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第一幕 第一章 家にいる気はありません
023 今は許さない
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2018. 10. 13
**********
ターザの用意した馬車に乗ってギルドの前に着く頃、薬を渡しに行っていたダルも到着した。
「舌噛まんようにとか、一応注意しておいたが……マジで生えんのか……?」
「試した猫の足は生えたよ」
「うわぁ……見たいような見たくないような……」
以前、何らかの事故で切断されて傷口が潰れてしまっていた猫に試したのだ。麻酔は神経が出来る時に支障を来すために使ってはならないと文献にあったため、一時間ほど音が漏れないようにして見守った。
悲痛な鳴き声と、暴れまわる様子に、顔をしかめてもがく猫を必死で押さえつけるように抱きしめた。足が治り、落ち着いた時には、カトラも引っ掻き傷や噛み付いた後でボロボロになっていたのを覚えている。
それから、改良をと何度か調整し、実験もしたのだが、そうそう何匹も欠損のある動物がいるはずもなく、一時は自分の指を切って試したこともある。
「あの痛みをどうにかしたいんだけどね……なんとか呻く程度には抑えられたと思うんだよ。 けど、そうすると時間が長くなるんだ」
「へぇ……ってか、感じる痛みの度合いとかは人それぞれだろ? どういうやつで試したんだ? ってか、人で試してねぇって言ってたろ」
人体実験は今回が初だと先程言ったのをしっかりと覚えていたらしい。
「うん。だから自分でだけど……あっ……」
しまったと思った時にはポロッと口から溢れていた。
「……カーラ……何をしたって?」
「……っ」
馬車を収納していたターザがいつの間にか目の前に立っていた。口元は笑みの形を作っているが、目元が全く笑っていない。寧ろ突き刺すほどの冷たい視線が降り注ぐ。
「っ……だ、だって……っ」
「だってじゃないよね?」
ゆっくりと背を屈めて降りてきた口元がカトラの耳に寄せられる。そして、静かに吐息に近い音でそれが囁かれた。
「ねぇ……監禁されたいの?」
「い、いやっ」
マジだ。恐怖で涙が滲み出てくるのを自覚した。
「ごめんなさいっ、もうしません!」
「本当に? ちょっと信用できなくなってきたんだけど」
こっちは既に信用していないのだがと心の中で独白する。
「ほ、本当です……」
「う~ん……まぁいいか。どうせ、これからはずっと一緒にいるつもりだし」
「え……?」
顔を上げて、何度か何かに納得するように頷くと、ギルドの入り口へ向かって行った。
ずっと知らず息を詰めていたらしく、ターザが離れると自然と深い呼吸を繰り返す。そして、そんなカトラの肩をダルが同情するように二回叩いた。
「まぁ、アレだ……ガンバレ」
「応援より救援を求める……」
「ムリ」
師匠にも見放された。
因みにナワちゃんは我観せずと、馬車から降りた時点でカトラのカバンの中に納まっていた。
◆◆◆◆◆
ギルドに入り、案内されたのは広い会議室だった。そこで、数人のギルド職員が土下座していた。ここでもかと少し意識が遠のいた。
「……」
「今回のこと、誠に申し訳ございませんでした! 冒険者ギルドを代表し、お詫びいたします!!」
中央の初老の男が顔を一切上げる事なく告げる。ダルに目を向けると、口の動きと手振りだけでここのギルドマスターだと教えてくれた。
王都のギルドマスターということは、この国の冒険者ギルドの統括だ。
「問題を起こしました者につきましては、解雇処分の後、三ヶ月の自宅謹慎、以降の国内外への移動制限、及び半永久的な監視対象となります」
そこでプルプルと部屋の端の方で震えている女性に気付く。顔は見えないが、雰囲気的にあの受付嬢だろうと分かった。両側には厳ついひと組の男女。逃がさないとでもいうようにかなりぴったりとくっ付いている。
その緊張感から予想するに、彼女は逃走を図ったのだろう。
「それって、もう決定なの?」
「はい。所属していた支部のギルドマスターより注意を受けても反省の色が見えませんでしたので、先ほどの罰則を与えると決定いたしました」
これに満足そうにターザが頷いている。
「何より、現状、外に出すべきでもないと思いますので……」
「現状?」
その人に目を向けると、震えながらもブツブツと何かをひたすら呟き続けていた。その震える様子を見て顔をしかめる。
これは恐怖や、罰則を聞いて絶望から震えているのではない。
「……笑ってる? 泣いてる?」
「あ、い、いえ……っ」
男性が否定しようとしても、壊れたように笑っている様子は確認できてしまった。
そして思い出す。ターザが言っていたはずだ。『仕上がっている』と。これのことだと直感が告げていた。
「ターザ……」
「うん? ちょっと仕置をしただけだよ。ほら、カーラおいで。謝ってもらわないと」
「で、でも……」
こんな人に近付きたくないと思うのはおかしくないだろう。ひたすら関わりたくない人種だ。
けれど、背中を押されて彼女の前に立つと、彼女はピタリと笑いを止め、ゆるゆると顔を上げた。
そして、ビクっと体を大きく震わせて、カトラと後ろにいるターザを見比べると、怯える目で顔を歪ませながらもはっきりと口が動いた。こちらを認識してはいるようだ。
「申し訳っ……ございませんでした……っ」
「……うん……」
「卑小の身で……あなた様に楯突こうなどと……二度といたしません……考えません……ど、どうかお許しをっ……っ」
「……」
一発殴り飛ばしてやろうと思っていたのだが、そんなことが出来る様子ではなかった。
だんだんと虚ろになっていく目を見て、ターザを振り返る。
満足そうに頷くターザに、さすがのカトラも苦言を口にする。
「やり過ぎだよ。壊れかけてるじゃない……」
「仕方ないよ。全く自分の非を認めなかったんだから」
ずっと『私は悪くない』だとか『ギルドが悪い』とかカトラが『悪いことをしているはずだ』とか言っていたらしい。
部屋に監禁されていても、反省どころか納得できないと言い続けていたのだ。
しかし、それでもこれはやり過ぎだ。何より、何の解決にもなっていない。
「これだと、謝ってるんじゃなくて、この状態から解放して欲しいっていうことなんじゃない?」
これを聞いてターザは目を見開き、受付嬢に詰め寄った。
「……何それ……お前、反省してないの……?」
「ひっ!」
「ターザ、もういいから」
「ダメだよ。カーラが納得して終わらせて良い問題じゃない」
そうしてターザはあろうことか女の胸倉を掴み上げようとした。
「待って、ターザ!」
慌ててその腕に縋り付く。服は掴まれたまま外れなかったが、絞まりきる前で止まっていた。ターザはカトラへ視線を送る。このまま許すことは許さない。そうその目は語っていた。もちろん、カトラもこのままで良いとは思っていない。
「この人はこれから処罰を受けるんでしょ? なら、ちゃんと自分で反省するまで待つよ。今は許さない。それではダメ?」
「……」
いずれ、きちんと反省したなら許す。それまでは許さない。だから今は答えを求めないからと。
「反省できるかどうかは、その人の品性の問題。それが乏しい人は荒れていく。周りはそれを知って離れていくし、孤立するしかなくなる。この人にとってもこの先、良いことなんてないよ」
それで反省するならば良し、できないならば一生、許されることなくたった一人で生きていくことになるだろう。
天罰とかを信じてはいないけれど、人の世界はそういう所がはっきりしている。
反省ができないということは、誰かを傷付けても分からないということ。けれど、周りはそんな人を見てどう思うだろうか。
「今回のことで、彼女は誰からも信頼されなくなる。この世界では人の自己防衛能力が強い。傷付けられる可能性のある人物との接触は断とうとするのが普通だよ。だからこの人はこの先ずっと一人になる。そうするといつか……周りは、この人は傷付けても構わない人なんだって認識を変えるんだよ……」
「っ……」
受付嬢が息をのむのが分かった。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
次回、火曜16日です。
よろしくお願いします◎
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ターザの用意した馬車に乗ってギルドの前に着く頃、薬を渡しに行っていたダルも到着した。
「舌噛まんようにとか、一応注意しておいたが……マジで生えんのか……?」
「試した猫の足は生えたよ」
「うわぁ……見たいような見たくないような……」
以前、何らかの事故で切断されて傷口が潰れてしまっていた猫に試したのだ。麻酔は神経が出来る時に支障を来すために使ってはならないと文献にあったため、一時間ほど音が漏れないようにして見守った。
悲痛な鳴き声と、暴れまわる様子に、顔をしかめてもがく猫を必死で押さえつけるように抱きしめた。足が治り、落ち着いた時には、カトラも引っ掻き傷や噛み付いた後でボロボロになっていたのを覚えている。
それから、改良をと何度か調整し、実験もしたのだが、そうそう何匹も欠損のある動物がいるはずもなく、一時は自分の指を切って試したこともある。
「あの痛みをどうにかしたいんだけどね……なんとか呻く程度には抑えられたと思うんだよ。 けど、そうすると時間が長くなるんだ」
「へぇ……ってか、感じる痛みの度合いとかは人それぞれだろ? どういうやつで試したんだ? ってか、人で試してねぇって言ってたろ」
人体実験は今回が初だと先程言ったのをしっかりと覚えていたらしい。
「うん。だから自分でだけど……あっ……」
しまったと思った時にはポロッと口から溢れていた。
「……カーラ……何をしたって?」
「……っ」
馬車を収納していたターザがいつの間にか目の前に立っていた。口元は笑みの形を作っているが、目元が全く笑っていない。寧ろ突き刺すほどの冷たい視線が降り注ぐ。
「っ……だ、だって……っ」
「だってじゃないよね?」
ゆっくりと背を屈めて降りてきた口元がカトラの耳に寄せられる。そして、静かに吐息に近い音でそれが囁かれた。
「ねぇ……監禁されたいの?」
「い、いやっ」
マジだ。恐怖で涙が滲み出てくるのを自覚した。
「ごめんなさいっ、もうしません!」
「本当に? ちょっと信用できなくなってきたんだけど」
こっちは既に信用していないのだがと心の中で独白する。
「ほ、本当です……」
「う~ん……まぁいいか。どうせ、これからはずっと一緒にいるつもりだし」
「え……?」
顔を上げて、何度か何かに納得するように頷くと、ギルドの入り口へ向かって行った。
ずっと知らず息を詰めていたらしく、ターザが離れると自然と深い呼吸を繰り返す。そして、そんなカトラの肩をダルが同情するように二回叩いた。
「まぁ、アレだ……ガンバレ」
「応援より救援を求める……」
「ムリ」
師匠にも見放された。
因みにナワちゃんは我観せずと、馬車から降りた時点でカトラのカバンの中に納まっていた。
◆◆◆◆◆
ギルドに入り、案内されたのは広い会議室だった。そこで、数人のギルド職員が土下座していた。ここでもかと少し意識が遠のいた。
「……」
「今回のこと、誠に申し訳ございませんでした! 冒険者ギルドを代表し、お詫びいたします!!」
中央の初老の男が顔を一切上げる事なく告げる。ダルに目を向けると、口の動きと手振りだけでここのギルドマスターだと教えてくれた。
王都のギルドマスターということは、この国の冒険者ギルドの統括だ。
「問題を起こしました者につきましては、解雇処分の後、三ヶ月の自宅謹慎、以降の国内外への移動制限、及び半永久的な監視対象となります」
そこでプルプルと部屋の端の方で震えている女性に気付く。顔は見えないが、雰囲気的にあの受付嬢だろうと分かった。両側には厳ついひと組の男女。逃がさないとでもいうようにかなりぴったりとくっ付いている。
その緊張感から予想するに、彼女は逃走を図ったのだろう。
「それって、もう決定なの?」
「はい。所属していた支部のギルドマスターより注意を受けても反省の色が見えませんでしたので、先ほどの罰則を与えると決定いたしました」
これに満足そうにターザが頷いている。
「何より、現状、外に出すべきでもないと思いますので……」
「現状?」
その人に目を向けると、震えながらもブツブツと何かをひたすら呟き続けていた。その震える様子を見て顔をしかめる。
これは恐怖や、罰則を聞いて絶望から震えているのではない。
「……笑ってる? 泣いてる?」
「あ、い、いえ……っ」
男性が否定しようとしても、壊れたように笑っている様子は確認できてしまった。
そして思い出す。ターザが言っていたはずだ。『仕上がっている』と。これのことだと直感が告げていた。
「ターザ……」
「うん? ちょっと仕置をしただけだよ。ほら、カーラおいで。謝ってもらわないと」
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けれど、背中を押されて彼女の前に立つと、彼女はピタリと笑いを止め、ゆるゆると顔を上げた。
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「……うん……」
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満足そうに頷くターザに、さすがのカトラも苦言を口にする。
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「ひっ!」
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「ダメだよ。カーラが納得して終わらせて良い問題じゃない」
そうしてターザはあろうことか女の胸倉を掴み上げようとした。
「待って、ターザ!」
慌ててその腕に縋り付く。服は掴まれたまま外れなかったが、絞まりきる前で止まっていた。ターザはカトラへ視線を送る。このまま許すことは許さない。そうその目は語っていた。もちろん、カトラもこのままで良いとは思っていない。
「この人はこれから処罰を受けるんでしょ? なら、ちゃんと自分で反省するまで待つよ。今は許さない。それではダメ?」
「……」
いずれ、きちんと反省したなら許す。それまでは許さない。だから今は答えを求めないからと。
「反省できるかどうかは、その人の品性の問題。それが乏しい人は荒れていく。周りはそれを知って離れていくし、孤立するしかなくなる。この人にとってもこの先、良いことなんてないよ」
それで反省するならば良し、できないならば一生、許されることなくたった一人で生きていくことになるだろう。
天罰とかを信じてはいないけれど、人の世界はそういう所がはっきりしている。
反省ができないということは、誰かを傷付けても分からないということ。けれど、周りはそんな人を見てどう思うだろうか。
「今回のことで、彼女は誰からも信頼されなくなる。この世界では人の自己防衛能力が強い。傷付けられる可能性のある人物との接触は断とうとするのが普通だよ。だからこの人はこの先ずっと一人になる。そうするといつか……周りは、この人は傷付けても構わない人なんだって認識を変えるんだよ……」
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