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mission 16 家族と友人と
165 ようやく全員
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次に宗徳の元へと集まって来たモノに、沙耶、徹、征哉の目はキョロキョロと落ち着かない様子。
その内グルグル回りそうで怖い。しかし、紹介しないわけにはいかない。早く紹介してくれと、徨流達が宗徳と寿子の前に一列で並んでいたのだ。
よって、宗徳と寿子は、息子夫婦よりも徨流達を取った。
「それじゃあ、紹介するぞ。先ず徨流。本来はアレだ。龍神様ってやつ。普段はこうして小さくなってる。大きくなったら、この……コンテナを」
「「「っ!!」」」
宗徳は、分かりやすいようにと亜空間から取り出したのはコンテナハウス。飛べるのと同じで、魔力を使うことに慣れた宗徳達は、こちらでも普通にコレらを使うことができる。
目を丸くする三人には気付かず、宗徳は腕に巻き付いた徨流を撫でるのに忙しかった。
「引っ掛けて飛べるくらいの大きさになる」
寿子も、瞬きも忘れた三人の方を見ていなかった。コンテナハウスを見て、そう言えばと思い出したことがあったのだ。
「あなた。このままコンテナハウスは出しておいてください。中の掃除とか、模様替えとかしたかったんですよ」
「そうか。分かった」
そして、次だ。
「次が白欐と黒欐だ。色でどっちかは分かるよなっ」
そこでようやく三人を見た。
「おい。聞いてるか?」
一番初めに正気付いたのは沙耶だ。
「え、あ、す、すみません。えっと、その梟さんですね。白い方がハクレイさんで、黒い方がコクレイさん」
沙耶は認識が遅かっただけで、聞いてはいたようだ。何より、架空の存在であった『龍』よりも、テレビや写真ででも見た事のある梟の方が脳に優しい。
しかし、この梟もただの梟ではない。
「こいつらは、異世界の神だ。土地神みたいなものだな。大陸一つを守ってたんだが、人といざこざがあってな。で、まあ、一緒に居ることになった」
《くるる~♪》
《ぐるっ》
挨拶というように、二匹は翼を広げて見せていた。
ここでも、沙耶が代表で呟く。
「……神様……」
今一度、宗徳の腕に巻き付く徨流にも目を向け、そっちも龍神様だし、神様だよねと自分の中で整理しているようだ。
「そんで、コイツ」
《みゅあ~》
フワリと浮き上がり、宙を駆けてくる白い虎。丸くなると毛玉にしか見えない。産毛がふわふわしていて、撫でると気持ちがいい。
宗徳が手を広げてやると、そこに飛び込んでくる。
《みゅあっ》
「よしよし。コイツが琥翔だ。魔獣だが、賢くて人は食わんから心配ない。まだネコの子と変わらんしな」
《みゅ~》
抱っこ好きな甘えん坊だ。
では次にと、場を整えているバトラーとメイドへ宗徳が目を向ける。寿子も気付いたようだ。
「次はこの家の執事さんとメイドさんね。家の中で迷子になったり、困ったことがあったら、名前を呼べば気付いてくれるから安心よ」
寿子がそう伝えると、二人が手を止めて近付いてくる。そして、先ずバトラーが胸に手を当てて礼をする。
「バトラーの桂樢と申します。ご用命の際はいつでもお呼びください」
次にメイドが両手を腹の辺りで重ねて、優雅に一礼する。
「メイドの藜蘭と申します。気になる事がございましたら、お気軽にお尋ねください」
バトラー、メイドと呼んでいた二人だが、是非とも名が欲しいとのことで、宗徳と寿子で付けた。
顔にはあまり出ないが、とても気に入っているらしい。
「以上が、俺らの家族だ」
「「「……そうですか……」」」
三人には、理解するのに時間がかかりそうだって。
「とりあえず、お茶にしましょう」
そうして甘い物でも食べながら、頭を整理してもらう事にした。
まだとっておきの魔女様がいるとは言えない雰囲気だった。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
その内グルグル回りそうで怖い。しかし、紹介しないわけにはいかない。早く紹介してくれと、徨流達が宗徳と寿子の前に一列で並んでいたのだ。
よって、宗徳と寿子は、息子夫婦よりも徨流達を取った。
「それじゃあ、紹介するぞ。先ず徨流。本来はアレだ。龍神様ってやつ。普段はこうして小さくなってる。大きくなったら、この……コンテナを」
「「「っ!!」」」
宗徳は、分かりやすいようにと亜空間から取り出したのはコンテナハウス。飛べるのと同じで、魔力を使うことに慣れた宗徳達は、こちらでも普通にコレらを使うことができる。
目を丸くする三人には気付かず、宗徳は腕に巻き付いた徨流を撫でるのに忙しかった。
「引っ掛けて飛べるくらいの大きさになる」
寿子も、瞬きも忘れた三人の方を見ていなかった。コンテナハウスを見て、そう言えばと思い出したことがあったのだ。
「あなた。このままコンテナハウスは出しておいてください。中の掃除とか、模様替えとかしたかったんですよ」
「そうか。分かった」
そして、次だ。
「次が白欐と黒欐だ。色でどっちかは分かるよなっ」
そこでようやく三人を見た。
「おい。聞いてるか?」
一番初めに正気付いたのは沙耶だ。
「え、あ、す、すみません。えっと、その梟さんですね。白い方がハクレイさんで、黒い方がコクレイさん」
沙耶は認識が遅かっただけで、聞いてはいたようだ。何より、架空の存在であった『龍』よりも、テレビや写真ででも見た事のある梟の方が脳に優しい。
しかし、この梟もただの梟ではない。
「こいつらは、異世界の神だ。土地神みたいなものだな。大陸一つを守ってたんだが、人といざこざがあってな。で、まあ、一緒に居ることになった」
《くるる~♪》
《ぐるっ》
挨拶というように、二匹は翼を広げて見せていた。
ここでも、沙耶が代表で呟く。
「……神様……」
今一度、宗徳の腕に巻き付く徨流にも目を向け、そっちも龍神様だし、神様だよねと自分の中で整理しているようだ。
「そんで、コイツ」
《みゅあ~》
フワリと浮き上がり、宙を駆けてくる白い虎。丸くなると毛玉にしか見えない。産毛がふわふわしていて、撫でると気持ちがいい。
宗徳が手を広げてやると、そこに飛び込んでくる。
《みゅあっ》
「よしよし。コイツが琥翔だ。魔獣だが、賢くて人は食わんから心配ない。まだネコの子と変わらんしな」
《みゅ~》
抱っこ好きな甘えん坊だ。
では次にと、場を整えているバトラーとメイドへ宗徳が目を向ける。寿子も気付いたようだ。
「次はこの家の執事さんとメイドさんね。家の中で迷子になったり、困ったことがあったら、名前を呼べば気付いてくれるから安心よ」
寿子がそう伝えると、二人が手を止めて近付いてくる。そして、先ずバトラーが胸に手を当てて礼をする。
「バトラーの桂樢と申します。ご用命の際はいつでもお呼びください」
次にメイドが両手を腹の辺りで重ねて、優雅に一礼する。
「メイドの藜蘭と申します。気になる事がございましたら、お気軽にお尋ねください」
バトラー、メイドと呼んでいた二人だが、是非とも名が欲しいとのことで、宗徳と寿子で付けた。
顔にはあまり出ないが、とても気に入っているらしい。
「以上が、俺らの家族だ」
「「「……そうですか……」」」
三人には、理解するのに時間がかかりそうだって。
「とりあえず、お茶にしましょう」
そうして甘い物でも食べながら、頭を整理してもらう事にした。
まだとっておきの魔女様がいるとは言えない雰囲気だった。
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