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第五章 王家と守護者と誓約
特別番外編④ 人気観光地となる未来
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コウヤは、教会の、御朱印用のスタンプならどんな絵柄が良いか考えてみて欲しいと棟梁に話し、余分にスタンプ用のゴム板を渡して、ドラム組を後にした。
それから、商業ギルドに行って、ゼットに事情を話す。売り物としてどうかと見せたのは、工員達によって完璧にパックンのミニチュアが入れ物として作られ、その中に並んだパックンの表示する顔文字スタンプだ。
「これどう思います? 名物としてどうでしょう」
「っ!! くっ、また幾らで売るか難しいものをっ……」
ゼットは頭を抱えた。
「こっちは専用のインクと……あっ、そうだっ、コレは実用品として使ってみてくれませんか? ナンバリングと数字スタンプなんですけど」
「……」
それを呆然と眺めるゼット。なので、コウヤは反応が薄いと見て実演して見せる。
「こうして、ほらっ、押すごとにこれは数字が変わっていくんです! 書類や伝票を番号管理する時に良いですよねっ」
「……っ、マジか……っ、マジかよ! ちょっ、コレ量産は!? 可能か!?」
さすがは事務職も完璧にこなせるゼットだ。コレの有用性を理解した。ただ、残念ながら、今すぐに期待に応えられるかは断言できなかった。
「そうですね……ドラム組は今、スタンプブームなので……上手く誘導してみてください」
こっちやってみないかとか、上手いこと興味を惹かないとブームからは抜け出せない。拘りのある職人の気を引くのは大変なのだ。
「爆弾落としすぎだろ……っ。頼むから、投下する前に報告してくれっ。全部巻き込むのはやめて!」
《余波にも注意 d( ̄  ̄) 》
《自分たちで巻き込まれに行ってましゅからね……》
《特大過ぎなんですよ》
「うだあ~」
回避不可の特大の爆弾だ。嬉々として爆心地に向かうのも、ドラム組らしい。ユースールで再起した人たちは、楽しんだもの勝ちだという考え方を持つために起きることだった。
「皆でやったらすごく楽しかったです!」
「くっ……怒れねえっ……っ」
とっても良い笑顔のコウヤに、このユースールの人たちは弱い。ゼットも例外ではなかった。
「頼むから、思い付いたら即行動ってのを自重してくれ……」
「急ブレーキって、危ないですよ?」
「うん。だからね? スタート切る前に、後ろ確認しようね?」
「そっか」
「はあ……」
子どもに言い聞かせるように、ゼットは切実に訴えた。なんとかコウヤの心に届いたようだ。
「あっ、なら、絵師さん達を集めてもらえません?」
「……今度は何すんだ?」
「旅の思い出って、後で見たいじゃないですか」
「……ん?」
「ポストカードが定番だと思うんです!」
「……説明してくれ……」
「はい!」
逸りすぎたと、コウヤは心を落ち着ける。
聖魔教の教会は、ジンクが柱に彫刻をしたり、ドラム組が大々的に増築、改築工事を行ったことで、とても荘厳で美しい教会になった。
キラキラしく、下品なほど飾り立てていた前教会のイメージを払拭するように、見た目には特に気を遣ったのだ。
そんな教会をユースールにやって来た旅人や冒険者達が見惚れているのをコウヤは知っている。
ユースールの住民達にとっても、これは自慢なのだ。そして何より、ユースール自体が他の町とは違う。
「区画整理も力を入れたじゃないですか。路地裏まで意識した町ですから、どこを見ても新鮮に映るみたいで。だから、絵師さん達に旅の思い出というか……後で見て思い出せるように、ユースールの町の至る所の風景を……これくらいの大きさの紙に描いてもらったらどうかなって」
「……なるほど……持ち歩ける絵か……」
「絵は抱えて一人で持ち運ぶのも大変な額縁に入っているのが一般的でしょうが、それはそれとして、気軽に思い出記録用にしたら、値段も安く出来るでしょう?」
額縁込みの値段で売るのが普通なのだ。そうなると、貴族にしか売れない。
「貴族相手にして、ゼロか百の結果しか出ないより、一やニでも確実に庶民にも……子どもにも買ってもらえる絵があっても良いと思いません? そうしたら、小さい簡易の額に入れて、机の上とかに置いて、仕事の時に眺めるのもどうかなって」
「……いいかもしれん……人物画ならそういうのも特注で頼むと聞いたことがあるが……風景か……」
故人の遺影など、ペンダントに入れる小さなサイズのものも特注することはある。だが、風景画を小さくというのはこの世界では一般的ではなかったのだ。
「このユースールに来てる絵師の人で、もし、絶対に人物画しか嫌だという人がいるなら、短時間でサラッと小さく描いてくれたりしないでしょうか。肖像画って、貴族の人たちなら持ってますけど、時間をかけずに広場でとか、描いてくれる人が居たら、彼らにとっても練習になるだろうし、子ども達とか、嬉しいと思うんですけど」
「……」
「子どもの成長とか、目で見て記録しておきたくないですか?」
そう言って、パックン達と遊んでいるレナルカを見るコウヤ。
じっとそれを見つめたゼットは、重々しく頷いた。
「それ、いいな……」
「でしょう?」
「ああ。色々と使えそうだ」
ユースールに流れ着く絵師達は、貴族相手に失敗した者たちや、絵を描くことを家族に認められなかった人たちだ。
絵を描くこと自体に消極的になっていた彼らは、この日からユースールの町中で、堂々と絵を描くようになった。
頼まれれば子ども達にも少しのお小遣いの金額で似顔絵を描き、風景を描く。
それにより数年後、彼らは人気の絵師になっていく。彼らに描いてもらうため、わざわざユースールへやって来る貴族もいた。お見合いのための肖像画も、彼らに描いてもらうと上手くいくなんて話もあり、国を越えてやって来る者も出てくる。
識字率の高くない人々にとって、ポストカードは故郷に残した家族や友人達への素晴らしい便りともなった。
更には、このユースールの御朱印をもらおうと遥々やって来る他国の王族もいた。聖域に漂う神気を吸い込んだ紙とインク。これにより描かれた御朱印は、大病や災いを跳ね除ける力を持っていたのだ。
多くの聖魔教を回り、御朱印を集めると長寿で健康に生きられるとの評判が上がり、教会へのイメージも塗り替えられていく。
こうして、数年でユースールやトルヴァランが一大観光地となっていくのだが、全ては一人のギルド職員の少年の思いつきによるものだと知る者は少ない。
番外編 完
**********
読んでくださりありがとうございます◎
番外編は以上です。
一週休みにさせていただきます。
次回は来週12日です!
この機会に書籍1巻から4巻もよろしくお願いします♪
それから、商業ギルドに行って、ゼットに事情を話す。売り物としてどうかと見せたのは、工員達によって完璧にパックンのミニチュアが入れ物として作られ、その中に並んだパックンの表示する顔文字スタンプだ。
「これどう思います? 名物としてどうでしょう」
「っ!! くっ、また幾らで売るか難しいものをっ……」
ゼットは頭を抱えた。
「こっちは専用のインクと……あっ、そうだっ、コレは実用品として使ってみてくれませんか? ナンバリングと数字スタンプなんですけど」
「……」
それを呆然と眺めるゼット。なので、コウヤは反応が薄いと見て実演して見せる。
「こうして、ほらっ、押すごとにこれは数字が変わっていくんです! 書類や伝票を番号管理する時に良いですよねっ」
「……っ、マジか……っ、マジかよ! ちょっ、コレ量産は!? 可能か!?」
さすがは事務職も完璧にこなせるゼットだ。コレの有用性を理解した。ただ、残念ながら、今すぐに期待に応えられるかは断言できなかった。
「そうですね……ドラム組は今、スタンプブームなので……上手く誘導してみてください」
こっちやってみないかとか、上手いこと興味を惹かないとブームからは抜け出せない。拘りのある職人の気を引くのは大変なのだ。
「爆弾落としすぎだろ……っ。頼むから、投下する前に報告してくれっ。全部巻き込むのはやめて!」
《余波にも注意 d( ̄  ̄) 》
《自分たちで巻き込まれに行ってましゅからね……》
《特大過ぎなんですよ》
「うだあ~」
回避不可の特大の爆弾だ。嬉々として爆心地に向かうのも、ドラム組らしい。ユースールで再起した人たちは、楽しんだもの勝ちだという考え方を持つために起きることだった。
「皆でやったらすごく楽しかったです!」
「くっ……怒れねえっ……っ」
とっても良い笑顔のコウヤに、このユースールの人たちは弱い。ゼットも例外ではなかった。
「頼むから、思い付いたら即行動ってのを自重してくれ……」
「急ブレーキって、危ないですよ?」
「うん。だからね? スタート切る前に、後ろ確認しようね?」
「そっか」
「はあ……」
子どもに言い聞かせるように、ゼットは切実に訴えた。なんとかコウヤの心に届いたようだ。
「あっ、なら、絵師さん達を集めてもらえません?」
「……今度は何すんだ?」
「旅の思い出って、後で見たいじゃないですか」
「……ん?」
「ポストカードが定番だと思うんです!」
「……説明してくれ……」
「はい!」
逸りすぎたと、コウヤは心を落ち着ける。
聖魔教の教会は、ジンクが柱に彫刻をしたり、ドラム組が大々的に増築、改築工事を行ったことで、とても荘厳で美しい教会になった。
キラキラしく、下品なほど飾り立てていた前教会のイメージを払拭するように、見た目には特に気を遣ったのだ。
そんな教会をユースールにやって来た旅人や冒険者達が見惚れているのをコウヤは知っている。
ユースールの住民達にとっても、これは自慢なのだ。そして何より、ユースール自体が他の町とは違う。
「区画整理も力を入れたじゃないですか。路地裏まで意識した町ですから、どこを見ても新鮮に映るみたいで。だから、絵師さん達に旅の思い出というか……後で見て思い出せるように、ユースールの町の至る所の風景を……これくらいの大きさの紙に描いてもらったらどうかなって」
「……なるほど……持ち歩ける絵か……」
「絵は抱えて一人で持ち運ぶのも大変な額縁に入っているのが一般的でしょうが、それはそれとして、気軽に思い出記録用にしたら、値段も安く出来るでしょう?」
額縁込みの値段で売るのが普通なのだ。そうなると、貴族にしか売れない。
「貴族相手にして、ゼロか百の結果しか出ないより、一やニでも確実に庶民にも……子どもにも買ってもらえる絵があっても良いと思いません? そうしたら、小さい簡易の額に入れて、机の上とかに置いて、仕事の時に眺めるのもどうかなって」
「……いいかもしれん……人物画ならそういうのも特注で頼むと聞いたことがあるが……風景か……」
故人の遺影など、ペンダントに入れる小さなサイズのものも特注することはある。だが、風景画を小さくというのはこの世界では一般的ではなかったのだ。
「このユースールに来てる絵師の人で、もし、絶対に人物画しか嫌だという人がいるなら、短時間でサラッと小さく描いてくれたりしないでしょうか。肖像画って、貴族の人たちなら持ってますけど、時間をかけずに広場でとか、描いてくれる人が居たら、彼らにとっても練習になるだろうし、子ども達とか、嬉しいと思うんですけど」
「……」
「子どもの成長とか、目で見て記録しておきたくないですか?」
そう言って、パックン達と遊んでいるレナルカを見るコウヤ。
じっとそれを見つめたゼットは、重々しく頷いた。
「それ、いいな……」
「でしょう?」
「ああ。色々と使えそうだ」
ユースールに流れ着く絵師達は、貴族相手に失敗した者たちや、絵を描くことを家族に認められなかった人たちだ。
絵を描くこと自体に消極的になっていた彼らは、この日からユースールの町中で、堂々と絵を描くようになった。
頼まれれば子ども達にも少しのお小遣いの金額で似顔絵を描き、風景を描く。
それにより数年後、彼らは人気の絵師になっていく。彼らに描いてもらうため、わざわざユースールへやって来る貴族もいた。お見合いのための肖像画も、彼らに描いてもらうと上手くいくなんて話もあり、国を越えてやって来る者も出てくる。
識字率の高くない人々にとって、ポストカードは故郷に残した家族や友人達への素晴らしい便りともなった。
更には、このユースールの御朱印をもらおうと遥々やって来る他国の王族もいた。聖域に漂う神気を吸い込んだ紙とインク。これにより描かれた御朱印は、大病や災いを跳ね除ける力を持っていたのだ。
多くの聖魔教を回り、御朱印を集めると長寿で健康に生きられるとの評判が上がり、教会へのイメージも塗り替えられていく。
こうして、数年でユースールやトルヴァランが一大観光地となっていくのだが、全ては一人のギルド職員の少年の思いつきによるものだと知る者は少ない。
番外編 完
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読んでくださりありがとうございます◎
番外編は以上です。
一週休みにさせていただきます。
次回は来週12日です!
この機会に書籍1巻から4巻もよろしくお願いします♪
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