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第七章 ギルドと集団暴走
255 講習忘れてません!
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向かって来る人数はざっと数えて二十人ほど。彼らに近付くにつれて、グラムとセクタの足は速まった。仲間を引きずるようにしてやってくる者たちの服装を確認する。
「冒険者だな。あの怪我、ヤバイな」
怪我も酷そうだが、顔色がおかしい者が多い。恐らく毒だろう。なんの対処もできていないのがよくわかった。
グラムがそう判断すると、セクタが焦り気味に吐き捨てる。
「あいつらバカかっ。あのまま町まで行くつもりだったのか? 保たんだろうが! くそっ、先に行く!」
「分かった」
セクタはグラムの返事を待たずに駆け出していた。
グラムも思わず舌打ちする。それが聞こえたのだろう。『雪の夜闇』のメンバーが、後ろから申し訳なさそうに声をかけてくる。
「あ、あの、俺ら足手まといなら……」
「いや、身体強化は使えたな?」
「はい!」
一番最初にテンキにボコボコにされたことで、彼らは身体強化スキルを手に入れていた。そのあとにコウヤの戦闘講習も受けたため、スキル熟練度は早くも【中】だ。
仮に百メートル走で八秒台を余裕でクリアできる夢のようなスキル。これが【大】だと五秒近くなる。継続よりも瞬間的な発動が主なので、使い方は訓練が必要だ。
「なら、後で三人ギルドに走ってもらう。選んでおけ」
「分かりました!」
パーティの仲間たちの実力や能力を理解し合うことの大切さを知った彼らは、正しくこれを選抜することができるはずだ。
グラムは索敵範囲を広げる。幸い、見晴らしが良い荒地だ。見える範囲には魔獣や魔物はいない。Aランクは伊達ではない。特にユースールでのAランクはひと味違う。
「……苦戦するような魔獣の反応はないな……」
魔力感知、気配察知、索敵強化のスキルが、グラムは全てに【極】になっている。これにより、かなり広範囲の魔獣や魔物の存在や強さが正確に分かるようになっていた。ガルタ辺境伯領付近ならば、魔力感知と気配察知を合わせて何の魔獣や魔物なのかも分かるほどだ。
それを使って彼らがやって来た方向へ向けて索敵範囲を広げたが、それらしいものの反応はない。
「倒し切った様子にも見えない…….やはり迷宮か」
迷宮内は外からではスキルを使っても中の様子がわからない。不穏な気配が近くにない以上、原因は迷宮しかないだろう。
無茶をする新人かと足を緩める。しかし、セクタがそこで叫んだ。
「グラム! 迷宮で氾濫だ!」
「っ、お前たち、緊急搬送用の担架の講習は受けてるな!」
「あ、はい!」
グラムは『雪の夜闇』に再び確認する。返事を聞きながら、Bランク以上で支給されるマジックバックから太い折り畳み傘のような物を取り出す。セクタもほぼ同時に取り出していた。これは、ユースール独自でマジックバックと共に支給されるものだ。
それを伸ばし、広げると二本の棒に黄色い布が渡せてある。布の長さは二メートルくらい。両端の棒は五十センチほど長い。布に近い場所には三十センチ幅の革のベルトのようなものがついているのが普通とは違う所だろうか。
これはコウヤが作った担架だ。しかしただの担架ではなく、れっきとした魔導具だった。その証拠に前方の二本の握りの所には小さな魔石がついている。
「こいつとこいつがヤバイ。薬じゃ無理だ。そんで、ある程度ギルドに顔が利いて、説明できるのがそいつとそいつだな」
セクタが薬を飲ませながら指示を出す。何の魔獣から受けた怪我かを聞き、それに合った解毒薬を飲ませているのだ。
グラムはセクタが言った者を素早く担架に乗せていく。
「分かった。ここに寝かせるぞ。あんたはこいつの後ろに乗ってもらう。よし、発動させろ」
「はい!」
『雪の夜闇』の一人が、寝かせた人の方を向いて魔石に魔力を流す。すると、革のベルトが足になって四十センチくらい上がった。
「え!? な、なにこれ……っ」
後ろに乗ってもらうと指名された男が驚愕の声を上げる。たたでさえ顔色が悪いのだ。少し心配になる。そんな男に、後ろの革のベルトの上に立つように指示する。
「ここに立て。足は揃えるな。軽く開いた方が良い。そんで、少し前のめりになるがこの辺掴んで。そう。離すなよ? 辛くなったらあいつに声をかけろ。いいな?」
「は、はいっ……え!? コレはなんですか!?」
混乱しているが、指定した体勢から動くことはないようだ。その間にもう一組をセクタの出した担架に乗せる。
「お前もいいな? 気絶すんなよ? 気をしっかり持て!」
「わ、わかりました。なんか分かんないけど、分かりました!」
訳が分からなさ過ぎて怖いらしい。だが、慣らす時間はない。
「お前らいいな? 一人は先導だ。身体強化してギルドまで突っ走れ! これをギルドマスターに見せてユースールに通信を入れろ。『神官要請だ』と言えばいい。いいな?」
「大丈夫です。講習忘れてません!」
「よし。俺が迷宮を確認してくるってのも伝えろ。行け!」
「「「はい!!」」」
一人は先導で先に走り出す。担架を持つのはそれぞれ一人。怪我人に背中を向けた二人は、魔石を掴んで魔力を流す。すると、担架はふわりと更に二十センチくらい浮かんだ。そして、走り出す。
「「うぇぇぇぇっ!?」」
後ろに立って乗っていた二人がビビりながら声を上げる。それでも動かないのはいい判断だ。普通に落ちる。
身体強化を何度も発動させながら、『雪の夜闇』の選ばれた三人は走った。浮いているため、担架への振動はない。上下しないように走るように訓練も受けていたため、実にスムーズに流れるように進んでいった。
そんな様子を、手当てされながら口をポカンと開けて見送る冒険者たち。
「……なにあれ……」
これに説明もせず、グラムはマジックバックから薬をいくつか出して残った『雪の夜闇』の二人に手渡す。
「セクタに聞きながら飲ませていってくれ。俺は迷宮を確認してくる。セクタ『甲羅』出せるようにしておけよ」
「おう。まったく、コウヤには本当に頭が下がるぜ」
「まったくだ」
薬は酷い怪我の場合、即効で傷が塞がるわけではない。特に解毒の場合も、飲んでから効くまでに時間がかかる。すぐには残り二十人弱を移動させられないだろう。だからここで絶対防御の魔導具『甲羅強羅』が必要になってくる。
これは、仮に集団暴走の只中に残されたとしても、発動した者の身体強化スキルが発動し続ける限り絶対の結界が張れる魔導具だ。使い手を選ぶため、微妙に使い勝手が悪いが、その代わり安全は保障される。
ユースールでは身体強化が【極】の冒険者や兵達に支給されていた。結界を張れる範囲は訓練次第で半径五メートルまで可能。そして、それこそ亀の様にノロノロとだが、そのまま移動することも可能だ。
辺境のいつ何が起きても不思議ではない環境だからこそ、必要となるもの。上位冒険者が万が一の時、自身の命を賭けることがないように。二回に一度はその選択がなくなるようにとコウヤがスキル修得祝いとして贈っていた。
使い勝手については、コウヤ以外の魔工師が作れるように性能を落としたから。いずれは、ユースール以外で【極】まで熟練度を上げた人の手に行き渡るようにという考えからだ。
「グラム……お前も甲羅持ってるから大丈夫だとは思うが、無茶せず帰ってきてくれ。お前に何かあったら、俺がコウヤに合わせる顔がなくなっちまう……」
セクタは思い出していた。自身のかつての仲間達の末路を。
そんなセクタの肩を強めに叩いて、グラムは笑った。
「それはこっちのセリフでもあるからな? お前も諦めんなよ。お前らもだ。これも経験だと思ってしっかり考えて行動しろ。それと……」
ここでグラムは言葉を切る。それと同時に真剣な表情になった。
「もし集団暴走が起きたら、こっちのギルドの奴らを殴り飛ばしてでもユースールに助けを呼ばせろ。俺の権限で神官要請は出来ても、ギルドがユースールに応援要請を出さんとコウヤ達は動けん」
「ああ……動けるようになった奴らから走らせる。こっちは任せろ」
「おう。任せた」
そして、グラムは迷宮の方へ走り去っていった。
残された者たちは何がなんだか分からない。薬が効いてきたらしく、徐々に余裕が出てきたようだ。
「あ、あの……あんた……ユースールの?」
「今はな。俺も十数年前まではベルセンを拠点にしてた。こっちの二人の顔は覚えてんじゃねえのか?」
「あ、そ、そうだ。なんか雰囲気違うけど、バナンとヤンスだよな?」
「あ……はい……」
「どうも……」
「……やっぱ、なんか違う」
バナンとヤンス含む『雪の夜闇』のメンバーは、問題児達の集まりだ。悪い方に有名だった。
因みに、バナンがリーダーだ。今はもう礼儀正しい青年にしか見えない。コウヤだけでなく、マリーファルニェからも、きちんと身だしなみを整えろと注意された結果、髭もきちんと朝起きたら剃り、髪も整えるようになった。これにより、正しく二十代から三十代の年齢に相応しい姿になったのだ。
普通に誰だと言われるレベルの変化で、特に先に出て行った若い三人は大変身だった。
「じゃあ、さっき走ってったの……まさか、ラグサ達か? いや、ちょい若い奴らだったか……」
やはり分からなかったようだ。
************
読んでくださりありがとうございます◎
三日空きます。
よろしくお願いします◎
「冒険者だな。あの怪我、ヤバイな」
怪我も酷そうだが、顔色がおかしい者が多い。恐らく毒だろう。なんの対処もできていないのがよくわかった。
グラムがそう判断すると、セクタが焦り気味に吐き捨てる。
「あいつらバカかっ。あのまま町まで行くつもりだったのか? 保たんだろうが! くそっ、先に行く!」
「分かった」
セクタはグラムの返事を待たずに駆け出していた。
グラムも思わず舌打ちする。それが聞こえたのだろう。『雪の夜闇』のメンバーが、後ろから申し訳なさそうに声をかけてくる。
「あ、あの、俺ら足手まといなら……」
「いや、身体強化は使えたな?」
「はい!」
一番最初にテンキにボコボコにされたことで、彼らは身体強化スキルを手に入れていた。そのあとにコウヤの戦闘講習も受けたため、スキル熟練度は早くも【中】だ。
仮に百メートル走で八秒台を余裕でクリアできる夢のようなスキル。これが【大】だと五秒近くなる。継続よりも瞬間的な発動が主なので、使い方は訓練が必要だ。
「なら、後で三人ギルドに走ってもらう。選んでおけ」
「分かりました!」
パーティの仲間たちの実力や能力を理解し合うことの大切さを知った彼らは、正しくこれを選抜することができるはずだ。
グラムは索敵範囲を広げる。幸い、見晴らしが良い荒地だ。見える範囲には魔獣や魔物はいない。Aランクは伊達ではない。特にユースールでのAランクはひと味違う。
「……苦戦するような魔獣の反応はないな……」
魔力感知、気配察知、索敵強化のスキルが、グラムは全てに【極】になっている。これにより、かなり広範囲の魔獣や魔物の存在や強さが正確に分かるようになっていた。ガルタ辺境伯領付近ならば、魔力感知と気配察知を合わせて何の魔獣や魔物なのかも分かるほどだ。
それを使って彼らがやって来た方向へ向けて索敵範囲を広げたが、それらしいものの反応はない。
「倒し切った様子にも見えない…….やはり迷宮か」
迷宮内は外からではスキルを使っても中の様子がわからない。不穏な気配が近くにない以上、原因は迷宮しかないだろう。
無茶をする新人かと足を緩める。しかし、セクタがそこで叫んだ。
「グラム! 迷宮で氾濫だ!」
「っ、お前たち、緊急搬送用の担架の講習は受けてるな!」
「あ、はい!」
グラムは『雪の夜闇』に再び確認する。返事を聞きながら、Bランク以上で支給されるマジックバックから太い折り畳み傘のような物を取り出す。セクタもほぼ同時に取り出していた。これは、ユースール独自でマジックバックと共に支給されるものだ。
それを伸ばし、広げると二本の棒に黄色い布が渡せてある。布の長さは二メートルくらい。両端の棒は五十センチほど長い。布に近い場所には三十センチ幅の革のベルトのようなものがついているのが普通とは違う所だろうか。
これはコウヤが作った担架だ。しかしただの担架ではなく、れっきとした魔導具だった。その証拠に前方の二本の握りの所には小さな魔石がついている。
「こいつとこいつがヤバイ。薬じゃ無理だ。そんで、ある程度ギルドに顔が利いて、説明できるのがそいつとそいつだな」
セクタが薬を飲ませながら指示を出す。何の魔獣から受けた怪我かを聞き、それに合った解毒薬を飲ませているのだ。
グラムはセクタが言った者を素早く担架に乗せていく。
「分かった。ここに寝かせるぞ。あんたはこいつの後ろに乗ってもらう。よし、発動させろ」
「はい!」
『雪の夜闇』の一人が、寝かせた人の方を向いて魔石に魔力を流す。すると、革のベルトが足になって四十センチくらい上がった。
「え!? な、なにこれ……っ」
後ろに乗ってもらうと指名された男が驚愕の声を上げる。たたでさえ顔色が悪いのだ。少し心配になる。そんな男に、後ろの革のベルトの上に立つように指示する。
「ここに立て。足は揃えるな。軽く開いた方が良い。そんで、少し前のめりになるがこの辺掴んで。そう。離すなよ? 辛くなったらあいつに声をかけろ。いいな?」
「は、はいっ……え!? コレはなんですか!?」
混乱しているが、指定した体勢から動くことはないようだ。その間にもう一組をセクタの出した担架に乗せる。
「お前もいいな? 気絶すんなよ? 気をしっかり持て!」
「わ、わかりました。なんか分かんないけど、分かりました!」
訳が分からなさ過ぎて怖いらしい。だが、慣らす時間はない。
「お前らいいな? 一人は先導だ。身体強化してギルドまで突っ走れ! これをギルドマスターに見せてユースールに通信を入れろ。『神官要請だ』と言えばいい。いいな?」
「大丈夫です。講習忘れてません!」
「よし。俺が迷宮を確認してくるってのも伝えろ。行け!」
「「「はい!!」」」
一人は先導で先に走り出す。担架を持つのはそれぞれ一人。怪我人に背中を向けた二人は、魔石を掴んで魔力を流す。すると、担架はふわりと更に二十センチくらい浮かんだ。そして、走り出す。
「「うぇぇぇぇっ!?」」
後ろに立って乗っていた二人がビビりながら声を上げる。それでも動かないのはいい判断だ。普通に落ちる。
身体強化を何度も発動させながら、『雪の夜闇』の選ばれた三人は走った。浮いているため、担架への振動はない。上下しないように走るように訓練も受けていたため、実にスムーズに流れるように進んでいった。
そんな様子を、手当てされながら口をポカンと開けて見送る冒険者たち。
「……なにあれ……」
これに説明もせず、グラムはマジックバックから薬をいくつか出して残った『雪の夜闇』の二人に手渡す。
「セクタに聞きながら飲ませていってくれ。俺は迷宮を確認してくる。セクタ『甲羅』出せるようにしておけよ」
「おう。まったく、コウヤには本当に頭が下がるぜ」
「まったくだ」
薬は酷い怪我の場合、即効で傷が塞がるわけではない。特に解毒の場合も、飲んでから効くまでに時間がかかる。すぐには残り二十人弱を移動させられないだろう。だからここで絶対防御の魔導具『甲羅強羅』が必要になってくる。
これは、仮に集団暴走の只中に残されたとしても、発動した者の身体強化スキルが発動し続ける限り絶対の結界が張れる魔導具だ。使い手を選ぶため、微妙に使い勝手が悪いが、その代わり安全は保障される。
ユースールでは身体強化が【極】の冒険者や兵達に支給されていた。結界を張れる範囲は訓練次第で半径五メートルまで可能。そして、それこそ亀の様にノロノロとだが、そのまま移動することも可能だ。
辺境のいつ何が起きても不思議ではない環境だからこそ、必要となるもの。上位冒険者が万が一の時、自身の命を賭けることがないように。二回に一度はその選択がなくなるようにとコウヤがスキル修得祝いとして贈っていた。
使い勝手については、コウヤ以外の魔工師が作れるように性能を落としたから。いずれは、ユースール以外で【極】まで熟練度を上げた人の手に行き渡るようにという考えからだ。
「グラム……お前も甲羅持ってるから大丈夫だとは思うが、無茶せず帰ってきてくれ。お前に何かあったら、俺がコウヤに合わせる顔がなくなっちまう……」
セクタは思い出していた。自身のかつての仲間達の末路を。
そんなセクタの肩を強めに叩いて、グラムは笑った。
「それはこっちのセリフでもあるからな? お前も諦めんなよ。お前らもだ。これも経験だと思ってしっかり考えて行動しろ。それと……」
ここでグラムは言葉を切る。それと同時に真剣な表情になった。
「もし集団暴走が起きたら、こっちのギルドの奴らを殴り飛ばしてでもユースールに助けを呼ばせろ。俺の権限で神官要請は出来ても、ギルドがユースールに応援要請を出さんとコウヤ達は動けん」
「ああ……動けるようになった奴らから走らせる。こっちは任せろ」
「おう。任せた」
そして、グラムは迷宮の方へ走り去っていった。
残された者たちは何がなんだか分からない。薬が効いてきたらしく、徐々に余裕が出てきたようだ。
「あ、あの……あんた……ユースールの?」
「今はな。俺も十数年前まではベルセンを拠点にしてた。こっちの二人の顔は覚えてんじゃねえのか?」
「あ、そ、そうだ。なんか雰囲気違うけど、バナンとヤンスだよな?」
「あ……はい……」
「どうも……」
「……やっぱ、なんか違う」
バナンとヤンス含む『雪の夜闇』のメンバーは、問題児達の集まりだ。悪い方に有名だった。
因みに、バナンがリーダーだ。今はもう礼儀正しい青年にしか見えない。コウヤだけでなく、マリーファルニェからも、きちんと身だしなみを整えろと注意された結果、髭もきちんと朝起きたら剃り、髪も整えるようになった。これにより、正しく二十代から三十代の年齢に相応しい姿になったのだ。
普通に誰だと言われるレベルの変化で、特に先に出て行った若い三人は大変身だった。
「じゃあ、さっき走ってったの……まさか、ラグサ達か? いや、ちょい若い奴らだったか……」
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