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第十一章

451 そろそろだよ?

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人化したテンキ達に続いて、アルキス、ミラルファ、ベニ、セイ、キイもゆったりとした足取りで、まるで見物に来たというように気楽な様子でやって来た。

アルキスが嬉しそうに残り二体となったドラゴンを観察する。

「めちゃくちゃデカいじゃんかっ。ドロップ品は何だったんだ?」
「アレです」

コウヤが指を差す。大きいので、回収は後にしようと、落ちてくるままに、放置してあるのだ。

「ん? どれだ?」

どうやら、アルキスには、それがフィールドの一部にしか見えなかったらしい。あんな大きな物が出るとは予想外だろう。

それも分かるので、コウヤは改めて指を差す。

「ほら、地面にめり込んでるキラキラした大きな鉱石ですよ。青いのとか、赤いのとか、黄色のもあります」

これに反応したのは、当然だがパックンだった。

《何アレっ、何アレ!! 貰っていいの!? 拾っちゃっていい!? いいよねっ!? 行ってきます!!》

人化した方が移動は速い。だが、パックンは興奮してそんなことまで考えが及ばない。

早くパックンしたいと人化を解いて、跳ねて行った。なので、コウヤは指摘しておく。

「パック~ン。走った方が速いよ~」
《 ∑(゚Д゚) 》

律儀に顔文字を表示して振り返った後、人化して駆け出して行った。

そんなパックンの行動には触れず、アルキスは感想を口にする。

「……さすがドラゴン……凄えの出るのな……」
「ドラゴンって、キラキラしたの集める癖ありますもんね」
「いや、ドラゴンの習性とか知らんから……野生では見ないからな?」
「今ってどこにいるんだろ……」

コウヤが真面目に考えている内に、ニール達はまた一体を倒した。

残り一体だ。三人で協力すれば、それほど苦戦しないのが分かってきたようだ。終わりかけにコツを掴むとか、良くあることだろう。

一方、コウヤの呟きを拾ったのは、グラムなど、ユースールの代表と言える数人を引き連れて応援に来たリクトルスだった。

「確か、ドワーフの里の更に向こうの山辺りですよ。この辺りのドラゴンは、暗黒竜が出た時に、ほぼ全滅しましたからね」
「アレはすごかったもんね。結界張って、一帯を保護しなかったら、今でもここには木の一本も生えてなかっただろうし」
「そうですねえ。その証拠に、テンキが暴れた所は、まだ砂漠ですよ」
《全く加減する気もありませんでしたから》

テンキの悪気ない言葉に、リクトルスも腕を組んでうんうんと頷いて同意する。

「当然です。神子達が居なければ、大陸の半分はいきましたね」
《そうでしたか……ほとんど意識も手放していましたので》
「すごい暴れっぷりだったよ。結局、コウヤくんとの繋がりが完全に切れて、封印状態になる直前に、迷宮に入り込んだから、人は勝てていないしね」
《引き分けにしてやったということで》

テンキとリクトルスの会話から、誰もが察した。

コウルリーヤが討たれる時、暴走したテンキは、真っ黒な暗黒竜に変化し、人々に襲いかかったのだ。リクトルス達、神はそれをただ見ていた。人がそれで消えるならば、それも有りだと思っていたのだ。

世界を見て回ってきたアルキスは、実際に砂漠を見てきたことがあるらしく、その大きさも実感しているようだ。その範囲がもっと広かったかもしれないと知って、顔色を悪くする。

「伝説の暗黒竜との戦いって、まさか……あの砂漠……マジか……」

一方、グラム達ユースール組は『さすが教官』と称える方にしたらしい。

「砂漠作るとか……やっぱすごいわ……」
「草一本も生えないって聞くし」
「すげ~」

そんな話をしていると、いよいよ最後の一体が倒される所だった。

彼らは忘れている。なぜコウヤがわざわざ応援を呼んだのか。

「そろそろだよ? 大丈夫?」
「「「「「ん?」」」」」

完全に、見物に回っていたため、ベニ達までもが呑気な顔をしている。これには、コウヤも苦笑した。

「あれ? 言ってなかった? これから、多分、間違いなく出てくるんだよ?」

これにより、アルキスは更に顔色を悪くして問いかける。

「……こ、コウヤ……まさか……ボスって……」

そういえば、あのドラゴンはボスじゃないんだと理解したようだ。

「うん。だから応援呼んだんだよ。あとねっ。暗黒竜って、魔法効かないから」
「……へ?」
「うん。魔法が効かないんだ。だから、物理でボッコボコにしないとダメなの。大きいし、羽をちょっと羽ばたかせただけで、竜巻は起こるし、口からは火っていうか……レーザー? が出るから、火傷以前に普通に消し炭になるから気をつけてね?」
「「「「「ッ、はあ!?」」」」」

そして、ついに最後の一体が倒されたのだ。

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二日空きます。
よろしくお願いします◎
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