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505 隣国の王女様
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2016. 10. 12
**********
ティア達がウィストから戻り、数日が過ぎた。そろそろ新学期が始まるという頃。カルツォーネから報告があった。
「ウィストの第一王女がフェルマー学園に?」
カルツォーネと落ち合ったのはディムースのティアの部屋だ。ここには今、アデルとキルシュもいる。
「お隣の王女様?」
「今まで、国外から学園にというのは、聞いた事がないが……あるんですか?」
そうキルシュが尋ねる先では、サクヤがお茶を淹れていた。
「ここ三百年くらいはないんじゃないかしら。昔はそれこそ、魔族とか獣人族とかも国を離れてわざわざ編入してくるのもいたはずだもの」
「それにしても、王族は珍しいんじゃない?」
他国の王女が留学など、これまで聞いた事がなかった。それは、五百年前もそうだ。
「そうね……それも、高学部の三年に編入ですって」
「三年なの? って事は……今、十七? 第一王女なら、婚約者も決まってる頃でしょ? そんな大事な時期に他国へって……何考えてんの?」
本当にあり得ない。しかし、カルツォーネが更に驚きの事実を打ち明ける。
「その王女様だけど、これまで色んな国に遊学に出てたらしくてね。自分で婚約者は決めるって出て行ったらしいんだ」
「……何てアグレッシブな……」
「スゴイね。ティアみたい」
「へ?」
「なるほど。ティアが王女だったらやっていそうだ」
「え?」
アデルとキルシュが楽しそうに言った。ある意味、とてもティアを理解している。
「確かにね~。やってそうだわ」
「王女は今の国の方針が前々から気に入らないらしくてね。『今のままではこの国は滅びます。対策を考えないというのなら、私はきっぱり見捨てさせていただきます』って十二歳の時に宣言したそうだよ」
「うわぁ。ますますティアっぽい」
「それで見捨てた結果なのか?」
どうも、とても行動力のある王女であると共に、決断力もあるようだ。
「それとねぇ。くふふっ、面白いのが、この王女様、憧れの人がシェリーなんだって」
「……へ?」
「すごいんだよ。うちのが調べた所によると、シェリーの書いた薬学書や魔術書、研究本なんて殆ど揃ってたらしいんだ。古代エルフ語も読めるみたいだしね」
「へ、へぇ~……珍しい人もいるんだね……」
シェリスのファンは、意外と多い。しかし、それは冒険者や魔術師達に限る。尊敬はしていても、シェリスを目指そうと憧れる人はまずいない。
「趣味悪いわね。その王女。一気に関わりたくなくなったわ……」
「先生がそれでどうするの……」
ティアも若干、付き合い難そうだと思ったのだが、教師が好き嫌いで仕事をしてはいけないと、サクヤには一応注意しておく。
「でも、その王女様って、何の為に学園に来るの? マスターさんに会いたいなら、サルバで冒険者になった方が良いじゃん」
アデルの言は正しい。一体、目的は何なのか。
「それなんだけどね。どうも、王女様は、ここに来て国の問題に向き合う気になったみたいなんだ」
「どういうこと?」
見捨てるとさえ言い切った王女に、何があって気が変わったのか。それは、やはりというか、シェリスが関わっていた。
「ちょっと前に、伝記を見つけたらしくてね~」
「伝記?」
カルツォーネにしては珍しく、少々の苦笑いを浮かべて話す。
「それが、うちの国で出版されたものだったらしいんだ」
「魔族の国で? でも、それなら読めないんじゃない?」
魔族の国の言葉で書かれているのなら、王女には読めないのではないかとティアは指摘する。
「わざわざ魔族の言葉が分かる人に翻訳してもらったようだよ」
「面倒な事するのね。魔族の言葉って、本当に殆ど国外じゃ知ってる人いないでしょ? だいたい、一番難しい言語って言われてるし」
「そうなんだよ。言葉はともかく、文字はね。うちは機密文書とか、歴史とか集める国民性だから、余計にちょっと難解に出来上がってるし」
魔族の言葉は話せても、文字は理解出来ないという者も昔から多かった。
国交がなくなったここ数百年は、全くと言って良いほどその言語を知る者はいなくなっているはずなのだ。
「よく訳せる人を見つけたわね? もしかして、あのジェルバだとか言わないわよね?」
「それが、あながち間違いでもないようでね。神子から贈られたらしい。仲良くなりたかったんじゃないかな? 内容が内容だったから」
神子は、王だけでなく第一王女とも懇意になれればと、王女が食いつきそうなものを探っていたようだ。抜け目のない奴だと感心する。
「そういえば、内容って、何だったの? それが原因で学園への編入を決めたっぽいし……まさか……」
「そのまさかさ。シェリーのこれまでの人生を綴ったやつだったんだよ。それも、語られる事なんてなかったサティアとの婚約話までしっかり記されたねっ」
「なにしてくれてんのっ!?」
ティアが思わず叫ぶのも仕方がない。なんてものを世に出してくれたのか。
「いやぁ、私も最近思い出したんだけどね。昔、シェリーにわざわざ執筆の為の取材とかしてるのがいたんだよ。物好きもいるもんだと思ったんだけど、その頃は戦争が終わってすぐぐらいでねぇ。私もシェリーがどうしてるか知りたくて、良いんじゃないかって」
その頃はまだカルツォーネは王ではなかったのだが、許可は、友人であるという事で出した気がすると言うのだ。
「な、内容って……」
「うん。大まかに言うと、愛する君の為に君の帰るべき場所を守ってる的な?」
「……良い話的に書いてある……?」
いたく感銘を受け、王女は更にシェリスを敬い、シェリスの為に何かしたいと思ったのだそうだ。
「もちろん。それで、この国にはサティアの偽物がいるだろう? その偽物も、学園に通うっていうじゃないか。だから、王女は本物かどうか見極めようとしてるみたいなんだよね」
ただでさえ、自国からおかしな動きが見えるのだ。聡い王女は、偽物ならば、他国に迷惑を掛ける前に成敗してやろうと考えているようだ。
一度は見捨てようと思った国だが、人様に迷惑を掛けるのは我慢ならないと思ったとか。
「愛だね」
「それは……自国に対してケジメを付けようとしているようにも見えるが……マスターへの思いの方が優先しているのだろうか……」
判断に困る所だ。ティアは顎に手を当て考える。
「う~ん……でもこれって考え方によっては好都合なんじゃない?」
「どういうこと?」
サクヤがお菓子を差し出しながら問い掛けた。
「だって、王女様が表立ってあの偽物さんの相手をしてくれるって事でしょ? 王女様を隠れ蓑にすれば、ぐっと調べやすくなるよ」
学年が違うとはいえ、それはティアも同じだ。ローズ・リザラントは今年十七になる。学年は高学部の二年。学部の違うティアよりも、ひと学年しか違わない王女の方が近付きやすい。
「ティアならそう言うと思ったよ。王女を味方に引き込めたらもっと楽だろうね」
「うん。ならまずは、その王女様の人となりを見てやろうじゃん」
「あの変態を崇拝してる段階で、曲者決定なんじゃない?」
「……サクヤ姐さん……ちゃんと協力してね?」
先が思いやられると肩を落とすティアだった。
**********
舞台裏のお話。
子どもA「あ、今日はティア様いらしてるんだぁ」
子どもB「アデルとキルシュもいたよ」
子どもA「マジで? なら遊べんじゃんっ」
子どもC「ティア様はダメでも、アデルっちとキルっちはいいもんね」
ゼノ「お? あの黒い馬は……」
ゲイル「おう、魔王様か。なら、ティア嬢ちゃんが来てるな」
ゼノ「うぅ、怒るだろうか……」
ゲイル「今更隠れようとしても、きっと気付かれてんぞ」
ゼノ「……だよな……」
子どもA「ゼノさん、内緒で出てきたの?」
子どもC「強くなった?」
ゼノ「まだまだだ」
ゲイル「けど、もうちょいで試験が受けられるくらいになるだろう」
ゼノ「本当か? 頑張らねば」
子どもC「ちなみに、ベル兄ちゃんとエル兄ちゃんは、明日試験受けるって」
ゼノ「な、なにっ!?」
子どもB「さっきマティちゃんが迎えに行ったって」
ゼノ「くっ、こうしてはおれんっ」
ゲイル「お、おい。嬢ちゃんに会わなくていいのか?」
ゼノ「もうどのみち手遅れだっ」
子どもA「ティア様なら気付いてるもんね」
ゲイル「……だな……」
つづく?
なんて事が起こってましたとさ☆
読んでくださりありがとうございます◎
秘密特訓にはなりません。
果たして苦労が増えたのか、楽になるのか。
新たな人物追加です。
頑張れティアちゃん。
では次回、一日空けて14日です。
よろしくお願いします◎
**********
ティア達がウィストから戻り、数日が過ぎた。そろそろ新学期が始まるという頃。カルツォーネから報告があった。
「ウィストの第一王女がフェルマー学園に?」
カルツォーネと落ち合ったのはディムースのティアの部屋だ。ここには今、アデルとキルシュもいる。
「お隣の王女様?」
「今まで、国外から学園にというのは、聞いた事がないが……あるんですか?」
そうキルシュが尋ねる先では、サクヤがお茶を淹れていた。
「ここ三百年くらいはないんじゃないかしら。昔はそれこそ、魔族とか獣人族とかも国を離れてわざわざ編入してくるのもいたはずだもの」
「それにしても、王族は珍しいんじゃない?」
他国の王女が留学など、これまで聞いた事がなかった。それは、五百年前もそうだ。
「そうね……それも、高学部の三年に編入ですって」
「三年なの? って事は……今、十七? 第一王女なら、婚約者も決まってる頃でしょ? そんな大事な時期に他国へって……何考えてんの?」
本当にあり得ない。しかし、カルツォーネが更に驚きの事実を打ち明ける。
「その王女様だけど、これまで色んな国に遊学に出てたらしくてね。自分で婚約者は決めるって出て行ったらしいんだ」
「……何てアグレッシブな……」
「スゴイね。ティアみたい」
「へ?」
「なるほど。ティアが王女だったらやっていそうだ」
「え?」
アデルとキルシュが楽しそうに言った。ある意味、とてもティアを理解している。
「確かにね~。やってそうだわ」
「王女は今の国の方針が前々から気に入らないらしくてね。『今のままではこの国は滅びます。対策を考えないというのなら、私はきっぱり見捨てさせていただきます』って十二歳の時に宣言したそうだよ」
「うわぁ。ますますティアっぽい」
「それで見捨てた結果なのか?」
どうも、とても行動力のある王女であると共に、決断力もあるようだ。
「それとねぇ。くふふっ、面白いのが、この王女様、憧れの人がシェリーなんだって」
「……へ?」
「すごいんだよ。うちのが調べた所によると、シェリーの書いた薬学書や魔術書、研究本なんて殆ど揃ってたらしいんだ。古代エルフ語も読めるみたいだしね」
「へ、へぇ~……珍しい人もいるんだね……」
シェリスのファンは、意外と多い。しかし、それは冒険者や魔術師達に限る。尊敬はしていても、シェリスを目指そうと憧れる人はまずいない。
「趣味悪いわね。その王女。一気に関わりたくなくなったわ……」
「先生がそれでどうするの……」
ティアも若干、付き合い難そうだと思ったのだが、教師が好き嫌いで仕事をしてはいけないと、サクヤには一応注意しておく。
「でも、その王女様って、何の為に学園に来るの? マスターさんに会いたいなら、サルバで冒険者になった方が良いじゃん」
アデルの言は正しい。一体、目的は何なのか。
「それなんだけどね。どうも、王女様は、ここに来て国の問題に向き合う気になったみたいなんだ」
「どういうこと?」
見捨てるとさえ言い切った王女に、何があって気が変わったのか。それは、やはりというか、シェリスが関わっていた。
「ちょっと前に、伝記を見つけたらしくてね~」
「伝記?」
カルツォーネにしては珍しく、少々の苦笑いを浮かべて話す。
「それが、うちの国で出版されたものだったらしいんだ」
「魔族の国で? でも、それなら読めないんじゃない?」
魔族の国の言葉で書かれているのなら、王女には読めないのではないかとティアは指摘する。
「わざわざ魔族の言葉が分かる人に翻訳してもらったようだよ」
「面倒な事するのね。魔族の言葉って、本当に殆ど国外じゃ知ってる人いないでしょ? だいたい、一番難しい言語って言われてるし」
「そうなんだよ。言葉はともかく、文字はね。うちは機密文書とか、歴史とか集める国民性だから、余計にちょっと難解に出来上がってるし」
魔族の言葉は話せても、文字は理解出来ないという者も昔から多かった。
国交がなくなったここ数百年は、全くと言って良いほどその言語を知る者はいなくなっているはずなのだ。
「よく訳せる人を見つけたわね? もしかして、あのジェルバだとか言わないわよね?」
「それが、あながち間違いでもないようでね。神子から贈られたらしい。仲良くなりたかったんじゃないかな? 内容が内容だったから」
神子は、王だけでなく第一王女とも懇意になれればと、王女が食いつきそうなものを探っていたようだ。抜け目のない奴だと感心する。
「そういえば、内容って、何だったの? それが原因で学園への編入を決めたっぽいし……まさか……」
「そのまさかさ。シェリーのこれまでの人生を綴ったやつだったんだよ。それも、語られる事なんてなかったサティアとの婚約話までしっかり記されたねっ」
「なにしてくれてんのっ!?」
ティアが思わず叫ぶのも仕方がない。なんてものを世に出してくれたのか。
「いやぁ、私も最近思い出したんだけどね。昔、シェリーにわざわざ執筆の為の取材とかしてるのがいたんだよ。物好きもいるもんだと思ったんだけど、その頃は戦争が終わってすぐぐらいでねぇ。私もシェリーがどうしてるか知りたくて、良いんじゃないかって」
その頃はまだカルツォーネは王ではなかったのだが、許可は、友人であるという事で出した気がすると言うのだ。
「な、内容って……」
「うん。大まかに言うと、愛する君の為に君の帰るべき場所を守ってる的な?」
「……良い話的に書いてある……?」
いたく感銘を受け、王女は更にシェリスを敬い、シェリスの為に何かしたいと思ったのだそうだ。
「もちろん。それで、この国にはサティアの偽物がいるだろう? その偽物も、学園に通うっていうじゃないか。だから、王女は本物かどうか見極めようとしてるみたいなんだよね」
ただでさえ、自国からおかしな動きが見えるのだ。聡い王女は、偽物ならば、他国に迷惑を掛ける前に成敗してやろうと考えているようだ。
一度は見捨てようと思った国だが、人様に迷惑を掛けるのは我慢ならないと思ったとか。
「愛だね」
「それは……自国に対してケジメを付けようとしているようにも見えるが……マスターへの思いの方が優先しているのだろうか……」
判断に困る所だ。ティアは顎に手を当て考える。
「う~ん……でもこれって考え方によっては好都合なんじゃない?」
「どういうこと?」
サクヤがお菓子を差し出しながら問い掛けた。
「だって、王女様が表立ってあの偽物さんの相手をしてくれるって事でしょ? 王女様を隠れ蓑にすれば、ぐっと調べやすくなるよ」
学年が違うとはいえ、それはティアも同じだ。ローズ・リザラントは今年十七になる。学年は高学部の二年。学部の違うティアよりも、ひと学年しか違わない王女の方が近付きやすい。
「ティアならそう言うと思ったよ。王女を味方に引き込めたらもっと楽だろうね」
「うん。ならまずは、その王女様の人となりを見てやろうじゃん」
「あの変態を崇拝してる段階で、曲者決定なんじゃない?」
「……サクヤ姐さん……ちゃんと協力してね?」
先が思いやられると肩を落とすティアだった。
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舞台裏のお話。
子どもA「あ、今日はティア様いらしてるんだぁ」
子どもB「アデルとキルシュもいたよ」
子どもA「マジで? なら遊べんじゃんっ」
子どもC「ティア様はダメでも、アデルっちとキルっちはいいもんね」
ゼノ「お? あの黒い馬は……」
ゲイル「おう、魔王様か。なら、ティア嬢ちゃんが来てるな」
ゼノ「うぅ、怒るだろうか……」
ゲイル「今更隠れようとしても、きっと気付かれてんぞ」
ゼノ「……だよな……」
子どもA「ゼノさん、内緒で出てきたの?」
子どもC「強くなった?」
ゼノ「まだまだだ」
ゲイル「けど、もうちょいで試験が受けられるくらいになるだろう」
ゼノ「本当か? 頑張らねば」
子どもC「ちなみに、ベル兄ちゃんとエル兄ちゃんは、明日試験受けるって」
ゼノ「な、なにっ!?」
子どもB「さっきマティちゃんが迎えに行ったって」
ゼノ「くっ、こうしてはおれんっ」
ゲイル「お、おい。嬢ちゃんに会わなくていいのか?」
ゼノ「もうどのみち手遅れだっ」
子どもA「ティア様なら気付いてるもんね」
ゲイル「……だな……」
つづく?
なんて事が起こってましたとさ☆
読んでくださりありがとうございます◎
秘密特訓にはなりません。
果たして苦労が増えたのか、楽になるのか。
新たな人物追加です。
頑張れティアちゃん。
では次回、一日空けて14日です。
よろしくお願いします◎
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