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第二章 聖女は過去とむきあうようです
不機嫌なお姫様
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「わあ、セス様、あれ何ですか?」
天音は興奮した面持ちで、セスに話しかける。
沿岸線に沿って、幾重にも連なるカラフルな木造の建物。三角の屋根は、雪を落としやすいよう急角度で設計されており、小さい窓が沢山ついていた。
その少し後ろには町の中心部まで山が迫っている。山の向こうは隣国のヴィエルガハ領へとつながる、森林地帯が広がっていた。
ここは、メイオール王国第二の都市、北の交易の地ベルーゲンだった。天音は、アルテアと共に一カ月この地に滞在することになっていた。
「あれは、交易のためにやってきた他国の商人たちが、事務所や住宅として使用しているものだ」
「王都と全然雰囲気が違うのですね」
「この地は昔から他国との交易が盛んで、多文化が王国の文化と複雑に融合している。本来、木造の建築はこの寒い国にはそぐわないのだが、潮風や嵐で壊れた時の修理しやすさがここでは重宝されている。また海流のせいで比較的温暖かつ湿度が高い気候なので、木造建築は理にかなっているのだ」
「そうなのですねー」
アルテアは、ヴィエルガハ領主ペルケレ・トールと会合中だ。天音も出席すると言ったのだが、初日に顔合わせをしてくれればいいとのことだったので、その後はセスと街の瘴気を確認するため巡回していた。
気を使わせてしまっているのかなとも思ったが、魔族の方々は合理性を重んじるため、そもそも不要な付き合いはないらしい。
セスもヴィエルガハ領の神官たちとの情報交換のため、毎年この会合に参加しているそうで、アルテアと天音と一緒にこの地を訪れていた。
余計な混乱を避けるために、天音も神官たちと同じ白の祭服にローブを羽織り、街を巡回していた。天音たちが王都でしていた施策は、ここベルーゲンでも実行されており、驚くほどの効果を上げていた。
聖水晶を街の瘴気が溜まりそうな場所に配置しながら、街を歩く。オウロスと違うカラフルで低い建物が多い街並みや、海風、人々の活気がとても心地よく、天音は興味津々に歩き回る。
「神官様!」
わき道に少し入ったところで、黒い上品なスーツを着ている男性から声をかけられる。どこかの家の使用人のようであった。
天音を取り囲むように神官たちが立ち位置を変えた後、セスが「どうした?」と話しかける。
「教会の裏の墓地に瘴気が発生しまして、触れてしまった女性が一人倒れています。どうか助けてください」
天音たちは、慌てて大通りに戻り、教会まで小走りで向かう。
山の長いすそ野の少し上がった場所に教会が建てられており、その周りは一メートルの低い石垣で囲われている。
教会もまた木造であり、王都の石造りのものとは様相が異なっていた。
雪が残る三階建ての木造教会は、歴史の長さを感じさせるこげ茶の壁と、日に焼けたような薄茶のこけら板でできた屋根が特徴的で、街で見るカラフルな木造建築とは違ってどことなくストイックな印象を与える。切り妻屋根の上には、竜を模した木の彫刻が魔除けとして置かれていて、来るものを威嚇しているようにも見える。
天音たちは教会の裏に回ると、墓参りに来ていた何人かの人々が集まっており、倒れた女性を介抱していた。
「私は、瘴気の状態を確認してくる。アマネ様には、女性をお願いしたい」
「はい!」
天音とセスは二手に分かれて、事態に対応する。
「神官様、こちらです」
先ほど助けを求めてきた男性が、倒れている女性の元にかけよる。
メイオール王国では見ない服装の女性で、二十代半ばといった所だろうか。
左足全体が黒ずみ、女性はその痛みに唸っていた。墓参りをしていた時に、瘴気のある場所に気が付かずに足を置いてしまったのであろう。脚が欠損するほどの状態ではなかったので、天音は少しだけほっとした。
天音は、両手を女性の足に向け、神聖力を放つ。
「治癒」
天音の手から放たれた銀の光は、黒く変色した足を包み、強く輝く。
周りの人々は固唾を飲んで治療の様子を見守っている。
光がおさまると、既に左足の黒ずみは消え、元の状態に戻っているようだった。倒れていた女性は、突然消えた痛みに驚きの表情を浮かべる。
「念のため、脚を動かしてみてください」
女性が、おそるおそる脚を動かす。
「ありがとうございます! 脚、動きます。痛みもありません!」
「良かったです。お気を付け下さいね」
天音は、女性を起してあげる。
「聖じ……、アマネ様、お疲れ様でございました」
神官の一人が、天音に駆け寄る。一応お忍びでここに来ているので、聖女様呼びは控えてもらっていた。天音は、頷くと「この女性を病院へ念のため連れて行ってあげてください」と周りの人々に伝える。
すると何だか変な空気が流れる。周りの人たちはそれぞれ目を見合わせて、お互いの出方を見ている。
……何だろう? この感じは? 懐かしいような居心地の悪さを感じる。
ザクザクと凍った雪を踏み締める音が近づいてくる。
「ふうん、脚、治っちゃったんだぁ」
突然、後ろから声が聞こえた。
「……ひ、姫様……」
倒れていた女性が、飛び起き、そのまま額を地面につける。
「こ、この度は、申し訳ございませんでした」
天音が振り向くと、そこには異国の服装をした少女が腕組みをして立っていた。ピンクブロンドの美しい髪が靡いている。翡翠色の瞳はぱっちりと丸く可愛らしいが、その瞳には強い自信と傲慢さが見えた。
メイオール王国の服装と少し違うので、詳しくは分からないがとても上質そうな生地をふんだんに使ったコートと裾から見えるスカートはとても高級そうに見えた。
「お前のせいで、私の靴に泥が跳ねたのよ。お前の脚を一本ダメにしないと私の気が治らないわ」
「どうかご慈悲を。脚を失ってしまったら、明日からどうやって働いていけば……」
涙ながらに訴える。
「それは私の知ったことではないわ」
ピンクブロンドの少女は、女性を忌々しいと言った様子で見下ろしながら、女性の頭を踏みつける。
「ひっ、どうかお許しください。ご慈悲を」
「姫様、たまたま神官様が近くにいらしたのです。後で私が、罰しておきます。ここは本国でないので、どうかお納めください……」
先程、助けを求めに来た男性が姫様と言われた少女に懇願する。天音は一体どうしていいか分からず、事態を見守る。
(どう考えても、私が口出しすれば、状況が悪化するだろう。この少女はきっと他国の王族だ)
アルテアに迷惑をかけてはいけないとじっと存在感を消す。
ピンクブロンドの少女は、周りに集まってきた人々を一瞥すると、吐き捨てるように言う。
「分かったわ。でもあなたも処罰するわ。私の命令に逆らって、神官を呼びに行ったことは分かってるわよ」
「仰せのままに」
「もういいわ。行きましょう」
少女は天音たちを一瞥もせずに、去っていった。
去り際に、助けを求めてきた男性と倒れていた女性は天音たちに対して、申し訳なさそうに深々と頭を下げていった。
少女たちが魔動車で去っていくと、その場の緊張感が一気に緩んだ。
「彼女は一体……?」
「あれは、隣国トウライアムウルのミドルアース領の第九王女エレノア・ミドガーランドだな」
セスが、天音の手を取り、白鳥の文様を確認しながら答える。
「……あ、セス様、いつの間に戻られたのですか」
「少し前に戻ってきたのだが、彼女がいたので身を隠していた。見つかると面倒だ」
「お知り合いなのですか?」
「そうだな。彼女の母はこの国の出身だからな……。この辺りを治めているナルヴィク侯爵は彼女の祖父にあたる」
「じゃあ里帰りか何かで戻って来たのですかね?」
「だといいんだが……」
セスらしくない歯切れの悪い言葉に、天音は王女に対するこれ以上の質問は止めにした。そしてセスもまた、浮かない顔をしたまま、王女については一言も話をしなかった。
教会裏の墓地の瘴気は、とても薄いもので神官三人ですぐに消すことができたらしい。
ちょっとよく分からない場面に遭遇したが、大事にならないで良かったと思おう。
天音たちは街に戻り、引き続き巡回を始めた。
天音は興奮した面持ちで、セスに話しかける。
沿岸線に沿って、幾重にも連なるカラフルな木造の建物。三角の屋根は、雪を落としやすいよう急角度で設計されており、小さい窓が沢山ついていた。
その少し後ろには町の中心部まで山が迫っている。山の向こうは隣国のヴィエルガハ領へとつながる、森林地帯が広がっていた。
ここは、メイオール王国第二の都市、北の交易の地ベルーゲンだった。天音は、アルテアと共に一カ月この地に滞在することになっていた。
「あれは、交易のためにやってきた他国の商人たちが、事務所や住宅として使用しているものだ」
「王都と全然雰囲気が違うのですね」
「この地は昔から他国との交易が盛んで、多文化が王国の文化と複雑に融合している。本来、木造の建築はこの寒い国にはそぐわないのだが、潮風や嵐で壊れた時の修理しやすさがここでは重宝されている。また海流のせいで比較的温暖かつ湿度が高い気候なので、木造建築は理にかなっているのだ」
「そうなのですねー」
アルテアは、ヴィエルガハ領主ペルケレ・トールと会合中だ。天音も出席すると言ったのだが、初日に顔合わせをしてくれればいいとのことだったので、その後はセスと街の瘴気を確認するため巡回していた。
気を使わせてしまっているのかなとも思ったが、魔族の方々は合理性を重んじるため、そもそも不要な付き合いはないらしい。
セスもヴィエルガハ領の神官たちとの情報交換のため、毎年この会合に参加しているそうで、アルテアと天音と一緒にこの地を訪れていた。
余計な混乱を避けるために、天音も神官たちと同じ白の祭服にローブを羽織り、街を巡回していた。天音たちが王都でしていた施策は、ここベルーゲンでも実行されており、驚くほどの効果を上げていた。
聖水晶を街の瘴気が溜まりそうな場所に配置しながら、街を歩く。オウロスと違うカラフルで低い建物が多い街並みや、海風、人々の活気がとても心地よく、天音は興味津々に歩き回る。
「神官様!」
わき道に少し入ったところで、黒い上品なスーツを着ている男性から声をかけられる。どこかの家の使用人のようであった。
天音を取り囲むように神官たちが立ち位置を変えた後、セスが「どうした?」と話しかける。
「教会の裏の墓地に瘴気が発生しまして、触れてしまった女性が一人倒れています。どうか助けてください」
天音たちは、慌てて大通りに戻り、教会まで小走りで向かう。
山の長いすそ野の少し上がった場所に教会が建てられており、その周りは一メートルの低い石垣で囲われている。
教会もまた木造であり、王都の石造りのものとは様相が異なっていた。
雪が残る三階建ての木造教会は、歴史の長さを感じさせるこげ茶の壁と、日に焼けたような薄茶のこけら板でできた屋根が特徴的で、街で見るカラフルな木造建築とは違ってどことなくストイックな印象を与える。切り妻屋根の上には、竜を模した木の彫刻が魔除けとして置かれていて、来るものを威嚇しているようにも見える。
天音たちは教会の裏に回ると、墓参りに来ていた何人かの人々が集まっており、倒れた女性を介抱していた。
「私は、瘴気の状態を確認してくる。アマネ様には、女性をお願いしたい」
「はい!」
天音とセスは二手に分かれて、事態に対応する。
「神官様、こちらです」
先ほど助けを求めてきた男性が、倒れている女性の元にかけよる。
メイオール王国では見ない服装の女性で、二十代半ばといった所だろうか。
左足全体が黒ずみ、女性はその痛みに唸っていた。墓参りをしていた時に、瘴気のある場所に気が付かずに足を置いてしまったのであろう。脚が欠損するほどの状態ではなかったので、天音は少しだけほっとした。
天音は、両手を女性の足に向け、神聖力を放つ。
「治癒」
天音の手から放たれた銀の光は、黒く変色した足を包み、強く輝く。
周りの人々は固唾を飲んで治療の様子を見守っている。
光がおさまると、既に左足の黒ずみは消え、元の状態に戻っているようだった。倒れていた女性は、突然消えた痛みに驚きの表情を浮かべる。
「念のため、脚を動かしてみてください」
女性が、おそるおそる脚を動かす。
「ありがとうございます! 脚、動きます。痛みもありません!」
「良かったです。お気を付け下さいね」
天音は、女性を起してあげる。
「聖じ……、アマネ様、お疲れ様でございました」
神官の一人が、天音に駆け寄る。一応お忍びでここに来ているので、聖女様呼びは控えてもらっていた。天音は、頷くと「この女性を病院へ念のため連れて行ってあげてください」と周りの人々に伝える。
すると何だか変な空気が流れる。周りの人たちはそれぞれ目を見合わせて、お互いの出方を見ている。
……何だろう? この感じは? 懐かしいような居心地の悪さを感じる。
ザクザクと凍った雪を踏み締める音が近づいてくる。
「ふうん、脚、治っちゃったんだぁ」
突然、後ろから声が聞こえた。
「……ひ、姫様……」
倒れていた女性が、飛び起き、そのまま額を地面につける。
「こ、この度は、申し訳ございませんでした」
天音が振り向くと、そこには異国の服装をした少女が腕組みをして立っていた。ピンクブロンドの美しい髪が靡いている。翡翠色の瞳はぱっちりと丸く可愛らしいが、その瞳には強い自信と傲慢さが見えた。
メイオール王国の服装と少し違うので、詳しくは分からないがとても上質そうな生地をふんだんに使ったコートと裾から見えるスカートはとても高級そうに見えた。
「お前のせいで、私の靴に泥が跳ねたのよ。お前の脚を一本ダメにしないと私の気が治らないわ」
「どうかご慈悲を。脚を失ってしまったら、明日からどうやって働いていけば……」
涙ながらに訴える。
「それは私の知ったことではないわ」
ピンクブロンドの少女は、女性を忌々しいと言った様子で見下ろしながら、女性の頭を踏みつける。
「ひっ、どうかお許しください。ご慈悲を」
「姫様、たまたま神官様が近くにいらしたのです。後で私が、罰しておきます。ここは本国でないので、どうかお納めください……」
先程、助けを求めに来た男性が姫様と言われた少女に懇願する。天音は一体どうしていいか分からず、事態を見守る。
(どう考えても、私が口出しすれば、状況が悪化するだろう。この少女はきっと他国の王族だ)
アルテアに迷惑をかけてはいけないとじっと存在感を消す。
ピンクブロンドの少女は、周りに集まってきた人々を一瞥すると、吐き捨てるように言う。
「分かったわ。でもあなたも処罰するわ。私の命令に逆らって、神官を呼びに行ったことは分かってるわよ」
「仰せのままに」
「もういいわ。行きましょう」
少女は天音たちを一瞥もせずに、去っていった。
去り際に、助けを求めてきた男性と倒れていた女性は天音たちに対して、申し訳なさそうに深々と頭を下げていった。
少女たちが魔動車で去っていくと、その場の緊張感が一気に緩んだ。
「彼女は一体……?」
「あれは、隣国トウライアムウルのミドルアース領の第九王女エレノア・ミドガーランドだな」
セスが、天音の手を取り、白鳥の文様を確認しながら答える。
「……あ、セス様、いつの間に戻られたのですか」
「少し前に戻ってきたのだが、彼女がいたので身を隠していた。見つかると面倒だ」
「お知り合いなのですか?」
「そうだな。彼女の母はこの国の出身だからな……。この辺りを治めているナルヴィク侯爵は彼女の祖父にあたる」
「じゃあ里帰りか何かで戻って来たのですかね?」
「だといいんだが……」
セスらしくない歯切れの悪い言葉に、天音は王女に対するこれ以上の質問は止めにした。そしてセスもまた、浮かない顔をしたまま、王女については一言も話をしなかった。
教会裏の墓地の瘴気は、とても薄いもので神官三人ですぐに消すことができたらしい。
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