274 / 475
第九章
379 ご飯食べる♪
しおりを挟む
レナルカは眠ったままだ。このまま静かにしばらく寝かせてやろうと、コウヤはレナルカの周りに遮音の結界を張った。
小さな背中に当てたコウヤの手は、ゆっくりとしたテンポを刻んだままにしておく。
「コウヤさん、レナルカちゃんは大丈夫?」
イスリナがお皿にパンケーキを取り分けながら、コウヤに尋ねる。
「レナルカちゃんが泣くのなんて、生まれてすぐの頃以来、はじめて見たわね……」
よしよしとイスリナはレナルカの頭をそっと撫でた。
「そういえば、そうですね。俺もあまり泣いた所を知らないです」
「よっぽどの事があったのね」
「……ええ……」
伝わってきたのは、コウヤを失くすかもしれないという恐怖だった。神教国には、それほどの何かがある。
「邪神……か……」
「コウヤさん?」
心配そうに顔を覗き込んでくるイスリナに、コウヤはなんでもないと首を横に振る。
「いえ。なんでもありません」
「そう? あ、抱っこしながら食べられる? もう少し小さくするわね」
パンケーキとサンドイッチなどを盛ったお皿をコウヤの前に置こうとしていたイスリナは、食べやすいように更に小さく切ってくれるつもりらしい。
隙あればレナルカを抱っこしようとしていたイスリナも、今回はコウヤと離すべきではないと感じたようだ。
「え、いいですよ?」
「ふふふ。いいの。たまには、普通の母親らしいことをさせてちょうだい?」
「あ……はい。お願いします」
「任せてっ」
コウヤをジルファスの子として国内外に発表する日が近付くにつれて、イスリナも意識が変わってきたようで、何かにつけて『お母様』と呼ばせたがったり、甘やかしたりしていた。
そんなイスリナの想いを無下にすることは出来ず、コウヤは苦笑しながらも付き合っている。親子の関係というのは、意識するほどに難しいというのが、最近のコウヤの認識だ。
思えば、コウルリーヤとしての母親はいないし、前世では病院生活が当たり前で、母と子の当たり前の日常とは縁遠かった。そして、今世では、物心つく前に母が他界してしまっている。実の母子の関係を知らないため、コウヤも手探り状態なのだ。
更に難しいことに、母親になろうとしているのが貴族。それも、王太子妃だ。王族の母子の関係は想像することも出来なかった。とはいえ、イスリナも冒険者にもなるトルヴァラン王家の嫁だ。普通の貴族とも少し違う所を目指しているかもしれない。
「これで揃ったかしら?」
エリスリリアがベニ達を呼び寄せ、ようやく席が埋まる。最初の予定より、間違いなく大人数になったが、テーブルも椅子もゼストラークが作った物で揃っているようだ。
こうした物は、恐らくコウヤとパックン以上に揃えているのがゼストラークだ。だからこそ、パックンのような収集癖も生える従魔を作り出せたともいえるだろう。
ゼストラークも、実はパックンの中身に危機感を持っていないのだ。リクトルスが指摘していても、目を逸らす。あまり喋らない上に、表情にも出にくいため、伝わらないが、ゼストラークとしてはパックンの収集癖を少し自慢げにしている。さすがは自分の生み出した従魔だと。
お陰でパックンの中身は、未公開のまま来てしまっている。人化スキル修得のためのレベルアップで、更に異次元化しているというのは、コウヤも全力で目を逸らす気でいる。
「さあ、じゃあ……お父様やリクトはこういうの苦手だし……コウヤちゃんは動けないから……ベニちゃんっ。短めに挨拶よろしく♪」
「……エリィちゃんがやればいいのに……分かった」
アビリス王もいるが、これはあくまでもゼストラーク達が企画したもの。なので、文句は出ない。
「では、数百年振りの戦友の無事な目覚めと、再び地上へと降りてきてくださった神に感謝して、また、新たな時代の友人達との出会いに……乾杯!」
「「「「「乾杯!!」」」」」
神子達は、はじめ、目の前に並ぶ食べ物に、大いに戸惑っていた。生きた時代が違うのだ。食文化もかなり変わっている。現代の食べることに苦慮する状態が通常だった。
彩りもカラフルに野菜やタマゴ、ハムが挟まれたサンドイッチでさえ、仰天するもの。根菜系が主流だったため、生の新鮮な葉物野菜なんて、薬草だと思ったようだ。
タマゴは月に数回食べれれば良い方。鳥も家畜化されていないのだから、たまに手に入る野生の鳥のタマゴが普通だった。スライスハムなんて何ものかさえ分からないだろう。
パンだって彼らには完全に別物だ。地位ある立場の者でも、堅いパンが普通だったのだから。
「こ、これ、食べ物?」
「やだ、柔らかいっ。お、美味しい!!」
「え……薬草じゃないの? 野菜? 美味しいんだけどっ」
「……タマゴ……タマゴ? あれ? タマゴって……タマゴ?」
すごく困惑しながらも、賑やかに食べはじめていた。
他にもプチハンバーグや、だし巻き卵といった、お弁当の定番ものもある。作り置きしてある揚げ物も出した。
「お肉がこんなに柔らかいなんて……っ」
「これもタマゴ……どうしよう……こんなに食べて良いのかな……美味しい……っ」
「魚っ……これ、魚だっ。何これっ。外がサクサクしてる!」
子どものようにはしゃぎ、感動し、贅沢だと少しの罪悪感を感じる。それでも、手は止まらないらしい。
「起きたばかりで、あまり食べすぎるのは……いえ、よく噛んでくださいね」
あまりの食べっぷりに、ちょっと注意しようとしたのだが、揃って『え……』と絶望した表情を見せられ、ルート変更を余儀なくされた。
夢中になっているのは、神子達だけではない。王家組も負けていない。
「コウヤ、これ大皿で欲しい。全部食いそう」
アルキスは、小さなオムライスを指差して、正直に申告した。
「リルが泣きそうなのでやめてください。はい。一人前のオムライスです」
現役の冒険者でもあるアルキスとしては、ちょっとずつというのが嫌だったようだ。もちろん、それもコウヤは想定済みだ。
同じように、気に入ったものは一人前食べたいと思う者がいることもわかっていた。
「ジル父さん、きのこのパスタありますよ」
「くださいっ」
先ほどから何かを挟んでパスタの一口サイズを何度も取っていたジルファスへ、お気に入りの和風パスタを進呈した。
「ビジェ。炊き込みご飯、釜ごと出しますから、あっちのテーブルに置いてください。茶碗もどうぞ」
「っ、すみませっ……ありがとうございます……」
「うん。あ、ルー君。茶碗蒸しあるよ」
「た、食べる……っ」
ルディエに一人分としては少し大きいサイズのそれを渡すと、王家組とベニ達の視線が集まってきた。
「ん? あ~……小さめの茶碗蒸しなら……十人限定」
「「「「「ほしい!!」」」」」
取り合いは王家に教えたジャンケンにて解決だ。
「エリィ姉。それ、デザート。デザートバイキングはダメ。ご飯食べてから」
「ええぇっ。あ、合間に入れてる……よ?」
「……食べ合わせおかしいよ……おにぎり食べながらケーキはやめよう?」
味覚は大丈夫かと心配になった。
「ううっ……コウヤちゃんの一口ケーキ……っ」
「うん。だから、それは食後のデザート」
「だって……だって、美味しい……あっ、アップルパイ、もう一つ出して~」
「一つって、ホールだよね? あれ? ちょっ、まさか、一人で四分の三食べたの!?」
「えへ☆」
「……今日はもうエリィ姉はアップルパイなし!」
「えええっ! やだぁぁっ。コウヤちゃぁぁんっ」
嘆くエリスリリアに、コウヤは首を横に振る。
「うぇぇぇんっ」
「紅茶のシフォンケーキ用意してるのに、食べ過ぎだよ」
「っ、え……し、シフォンケーキ!? 紅茶の!? あるの!?」
「あるの。だから、デザートの食べ過ぎはダメ」
「分かったっ。ご飯食べる♪」
「そうして」
「うん♪」
全員で分けてちょうどよい具合になるように調整して、デザートは出していた。テーブルの上の彩りのためでもある。なので、デザートバイキングをされては困るというのが、コウヤの言い分だ。
ちなみに、エリスリリアはものすごく食べる。際限なく食べれるので、注意しないといけない。ニコニコ、優雅に小さな口に次から次へと入れていく様子だけでは、そんなに食べているとは見られないので、見た目で得をしている。
実際、この二十数人分の食事も、エリスリリア一人で食べ尽くせるだろう。神だからということもあるが、一応は神でも人の一人前くらいを食べる程度で自然に止めるのが普通だ。よって、エリスリリアはおかしい部類に入る。
コウヤとしては、食べるの大好き女子の認識なので、軽い注意で終わるのが常だ。
「……コウヤくん……エリスに甘いですよ……」
「リクト兄には、甘みを抑えたコーヒーのシフォンケーキを用意したよ?」
「……嬉しいです」
ちょっと拗ねた様子だったリクトルスだが、コロリと機嫌を直し、先程からと変わらない様子で、コウヤの取り皿にバランスよく取り分けてくれていた。
「ゼストパパにもね」
「それは楽しみだ」
こうして、昼食会は賑やかに進んでいった。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
次回、三日空きます。
よろしくお願いします◎
小さな背中に当てたコウヤの手は、ゆっくりとしたテンポを刻んだままにしておく。
「コウヤさん、レナルカちゃんは大丈夫?」
イスリナがお皿にパンケーキを取り分けながら、コウヤに尋ねる。
「レナルカちゃんが泣くのなんて、生まれてすぐの頃以来、はじめて見たわね……」
よしよしとイスリナはレナルカの頭をそっと撫でた。
「そういえば、そうですね。俺もあまり泣いた所を知らないです」
「よっぽどの事があったのね」
「……ええ……」
伝わってきたのは、コウヤを失くすかもしれないという恐怖だった。神教国には、それほどの何かがある。
「邪神……か……」
「コウヤさん?」
心配そうに顔を覗き込んでくるイスリナに、コウヤはなんでもないと首を横に振る。
「いえ。なんでもありません」
「そう? あ、抱っこしながら食べられる? もう少し小さくするわね」
パンケーキとサンドイッチなどを盛ったお皿をコウヤの前に置こうとしていたイスリナは、食べやすいように更に小さく切ってくれるつもりらしい。
隙あればレナルカを抱っこしようとしていたイスリナも、今回はコウヤと離すべきではないと感じたようだ。
「え、いいですよ?」
「ふふふ。いいの。たまには、普通の母親らしいことをさせてちょうだい?」
「あ……はい。お願いします」
「任せてっ」
コウヤをジルファスの子として国内外に発表する日が近付くにつれて、イスリナも意識が変わってきたようで、何かにつけて『お母様』と呼ばせたがったり、甘やかしたりしていた。
そんなイスリナの想いを無下にすることは出来ず、コウヤは苦笑しながらも付き合っている。親子の関係というのは、意識するほどに難しいというのが、最近のコウヤの認識だ。
思えば、コウルリーヤとしての母親はいないし、前世では病院生活が当たり前で、母と子の当たり前の日常とは縁遠かった。そして、今世では、物心つく前に母が他界してしまっている。実の母子の関係を知らないため、コウヤも手探り状態なのだ。
更に難しいことに、母親になろうとしているのが貴族。それも、王太子妃だ。王族の母子の関係は想像することも出来なかった。とはいえ、イスリナも冒険者にもなるトルヴァラン王家の嫁だ。普通の貴族とも少し違う所を目指しているかもしれない。
「これで揃ったかしら?」
エリスリリアがベニ達を呼び寄せ、ようやく席が埋まる。最初の予定より、間違いなく大人数になったが、テーブルも椅子もゼストラークが作った物で揃っているようだ。
こうした物は、恐らくコウヤとパックン以上に揃えているのがゼストラークだ。だからこそ、パックンのような収集癖も生える従魔を作り出せたともいえるだろう。
ゼストラークも、実はパックンの中身に危機感を持っていないのだ。リクトルスが指摘していても、目を逸らす。あまり喋らない上に、表情にも出にくいため、伝わらないが、ゼストラークとしてはパックンの収集癖を少し自慢げにしている。さすがは自分の生み出した従魔だと。
お陰でパックンの中身は、未公開のまま来てしまっている。人化スキル修得のためのレベルアップで、更に異次元化しているというのは、コウヤも全力で目を逸らす気でいる。
「さあ、じゃあ……お父様やリクトはこういうの苦手だし……コウヤちゃんは動けないから……ベニちゃんっ。短めに挨拶よろしく♪」
「……エリィちゃんがやればいいのに……分かった」
アビリス王もいるが、これはあくまでもゼストラーク達が企画したもの。なので、文句は出ない。
「では、数百年振りの戦友の無事な目覚めと、再び地上へと降りてきてくださった神に感謝して、また、新たな時代の友人達との出会いに……乾杯!」
「「「「「乾杯!!」」」」」
神子達は、はじめ、目の前に並ぶ食べ物に、大いに戸惑っていた。生きた時代が違うのだ。食文化もかなり変わっている。現代の食べることに苦慮する状態が通常だった。
彩りもカラフルに野菜やタマゴ、ハムが挟まれたサンドイッチでさえ、仰天するもの。根菜系が主流だったため、生の新鮮な葉物野菜なんて、薬草だと思ったようだ。
タマゴは月に数回食べれれば良い方。鳥も家畜化されていないのだから、たまに手に入る野生の鳥のタマゴが普通だった。スライスハムなんて何ものかさえ分からないだろう。
パンだって彼らには完全に別物だ。地位ある立場の者でも、堅いパンが普通だったのだから。
「こ、これ、食べ物?」
「やだ、柔らかいっ。お、美味しい!!」
「え……薬草じゃないの? 野菜? 美味しいんだけどっ」
「……タマゴ……タマゴ? あれ? タマゴって……タマゴ?」
すごく困惑しながらも、賑やかに食べはじめていた。
他にもプチハンバーグや、だし巻き卵といった、お弁当の定番ものもある。作り置きしてある揚げ物も出した。
「お肉がこんなに柔らかいなんて……っ」
「これもタマゴ……どうしよう……こんなに食べて良いのかな……美味しい……っ」
「魚っ……これ、魚だっ。何これっ。外がサクサクしてる!」
子どものようにはしゃぎ、感動し、贅沢だと少しの罪悪感を感じる。それでも、手は止まらないらしい。
「起きたばかりで、あまり食べすぎるのは……いえ、よく噛んでくださいね」
あまりの食べっぷりに、ちょっと注意しようとしたのだが、揃って『え……』と絶望した表情を見せられ、ルート変更を余儀なくされた。
夢中になっているのは、神子達だけではない。王家組も負けていない。
「コウヤ、これ大皿で欲しい。全部食いそう」
アルキスは、小さなオムライスを指差して、正直に申告した。
「リルが泣きそうなのでやめてください。はい。一人前のオムライスです」
現役の冒険者でもあるアルキスとしては、ちょっとずつというのが嫌だったようだ。もちろん、それもコウヤは想定済みだ。
同じように、気に入ったものは一人前食べたいと思う者がいることもわかっていた。
「ジル父さん、きのこのパスタありますよ」
「くださいっ」
先ほどから何かを挟んでパスタの一口サイズを何度も取っていたジルファスへ、お気に入りの和風パスタを進呈した。
「ビジェ。炊き込みご飯、釜ごと出しますから、あっちのテーブルに置いてください。茶碗もどうぞ」
「っ、すみませっ……ありがとうございます……」
「うん。あ、ルー君。茶碗蒸しあるよ」
「た、食べる……っ」
ルディエに一人分としては少し大きいサイズのそれを渡すと、王家組とベニ達の視線が集まってきた。
「ん? あ~……小さめの茶碗蒸しなら……十人限定」
「「「「「ほしい!!」」」」」
取り合いは王家に教えたジャンケンにて解決だ。
「エリィ姉。それ、デザート。デザートバイキングはダメ。ご飯食べてから」
「ええぇっ。あ、合間に入れてる……よ?」
「……食べ合わせおかしいよ……おにぎり食べながらケーキはやめよう?」
味覚は大丈夫かと心配になった。
「ううっ……コウヤちゃんの一口ケーキ……っ」
「うん。だから、それは食後のデザート」
「だって……だって、美味しい……あっ、アップルパイ、もう一つ出して~」
「一つって、ホールだよね? あれ? ちょっ、まさか、一人で四分の三食べたの!?」
「えへ☆」
「……今日はもうエリィ姉はアップルパイなし!」
「えええっ! やだぁぁっ。コウヤちゃぁぁんっ」
嘆くエリスリリアに、コウヤは首を横に振る。
「うぇぇぇんっ」
「紅茶のシフォンケーキ用意してるのに、食べ過ぎだよ」
「っ、え……し、シフォンケーキ!? 紅茶の!? あるの!?」
「あるの。だから、デザートの食べ過ぎはダメ」
「分かったっ。ご飯食べる♪」
「そうして」
「うん♪」
全員で分けてちょうどよい具合になるように調整して、デザートは出していた。テーブルの上の彩りのためでもある。なので、デザートバイキングをされては困るというのが、コウヤの言い分だ。
ちなみに、エリスリリアはものすごく食べる。際限なく食べれるので、注意しないといけない。ニコニコ、優雅に小さな口に次から次へと入れていく様子だけでは、そんなに食べているとは見られないので、見た目で得をしている。
実際、この二十数人分の食事も、エリスリリア一人で食べ尽くせるだろう。神だからということもあるが、一応は神でも人の一人前くらいを食べる程度で自然に止めるのが普通だ。よって、エリスリリアはおかしい部類に入る。
コウヤとしては、食べるの大好き女子の認識なので、軽い注意で終わるのが常だ。
「……コウヤくん……エリスに甘いですよ……」
「リクト兄には、甘みを抑えたコーヒーのシフォンケーキを用意したよ?」
「……嬉しいです」
ちょっと拗ねた様子だったリクトルスだが、コロリと機嫌を直し、先程からと変わらない様子で、コウヤの取り皿にバランスよく取り分けてくれていた。
「ゼストパパにもね」
「それは楽しみだ」
こうして、昼食会は賑やかに進んでいった。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
次回、三日空きます。
よろしくお願いします◎
214
お気に入りに追加
11,119
あなたにおすすめの小説


【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―
Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
【完結】お花畑ヒロインの義母でした〜連座はご勘弁!可愛い息子を連れて逃亡します〜+おまけSS
himahima
恋愛
夫が少女を連れ帰ってきた日、ここは前世で読んだweb小説の世界で、私はざまぁされるお花畑ヒロインの義母に転生したと気付く。
えっ?!遅くない!!せめてくそ旦那と結婚する10年前に思い出したかった…。
ざまぁされて取り潰される男爵家の泥舟に一緒に乗る気はありませんわ!
アルファポリス恋愛ランキング入りしました!
読んでくれた皆様ありがとうございます。
連載希望のコメントをいただきましたので、
連載に向け準備中です。
*他サイトでも公開中
なろう日間総合ランキング2位に入りました!

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。

聖女の私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。
重田いの
ファンタジー
聖女である私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。
あのお、私はともかくお父さんがいなくなるのは国としてマズイと思うのですが……。
よくある聖女追放ものです。
【完結】魔物をテイムしたので忌み子と呼ばれ一族から追放された最弱テイマー~今頃、お前の力が必要だと言われても魔王の息子になったのでもう遅い~
柊彼方
ファンタジー
「一族から出ていけ!」「お前は忌み子だ! 俺たちの子じゃない!」
テイマーのエリート一族に生まれた俺は一族の中で最弱だった。
この一族は十二歳になると獣と契約を交わさないといけない。
誰にも期待されていなかった俺は自分で獣を見つけて契約を交わすことに成功した。
しかし、一族のみんなに見せるとそれは『獣』ではなく『魔物』だった。
その瞬間俺は全ての関係を失い、一族、そして村から追放され、野原に捨てられてしまう。
だが、急な展開過ぎて追いつけなくなった俺は最初は夢だと思って行動することに。
「やっと来たか勇者! …………ん、子供?」
「貴方がマオウさんですね! これからお世話になります!」
これは魔物、魔族、そして魔王と一緒に暮らし、いずれ世界最強のテイマー、冒険者として名をとどろかせる俺の物語
2月28日HOTランキング9位!
3月1日HOTランキング6位!
本当にありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。