり、現地調査を指示したり、慌ただしく働いていた。
これまで経験したことがない、未曽有の危機に国中が混乱する中、一件の報告が入った。
ベルーゲンのナルヴィク侯爵邸が、オーガに襲われた、というものだった。
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