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第十一章
443 快適な野営空間っ
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一日目が終わった。
日が暮れる前に、野営地に戻って来た冒険者達は、誰もが思わずほっと息を吐いた。
そこは、安全な場所だというのは、ギルドが保証している。なぜなら、屋台部隊も展開中だったからだ。
コウヤは、冒険者達が帰って来るのを見つけると、拡声器でこの後の流れを説明する。
『お疲れ様です! はじめに、青いテントで防具の洗浄を受けてください。その後、緑のテントでお風呂に入っていただけます! さっぱりしましたら、黄色の旗の立っている受付けに並んでください! そこでチケットを受け取っていただき、屋台でお好きなものを選んでお食事をどうぞ! 明日もよろしくお願いします!』
冒険者達はこの指示に従い、楽しい夕食へと向かって行く。
『お酒も少し差し入れしました。ただ、飲み過ぎには注意してくださいね~』
「わははっ。気をつけねえとなっ」
「えっ、ちょっ、ヤバいッスよ! これ迷宮産のヤツ!」
誰かが気付いた。
「マジか! コウヤ!! こんなん出すな!! 飲み過ぎるだろ!!」
これにコウヤは拡声器を使ったまま答える。
『だから飲み過ぎないでくださいね~』
「「「「「無理だろ!」」」」」
『なら、一人コップ一杯で』
「「「「「二杯でお願いします!!」」」」」
『じゃあ二杯までで』
「「「「「あざーっス!!」」」」」
二杯くらいなら大丈夫だろうと判断した。ご褒美としては良かったようだ。
『最終日には、もっと種類用意しておきますね』
「「「「「っ!!」」」」」
「何がなんでも死ねねえな……」
「怪我もしてられねえな……」
「気絶もダメだ……」
『お酒がダメな方は、同じ迷宮産のノンアルコールジュース用意してますよ~』
「「「「「っ、いただきます!!」」」」」
一部のお酒なんてと思っていた者たちも覚醒した。それだけ迷宮産のお酒やジュースは美味しいのだ。少しだけ回復薬と同じ効果もあるというのも分かっている。
そのため、悪酔いしない。酒好きには夢のようなお酒だった。
「ふう……やっぱりお酒用意して良かったみたいだね。在庫も減らせそうで俺も嬉しいし」
《主様は、料理酒しかお使いにならないですからね……》
いつもの省エネ小狐モードになったテンキが肩を落として見せる。
《こっちにもあるよ (๑>◡<๑) 》
《パックン……欲しがらないってことは、いっぱいあるでしゅね……》
パックンも捨てるほど持っていそうだと、ダンゴが小さく眉を寄せた。
「ついでに、食材とかも迷宮産のやつ出そっかな」
《屋台部隊の方々なら、張り切って調理しそうですね》
プロの料理集団のようなものだ。きっと、新しいメニューも考え出すだろう。何日居ても飽きさせないことを信条としている彼らだ。ここで冒険者達の帰りを待ちながら、メニューを考案するはずだ。
《こっちも出す d(^_^o) 》
《野菜系もあるでしゅか……》
《果物も ♪(´ε` ) 》
《ついでに出しゅでしゅよっ》
ちょっとどうなのかと思いながら、ダンゴが告げる。パックンは貯め過ぎるのだ。
「在庫ちょっと減らしたいもんね~」
《うんうん (๑╹ω╹๑ ) 》
……
コウヤもパックンも一緒じゃないかと、テンキとダンゴは呆れた。
そこに、タリスがやって来る。
「ちょっとコウヤちゃん。何なの? この快適な野営空間っ。まだ一日目なのに屋台部隊まで連れて来ちゃってっ」
一応、終わった後で打ち上げのために屋台部隊は呼ぶ予定だったのだ。それが一日目の夜に、既に用意されていたため、タリスも驚いたらしい。
「最終確認の時に、変更になってましたけど、マスターも許可出してましたよ?」
「え……」
「商会からの援助とかがかなり入って来ていて、せっかくなので、俺たちが作るより、専門家に作ってもらおうってことで、彼らにお願いしたんです」
「そ、そう……まあ、嬉しそうだし、いいかな」
納得してくれたらしい。仕事の後の美味しいご飯は大事だろう。
「あっ、それと、予定通りエルフの里も明日には使えるようになりそうです。ただ、エルフの方々は半分以上、協力不可ということになりました」
「やっぱり、そんな分からずやなの?」
期待はしていなかった。だが、それでもと思っていた所はある。
「ちょっと精神的にあの人たち弱くって」
「ん?」
「実はですねえ……」
コウヤは新たな称号など、事情を説明した。
「っ、ぶっ、あははははっ。それっ、それっ、シーちゃんなんてっ?」
「怒るより先に呆れてしまったという感じでしたねえ」
「あははははっ」
タリスは思いっきり笑っていた。
「じゃあ、あそこはまあ、シーちゃんに任せようか」
「はい」
「明日からも頑張ろー♪ そういえば、明日はコウヤちゃん、今日処理できた土地の調査だっけ? 一人で大丈夫?」
「ニール達が来るみたいで、問題なさそうです」
「あっ、そうなの。じゃあ大丈夫そうだね」
「はい」
土地が正常になったかどうか、今日迷宮化が解けた場所を調査して回ることになっていた。
これに、ニールとブランナ、ビジェが護衛として付き合ってくれることになっていた。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
三日空きます。
よろしくお願いします◎
日が暮れる前に、野営地に戻って来た冒険者達は、誰もが思わずほっと息を吐いた。
そこは、安全な場所だというのは、ギルドが保証している。なぜなら、屋台部隊も展開中だったからだ。
コウヤは、冒険者達が帰って来るのを見つけると、拡声器でこの後の流れを説明する。
『お疲れ様です! はじめに、青いテントで防具の洗浄を受けてください。その後、緑のテントでお風呂に入っていただけます! さっぱりしましたら、黄色の旗の立っている受付けに並んでください! そこでチケットを受け取っていただき、屋台でお好きなものを選んでお食事をどうぞ! 明日もよろしくお願いします!』
冒険者達はこの指示に従い、楽しい夕食へと向かって行く。
『お酒も少し差し入れしました。ただ、飲み過ぎには注意してくださいね~』
「わははっ。気をつけねえとなっ」
「えっ、ちょっ、ヤバいッスよ! これ迷宮産のヤツ!」
誰かが気付いた。
「マジか! コウヤ!! こんなん出すな!! 飲み過ぎるだろ!!」
これにコウヤは拡声器を使ったまま答える。
『だから飲み過ぎないでくださいね~』
「「「「「無理だろ!」」」」」
『なら、一人コップ一杯で』
「「「「「二杯でお願いします!!」」」」」
『じゃあ二杯までで』
「「「「「あざーっス!!」」」」」
二杯くらいなら大丈夫だろうと判断した。ご褒美としては良かったようだ。
『最終日には、もっと種類用意しておきますね』
「「「「「っ!!」」」」」
「何がなんでも死ねねえな……」
「怪我もしてられねえな……」
「気絶もダメだ……」
『お酒がダメな方は、同じ迷宮産のノンアルコールジュース用意してますよ~』
「「「「「っ、いただきます!!」」」」」
一部のお酒なんてと思っていた者たちも覚醒した。それだけ迷宮産のお酒やジュースは美味しいのだ。少しだけ回復薬と同じ効果もあるというのも分かっている。
そのため、悪酔いしない。酒好きには夢のようなお酒だった。
「ふう……やっぱりお酒用意して良かったみたいだね。在庫も減らせそうで俺も嬉しいし」
《主様は、料理酒しかお使いにならないですからね……》
いつもの省エネ小狐モードになったテンキが肩を落として見せる。
《こっちにもあるよ (๑>◡<๑) 》
《パックン……欲しがらないってことは、いっぱいあるでしゅね……》
パックンも捨てるほど持っていそうだと、ダンゴが小さく眉を寄せた。
「ついでに、食材とかも迷宮産のやつ出そっかな」
《屋台部隊の方々なら、張り切って調理しそうですね》
プロの料理集団のようなものだ。きっと、新しいメニューも考え出すだろう。何日居ても飽きさせないことを信条としている彼らだ。ここで冒険者達の帰りを待ちながら、メニューを考案するはずだ。
《こっちも出す d(^_^o) 》
《野菜系もあるでしゅか……》
《果物も ♪(´ε` ) 》
《ついでに出しゅでしゅよっ》
ちょっとどうなのかと思いながら、ダンゴが告げる。パックンは貯め過ぎるのだ。
「在庫ちょっと減らしたいもんね~」
《うんうん (๑╹ω╹๑ ) 》
……
コウヤもパックンも一緒じゃないかと、テンキとダンゴは呆れた。
そこに、タリスがやって来る。
「ちょっとコウヤちゃん。何なの? この快適な野営空間っ。まだ一日目なのに屋台部隊まで連れて来ちゃってっ」
一応、終わった後で打ち上げのために屋台部隊は呼ぶ予定だったのだ。それが一日目の夜に、既に用意されていたため、タリスも驚いたらしい。
「最終確認の時に、変更になってましたけど、マスターも許可出してましたよ?」
「え……」
「商会からの援助とかがかなり入って来ていて、せっかくなので、俺たちが作るより、専門家に作ってもらおうってことで、彼らにお願いしたんです」
「そ、そう……まあ、嬉しそうだし、いいかな」
納得してくれたらしい。仕事の後の美味しいご飯は大事だろう。
「あっ、それと、予定通りエルフの里も明日には使えるようになりそうです。ただ、エルフの方々は半分以上、協力不可ということになりました」
「やっぱり、そんな分からずやなの?」
期待はしていなかった。だが、それでもと思っていた所はある。
「ちょっと精神的にあの人たち弱くって」
「ん?」
「実はですねえ……」
コウヤは新たな称号など、事情を説明した。
「っ、ぶっ、あははははっ。それっ、それっ、シーちゃんなんてっ?」
「怒るより先に呆れてしまったという感じでしたねえ」
「あははははっ」
タリスは思いっきり笑っていた。
「じゃあ、あそこはまあ、シーちゃんに任せようか」
「はい」
「明日からも頑張ろー♪ そういえば、明日はコウヤちゃん、今日処理できた土地の調査だっけ? 一人で大丈夫?」
「ニール達が来るみたいで、問題なさそうです」
「あっ、そうなの。じゃあ大丈夫そうだね」
「はい」
土地が正常になったかどうか、今日迷宮化が解けた場所を調査して回ることになっていた。
これに、ニールとブランナ、ビジェが護衛として付き合ってくれることになっていた。
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