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連載
604 それは罪深く
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2017. 7. 17
**********
神子と呼ばれていた女は、この場から一刻も早く逃げなくてはと思った。
初めて感じた恐怖は、体の芯から指先や足の先、頭のてっぺんといった末端まで細かく震わせるものだった。
辛うじて足だけは逃げたいという一心で動いているが、痒く感じる程頼りなく、ともすればカクリと膝を折って立ち上がれなくなってしまいそうだ。
「ど、どうしてっ……っどうして……っ」
歯がカチカチ鳴る。その隙間からその言葉が出てきてしまう。壊れた再生機のように、ずっと続いていた。
向かうのは二階にある謁見の間。その玉座近くに隠し通路の入り口があるのは確認済みだ。
もう少し冷静ならば、ティアが突撃したのが三階で良かったと胸を撫で下ろせただろう。危うく退路を塞がれる所だった。
「終わらせるわけには……っ」
前任の神子から引き継いだ組織の使命。何百年と引き継がれてきたその目的を成すのはきっと自分だと思っていた。
「ようやく、ようやく、約束の地に手が届くというのにっ……そうすればあと二つ……」
もはや、伝説にも語られる事のない太古の記録。それを、神子は次代へと今まで伝えてきた。
『神が降り立った場所』
それが、現在フリーデル王国のある場所。かつてバトラール王国のあった場所だったのだ。だからこそ、その地で生まれた女神サティアは、組織にとって大きな意味を持つ存在だった。
女神が現れた時、一度その国を手に入れる所だった。けれど、奇しくもその女神に阻止され、引くしかなかった。だが、それも神の意思だ。あの時はまだ神具を二つしか手に入れていなかった。そこに向かうには早いという啓示だろう。
全ての神具をその地に集め、神が望む世界を成す。その目的のために女神サティアの名を騙った。自分達には許される権利だと思った。そう、女神サティアが生まれたのは、自分達の行動の結果なのだから。天使だって自分達の味方になっている。神は全てを任せてくれているのだ。そう思ってきた。しかし、現れた女神は全てを壊しに来た。
「あれが女神なはずがないっ……絶対にあってはならないっ!」
謁見の間。叫びながらそこに飛び込んだ神子は次の瞬間、動けなくなった。
神子と同じ目的でここへ来て拘束された近衛兵と王、それと、この国の教会の者達だ。敵に対して頭を下げていたのは幼い王子を連れた王妃だった。
「なぜ……っ」
この王宮は全て掌握したはずだった。王を抑えられているのだから、王妃に力はない。唯一邪魔になりそうなヒュリアは外に出していた。けれど、明らかに今、王妃だけは守られている。
神子が飛び込んで来たと同時に、敵が王妃を守ろうと動いていたのだから間違いはない。
そして、神子がもう一つ計算外だと思った人物が一人いた。
「……神子……」
「スィール……」
その青年は、かつての仲間だ。神具の使い手として見出したのは神子自身だった。神子になって初めて見つけた使い手。神子にとっては特別な存在だった。
自分が神子として相応しいのか。それを自問する日々の中で答えとなった者なのだからそれも当然だ。そんな青年が、今目の前に敵として立っている。
「あなたもっ……あなたも私を否定するのですかっ! あの悪神を信じると言うのですか!!」
あれは女神ではない。女神の名を騙る悪神なのだと神子の中では答えが出ていた。
「神は我らを否定しない! 神の望みを知っているのは我らなのです! 神の使いである我らの邪魔をするなど許されません!!」
そうして、神子は首から下げていた首飾りを引きちぎる。
それは金色の小さな盃の形をしていた。
「神器よ! この者達を滅する毒をここへ!」
そう掲げ持って言った時、敵の一人が素早く詰め寄り、細い剣でそれを弾き飛ばした。
「ッ!?」
天井に当たり、湧き出していた液体がそこにシミを残す。そして、コンっと安い音を立てて離れた場所に転がった。
普通はその剣撃で真っ二つにされているか、落ちた衝撃でへこんでいるはずだが、そこは神具だ。全くの無傷のようだった。
憐れむような色がスィールにあった。彼が口を開く。
「神子……もうやめましょう。間違っているのです。組織の在り方も、思想も、長い時の中で歪んでしまっている」
「……っ、そんなはずはありません!」
聞くわけにはいかない。敵に寝返った者の言葉など信じるべきではない。凝り固まったその思想は、神子を追い詰めていく。
「いいえ。神の王国……青の血脈は、神具を与えられた血族を見守り、その力を存続させていく事を誓った始祖達の……側近の一族から成ったものなのです。神具を扱える血族が何者にも利用されないように。平穏を手に入れ、神具の力が必要なくなった時は、その神具を封じ、血族の者以外が触れる事がないように。それが青の血脈と呼ばれた者達の役目だったのです」
「……そんなっ……そんな事はっ……」
否定する言葉とは裏腹に、頭はなぜかそれを受け入れようとしている。落ちている神器が瞬くように見えた。スィールの言葉を肯定している。そう感じてしまった。
スィールは続ける。
「神は他の種族よりも弱い人族に、この世界で生きて欲しいと願われました。蹂躙される事がないように、共存できるようにと願って、力を渡されたのです」
魔力も微弱で、特筆すべき身体能力もない。そんな出来損ないの人族と称された者達。数も少なく、けれど、自己顕示欲だけは強かった。何にも劣っていたからこそ、認められる事に飢えていたのだ。
このままでは無為に多種族に殺されるだけの存在になってしまう。弱い者であっても、生まれたからには生きて欲しい。そう願った神々は、これを与える事で、存在を認めているのだと示したのだ。
ただし、神々は間違えていた。神具はあまりにも大きな力を秘めていたのだ。あくまでも力ある多種族に負けないように、共存できるようにと与えた神具。
簡単にいえば、魔族やエルフ達と同等の力になるようにしたはずだったのだ。しかし、蓋を開けてみれば、それらを遥かに凌ぐ力を発揮してしまった。それが、今回の誤解を生むきっかけとなったのだ。
「人族は国を創り、身を寄せ合って知恵を使い、短い命を大切に日々を生きる。それを神は望まれていたのです。決して、多種族を排除することを願ってはいなかった」
青の血脈は、いつしか血族を守るという事も忘れ、神具の力を知っていたために誤解をした。
神具の力を持って、この世界の頂点に立つ。人族こそが至上の存在でなくてはならないのだと解釈してしまったのだ。
「神々は今、神具をこの世界から消す事を願っています。与えてはならなかったのだと、非を認められたです……だからこそ、この世界に女神を遣わせました」
「神が……っ」
取り上げる事など出来ない。だから、女神が地上に降り立った。
「サティア様は神具を天に還す事ができる。その意味が、あなたならば分かるはずです」
「っ……」
そう、分かってしまった。分かっていたはずだ。長い組織の歴史の中で、血脈の力は確実に弱っていった。その事実を、組織はしっかりと記録していた。まるで、手放せと言っているかのように思えるその現象に、神子達は頭を悩ませてきた。
必死で少しでも才のある者をと世界中を探して、その為にいつしか肝心の神具の在り方を見失ってしまった。
神は神具の存在を忘れさせたかったのかもしれない。そう思うとしっくりとくるのだ。神子として生きてきたから分かる。
先代もきっと、ずっと目を背けてきた事だろう。異常なまでに神具の存在に固執したのはそれを誤魔化す為だ。見つかる毎に、神に考えを認められているのだと思い込んで、どれだけの子ども達を生け贄にしてきただろう。
自分達の理想は神の願い。そう信じて多くの子ども達を神具で殺してしまった。
もはや血に染まった自分達の傍には、黒い片翼の狂った天使が立っていた。かつては白く美しい翼と、金の神秘的な瞳を持っていたという天使。それを汚したのはきっと自分達だ。
神子は全てを悟ると、静かに膝を突いたのだ。
**********
舞台裏のお話。
ティア「あ、クロちゃん来た」
ヒュリア「クロ……ちゃん?」
ティア「うん。だから、あの白い女はあっちで拘束できるよ。一緒に王様らしい人もいるみたいだから……エル兄様、ヒュリア様を連れて行ってくれる?」
ヒュリア「あ、あの……私は……」
イル「もうすぐレイ兄さまくるよ?」
ヒュリア「っ……」
ティア「あ~、これは良い感じにまとまりそう」
つづく?
なんて事が起こってましたとさ☆
読んでくださりありがとうございます◎
王子様の救出を期待してます。
かつての仲間からの言葉は認めざるを得なかったようです。
次回、金曜21日0時です。
よろしくお願いします◎
**********
神子と呼ばれていた女は、この場から一刻も早く逃げなくてはと思った。
初めて感じた恐怖は、体の芯から指先や足の先、頭のてっぺんといった末端まで細かく震わせるものだった。
辛うじて足だけは逃げたいという一心で動いているが、痒く感じる程頼りなく、ともすればカクリと膝を折って立ち上がれなくなってしまいそうだ。
「ど、どうしてっ……っどうして……っ」
歯がカチカチ鳴る。その隙間からその言葉が出てきてしまう。壊れた再生機のように、ずっと続いていた。
向かうのは二階にある謁見の間。その玉座近くに隠し通路の入り口があるのは確認済みだ。
もう少し冷静ならば、ティアが突撃したのが三階で良かったと胸を撫で下ろせただろう。危うく退路を塞がれる所だった。
「終わらせるわけには……っ」
前任の神子から引き継いだ組織の使命。何百年と引き継がれてきたその目的を成すのはきっと自分だと思っていた。
「ようやく、ようやく、約束の地に手が届くというのにっ……そうすればあと二つ……」
もはや、伝説にも語られる事のない太古の記録。それを、神子は次代へと今まで伝えてきた。
『神が降り立った場所』
それが、現在フリーデル王国のある場所。かつてバトラール王国のあった場所だったのだ。だからこそ、その地で生まれた女神サティアは、組織にとって大きな意味を持つ存在だった。
女神が現れた時、一度その国を手に入れる所だった。けれど、奇しくもその女神に阻止され、引くしかなかった。だが、それも神の意思だ。あの時はまだ神具を二つしか手に入れていなかった。そこに向かうには早いという啓示だろう。
全ての神具をその地に集め、神が望む世界を成す。その目的のために女神サティアの名を騙った。自分達には許される権利だと思った。そう、女神サティアが生まれたのは、自分達の行動の結果なのだから。天使だって自分達の味方になっている。神は全てを任せてくれているのだ。そう思ってきた。しかし、現れた女神は全てを壊しに来た。
「あれが女神なはずがないっ……絶対にあってはならないっ!」
謁見の間。叫びながらそこに飛び込んだ神子は次の瞬間、動けなくなった。
神子と同じ目的でここへ来て拘束された近衛兵と王、それと、この国の教会の者達だ。敵に対して頭を下げていたのは幼い王子を連れた王妃だった。
「なぜ……っ」
この王宮は全て掌握したはずだった。王を抑えられているのだから、王妃に力はない。唯一邪魔になりそうなヒュリアは外に出していた。けれど、明らかに今、王妃だけは守られている。
神子が飛び込んで来たと同時に、敵が王妃を守ろうと動いていたのだから間違いはない。
そして、神子がもう一つ計算外だと思った人物が一人いた。
「……神子……」
「スィール……」
その青年は、かつての仲間だ。神具の使い手として見出したのは神子自身だった。神子になって初めて見つけた使い手。神子にとっては特別な存在だった。
自分が神子として相応しいのか。それを自問する日々の中で答えとなった者なのだからそれも当然だ。そんな青年が、今目の前に敵として立っている。
「あなたもっ……あなたも私を否定するのですかっ! あの悪神を信じると言うのですか!!」
あれは女神ではない。女神の名を騙る悪神なのだと神子の中では答えが出ていた。
「神は我らを否定しない! 神の望みを知っているのは我らなのです! 神の使いである我らの邪魔をするなど許されません!!」
そうして、神子は首から下げていた首飾りを引きちぎる。
それは金色の小さな盃の形をしていた。
「神器よ! この者達を滅する毒をここへ!」
そう掲げ持って言った時、敵の一人が素早く詰め寄り、細い剣でそれを弾き飛ばした。
「ッ!?」
天井に当たり、湧き出していた液体がそこにシミを残す。そして、コンっと安い音を立てて離れた場所に転がった。
普通はその剣撃で真っ二つにされているか、落ちた衝撃でへこんでいるはずだが、そこは神具だ。全くの無傷のようだった。
憐れむような色がスィールにあった。彼が口を開く。
「神子……もうやめましょう。間違っているのです。組織の在り方も、思想も、長い時の中で歪んでしまっている」
「……っ、そんなはずはありません!」
聞くわけにはいかない。敵に寝返った者の言葉など信じるべきではない。凝り固まったその思想は、神子を追い詰めていく。
「いいえ。神の王国……青の血脈は、神具を与えられた血族を見守り、その力を存続させていく事を誓った始祖達の……側近の一族から成ったものなのです。神具を扱える血族が何者にも利用されないように。平穏を手に入れ、神具の力が必要なくなった時は、その神具を封じ、血族の者以外が触れる事がないように。それが青の血脈と呼ばれた者達の役目だったのです」
「……そんなっ……そんな事はっ……」
否定する言葉とは裏腹に、頭はなぜかそれを受け入れようとしている。落ちている神器が瞬くように見えた。スィールの言葉を肯定している。そう感じてしまった。
スィールは続ける。
「神は他の種族よりも弱い人族に、この世界で生きて欲しいと願われました。蹂躙される事がないように、共存できるようにと願って、力を渡されたのです」
魔力も微弱で、特筆すべき身体能力もない。そんな出来損ないの人族と称された者達。数も少なく、けれど、自己顕示欲だけは強かった。何にも劣っていたからこそ、認められる事に飢えていたのだ。
このままでは無為に多種族に殺されるだけの存在になってしまう。弱い者であっても、生まれたからには生きて欲しい。そう願った神々は、これを与える事で、存在を認めているのだと示したのだ。
ただし、神々は間違えていた。神具はあまりにも大きな力を秘めていたのだ。あくまでも力ある多種族に負けないように、共存できるようにと与えた神具。
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青の血脈は、いつしか血族を守るという事も忘れ、神具の力を知っていたために誤解をした。
神具の力を持って、この世界の頂点に立つ。人族こそが至上の存在でなくてはならないのだと解釈してしまったのだ。
「神々は今、神具をこの世界から消す事を願っています。与えてはならなかったのだと、非を認められたです……だからこそ、この世界に女神を遣わせました」
「神が……っ」
取り上げる事など出来ない。だから、女神が地上に降り立った。
「サティア様は神具を天に還す事ができる。その意味が、あなたならば分かるはずです」
「っ……」
そう、分かってしまった。分かっていたはずだ。長い組織の歴史の中で、血脈の力は確実に弱っていった。その事実を、組織はしっかりと記録していた。まるで、手放せと言っているかのように思えるその現象に、神子達は頭を悩ませてきた。
必死で少しでも才のある者をと世界中を探して、その為にいつしか肝心の神具の在り方を見失ってしまった。
神は神具の存在を忘れさせたかったのかもしれない。そう思うとしっくりとくるのだ。神子として生きてきたから分かる。
先代もきっと、ずっと目を背けてきた事だろう。異常なまでに神具の存在に固執したのはそれを誤魔化す為だ。見つかる毎に、神に考えを認められているのだと思い込んで、どれだけの子ども達を生け贄にしてきただろう。
自分達の理想は神の願い。そう信じて多くの子ども達を神具で殺してしまった。
もはや血に染まった自分達の傍には、黒い片翼の狂った天使が立っていた。かつては白く美しい翼と、金の神秘的な瞳を持っていたという天使。それを汚したのはきっと自分達だ。
神子は全てを悟ると、静かに膝を突いたのだ。
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舞台裏のお話。
ティア「あ、クロちゃん来た」
ヒュリア「クロ……ちゃん?」
ティア「うん。だから、あの白い女はあっちで拘束できるよ。一緒に王様らしい人もいるみたいだから……エル兄様、ヒュリア様を連れて行ってくれる?」
ヒュリア「あ、あの……私は……」
イル「もうすぐレイ兄さまくるよ?」
ヒュリア「っ……」
ティア「あ~、これは良い感じにまとまりそう」
つづく?
なんて事が起こってましたとさ☆
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