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第九章
363 よくも雇ってくれたなと
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王都のギルドマスターであるルナッカーダは、ソルマの存在により、査察が入ってから、忙しい日々を送っていた。
「ラーバ、こっちの書類は終わった。持っていってくれ」
「はい。あ、次はそちらより先に、こちらの書類からお願いします」
「分かった」
ほとんど机から目を上げることなく、サブマスターである職員、ラーバから書類を受け取り、返事を返す。
「そちらが終わりましたら、一旦休憩しましょう」
「ああ……」
ソルマが補佐をしていた時には、サブマスターであった彼は、この部屋には呼ばなければ来なかった。
抗議のつもりだったのだろう。ソルマを最初、託された時。親友の貴族の子どもだからと、間違いを指摘することも指導することも、軽く済ませていた。
他人の子だが、親友の大事な息子だ。甘くなっていたのは認めるしかない。
問題を起こすことが多くなり、他の職員達が煙たく思っているのを感じたことで、ソルマを手元に置くしかなかった。
最初は、その中でもラーバがしっかりと指導してくれていた。しかし、それも貴族特有の傲慢さが鼻に付くようになり、彼も匙を投げた。
今ならば分かる。唯一厳しく指導しなくてはならなかったルナッカーダ自身が、その役目を放棄していたのがいけなかったのだ。
そして、ルナッカーダとソルマは、見限られた。
「…….ラーバ。その……ソルマは問題を起こしていないか……」
少し距離を置くようにと言われているため、査察以降、あまりソルマと話をする機会もなかった。単純に、忙しくなったというのもある。
以前より倍以上の依頼を処理することになり、慣れない量の仕事に、未だに戸惑っているのだ。
恐らく、これが本来の王都のギルドが処理すべき量なのだろう。以前は、冒険者の数に比べて、依頼の数はかなり少なかった。
依頼が少ないから、冒険者達も当てにせずに個人で狩りに出かけたりする。他の町へ行こうと考える。そうして、こなされる依頼が少なくなるから、更に依頼が少なくなる。そういう悪循環がいつの間にか出来上がっていたのだ。それも、もう何年、何十年と前から。
これが普通だと思っていたルナッカーダ達は、本来の量になって驚きと戸惑いで、日々、目が回るような忙しさを送ることになった。
「問題があれば、すぐに報告するように言ってあります。それに、数日に一度マイルズが来てくれるので、完全に孤立することもないようです」
「……そうか……」
面倒見が良く、明るい性格のマイルズは、この王都のギルドにいた時。ソルマをさり気なくフォローし、周りとの関係を調整してくれていた。そんな彼だからこそ、辺境であるユースールのギルドにと推薦されたのだ。
ルナッカーダは、本部から彼をユースールにと連絡が来た時、特に気にせずに印を押した。
これにより、ソルマは手が付けられなくなったのだ。本来の気質がより表面化したともいえる。
「今更、マイルズに戻って来てもらう……というのは無理なんだよな……」
「無理ですね。寧ろ、まだまだユースールは職員が足りないと聞いています。コウヤ様も最近はこちらに来られていますから」
「だよな……」
大きなため息が漏れた。
「そもそも、ここは職員の人数が間に合っていますからね。ソルマの世話のためだけに呼べませんよ。それならば、ソルマを辞めさせろと言われるだけです。というか、査察の時に言われましたよね」
「……言われたな……」
査察では、問題のある職員への指導の指示も出すし、不正があれば捕らえられる。職員からの聞き取りもあり、当然、ソルマの勤務態度なども調べ上げられた。
ルナッカーダへの責任問題もあるが、ソルマ自身、かなり厳しく指導を受けたらしい。
彼は成人しており、家も継ぐことがない四男。兵になることも、文官になることも拒んだため、せめて独立して生きていけるようにと、父親が親友であるルナッカーダを頼ったのだ。
ここで働きながら、何かやりたいことを探して欲しいと願ってのことだった。
貴族の子息は成人以降、領官として領の運営に関わるか文官、武官になるのが一般的だ。その他の職業に就く場合、貴族としての権限を使わないよう、貴族籍を抜かれることが多い。
中には、他の貴族に対抗できるようにと、一応の繋がりを残しておく者も居るが、稀だった。その貴族の家に乗っ取られたと思われることにもなるため、雇う方も慎重になるのだ。だから、他種の職業に就こうとする場合は、貴族としての身分を捨てた方が就きやすいということもある。
「いつまでも貴族の感覚のままでは困りますからね」
ソルマは、それが不満だったようだ。それも、託された場所が、冒険者ギルドだ。多くの貴族は、冒険者を野蛮な物乞いと変わらないと思っている。ただ、王家の者も冒険者をしているため、口にしないだけだ。貴族達は、どうしても冒険者達を下に見る。
「ここで矯正しなくては、放り出したところで、他で迷惑をかけるだけです。どこに行くにしても、元冒険者ギルド職員と見られるのは問題になります」
「……」
こんなだから冒険者ギルドを辞めることになったのだと、正しく理解されるよりも、冒険者ギルドの職員として雇っていたことを問題に思われるだろう。こんなのでも職員になれるのだと思われては困る。
「今は大人しくしていますが、溜め込んでいるだけなら、本部への異動も考えてもらいますよ。あそこは厳しいですからね」
「……怒ってるのか……」
「現状、あの子にかまけていられるような状況ではないのだと、そろそろ理解して欲しいと思ってます」
「……はい……」
ソルマに怒っているのではなく、ラーバはルナッカーダに腹を立てていた。この期に及んで、まだ甘やかそうとするのかと。
「突き放すことも必要ですよ。もう、親の比護を当たり前のように受けていられる子どもではないんですから。これは、息子を持つ親としての意見です」
「……そうか……ん? お前、いつ息子が出来たんだ?」
ここまで、気まずくて、ラーバの顔を見えなかったルナッカーダも、これには驚いて目を向けた。だが、ラーバは受け取った書類の確認作業のため、顔を上げない。
「三年前です。あなたが、ソルマ、ソルマと言っていた頃ですよ。言うタイミングが合わなかったんです」
「マジかよ……っ。言えよ! ってか、もしかして、その頃から怒ってたのか!?」
「まあ、そうですね。あの子、最初っから不満タラタラな顔してましたから。そんな子をよくも雇ってくれたなと」
「ごめんなさい!」
ソルマは、ギルド職員になりたくてなったわけではない。それが、表情にモロに出ていたのだ。ラーバはそれが気に入らなかった。
「本心も隠せないバカを、受付に座らせるとか、乱闘騒ぎでも起こしたいのかと」
「申し訳ありません!」
絶対に冒険者達と揉める。それが一目でわかった。確かに、裏に置いておけば、職員達の雰囲気は悪くなるし、裏で揉めると、間違いなく業務に支障が出る。だから、まだ周りのフォローがすぐに出来る表にというのも分かっていたのだろう。
それでも、問題は問題だ。
「これは、冒険者達に始末させる気なのかと、一時期本気で考えました」
「っ、よ、よかった……ほんと……ありがとうございました!!」
思わず立ち上がって深く頭を下げるルナッカーダ。これに、ため息をついて見せるラーバ。立場は逆転していた。
そんな状況を、恐る恐るドアを開けて見てしまった者がいた。
「えっと……どういう状況?」
何度ノックしても話に夢中だったため、声をかけようとしたコウヤだった。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
三日空きます。
よろしくお願いします◎
「ラーバ、こっちの書類は終わった。持っていってくれ」
「はい。あ、次はそちらより先に、こちらの書類からお願いします」
「分かった」
ほとんど机から目を上げることなく、サブマスターである職員、ラーバから書類を受け取り、返事を返す。
「そちらが終わりましたら、一旦休憩しましょう」
「ああ……」
ソルマが補佐をしていた時には、サブマスターであった彼は、この部屋には呼ばなければ来なかった。
抗議のつもりだったのだろう。ソルマを最初、託された時。親友の貴族の子どもだからと、間違いを指摘することも指導することも、軽く済ませていた。
他人の子だが、親友の大事な息子だ。甘くなっていたのは認めるしかない。
問題を起こすことが多くなり、他の職員達が煙たく思っているのを感じたことで、ソルマを手元に置くしかなかった。
最初は、その中でもラーバがしっかりと指導してくれていた。しかし、それも貴族特有の傲慢さが鼻に付くようになり、彼も匙を投げた。
今ならば分かる。唯一厳しく指導しなくてはならなかったルナッカーダ自身が、その役目を放棄していたのがいけなかったのだ。
そして、ルナッカーダとソルマは、見限られた。
「…….ラーバ。その……ソルマは問題を起こしていないか……」
少し距離を置くようにと言われているため、査察以降、あまりソルマと話をする機会もなかった。単純に、忙しくなったというのもある。
以前より倍以上の依頼を処理することになり、慣れない量の仕事に、未だに戸惑っているのだ。
恐らく、これが本来の王都のギルドが処理すべき量なのだろう。以前は、冒険者の数に比べて、依頼の数はかなり少なかった。
依頼が少ないから、冒険者達も当てにせずに個人で狩りに出かけたりする。他の町へ行こうと考える。そうして、こなされる依頼が少なくなるから、更に依頼が少なくなる。そういう悪循環がいつの間にか出来上がっていたのだ。それも、もう何年、何十年と前から。
これが普通だと思っていたルナッカーダ達は、本来の量になって驚きと戸惑いで、日々、目が回るような忙しさを送ることになった。
「問題があれば、すぐに報告するように言ってあります。それに、数日に一度マイルズが来てくれるので、完全に孤立することもないようです」
「……そうか……」
面倒見が良く、明るい性格のマイルズは、この王都のギルドにいた時。ソルマをさり気なくフォローし、周りとの関係を調整してくれていた。そんな彼だからこそ、辺境であるユースールのギルドにと推薦されたのだ。
ルナッカーダは、本部から彼をユースールにと連絡が来た時、特に気にせずに印を押した。
これにより、ソルマは手が付けられなくなったのだ。本来の気質がより表面化したともいえる。
「今更、マイルズに戻って来てもらう……というのは無理なんだよな……」
「無理ですね。寧ろ、まだまだユースールは職員が足りないと聞いています。コウヤ様も最近はこちらに来られていますから」
「だよな……」
大きなため息が漏れた。
「そもそも、ここは職員の人数が間に合っていますからね。ソルマの世話のためだけに呼べませんよ。それならば、ソルマを辞めさせろと言われるだけです。というか、査察の時に言われましたよね」
「……言われたな……」
査察では、問題のある職員への指導の指示も出すし、不正があれば捕らえられる。職員からの聞き取りもあり、当然、ソルマの勤務態度なども調べ上げられた。
ルナッカーダへの責任問題もあるが、ソルマ自身、かなり厳しく指導を受けたらしい。
彼は成人しており、家も継ぐことがない四男。兵になることも、文官になることも拒んだため、せめて独立して生きていけるようにと、父親が親友であるルナッカーダを頼ったのだ。
ここで働きながら、何かやりたいことを探して欲しいと願ってのことだった。
貴族の子息は成人以降、領官として領の運営に関わるか文官、武官になるのが一般的だ。その他の職業に就く場合、貴族としての権限を使わないよう、貴族籍を抜かれることが多い。
中には、他の貴族に対抗できるようにと、一応の繋がりを残しておく者も居るが、稀だった。その貴族の家に乗っ取られたと思われることにもなるため、雇う方も慎重になるのだ。だから、他種の職業に就こうとする場合は、貴族としての身分を捨てた方が就きやすいということもある。
「いつまでも貴族の感覚のままでは困りますからね」
ソルマは、それが不満だったようだ。それも、託された場所が、冒険者ギルドだ。多くの貴族は、冒険者を野蛮な物乞いと変わらないと思っている。ただ、王家の者も冒険者をしているため、口にしないだけだ。貴族達は、どうしても冒険者達を下に見る。
「ここで矯正しなくては、放り出したところで、他で迷惑をかけるだけです。どこに行くにしても、元冒険者ギルド職員と見られるのは問題になります」
「……」
こんなだから冒険者ギルドを辞めることになったのだと、正しく理解されるよりも、冒険者ギルドの職員として雇っていたことを問題に思われるだろう。こんなのでも職員になれるのだと思われては困る。
「今は大人しくしていますが、溜め込んでいるだけなら、本部への異動も考えてもらいますよ。あそこは厳しいですからね」
「……怒ってるのか……」
「現状、あの子にかまけていられるような状況ではないのだと、そろそろ理解して欲しいと思ってます」
「……はい……」
ソルマに怒っているのではなく、ラーバはルナッカーダに腹を立てていた。この期に及んで、まだ甘やかそうとするのかと。
「突き放すことも必要ですよ。もう、親の比護を当たり前のように受けていられる子どもではないんですから。これは、息子を持つ親としての意見です」
「……そうか……ん? お前、いつ息子が出来たんだ?」
ここまで、気まずくて、ラーバの顔を見えなかったルナッカーダも、これには驚いて目を向けた。だが、ラーバは受け取った書類の確認作業のため、顔を上げない。
「三年前です。あなたが、ソルマ、ソルマと言っていた頃ですよ。言うタイミングが合わなかったんです」
「マジかよ……っ。言えよ! ってか、もしかして、その頃から怒ってたのか!?」
「まあ、そうですね。あの子、最初っから不満タラタラな顔してましたから。そんな子をよくも雇ってくれたなと」
「ごめんなさい!」
ソルマは、ギルド職員になりたくてなったわけではない。それが、表情にモロに出ていたのだ。ラーバはそれが気に入らなかった。
「本心も隠せないバカを、受付に座らせるとか、乱闘騒ぎでも起こしたいのかと」
「申し訳ありません!」
絶対に冒険者達と揉める。それが一目でわかった。確かに、裏に置いておけば、職員達の雰囲気は悪くなるし、裏で揉めると、間違いなく業務に支障が出る。だから、まだ周りのフォローがすぐに出来る表にというのも分かっていたのだろう。
それでも、問題は問題だ。
「これは、冒険者達に始末させる気なのかと、一時期本気で考えました」
「っ、よ、よかった……ほんと……ありがとうございました!!」
思わず立ち上がって深く頭を下げるルナッカーダ。これに、ため息をついて見せるラーバ。立場は逆転していた。
そんな状況を、恐る恐るドアを開けて見てしまった者がいた。
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