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第十一章
449 ちょっとしんどいから
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この迷宮化の良い所は幾つかある。
現在、本来は平坦な森であるはずの場所。それを精霊達の力によって地形を変え、見た目も変えている。
だから、今回のように渓谷の底にドロップ品が落ちてしまったとしても、迷宮化が解除されたなら、ドロップ品はそのままコロンと森の中に転がった状態になるのだ。
午前中に確認した迷宮化の解けた場所にも、幾つか拾い忘れがあった。
それらの回収は、明日にも一部の冒険者達を派遣して、のんびり散歩しながら宝探し的な仕事をお願いすることになる予定だ。
「あっ、五匹くらい来そうだね」
「「「お任せください!」」」
『あかいろ』と『だいだいいろ』は色が目立つからか上手く釣って来れたらしい。
ニール達になすりつけ、また渓谷の方に戻って行こうとする二本に、コウヤは命令をする。
「あかいろ、だいだいいろ。崖に取り付いてるのは、倒してしまってもいいからね」
ひよっ!
今もまた上手く釣れたらしい『きいろ』が二匹ほど釣って来ている。
この調子ならば、それほどかかることなくワイバーンは殲滅できそうだ。
「残り十二だよ~」
「「「はいっ!」」」
コウヤも参戦しながら、二十分ほどで殲滅が完了した。
「それじゃあ、次はドラゴンね!」
ゆったりとした歩みで、ドラゴンが飛んでいる滝のある場所へ向かう。その途中で、バルーンの色を確認した。
「あ、もう残り四分の一だ。意外と数が少なかったね」
「ですが……ドラゴンとは、かなり大きいのですね……」
「「……」」
ワイバーンも、十分大きいと思ったのだろう。しかし、そのワイバーンよりも、まだ遠い位置から見てもドラゴンはかなり大きい。
「火龍は特に大型なんだよ。ワイバーンの……三倍くらいかな」
「テンキ殿の変化したドラゴンを見せていただきましたが……それより大きいのですね」
「うん。【 天竜 】モードは白龍と同じだからね。ワイバーンの二倍くらい。ドラゴンとしては小型なんだ」
武神であるリクトルスが創り出した存在なのだ。大きさで勝つより、小回りと技術で勝負に勝つべきと考える。よって、ドラゴンとしては小型を取ったのだ。
だが、コウルリーヤが邪神として討たれた時に変化したテンキは、真っ黒で火龍よりも更に一回りは大きかったはずだ。
それを思い出したコウヤは、最終ボスを察した。
「あ~……これはアレだね。最後のボスは、暗黒龍かな。そういえば、この辺だったかも。アレを倒したの」
「え……」
「え……」
「は……?」
うんうんと納得しながら頷くコウヤ。とっても嫌な予感だとニール達は顔を青ざめさせていた。
「ちょっと体力温存してね。最後の多分、ちょっとしんどいから」
「「「……」」」
「ボス出る頃に、テンキとか呼ぶよ。大丈夫、大丈夫っ」
「「「……はい……」」」
コウヤ的にも厳しいとの判断が下ったことはニール達も理解できた。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
一度お休みさせてもらいます!
次回、来週27日です。
よろしくお願いします◎
現在、本来は平坦な森であるはずの場所。それを精霊達の力によって地形を変え、見た目も変えている。
だから、今回のように渓谷の底にドロップ品が落ちてしまったとしても、迷宮化が解除されたなら、ドロップ品はそのままコロンと森の中に転がった状態になるのだ。
午前中に確認した迷宮化の解けた場所にも、幾つか拾い忘れがあった。
それらの回収は、明日にも一部の冒険者達を派遣して、のんびり散歩しながら宝探し的な仕事をお願いすることになる予定だ。
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『あかいろ』と『だいだいいろ』は色が目立つからか上手く釣って来れたらしい。
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「あかいろ、だいだいいろ。崖に取り付いてるのは、倒してしまってもいいからね」
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この調子ならば、それほどかかることなくワイバーンは殲滅できそうだ。
「残り十二だよ~」
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「それじゃあ、次はドラゴンね!」
ゆったりとした歩みで、ドラゴンが飛んでいる滝のある場所へ向かう。その途中で、バルーンの色を確認した。
「あ、もう残り四分の一だ。意外と数が少なかったね」
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「「……」」
ワイバーンも、十分大きいと思ったのだろう。しかし、そのワイバーンよりも、まだ遠い位置から見てもドラゴンはかなり大きい。
「火龍は特に大型なんだよ。ワイバーンの……三倍くらいかな」
「テンキ殿の変化したドラゴンを見せていただきましたが……それより大きいのですね」
「うん。【 天竜 】モードは白龍と同じだからね。ワイバーンの二倍くらい。ドラゴンとしては小型なんだ」
武神であるリクトルスが創り出した存在なのだ。大きさで勝つより、小回りと技術で勝負に勝つべきと考える。よって、ドラゴンとしては小型を取ったのだ。
だが、コウルリーヤが邪神として討たれた時に変化したテンキは、真っ黒で火龍よりも更に一回りは大きかったはずだ。
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「あ~……これはアレだね。最後のボスは、暗黒龍かな。そういえば、この辺だったかも。アレを倒したの」
「え……」
「え……」
「は……?」
うんうんと納得しながら頷くコウヤ。とっても嫌な予感だとニール達は顔を青ざめさせていた。
「ちょっと体力温存してね。最後の多分、ちょっとしんどいから」
「「「……」」」
「ボス出る頃に、テンキとか呼ぶよ。大丈夫、大丈夫っ」
「「「……はい……」」」
コウヤ的にも厳しいとの判断が下ったことはニール達も理解できた。
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読んでくださりありがとうございます◎
一度お休みさせてもらいます!
次回、来週27日です。
よろしくお願いします◎
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