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連載
474 お茶目なサクヤ姐さん
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2016. 8. 11
********************************************
サクヤは、普段学園でのカグヤとしての本来の姿ではなく、サクヤの姿のまま王宮へやってきた。
フラムから下りると、懐かし気に大きな建物を見渡す。
「王宮なんて何百年振りかしら」
「意外ですね。カグヤ先生なら、その姿で王宮のパーティとか潜り込んでいそうだったのですが」
サクヤの姿や性格をここ数年で知ったエルヴァストは、サクヤの姿でならあり得ると思ったのだろう。それは外れてはいない。
「エル君。今の私はサクヤよんっ。でもそうね。最後に人族の王宮に入ったのはパーティだったわ」
「それは、どこだかの貴族のお相手として……?」
ついてきたウルスヴァンが、顔を顰めて尋ねる。そんなウルスヴァンの頭をサクヤは子どもをあやすように乱暴に撫でた。
「やぁねぇ、ウルったら。そんな顔しないの。愛人とかじゃなくて、仕事よ? 潜入捜査ってやつ。それで貴族の家を三つ潰したけどね~」
「……すみません、サクヤ先生。恐ろしい言葉が聞こえましたけど……」
「何てことしてるんですかっ」
エルヴァストは引きつった頬を指で撫でながら、弱ったようにサクヤを見つめるが、ウルスヴァンは思わず怒鳴っていた。
「いやぁ。私も案外無茶したわ~。他にも色々あって、それからほとぼりが冷めるまでカルの所に厄介になってたのよね~。あ~、思い出すわぁ」
「そんな過去をお持ちでしたか……」
「これではティアさんと変わらないのでは……」
知らなかった事実を暴露され、エルヴァストとウルスヴァンは、二人で肩を落とす。まるで大人になったティアがいるようだ。
「そうね。実際、ティアをあんまり叱れないのよ。盗賊退治とか、腑抜けた騎士とか、気に入らない貴族とか相手にするのって楽しいんだもの。破滅させるの得意よっ」
「「そんな自慢要りません!」」
《キュ?》
普段はそうは見えないし、学園街から出る事も稀なのでこれまで明るみに出なかったが、サクヤはれっきとした実力者なのだ。
「さてと、お喋りはこのくらいにしてっと……あっ、ビアンちゃぁ~ん」
どっと疲れを見せるエルヴァストとウルスヴァンを放っておいて、サクヤは建物の入り口に立っていたビアンを見つけて手を振る。
気付いてくれたのは嬉しいが、ちゃん付けで大声で呼ばれた事に少々の羞恥心を感じながら、ビアンが駆け寄ってきた。
「お待ちしていました。王達が会議室でお待ちです」
「そう。なら行きましょう。楽しみねぇ。ティアが気に入った王様なら期待できるわ」
「何のです……」
ビアンは胡乱げな目をサクヤへ向けた。
「やぁね。ビアンちゃんったら。ヤキモチ?」
「っ、それはっ、冗談言ってないで、急ぎますよっ」
「は~い」
ビアンが先頭に立ってずんずん進んでいく。それを楽しそうに軽い足取りでサクヤが追った。
そんな二人に、エルヴァストとウルスヴァンが少々離れてついていく。
「ビアンのあれは、恋ではなく、親愛か?」
「恐らくは……ビアンさんは、本当に友人と呼べる人が少ないと言っていましたからね」
「なるほど。確かにそうかもな」
人当たりの良いビアンは、知り合いが多いが、難しい立場のエルヴァストについていた事もあり、友人や親友と呼べる存在はこれまでいなかった。サクヤとはそんな関係のようだ。
王宮の中へ入っても楽しい会話は続いていた。
「サクヤさんっ、そっちじゃありませんっ」
「え~、ちょっと寄り道したいじゃない。あっちに隠し通路ありそうだし」
「あってもダメですっ。行きますよっ」
「はいはい。そういえば、美味しいランチの店を見つけたの。今度のお休み、ウルと三人で行きましょうね」
「今度……連休が取れるのは五日後ですよ?」
「ならそこで。待ち合わせは……」
「学園まで迎えに行きますよ」
「ふふっ、了解。待ってるわ」
自然に隣に並んで歩く二人は、やはり恋人と呼ぶには不思議な関係に見える。
「楽しそうだな……」
「いつもあんな感じですよ?」
「そうなのか? というか、ズルいぞ。最近、よくビアンが非番の日にいないと思ったら……三人で遊んでいるのか」
「そうですね。ビアンさんが連休が取れた時は、ほとんど落ち合っています」
「くっ、なんて羨ましいっ」
王都と学園街を行き来するのに時間がかかる為、二日の休みが取れなければ移動できない。そんな貴重な連休の殆どを、ビアンは学園街でサクヤ達との付き合いに使っているようだ。
「そんな事より、こんなに緊張感がなくて良いのでしょうか?」
「……そうだったな……」
サクヤの呑気な雰囲気に呑まれ、ついゆったりとした足取りになってしまったが、かなり切迫した事態が起こっていたのだったとエルヴァストは思い出す。
しかし、結局この雰囲気のまま王が待つという会議室まで来てしまった。
「こちらです」
ビアンが扉を開けてもらうように警備に立つ騎士へ告げる。すると、すぐに中へと通された。そこでは、王太子レイナルートが王に詰め寄っている最中だった。
「なぜ、このような重要な話し合いをこちらでやられるのですか? ここではいざという時の安全がっ」
「いや、しかしなぁ……」
エルヴァストには、レイナルートが何を言いたいのかが理解できた。ここは会議室としては機密性が低い場所だ。つまり晶腐石がないのだ。
ビアンの父である近衛隊長のリュークも同じ意見なのだろう。
この会議室には、王の他に、レイナルートとリューク、そして、ドーバン侯爵がいた。
王は弱った表情でレイナルートと向き合っている。そこで助け舟を出したのは、サクヤだった。
「晶腐石で守られた部屋は確かに安全よ。但し、今回の場合はそれよりも強力で安全な対応をしてくれる強い味方がこっちについてるから、ここで正解なの」
「……あなたは?」
「私はサクヤ。フェルマー学園ではカグヤの名で教師をやってるわ。よろしくねっ。エル君のお兄さん☆」
魅力的なウィンク付きで、王太子相手にそんな軽い挨拶をするサクヤだった。
************************************************
舞台裏のお話。
騎士A「おい、今の見たか?」
騎士B「凄い美人だ……」
騎士C「あ、師長様っ」
騎士D「前、師長様だろ? けど、ウルスヴァン様、なんだか前より若返ったように見えるな」
騎士C「やっぱ、師長様の仕事って大変だったんだろうな……」
騎士A「そりゃぁ、大臣達との板挟みだもんよ。それより、あの美人は誰だよ! ビアンさんの恋人か?」
騎士D「いや、恋人というより……歳の離れた姉と弟的な雰囲気に感じたぞ?」
騎士B「いい! 美人なお姉さん! 羨ましいっ」
騎士C「ビアンさんに姉か……昔、噂話でそんな話もあったな」
騎士D「楽しそうだ」
騎士A「エルヴァスト殿下も、最近は一気に大人びられて、ビアンさんが走り回る事がなくなったもんな」
騎士C「お前、エルヴァスト殿下の訓練を受けてないのか?」
騎士A「あぁ。なんかいつもの訓練と違うって聞きはしたが?」
騎士D「ひと月に一度の団長達の訓練よか厳しかったぞ」
騎士A「殿下が?」
騎士C「そうだよ! 下手すれば団長達より腕が上だ。やっぱり王族って事で、凄い師匠がついているのかな?」
騎士B「ん? エルヴァスト殿下は学園に通っておられた時から凄かったが?」
騎士A「そういえばお前、何度か剣技の授業の講師に行っていたな」
騎士B「おう。 それで気になって、団長や隊長にも確認したんだが、殿下が王宮で剣技の授業を受けるのは、学園を卒業されてからって決まっていたらしい。王太子殿下は幼い頃から師がついているらしいんだけどな」
騎士A「なら誰に教わったんだよ」
騎士C「気になるよな……今度、ビアンさんにそれとなく聞いてみるか」
騎士B「いや、俺が聞いた時は、苦笑して言えないの一言で終わった」
騎士A「なんだよそれ……」
騎士C「謎過ぎる……」
騎士D「あのスパルタの元になった師がいるはずなんだがな。まぁ、お前らも味わってみるといい」
騎士A「怖いんだが……」
騎士B「あのお姉さんだったらいいのにな……」
騎士A・C・D「「おい!」」
つづく?
なんて事が起こってましたとさ☆
読んでくださりありがとうございます◎
能天気な奴は潰されますよ。
お久し振りのサクヤ姐さん。
昔のヤンチャしていた頃のサクヤ姐さんが戻ってきました。
普段は、ビアンさんと、ウルさんの三人で遊び歩いているみたいです。
エル兄ちゃんには羨ましいでしょうね。
では次回、また明日です。
よろしくお願いします◎
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サクヤは、普段学園でのカグヤとしての本来の姿ではなく、サクヤの姿のまま王宮へやってきた。
フラムから下りると、懐かし気に大きな建物を見渡す。
「王宮なんて何百年振りかしら」
「意外ですね。カグヤ先生なら、その姿で王宮のパーティとか潜り込んでいそうだったのですが」
サクヤの姿や性格をここ数年で知ったエルヴァストは、サクヤの姿でならあり得ると思ったのだろう。それは外れてはいない。
「エル君。今の私はサクヤよんっ。でもそうね。最後に人族の王宮に入ったのはパーティだったわ」
「それは、どこだかの貴族のお相手として……?」
ついてきたウルスヴァンが、顔を顰めて尋ねる。そんなウルスヴァンの頭をサクヤは子どもをあやすように乱暴に撫でた。
「やぁねぇ、ウルったら。そんな顔しないの。愛人とかじゃなくて、仕事よ? 潜入捜査ってやつ。それで貴族の家を三つ潰したけどね~」
「……すみません、サクヤ先生。恐ろしい言葉が聞こえましたけど……」
「何てことしてるんですかっ」
エルヴァストは引きつった頬を指で撫でながら、弱ったようにサクヤを見つめるが、ウルスヴァンは思わず怒鳴っていた。
「いやぁ。私も案外無茶したわ~。他にも色々あって、それからほとぼりが冷めるまでカルの所に厄介になってたのよね~。あ~、思い出すわぁ」
「そんな過去をお持ちでしたか……」
「これではティアさんと変わらないのでは……」
知らなかった事実を暴露され、エルヴァストとウルスヴァンは、二人で肩を落とす。まるで大人になったティアがいるようだ。
「そうね。実際、ティアをあんまり叱れないのよ。盗賊退治とか、腑抜けた騎士とか、気に入らない貴族とか相手にするのって楽しいんだもの。破滅させるの得意よっ」
「「そんな自慢要りません!」」
《キュ?》
普段はそうは見えないし、学園街から出る事も稀なのでこれまで明るみに出なかったが、サクヤはれっきとした実力者なのだ。
「さてと、お喋りはこのくらいにしてっと……あっ、ビアンちゃぁ~ん」
どっと疲れを見せるエルヴァストとウルスヴァンを放っておいて、サクヤは建物の入り口に立っていたビアンを見つけて手を振る。
気付いてくれたのは嬉しいが、ちゃん付けで大声で呼ばれた事に少々の羞恥心を感じながら、ビアンが駆け寄ってきた。
「お待ちしていました。王達が会議室でお待ちです」
「そう。なら行きましょう。楽しみねぇ。ティアが気に入った王様なら期待できるわ」
「何のです……」
ビアンは胡乱げな目をサクヤへ向けた。
「やぁね。ビアンちゃんったら。ヤキモチ?」
「っ、それはっ、冗談言ってないで、急ぎますよっ」
「は~い」
ビアンが先頭に立ってずんずん進んでいく。それを楽しそうに軽い足取りでサクヤが追った。
そんな二人に、エルヴァストとウルスヴァンが少々離れてついていく。
「ビアンのあれは、恋ではなく、親愛か?」
「恐らくは……ビアンさんは、本当に友人と呼べる人が少ないと言っていましたからね」
「なるほど。確かにそうかもな」
人当たりの良いビアンは、知り合いが多いが、難しい立場のエルヴァストについていた事もあり、友人や親友と呼べる存在はこれまでいなかった。サクヤとはそんな関係のようだ。
王宮の中へ入っても楽しい会話は続いていた。
「サクヤさんっ、そっちじゃありませんっ」
「え~、ちょっと寄り道したいじゃない。あっちに隠し通路ありそうだし」
「あってもダメですっ。行きますよっ」
「はいはい。そういえば、美味しいランチの店を見つけたの。今度のお休み、ウルと三人で行きましょうね」
「今度……連休が取れるのは五日後ですよ?」
「ならそこで。待ち合わせは……」
「学園まで迎えに行きますよ」
「ふふっ、了解。待ってるわ」
自然に隣に並んで歩く二人は、やはり恋人と呼ぶには不思議な関係に見える。
「楽しそうだな……」
「いつもあんな感じですよ?」
「そうなのか? というか、ズルいぞ。最近、よくビアンが非番の日にいないと思ったら……三人で遊んでいるのか」
「そうですね。ビアンさんが連休が取れた時は、ほとんど落ち合っています」
「くっ、なんて羨ましいっ」
王都と学園街を行き来するのに時間がかかる為、二日の休みが取れなければ移動できない。そんな貴重な連休の殆どを、ビアンは学園街でサクヤ達との付き合いに使っているようだ。
「そんな事より、こんなに緊張感がなくて良いのでしょうか?」
「……そうだったな……」
サクヤの呑気な雰囲気に呑まれ、ついゆったりとした足取りになってしまったが、かなり切迫した事態が起こっていたのだったとエルヴァストは思い出す。
しかし、結局この雰囲気のまま王が待つという会議室まで来てしまった。
「こちらです」
ビアンが扉を開けてもらうように警備に立つ騎士へ告げる。すると、すぐに中へと通された。そこでは、王太子レイナルートが王に詰め寄っている最中だった。
「なぜ、このような重要な話し合いをこちらでやられるのですか? ここではいざという時の安全がっ」
「いや、しかしなぁ……」
エルヴァストには、レイナルートが何を言いたいのかが理解できた。ここは会議室としては機密性が低い場所だ。つまり晶腐石がないのだ。
ビアンの父である近衛隊長のリュークも同じ意見なのだろう。
この会議室には、王の他に、レイナルートとリューク、そして、ドーバン侯爵がいた。
王は弱った表情でレイナルートと向き合っている。そこで助け舟を出したのは、サクヤだった。
「晶腐石で守られた部屋は確かに安全よ。但し、今回の場合はそれよりも強力で安全な対応をしてくれる強い味方がこっちについてるから、ここで正解なの」
「……あなたは?」
「私はサクヤ。フェルマー学園ではカグヤの名で教師をやってるわ。よろしくねっ。エル君のお兄さん☆」
魅力的なウィンク付きで、王太子相手にそんな軽い挨拶をするサクヤだった。
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舞台裏のお話。
騎士A「おい、今の見たか?」
騎士B「凄い美人だ……」
騎士C「あ、師長様っ」
騎士D「前、師長様だろ? けど、ウルスヴァン様、なんだか前より若返ったように見えるな」
騎士C「やっぱ、師長様の仕事って大変だったんだろうな……」
騎士A「そりゃぁ、大臣達との板挟みだもんよ。それより、あの美人は誰だよ! ビアンさんの恋人か?」
騎士D「いや、恋人というより……歳の離れた姉と弟的な雰囲気に感じたぞ?」
騎士B「いい! 美人なお姉さん! 羨ましいっ」
騎士C「ビアンさんに姉か……昔、噂話でそんな話もあったな」
騎士D「楽しそうだ」
騎士A「エルヴァスト殿下も、最近は一気に大人びられて、ビアンさんが走り回る事がなくなったもんな」
騎士C「お前、エルヴァスト殿下の訓練を受けてないのか?」
騎士A「あぁ。なんかいつもの訓練と違うって聞きはしたが?」
騎士D「ひと月に一度の団長達の訓練よか厳しかったぞ」
騎士A「殿下が?」
騎士C「そうだよ! 下手すれば団長達より腕が上だ。やっぱり王族って事で、凄い師匠がついているのかな?」
騎士B「ん? エルヴァスト殿下は学園に通っておられた時から凄かったが?」
騎士A「そういえばお前、何度か剣技の授業の講師に行っていたな」
騎士B「おう。 それで気になって、団長や隊長にも確認したんだが、殿下が王宮で剣技の授業を受けるのは、学園を卒業されてからって決まっていたらしい。王太子殿下は幼い頃から師がついているらしいんだけどな」
騎士A「なら誰に教わったんだよ」
騎士C「気になるよな……今度、ビアンさんにそれとなく聞いてみるか」
騎士B「いや、俺が聞いた時は、苦笑して言えないの一言で終わった」
騎士A「なんだよそれ……」
騎士C「謎過ぎる……」
騎士D「あのスパルタの元になった師がいるはずなんだがな。まぁ、お前らも味わってみるといい」
騎士A「怖いんだが……」
騎士B「あのお姉さんだったらいいのにな……」
騎士A・C・D「「おい!」」
つづく?
なんて事が起こってましたとさ☆
読んでくださりありがとうございます◎
能天気な奴は潰されますよ。
お久し振りのサクヤ姐さん。
昔のヤンチャしていた頃のサクヤ姐さんが戻ってきました。
普段は、ビアンさんと、ウルさんの三人で遊び歩いているみたいです。
エル兄ちゃんには羨ましいでしょうね。
では次回、また明日です。
よろしくお願いします◎
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