元邪神って本当ですか!? 万能ギルド職員の業務日誌

紫南

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第十一章

442 コンパってやつだよねっ

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サニール達、師匠の人たちもキリがついた所で振り返ったため、コウヤは手を振った。テンキも尻尾をフサフサと振っている。

これを見て、更にエルフたちは顔を青ざめさせているようだが、そちらは気にせずにコウヤは笑顔を向ける。

だが、ベニとミラルファは気になったようだ。

「コウヤは一体何したんだい? まったく話も聴かない時間のかかりそうな子達だったろうに」
「周りを全部拒否して、人族とあり得ないって喚きそうな子達ですわよね? それがあんなに震えて」

ベニは保護された彼らを知っていたが、さすがはミラルファだ。ほんの少し観察しただけで、彼らがどんな種類の人か理解したようだ。

「ちょっとだけ脅しました。あとはアレです。ちょっとテンキが力試しをしている所に居ただけです」
《お陰で力の使い方が分かりました》

しれっとテンキは尻尾を一振り。実際、九尾としての新しい能力の試し打ちをしたようなものだ。怒りに任せ、半分は本能で思うままに力を使っただけ。役には立った。

《少々、我を忘れましたが、消滅もさせなかったので、きちんと手加減はしていましたよ》
「「なるほど」」

確かに、完全に我を忘れていたら、彼らは消滅していただろう。跡形もなく。加減は出来ていたと見るべきだ。

「ふふっ。師匠さん達も元気そうですし、彼らは問題ないですね。ただ、師匠さん達には彼らの面倒を見るのは迷惑かもしれませんけど」

それを確認に来たのだ。今のところ、師匠達は見捨てる気もなさそうに見える。

「そうねえ。けど、あの子達、問題児ってことでしょう? 逃げ出さないかしら?」
「逃げるのは、あの人たちの性格的に自分に許さない気がしますけど……どうでしょう」

彼らのプライドとして、逃げるという選択肢はない気がするのだが、追い詰められていく現状、どうなるかは分からない。

「逃げて外に出すには不安だねえ。コウヤ、神官達にその場合は連れ戻すように言っておいてくれるかい?」
「うん。そうする。師匠さん達には悪いけどね」

出来が悪い子ほど可愛いというのもあるはずだが、あの人たちは可愛い部類には入らないだろう。いくら今は不出来でも、可愛がれないものはある。

《主様。どのみち、あの方達の奥義などは、もうあのエルフ達は受け継げないでしょうし、どうでしょう。ユースールの者たちなど、有望な者たちを弟子として紹介しては》
「それはいいねえ。ここにはちょうど、良いのが集まっているし」
「そうですわね。余裕が出てきたら是非そうしていただくといいわ」

今、迷宮化の対応で来ている冒険者達は、それなりに名も知れた者も多い。それも世界中から集まっているのだ。

旅をして弟子となり得る者を探してきた彼らにしたら、好都合だろう。

「うん。なら、候補を探してもらって、全部終わったら顔合わせできるように、場を用意しようかな。他にも、弟子を探してる人とか居そうだったし、ついでに全部まとめて計画するよっ」

逆に弟子になりたいと言う者も出てくるだろう。良い出会いの場になりそうだ。

「これって親睦会……ううんっ、コンパってやつだよねっ。よしっ、今から計画を練らないとっ」

合コン、コンパなんて言葉は聞いていても、実際に参加することはなかった。だから少しばかりコウヤは燃えていた。

《なんだか主様がやる気に……》
「終わった後の事を考えられるとは……良い事だねえ。弟子か……考えてみるのも悪くない……」
「コウヤさんがパーティを開くってことかしら? でも、師弟の出会いの場ってことよね? 羨ましいわっ、私もっ、私も弟子を探そうかしら……っ」

コウヤが終わった後の事を考えているということは、この戦いに不安がないということ。勝利が確約されたようなものだ。

そして、コウヤ主催になりそうなパーティの計画。これにより、師弟ブームが起きるとは、コウヤも予想できなかった。

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二日空きます。
よろしくお願いします◎
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