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第二章 新生ギルドと神子編
048 お正月特別編 あけましておめでとう
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それは、ばば様達が教会を乗っ取ってから数ヶ月後のことだ。
この世界ではお正月という言葉はない。
ただ同じように新しい年をお祝いする日として三日間のお祭りが行われる。
『新天祭』
家族や仲間達と過ごし、また一年の健康を教会で祈るのだが、これまで教会にはあまり良いイメージがなく、礼拝の回数も極端に減っていた。
しかし、ベニ達三人のばば様達が乗っ取ったことで、参拝者達はここ数ヶ月で激増している。
この新しい年の始めに仕事をしようとする冒険者達は少ない。この期間中に怪我をしたり、依頼が上手くいかないと幸先が悪いということで避けるのだ。
これにより、冒険者達の仕事始めは落ち着いた五日とされていた。
「あけましておめでとう」
《おめでと~ (๑>◡<๑) 》
《おめでとうでしゅ~》
コウヤは仕事のし過ぎだと注意され、この五日間、思わぬ連休を手に入れた。
けれど、そこはコウヤだ。予定はしっかり立てている。
「さて、今日から三日間はお祭りですっ」
《おまつり~ (≧∇≦)》
《おまつ……り……? でしゅか?》
「ダンゴは知らなかったっけ?」
《しらないでしゅ……》
そういえばダンゴとはあまり賑やかな場所へ行かなかったかもしれない。精霊は静かな場所を好むものだ。ダンゴは疲れて眠ってしまうと飛んで行ってしまうというのもあり、コウヤも避けていたのだ。
人混みの中で地面に降りたりしたらきっと見つからない。ダンゴは小さいのだ。
「う~ん。従魔用のリボンもつけてるし、俺の頭の上にいれば大丈夫かな?」
《いけるでしゅ?》
下にいるパックンの上で後ろ足だけで立ち上がり、クリクリの小さな瞳で見上げてくるダンゴに無理だと言えるはずがない。
「いいよ。けど、お昼にはばば様達を手伝いに行くけど良い?」
《いくでしゅ!》
「よしっ、じゃぁ新しいリボンをつけて……あ、パックンも新しいやつね」
従魔であることを示すリボン。それを新しい年になるということで新調したのだ。綺麗な赤のリボンは、コウヤお手製だったりする。光沢もあって美しい。
《みてみてかっこいい!! ( ˘ω˘ ) 》
《かわいいでしゅ!》
気に入ってくれたみたいだ。
◆ ◆ ◆
今回のお祭りは例年よりも賑やかだ。それも教会周辺に集まっている。本来の場所といえるかもしれない。
大きなリボンをお腹に巻きつけて背中で結んだダンゴは、コウヤの頭の上で珍しそうに周りを見回している。
コウヤは十二才。それほど背も高くはない。なので、頭の上であってもあまり見えないかもしれない。それでも楽しそうではあった。
《いっぱいヒトがいましゅ》
《いいなぁ (´ー`) 》
パックンは定位置であるコウヤの腰の後ろに引っ付いているので、人混みしか見えない状況だ。少し羨ましいのだろう。
「パックン、何か食べたいものない?」
《いいの!? (*⁰▿⁰*) 》
屋台部隊が出動しているので、屋台の内容は様々だ。かぶることがほとんどない。
「いいよ。選らんでおいてね。ばば様達の手伝いが終わったら買ってあげるよ」
《わ~い (*≧∀≦*) 》
《いいにおいするでしゅ》
「ダンゴにもね」
約束をしながら教会の前までくると、人だかりができていた。
《なんでしゅ? トントンおとがきこえるでしゅ》
トコ、トコ、ピチャ
トコ、トコ、ピチャ
規則正しく響く音に近付いていく。そこでは餅つきが行われていた。
《なにあれかっこいい Σ('◉⌓◉’) 》
《いい……でしゅっ》
白い割烹着を着た同じ顔のばば様達が餅をついている。
杵を持つのはキイとセイ。返しをするのがベニだ。ピチャっとベニが返した後にキイとセイがタイミングをずらしてトントンと打つ。
それはとてつもなく早くリズミカルだった。
お餅もあっという間につきあがる。
熱い餅をベニは苦もなく掴み、小さく千切って用意されている大皿にコロコロと置いていく。その大皿には、きな粉が敷かれており、待機していた若い神官達が同じように割烹着を着て参拝客に餅を提供していた。
この神官達は、ばば様達の指導を受けた者達だ。とっても素直でいい人達ばかりだった。若干、ばば様達に怯えている時もあるように見えるのだが、気のせいだと思っているコウヤだ。
「コウヤ坊。手伝いに来てくれたんか」
「これは良い時に来たわ」
「そやね。あっちのボア汁の味付けがどうも上手くいかんくてなぁ」
きな粉餅も盛況で、その隣で汁物をと作っていたらしいのだが、神官達には経験がなく、上手くいかないらしい。何より、これはコウヤの得意料理。いわゆる豚汁だ。
手早く味付けをするコウヤだが、ベニ達が気になっていた。
「ばば様達、お餅つき代わらなくていいの?」
「ええて。これはばば達の得意技やでなぁ」
「いい運動だわ」
「『餅つき名人』のスキルは伊達じゃないからなぁ」
なんだろうそのスキル。
「なにそのスキル……」
「マスター?」
同じことを思い、思わず口に出したのはタリスだった。
「やあ、コウヤちゃん。お休みだよね? なんでお鍋かき回してるの?」
「ちゃんとお休みですよ? どうぞ食べて行ってください」
「うん。すっごくさっきから美味しそうな匂いがね……それも、コウヤちゃんが作ってるって聞いて……どんどん人が集まってるよ」
「え? あれ!?」
いつの間にか行列が出来ていた。それも、なぜかグラムなど、高ランクの冒険者達が列を整理している。
「グラムさん?」
「おうコウヤ。絶対足りなくなるから、追加頼むぞ」
「うわ~……すごい人……」
コウヤの手作り料理と聞いて、多くの冒険者達が集まってきており、さらに住人達が噂を聞いて集まってくる。
その行列を見て、左右の屋台の店主達が売り子を手配しており、彼らの売り上げも順調のようだ。
「これはまずいね。神官さん、味付けも終わったので、ここお願いします。俺は追加作るので」
ボア汁をつけるのを神官さん達に任せ、コウヤは少し離れた場所に即席で窯を作る。そして、パックンに声をかけた。
「パックン、寸胴鍋あったよね?」
《これだね (=^▽^)σ 》
パックンが出したのはコウヤなど入ってしまいそうなくらい大きな寸胴鍋だ。それをヨイショっと窯に置いていると、そこにどこからともなくドラム組の棟梁が工具箱を持って現れた。
「あ、棟梁? 何か修理が?」
「……」
首を振ると工具箱を置いて両手を出す。それは合図だ。
「木材ですか?」
訳がわからないなりに、コウヤは端の方に木材を積んだ。
すると、走ってきた数人のドラム組の男たちが木材に群がり、トントン、タンタンリズムを刻んであっと言う間に調理台が出来上がった。
ついでとばかりにコウヤが寸胴鍋に届くように台も用意してくれた。
「うわ、すごいっ。助かります!」
「……」
彼らはビシっとサムズアップして撤収して行った。祭りの期間中は、壊れた物を直す店を出しているドラム組だ。裏から祭りをサポートもしており、屋台に併設された飲食スペースの机や椅子を用意したりと常に店とは別のメンバーが交代制で走り回っている。
「え~っと、野菜は……」
《たりないのそだてるでしゅ!》
「ならダイコンを……タネはこれ」
《すぐでしゅよ!》
ダンゴがコロンと地面に降り、気に入った場所にタネを植えて丸くなると、コロコロ円を描きながら転がり始めた。
「パックン、一応ダンゴを見ててね」
《はい! ( ̄^ ̄)ゞ 》
他の具材を調理台に大量に乗せ、切っていく。そこでふと気付いた。
「しまった! ボア肉が足りないかも……解体してないのはあるんだけど……」
「解体ぃぃぃ!」
「へ?」
解体屋のオヤジさんだ。
「出せぇぇ! 出してみよぉぉよぉ!」
「あ、はい。お願いします」
「コウヤさ~ん、すぐに解体用のテント張るんで、こっちに出してください」
オヤジさんの後から来たお弟子さん達は素早くテントを張った。その中にボアを出すと、あとはお任せだ。
「じゃぁ、お願いしま~す」
数分もしないうちに肉が調理台の上に届けられる。
「他の部位はどうします?」
「パックンに任せます」
そこにダンゴが小さな体を浮かせて出来上がった立派なダイコンをぶら下げながらやってきた。
《できたでしゅ!》
「うわっ、大きい! ありがとうダンゴ。パックンと居てね」
《あい!》
コウヤの役に立てたと、ダンゴは嬉しそうにパックンに駆け寄っていった。
「よぉし! 作るぞ!」
そうしてみんなの協力を得て作り上げたボア汁は、全員に行き渡った。途中、列の中に領主であるレンスフィート達もいたのは驚いた。
《たのしかったね~ ( ̄∇ ̄) 》
《すごかったでしゅ》
パックンとダンゴも楽しんだようだ。満足げな二匹を見てコウヤは明日へと思いを馳せる。
「明日はお雑煮にしよかな」
そしてまた大盛況をおさめることになるのだが、それはまだコウヤも知らない。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
明日も一応投稿予定です。
今年もよろしくお願いします◎
2019. 1. 1
この世界ではお正月という言葉はない。
ただ同じように新しい年をお祝いする日として三日間のお祭りが行われる。
『新天祭』
家族や仲間達と過ごし、また一年の健康を教会で祈るのだが、これまで教会にはあまり良いイメージがなく、礼拝の回数も極端に減っていた。
しかし、ベニ達三人のばば様達が乗っ取ったことで、参拝者達はここ数ヶ月で激増している。
この新しい年の始めに仕事をしようとする冒険者達は少ない。この期間中に怪我をしたり、依頼が上手くいかないと幸先が悪いということで避けるのだ。
これにより、冒険者達の仕事始めは落ち着いた五日とされていた。
「あけましておめでとう」
《おめでと~ (๑>◡<๑) 》
《おめでとうでしゅ~》
コウヤは仕事のし過ぎだと注意され、この五日間、思わぬ連休を手に入れた。
けれど、そこはコウヤだ。予定はしっかり立てている。
「さて、今日から三日間はお祭りですっ」
《おまつり~ (≧∇≦)》
《おまつ……り……? でしゅか?》
「ダンゴは知らなかったっけ?」
《しらないでしゅ……》
そういえばダンゴとはあまり賑やかな場所へ行かなかったかもしれない。精霊は静かな場所を好むものだ。ダンゴは疲れて眠ってしまうと飛んで行ってしまうというのもあり、コウヤも避けていたのだ。
人混みの中で地面に降りたりしたらきっと見つからない。ダンゴは小さいのだ。
「う~ん。従魔用のリボンもつけてるし、俺の頭の上にいれば大丈夫かな?」
《いけるでしゅ?》
下にいるパックンの上で後ろ足だけで立ち上がり、クリクリの小さな瞳で見上げてくるダンゴに無理だと言えるはずがない。
「いいよ。けど、お昼にはばば様達を手伝いに行くけど良い?」
《いくでしゅ!》
「よしっ、じゃぁ新しいリボンをつけて……あ、パックンも新しいやつね」
従魔であることを示すリボン。それを新しい年になるということで新調したのだ。綺麗な赤のリボンは、コウヤお手製だったりする。光沢もあって美しい。
《みてみてかっこいい!! ( ˘ω˘ ) 》
《かわいいでしゅ!》
気に入ってくれたみたいだ。
◆ ◆ ◆
今回のお祭りは例年よりも賑やかだ。それも教会周辺に集まっている。本来の場所といえるかもしれない。
大きなリボンをお腹に巻きつけて背中で結んだダンゴは、コウヤの頭の上で珍しそうに周りを見回している。
コウヤは十二才。それほど背も高くはない。なので、頭の上であってもあまり見えないかもしれない。それでも楽しそうではあった。
《いっぱいヒトがいましゅ》
《いいなぁ (´ー`) 》
パックンは定位置であるコウヤの腰の後ろに引っ付いているので、人混みしか見えない状況だ。少し羨ましいのだろう。
「パックン、何か食べたいものない?」
《いいの!? (*⁰▿⁰*) 》
屋台部隊が出動しているので、屋台の内容は様々だ。かぶることがほとんどない。
「いいよ。選らんでおいてね。ばば様達の手伝いが終わったら買ってあげるよ」
《わ~い (*≧∀≦*) 》
《いいにおいするでしゅ》
「ダンゴにもね」
約束をしながら教会の前までくると、人だかりができていた。
《なんでしゅ? トントンおとがきこえるでしゅ》
トコ、トコ、ピチャ
トコ、トコ、ピチャ
規則正しく響く音に近付いていく。そこでは餅つきが行われていた。
《なにあれかっこいい Σ('◉⌓◉’) 》
《いい……でしゅっ》
白い割烹着を着た同じ顔のばば様達が餅をついている。
杵を持つのはキイとセイ。返しをするのがベニだ。ピチャっとベニが返した後にキイとセイがタイミングをずらしてトントンと打つ。
それはとてつもなく早くリズミカルだった。
お餅もあっという間につきあがる。
熱い餅をベニは苦もなく掴み、小さく千切って用意されている大皿にコロコロと置いていく。その大皿には、きな粉が敷かれており、待機していた若い神官達が同じように割烹着を着て参拝客に餅を提供していた。
この神官達は、ばば様達の指導を受けた者達だ。とっても素直でいい人達ばかりだった。若干、ばば様達に怯えている時もあるように見えるのだが、気のせいだと思っているコウヤだ。
「コウヤ坊。手伝いに来てくれたんか」
「これは良い時に来たわ」
「そやね。あっちのボア汁の味付けがどうも上手くいかんくてなぁ」
きな粉餅も盛況で、その隣で汁物をと作っていたらしいのだが、神官達には経験がなく、上手くいかないらしい。何より、これはコウヤの得意料理。いわゆる豚汁だ。
手早く味付けをするコウヤだが、ベニ達が気になっていた。
「ばば様達、お餅つき代わらなくていいの?」
「ええて。これはばば達の得意技やでなぁ」
「いい運動だわ」
「『餅つき名人』のスキルは伊達じゃないからなぁ」
なんだろうそのスキル。
「なにそのスキル……」
「マスター?」
同じことを思い、思わず口に出したのはタリスだった。
「やあ、コウヤちゃん。お休みだよね? なんでお鍋かき回してるの?」
「ちゃんとお休みですよ? どうぞ食べて行ってください」
「うん。すっごくさっきから美味しそうな匂いがね……それも、コウヤちゃんが作ってるって聞いて……どんどん人が集まってるよ」
「え? あれ!?」
いつの間にか行列が出来ていた。それも、なぜかグラムなど、高ランクの冒険者達が列を整理している。
「グラムさん?」
「おうコウヤ。絶対足りなくなるから、追加頼むぞ」
「うわ~……すごい人……」
コウヤの手作り料理と聞いて、多くの冒険者達が集まってきており、さらに住人達が噂を聞いて集まってくる。
その行列を見て、左右の屋台の店主達が売り子を手配しており、彼らの売り上げも順調のようだ。
「これはまずいね。神官さん、味付けも終わったので、ここお願いします。俺は追加作るので」
ボア汁をつけるのを神官さん達に任せ、コウヤは少し離れた場所に即席で窯を作る。そして、パックンに声をかけた。
「パックン、寸胴鍋あったよね?」
《これだね (=^▽^)σ 》
パックンが出したのはコウヤなど入ってしまいそうなくらい大きな寸胴鍋だ。それをヨイショっと窯に置いていると、そこにどこからともなくドラム組の棟梁が工具箱を持って現れた。
「あ、棟梁? 何か修理が?」
「……」
首を振ると工具箱を置いて両手を出す。それは合図だ。
「木材ですか?」
訳がわからないなりに、コウヤは端の方に木材を積んだ。
すると、走ってきた数人のドラム組の男たちが木材に群がり、トントン、タンタンリズムを刻んであっと言う間に調理台が出来上がった。
ついでとばかりにコウヤが寸胴鍋に届くように台も用意してくれた。
「うわ、すごいっ。助かります!」
「……」
彼らはビシっとサムズアップして撤収して行った。祭りの期間中は、壊れた物を直す店を出しているドラム組だ。裏から祭りをサポートもしており、屋台に併設された飲食スペースの机や椅子を用意したりと常に店とは別のメンバーが交代制で走り回っている。
「え~っと、野菜は……」
《たりないのそだてるでしゅ!》
「ならダイコンを……タネはこれ」
《すぐでしゅよ!》
ダンゴがコロンと地面に降り、気に入った場所にタネを植えて丸くなると、コロコロ円を描きながら転がり始めた。
「パックン、一応ダンゴを見ててね」
《はい! ( ̄^ ̄)ゞ 》
他の具材を調理台に大量に乗せ、切っていく。そこでふと気付いた。
「しまった! ボア肉が足りないかも……解体してないのはあるんだけど……」
「解体ぃぃぃ!」
「へ?」
解体屋のオヤジさんだ。
「出せぇぇ! 出してみよぉぉよぉ!」
「あ、はい。お願いします」
「コウヤさ~ん、すぐに解体用のテント張るんで、こっちに出してください」
オヤジさんの後から来たお弟子さん達は素早くテントを張った。その中にボアを出すと、あとはお任せだ。
「じゃぁ、お願いしま~す」
数分もしないうちに肉が調理台の上に届けられる。
「他の部位はどうします?」
「パックンに任せます」
そこにダンゴが小さな体を浮かせて出来上がった立派なダイコンをぶら下げながらやってきた。
《できたでしゅ!》
「うわっ、大きい! ありがとうダンゴ。パックンと居てね」
《あい!》
コウヤの役に立てたと、ダンゴは嬉しそうにパックンに駆け寄っていった。
「よぉし! 作るぞ!」
そうしてみんなの協力を得て作り上げたボア汁は、全員に行き渡った。途中、列の中に領主であるレンスフィート達もいたのは驚いた。
《たのしかったね~ ( ̄∇ ̄) 》
《すごかったでしゅ》
パックンとダンゴも楽しんだようだ。満足げな二匹を見てコウヤは明日へと思いを馳せる。
「明日はお雑煮にしよかな」
そしてまた大盛況をおさめることになるのだが、それはまだコウヤも知らない。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
明日も一応投稿予定です。
今年もよろしくお願いします◎
2019. 1. 1
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