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第1章『ベサーイの最後』
第6節『移動準備』
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地下都市からの移動に戸惑う市民達。
走り出して行ったタルカは地上への出入口に向かっていた。
扉を開け球体に乗り込み移動する。
その頃、市民達は
『急に移動と言われても、地上に出るのは怖い、地下から行けないのか?』
『また都市を捨てるの?』
『星を移動する?そんな事出来るのか?』
『オキアの衝突を避けてサバルに衝突するとは、どういう事なの?』
『本当にこの下に、そんな場所あるの?』
様々な意見が飛び交った。
無理もない。
市民達は、急に星が衝突する事を告げられ、その後に、せっかく衝突は避けられるのに、別の恒星に向かう事、そして地下深くに移動するという、急に突拍子もない話に混乱していた。
コルル達は、なかなか市民達に納得してもらう事が出来ず困り果てていた。
そこへ、球状の物体が都市に移動して来た。
驚く市民達。
『なんなんだあれは!』
『怖い、何がはじまったの』
『浮いてる』
その球体は市民達の前で止まり、中からタルカが出て来た。
『皆、これに乗り地下の深い場所へ移動します。大きく広がるので全員が乗れます。急いで移動の準備をして下さい』
その光景に市民達は唖然としていたが、タルカの行動に触発され動き始めた。
『言った通りだろう?』
『タルカは守護者なんだよ』
とモセルとコーカクが、球体が気になり集まってる市民達に、にんまり顔で言っていた。
市民達が、移動の準備を始めたのを見てタルカは、両親達に
『他の種も連れて行く』
それを聞いていたワワが
『まさか…ラヤキ族…も?』
と恐る恐るタルカに聞くと『もちろん』と答えた。
ワワ『嘘だよね?本当に?』
と何度もタルカに聞くが答えは同じだった。
するとワワ
『何処にも行かない。都市に残る。皆いってらっしゃい』
と言い出しタルカを困らせてた。
ラヤキはやめて!とゴネるワワを移動の準備に引っ張って行くコルル。
タルカの両親
『こっちは大丈夫だから、あなたは自分の思う事をやりなさい』
と言い準備に向かった。
タルカは球体に乗り地上に出た。
まずは、ラヤキ族から身を隠してくれたツル植物を見つけ球体に乗せた。
他のザンパ種も出来るだけ乗せた。
ただ、限定地の森の植物達は移動が出来なかった。
ベサーイのいる空間に行き、乗せていたザンパ種達を降ろした。
タルカはベサーイに
『限定地の植物達が移動出来ない。どうすれば?』と聞くと
『限定地の植物達は、守護者以外の者が立ち入る事を阻止するのが役目。制限地の外には出られないのです』
何とか出来ないのか?と言うと
『あなたが守護者という役目を果たすのと同じで、限定地の植物達も、それが役目なのです』
悲しむタルカにベサーイが
『悲しむ気持ちはわかります。しかし残された時間も迫っています。あなたのすべき事を果たしなさい』と言った。
タルカは、気を取り直し再び球体に乗り込み、地下都市へ向かった。
地上出入口の上空に来ると、球体を大きく広げ直径を3キロ程に大きくして、入り口付近に球体を下ろした。
そのまま都市に向かい、タルカは市民達に
『みなさん、地上の出入口に球体を用意しています。移動の準備が終えた方から乗って下さい。』
と言うと、準備を終えた市民達は地上出入口に向かい始めた。
タルカも移動の準備を始めた。
地上の出入口から球体に乗り込む市民達。
そのあまりに大きい空間、壁が地面のように歩ける不思議な感覚に驚いていた。
タルカの両親も準備を終え移動に向かう。
コルルとワワも終え、あまり行きたく無さそうなワワをコルルが引っ張って行った。
街は移動に向けた者達で、ごった返していた。
タルカも準備を終えたが、直ぐには向かわずコーカク、モセルと共に、行くのをためらう市民を説得したり、都市に取り残されてる者がいないか見て回った。
他の市民達も協力してくれた。
そうして殆どの市民達は球体に乗り込み、残るはコーカクとモセル、そしてタルカだった。
誰も居なくなり静まり返った街。
その光景を見てコーカクが
『まさかこんな事になるとはな。でも、先が楽しみだ』
と言い出入口に向かう。モセルも
『先に行ってるぞ』
と言いコーカクに続いた。
タルカは、閑散とした街を見ながら、少し前まで地下の世界しか知らなかった事を思い出していた。
そして街に感謝の気持ちを伝え、これからやるべき事に対し気持ちを入れ直して、出入口に向かった。
コーカクとモセルが球体に乗り、最後にタルカが乗った。
あれほど巨大な空間だったのに市民達や運んで来た物質で中は混み合っていた。
タルカが球体の穴を閉じ移動を始めた。
全く揺れない事に驚く者もいたが、殆どの者が動いている事すら気付かなかった。
ログカーロの上に来た。
こんなに大きい球体でも、ログカーロが並んだ穴には余裕を持って降りれた。
ベサーイの場所に球体を移動させ、そこで市民達を降ろした。
乗ってきた球体の空間よりも、更に巨大な空間で、壁一面のザンパ種達と、その中心にいるベサーイを見た市民達は
『なんて美しい場所なのだろう』
『こんな所があるなんて』
『なんと大きいバルターモ』
皆、驚き興奮していた。
全員が降りたのを確認して球体を小さくし、タルカはラヤキ族達を連れて来る為に、発光した銀色の板に触れ、球体だけを再び上空に飛ばした。
発光し浮いている銀色の板に触れてるタルカの側を、市民達が興味津々で集まっていた。
コルルが
『街から持って来た物質の移動や、他にも沢山やる事がある。みんな手伝って』
と言い市民達をタルカから少し遠ざけた。
そしてコルルが
『ラヤキ族を連れて来るにしても、地下で同じ空間に居たら市民達はパニックになる。どうするつもりなの?』
とタルカに聞く
『ラヤキ族には、さっきの空間より球体を大きく広げて、中に居てもらう。星の移動が終えたら球体ごと地上で、戻ってもらう』
とタルカ
『それなら、市民達が球体の中にラヤキ族達が入ってる事を知られないね』
とコルルが言った。
タルカはラヤキ族がいる水中の上で、球体を止めラヤキ族達が出て来るのを待った。
すると水中から勢いよくラヤキ族が飛び出し、球体目掛けて飛んで来た。
球体を大きく広げ、入り口も開けた。
その光景に驚いたラヤキ族は一度水中に戻ってしまった。
ベサーイが
『球体を通して話せますよ』
と教えてくれ、タルカはラヤキ族に、球体の中に入るよう言った。
すると先ほどより多い数のラヤキ族達が、球体目掛け飛んで来る。
タルカは話が通じたと思ったが、ラヤキ族達は球体に体当たりしたり、球体表面を壊そうとしたりしていた。
タルカは必死に話しかけ、説得しようとしたが全く通じなかった。
そして海中から、紫色のゴツゴツとした岩を掴み球体に次々と落とし始めた。
タルカは慌てて球体を小さくして岩を避け続けた。
岩は水面にあたると爆発し水しぶきと同時に水柱がいくつも上がった。
困るタルカの様子に
コルルが
『何が起こってるのか見えないけれど、想像はつく。ラヤキ族は共に来る事を望んで無いのかもしれない。諦めも必要だよ。もう、あまり時間も残されてない』
タルカは少し間をおいて、球体の入り口を閉じ移動させた。
ラヤキ族達は追って来る事なく、水中に戻って行った。
球体をベサーイの近くに戻した。
その遠く離れた場所からワワがラヤキ族が来なかった事に安堵していた。
タルカは、ふと周囲を見渡すと、新しい場所に喜んでいる者、協力して物質を移動させてる者達、壁一面のザンパ種を散策している市民達がそこにはいた。
その様子を見ていたタルカの両親。
タルカの父親が
『全部は救えない。けれど、タルカのおかげでムカークや植物達は救えたんだよ』
母親も
『本当に、良くやったね』
タルカ
『そうだよね。これで良かったんだよね』
するとベサーイ
『まだ終わってません。星の移動はこれからです。タルカ、準備は良いですか?』
いよいよ星の移動である。
走り出して行ったタルカは地上への出入口に向かっていた。
扉を開け球体に乗り込み移動する。
その頃、市民達は
『急に移動と言われても、地上に出るのは怖い、地下から行けないのか?』
『また都市を捨てるの?』
『星を移動する?そんな事出来るのか?』
『オキアの衝突を避けてサバルに衝突するとは、どういう事なの?』
『本当にこの下に、そんな場所あるの?』
様々な意見が飛び交った。
無理もない。
市民達は、急に星が衝突する事を告げられ、その後に、せっかく衝突は避けられるのに、別の恒星に向かう事、そして地下深くに移動するという、急に突拍子もない話に混乱していた。
コルル達は、なかなか市民達に納得してもらう事が出来ず困り果てていた。
そこへ、球状の物体が都市に移動して来た。
驚く市民達。
『なんなんだあれは!』
『怖い、何がはじまったの』
『浮いてる』
その球体は市民達の前で止まり、中からタルカが出て来た。
『皆、これに乗り地下の深い場所へ移動します。大きく広がるので全員が乗れます。急いで移動の準備をして下さい』
その光景に市民達は唖然としていたが、タルカの行動に触発され動き始めた。
『言った通りだろう?』
『タルカは守護者なんだよ』
とモセルとコーカクが、球体が気になり集まってる市民達に、にんまり顔で言っていた。
市民達が、移動の準備を始めたのを見てタルカは、両親達に
『他の種も連れて行く』
それを聞いていたワワが
『まさか…ラヤキ族…も?』
と恐る恐るタルカに聞くと『もちろん』と答えた。
ワワ『嘘だよね?本当に?』
と何度もタルカに聞くが答えは同じだった。
するとワワ
『何処にも行かない。都市に残る。皆いってらっしゃい』
と言い出しタルカを困らせてた。
ラヤキはやめて!とゴネるワワを移動の準備に引っ張って行くコルル。
タルカの両親
『こっちは大丈夫だから、あなたは自分の思う事をやりなさい』
と言い準備に向かった。
タルカは球体に乗り地上に出た。
まずは、ラヤキ族から身を隠してくれたツル植物を見つけ球体に乗せた。
他のザンパ種も出来るだけ乗せた。
ただ、限定地の森の植物達は移動が出来なかった。
ベサーイのいる空間に行き、乗せていたザンパ種達を降ろした。
タルカはベサーイに
『限定地の植物達が移動出来ない。どうすれば?』と聞くと
『限定地の植物達は、守護者以外の者が立ち入る事を阻止するのが役目。制限地の外には出られないのです』
何とか出来ないのか?と言うと
『あなたが守護者という役目を果たすのと同じで、限定地の植物達も、それが役目なのです』
悲しむタルカにベサーイが
『悲しむ気持ちはわかります。しかし残された時間も迫っています。あなたのすべき事を果たしなさい』と言った。
タルカは、気を取り直し再び球体に乗り込み、地下都市へ向かった。
地上出入口の上空に来ると、球体を大きく広げ直径を3キロ程に大きくして、入り口付近に球体を下ろした。
そのまま都市に向かい、タルカは市民達に
『みなさん、地上の出入口に球体を用意しています。移動の準備が終えた方から乗って下さい。』
と言うと、準備を終えた市民達は地上出入口に向かい始めた。
タルカも移動の準備を始めた。
地上の出入口から球体に乗り込む市民達。
そのあまりに大きい空間、壁が地面のように歩ける不思議な感覚に驚いていた。
タルカの両親も準備を終え移動に向かう。
コルルとワワも終え、あまり行きたく無さそうなワワをコルルが引っ張って行った。
街は移動に向けた者達で、ごった返していた。
タルカも準備を終えたが、直ぐには向かわずコーカク、モセルと共に、行くのをためらう市民を説得したり、都市に取り残されてる者がいないか見て回った。
他の市民達も協力してくれた。
そうして殆どの市民達は球体に乗り込み、残るはコーカクとモセル、そしてタルカだった。
誰も居なくなり静まり返った街。
その光景を見てコーカクが
『まさかこんな事になるとはな。でも、先が楽しみだ』
と言い出入口に向かう。モセルも
『先に行ってるぞ』
と言いコーカクに続いた。
タルカは、閑散とした街を見ながら、少し前まで地下の世界しか知らなかった事を思い出していた。
そして街に感謝の気持ちを伝え、これからやるべき事に対し気持ちを入れ直して、出入口に向かった。
コーカクとモセルが球体に乗り、最後にタルカが乗った。
あれほど巨大な空間だったのに市民達や運んで来た物質で中は混み合っていた。
タルカが球体の穴を閉じ移動を始めた。
全く揺れない事に驚く者もいたが、殆どの者が動いている事すら気付かなかった。
ログカーロの上に来た。
こんなに大きい球体でも、ログカーロが並んだ穴には余裕を持って降りれた。
ベサーイの場所に球体を移動させ、そこで市民達を降ろした。
乗ってきた球体の空間よりも、更に巨大な空間で、壁一面のザンパ種達と、その中心にいるベサーイを見た市民達は
『なんて美しい場所なのだろう』
『こんな所があるなんて』
『なんと大きいバルターモ』
皆、驚き興奮していた。
全員が降りたのを確認して球体を小さくし、タルカはラヤキ族達を連れて来る為に、発光した銀色の板に触れ、球体だけを再び上空に飛ばした。
発光し浮いている銀色の板に触れてるタルカの側を、市民達が興味津々で集まっていた。
コルルが
『街から持って来た物質の移動や、他にも沢山やる事がある。みんな手伝って』
と言い市民達をタルカから少し遠ざけた。
そしてコルルが
『ラヤキ族を連れて来るにしても、地下で同じ空間に居たら市民達はパニックになる。どうするつもりなの?』
とタルカに聞く
『ラヤキ族には、さっきの空間より球体を大きく広げて、中に居てもらう。星の移動が終えたら球体ごと地上で、戻ってもらう』
とタルカ
『それなら、市民達が球体の中にラヤキ族達が入ってる事を知られないね』
とコルルが言った。
タルカはラヤキ族がいる水中の上で、球体を止めラヤキ族達が出て来るのを待った。
すると水中から勢いよくラヤキ族が飛び出し、球体目掛けて飛んで来た。
球体を大きく広げ、入り口も開けた。
その光景に驚いたラヤキ族は一度水中に戻ってしまった。
ベサーイが
『球体を通して話せますよ』
と教えてくれ、タルカはラヤキ族に、球体の中に入るよう言った。
すると先ほどより多い数のラヤキ族達が、球体目掛け飛んで来る。
タルカは話が通じたと思ったが、ラヤキ族達は球体に体当たりしたり、球体表面を壊そうとしたりしていた。
タルカは必死に話しかけ、説得しようとしたが全く通じなかった。
そして海中から、紫色のゴツゴツとした岩を掴み球体に次々と落とし始めた。
タルカは慌てて球体を小さくして岩を避け続けた。
岩は水面にあたると爆発し水しぶきと同時に水柱がいくつも上がった。
困るタルカの様子に
コルルが
『何が起こってるのか見えないけれど、想像はつく。ラヤキ族は共に来る事を望んで無いのかもしれない。諦めも必要だよ。もう、あまり時間も残されてない』
タルカは少し間をおいて、球体の入り口を閉じ移動させた。
ラヤキ族達は追って来る事なく、水中に戻って行った。
球体をベサーイの近くに戻した。
その遠く離れた場所からワワがラヤキ族が来なかった事に安堵していた。
タルカは、ふと周囲を見渡すと、新しい場所に喜んでいる者、協力して物質を移動させてる者達、壁一面のザンパ種を散策している市民達がそこにはいた。
その様子を見ていたタルカの両親。
タルカの父親が
『全部は救えない。けれど、タルカのおかげでムカークや植物達は救えたんだよ』
母親も
『本当に、良くやったね』
タルカ
『そうだよね。これで良かったんだよね』
するとベサーイ
『まだ終わってません。星の移動はこれからです。タルカ、準備は良いですか?』
いよいよ星の移動である。
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