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連載
471 思わぬ拾い物
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2016. 8. 7
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その二人の人物は、黒で統一された服に、黒い布を頭に巻き、首元から上へ、顔を覆うように同じく黒い布で巻いていた。
肌を最大限隠しているその装いは、ティアが昔見た者達と酷似している。
「これは当たりかな……」
その姿は、数年前、ベリアローズとエルヴァストを攫った奴らと同じだ。即ち、あの組織の人間という事を示していた。
「たった二人ね。物足りないけど、今度こそは情報を吐いてもらうから……」
そう、クロノス達マクレート兄妹を雇い入れる時、犯人だと国に引き渡した彼らは、数日後、何の情報も話さないうちに牢で死んでいたらしい。お陰であの時は、情報が手に入らなかった。
ティアは一気に消していた気配を解放し、彼らの後ろから声をかける。
「ねぇ、あなた達、ライダロフの部下?」
「「っ⁉︎」」
そんな道を尋ねるかのような問い掛け方に、二人は身を潜めるのに屈みんだ状態のまま振り向き、咄嗟に動けずにいた。
ティアは、徐々に殺気を高め、二人にぶつけていく。得体の知れない少女の出現に、彼らはただ唯一見せている目を大きく見開いていた。
「二度も同じ事を言いたくないな……ねぇ、どうなの?」
答えなければ殺すとでもいうように、その殺気は彼らを押し潰していく。
「「……」」
「まぁ、話さないか。良い部下を持ってる」
感心すべきは、窮地に追い込まれようとも情報を明かさない所だ。
「いいんだよ? 口を割らなくても、調べれば済むもの。ただ、こっちの手間がかかるってだけだからね……」
「「っ……」」
留めの一発ではないが、更なる殺気をお見舞いしてやる。彼らは震えながら膝をつく。これで完全に口も利けなくなったようだ。自白しようもないが、逃げられる心配もなさそうだ。
ティアは、動けずにいる彼らへ歩み寄ると、アイテムボックスから取り出した縄で素早く縛り上げた。
「うっ……」
「ぐくっ……」
「あ、キツかった?」
そうして、自傷行為が出来ないよう、特殊な魔術もかけておいた。但しこの魔術、効果の時間に限度がある。魔力量に応じてその持続時間は変わるのだが、ティアの場合は、一週間といった所だ。これで安心してはいけない。
「さぁてと、ん? いい所に……フットウルフちゃ~ん」
「「……」」
縛った彼らは、足を曲げた状態で、胴と腕と一緒に縛られており、指一本動かす事は出来ない。
風王もまだ現れないので、彼らをどうやって運ぼうかと迷っていれば、大きなフットウルフが視界の隅に映ったのだ。
二人を更に木へ括り付けると、離れた場所にいたフットウルフを捕まえにかかった。
「逃がさないよん」
ティアは先ずフットウルフに獲物となり得ると認識させる。殺気を綺麗に消し、非力な子どもが森に迷ったといった感じだ。
《ガウアッ!》
そうして、飛びかかってきたフットウルフを本気で威圧する。空中で逃げ場のない状況。それを正面から受けたフットウルフを、接触する寸前に手刀ではたき落す。
着地に失敗し、無様に転がったフットウルフを威圧したまま近付けば、尻尾を丸めて従順な様子を示した。
「よしよし。そんじゃぁ、あれを運ぶの手伝ってもらおうかな」
《ク~ン……》
ティアの胸辺りまでの高さの体高を持つフットウルフだが、今や爪も牙も隠し、大人しい大型の犬にしか見えなくなった。
そのフットウルフに縛っている二人を引き摺ってもらい、ルクス達と合流する為歩き出す。
しばらく歩きながら、ティアはふと隣をノシノシと歩くフットウルフを見て気付いた。
「君、ちょっと銀が入ってる?」
《グルル……》
汚れて黒ずんでしまっているが、その毛色は本来、白に近いのだろう。フットウルフの毛色は黒に近い灰色だ。しかし、このフットウルフは違う。
「よし、綺麗にしてあげよう」
そう言って、ティアは魔術でフットウルフの汚れを綺麗に落とした。すると思った通り、銀白の艶やかな毛色をしていた。
「いいねぇ。なんかここらのボスっぽい」
《グルルッ》
嬉しそうに尻尾を振りながら進んでいく。そこへ風王が舞い降りてきた。
《遅くなりました。あの……ティア様? この獣は……?》
風王が不審に思って尋ねる。
「手伝ってもらってるの。ねぇ、この毛色は珍しいよね?」
《え、えぇ……何やらおかしな気配を持っているような……》
「おかしい? う~ん……そういえば、この魔力の感じって……」
そんな事を考えているうちに、ルクス達のいる場所へたどり着いてしまった。
ガサゴソと草を掻き分け、出てきたティア達に気付いた者達は、一様に驚きに目を見開いていた。
それは、ティアを知るルクス達も同じだった。
「ティ、ティア⁉︎ なんでフットウルフなんてっ」
ルクスが思わず叫ぶように問い掛けてきた。これに、ティアは何でもない事のように答える。
「丁度この子が通りかかったから、荷運びに雇ったの」
「いやいや、どうしてそうなるっ」
いくらなんでも野生の魔獣相手にそれはないと、ルクスは動揺を隠せない。だが、シルは感心しきっていた。
「さすがはティア様……」
従順な様子が伺えるのだ。完全に手懐けてしまったのが分かるのだろう。
一方、マティはショックを受けていた。
《主が浮気っ⁉︎ マティに飽きちゃったのっ⁉︎》
泣きマネまでし始めるマティに、ティアは引きつる表情を知られないように言い切った。
「ち、違うって。マティにお友達を推薦しようと思ったんだ」
どうよと指し示せば、マティとフットウルフが近付いていく。何語か分からない意思疎通を展開した結果、どうやら本当に友人になれたようだ。
「ティア……あのフットウルフって……っ」
「どうしたの? カランタ」
その様子を見ていたカランタは、ふと思い当たるものがあったらしい。はっとした表情を見せてからフットウルフに近付き、その体に手を翳す。どうやら魔力を読み取ろうとしているようだ。
しばらくして、息を呑むカランタに、ティアが歩み寄って尋ねた。
「何か分かった?」
ティアも、このフットウルフがただのフットウルフだとは思っていない。先ほど感じた魔力は、本来、風の魔力属性を持つだけのフットウルフにはあり得ないものだったからだ。
「……間違いない。彼は神使獣だ」
「神使獣? なにそれ」
言葉の感じから、神に仕える獣だとなんとなく予想する。それはあながち間違いではなかった。
「天使と対になる獣の事さ。神様の指示によって、地上で生きる事になった天使を守る守護獣とも呼ばれるものだよ」
そう。確かにこのフットウルフからは、神属性の魔力を感じていたのだ。
************************************************
舞台裏のお話。
ゲイル「なぁ、ゼノを知らないか?」
アリシア「ゼノ様でしたら、ディムースへ向かわれました」
ゲイル「なに? 一人でか? いくらなんでも不用心だろ」
ベティ「『Aランクを目指すならば、護衛など不要だ』と仰って出発されました」
ゲイル「ん? Aランク? 何の事だ?」
リジット「ベル様が近々Aランク認定試験を受けられるそうで、置いていかれるわけには行かないと息巻いておられました」
ゲイル「なに? おい、ベル坊。聞いてねぇぞ」
ベル「ティアから聞いていませんでしたか。エルも受けるのですが」
ゲイル「おいおい。マジで? ガチで? 本気か? まぁ、確かにベル坊はかなり強くなったが……次期伯爵と王子が何を目指してんだ……」
ベル「反対ですか?」
ゲイル「そりゃぁ、護衛の立場から言えば反対してぇな。守るべき主人が自分より強かったら問題だろうが」
ベル「ティアはいいので?」
ゲイル「良くねぇって……だいたい、貴族の令嬢が戦闘してどうすんだって話だよ……」
ベル「確かに……ルクスがそれで悩んでいましたね……」
ゲイル「あれはまぁ……惚れた弱みもあるから、大いに悩めと思ったが」
ベル「……」
ゲイル「ティア嬢ちゃんは戦略も出来るようだが、体で動く方が性に合ってるからな。護衛達をすっ飛ばして現場に行っちまう……護衛側としては虚しいもんだぜ」
ベル「そう……ですか…….」
リジット「要は、どれだけ実力があったとしても、立場は忘れてはならないという事ですよ」
ゲイル「おう。そういうこった。それが分かってんなら、反対はしねぇよ。頑張れ」
ベル「はい」
ゲイル「さてと、クロが帰って来る頃だよな。そうしたら、俺もディムースに行くか。ん? でも、なんでゼノの奴、ディムースに……」
ベル「それは、ファル先生がいるからかと」
ゲイル「なに⁉︎ マジか! そうか、今はこっちじゃなく、あっちでの滞在期間か! リジット、俺も行ってくる!」
リジット「……まだクロノスさんがお帰りになっておりませんが……」
ゲイル「心配ねぇよ。ここには、それこそAランク手前のベルと、ラキア仕込みのメイド二人がいるんだぜ? 過剰戦力だろ」
ベル「……あの、先ほどの立場云々の話は……」
ゲイル「細けぇこと気にすんな! 留守は頼んだぜ!」
ベル「はぁ……行ってらっしゃい」
リジット「ということです。お二人とも」
アリシア「問題ありません。只今、警戒レベルは1。通常モードで継続中です」
ベティ「領内に異常はないとの報告がありました。サルバも問題ありません」
リジット「いいでしょう」
ベル「……リジット、今のは……」
リジット「何でございますか? ご心配は無用です。ベル様の出番は当分ございませんので」
ベル「そ、そのようだな……」
アリ・ベ「「万事、お任せください!」」
ベル「……あぁ……」
つづく?
なんて事が起こってましたとさ☆
読んでくださりありがとうございます◎
交代制の必要がなくなったかも?
魔獣を操るのではなく、手懐けにかかったティアちゃん。
驚かれるのも当然です。
マティは呑気に友達ゲット。
誰を守る守護獣だったのか。
では次回、また明日です。
よろしくお願いします◎
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その二人の人物は、黒で統一された服に、黒い布を頭に巻き、首元から上へ、顔を覆うように同じく黒い布で巻いていた。
肌を最大限隠しているその装いは、ティアが昔見た者達と酷似している。
「これは当たりかな……」
その姿は、数年前、ベリアローズとエルヴァストを攫った奴らと同じだ。即ち、あの組織の人間という事を示していた。
「たった二人ね。物足りないけど、今度こそは情報を吐いてもらうから……」
そう、クロノス達マクレート兄妹を雇い入れる時、犯人だと国に引き渡した彼らは、数日後、何の情報も話さないうちに牢で死んでいたらしい。お陰であの時は、情報が手に入らなかった。
ティアは一気に消していた気配を解放し、彼らの後ろから声をかける。
「ねぇ、あなた達、ライダロフの部下?」
「「っ⁉︎」」
そんな道を尋ねるかのような問い掛け方に、二人は身を潜めるのに屈みんだ状態のまま振り向き、咄嗟に動けずにいた。
ティアは、徐々に殺気を高め、二人にぶつけていく。得体の知れない少女の出現に、彼らはただ唯一見せている目を大きく見開いていた。
「二度も同じ事を言いたくないな……ねぇ、どうなの?」
答えなければ殺すとでもいうように、その殺気は彼らを押し潰していく。
「「……」」
「まぁ、話さないか。良い部下を持ってる」
感心すべきは、窮地に追い込まれようとも情報を明かさない所だ。
「いいんだよ? 口を割らなくても、調べれば済むもの。ただ、こっちの手間がかかるってだけだからね……」
「「っ……」」
留めの一発ではないが、更なる殺気をお見舞いしてやる。彼らは震えながら膝をつく。これで完全に口も利けなくなったようだ。自白しようもないが、逃げられる心配もなさそうだ。
ティアは、動けずにいる彼らへ歩み寄ると、アイテムボックスから取り出した縄で素早く縛り上げた。
「うっ……」
「ぐくっ……」
「あ、キツかった?」
そうして、自傷行為が出来ないよう、特殊な魔術もかけておいた。但しこの魔術、効果の時間に限度がある。魔力量に応じてその持続時間は変わるのだが、ティアの場合は、一週間といった所だ。これで安心してはいけない。
「さぁてと、ん? いい所に……フットウルフちゃ~ん」
「「……」」
縛った彼らは、足を曲げた状態で、胴と腕と一緒に縛られており、指一本動かす事は出来ない。
風王もまだ現れないので、彼らをどうやって運ぼうかと迷っていれば、大きなフットウルフが視界の隅に映ったのだ。
二人を更に木へ括り付けると、離れた場所にいたフットウルフを捕まえにかかった。
「逃がさないよん」
ティアは先ずフットウルフに獲物となり得ると認識させる。殺気を綺麗に消し、非力な子どもが森に迷ったといった感じだ。
《ガウアッ!》
そうして、飛びかかってきたフットウルフを本気で威圧する。空中で逃げ場のない状況。それを正面から受けたフットウルフを、接触する寸前に手刀ではたき落す。
着地に失敗し、無様に転がったフットウルフを威圧したまま近付けば、尻尾を丸めて従順な様子を示した。
「よしよし。そんじゃぁ、あれを運ぶの手伝ってもらおうかな」
《ク~ン……》
ティアの胸辺りまでの高さの体高を持つフットウルフだが、今や爪も牙も隠し、大人しい大型の犬にしか見えなくなった。
そのフットウルフに縛っている二人を引き摺ってもらい、ルクス達と合流する為歩き出す。
しばらく歩きながら、ティアはふと隣をノシノシと歩くフットウルフを見て気付いた。
「君、ちょっと銀が入ってる?」
《グルル……》
汚れて黒ずんでしまっているが、その毛色は本来、白に近いのだろう。フットウルフの毛色は黒に近い灰色だ。しかし、このフットウルフは違う。
「よし、綺麗にしてあげよう」
そう言って、ティアは魔術でフットウルフの汚れを綺麗に落とした。すると思った通り、銀白の艶やかな毛色をしていた。
「いいねぇ。なんかここらのボスっぽい」
《グルルッ》
嬉しそうに尻尾を振りながら進んでいく。そこへ風王が舞い降りてきた。
《遅くなりました。あの……ティア様? この獣は……?》
風王が不審に思って尋ねる。
「手伝ってもらってるの。ねぇ、この毛色は珍しいよね?」
《え、えぇ……何やらおかしな気配を持っているような……》
「おかしい? う~ん……そういえば、この魔力の感じって……」
そんな事を考えているうちに、ルクス達のいる場所へたどり着いてしまった。
ガサゴソと草を掻き分け、出てきたティア達に気付いた者達は、一様に驚きに目を見開いていた。
それは、ティアを知るルクス達も同じだった。
「ティ、ティア⁉︎ なんでフットウルフなんてっ」
ルクスが思わず叫ぶように問い掛けてきた。これに、ティアは何でもない事のように答える。
「丁度この子が通りかかったから、荷運びに雇ったの」
「いやいや、どうしてそうなるっ」
いくらなんでも野生の魔獣相手にそれはないと、ルクスは動揺を隠せない。だが、シルは感心しきっていた。
「さすがはティア様……」
従順な様子が伺えるのだ。完全に手懐けてしまったのが分かるのだろう。
一方、マティはショックを受けていた。
《主が浮気っ⁉︎ マティに飽きちゃったのっ⁉︎》
泣きマネまでし始めるマティに、ティアは引きつる表情を知られないように言い切った。
「ち、違うって。マティにお友達を推薦しようと思ったんだ」
どうよと指し示せば、マティとフットウルフが近付いていく。何語か分からない意思疎通を展開した結果、どうやら本当に友人になれたようだ。
「ティア……あのフットウルフって……っ」
「どうしたの? カランタ」
その様子を見ていたカランタは、ふと思い当たるものがあったらしい。はっとした表情を見せてからフットウルフに近付き、その体に手を翳す。どうやら魔力を読み取ろうとしているようだ。
しばらくして、息を呑むカランタに、ティアが歩み寄って尋ねた。
「何か分かった?」
ティアも、このフットウルフがただのフットウルフだとは思っていない。先ほど感じた魔力は、本来、風の魔力属性を持つだけのフットウルフにはあり得ないものだったからだ。
「……間違いない。彼は神使獣だ」
「神使獣? なにそれ」
言葉の感じから、神に仕える獣だとなんとなく予想する。それはあながち間違いではなかった。
「天使と対になる獣の事さ。神様の指示によって、地上で生きる事になった天使を守る守護獣とも呼ばれるものだよ」
そう。確かにこのフットウルフからは、神属性の魔力を感じていたのだ。
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舞台裏のお話。
ゲイル「なぁ、ゼノを知らないか?」
アリシア「ゼノ様でしたら、ディムースへ向かわれました」
ゲイル「なに? 一人でか? いくらなんでも不用心だろ」
ベティ「『Aランクを目指すならば、護衛など不要だ』と仰って出発されました」
ゲイル「ん? Aランク? 何の事だ?」
リジット「ベル様が近々Aランク認定試験を受けられるそうで、置いていかれるわけには行かないと息巻いておられました」
ゲイル「なに? おい、ベル坊。聞いてねぇぞ」
ベル「ティアから聞いていませんでしたか。エルも受けるのですが」
ゲイル「おいおい。マジで? ガチで? 本気か? まぁ、確かにベル坊はかなり強くなったが……次期伯爵と王子が何を目指してんだ……」
ベル「反対ですか?」
ゲイル「そりゃぁ、護衛の立場から言えば反対してぇな。守るべき主人が自分より強かったら問題だろうが」
ベル「ティアはいいので?」
ゲイル「良くねぇって……だいたい、貴族の令嬢が戦闘してどうすんだって話だよ……」
ベル「確かに……ルクスがそれで悩んでいましたね……」
ゲイル「あれはまぁ……惚れた弱みもあるから、大いに悩めと思ったが」
ベル「……」
ゲイル「ティア嬢ちゃんは戦略も出来るようだが、体で動く方が性に合ってるからな。護衛達をすっ飛ばして現場に行っちまう……護衛側としては虚しいもんだぜ」
ベル「そう……ですか…….」
リジット「要は、どれだけ実力があったとしても、立場は忘れてはならないという事ですよ」
ゲイル「おう。そういうこった。それが分かってんなら、反対はしねぇよ。頑張れ」
ベル「はい」
ゲイル「さてと、クロが帰って来る頃だよな。そうしたら、俺もディムースに行くか。ん? でも、なんでゼノの奴、ディムースに……」
ベル「それは、ファル先生がいるからかと」
ゲイル「なに⁉︎ マジか! そうか、今はこっちじゃなく、あっちでの滞在期間か! リジット、俺も行ってくる!」
リジット「……まだクロノスさんがお帰りになっておりませんが……」
ゲイル「心配ねぇよ。ここには、それこそAランク手前のベルと、ラキア仕込みのメイド二人がいるんだぜ? 過剰戦力だろ」
ベル「……あの、先ほどの立場云々の話は……」
ゲイル「細けぇこと気にすんな! 留守は頼んだぜ!」
ベル「はぁ……行ってらっしゃい」
リジット「ということです。お二人とも」
アリシア「問題ありません。只今、警戒レベルは1。通常モードで継続中です」
ベティ「領内に異常はないとの報告がありました。サルバも問題ありません」
リジット「いいでしょう」
ベル「……リジット、今のは……」
リジット「何でございますか? ご心配は無用です。ベル様の出番は当分ございませんので」
ベル「そ、そのようだな……」
アリ・ベ「「万事、お任せください!」」
ベル「……あぁ……」
つづく?
なんて事が起こってましたとさ☆
読んでくださりありがとうございます◎
交代制の必要がなくなったかも?
魔獣を操るのではなく、手懐けにかかったティアちゃん。
驚かれるのも当然です。
マティは呑気に友達ゲット。
誰を守る守護獣だったのか。
では次回、また明日です。
よろしくお願いします◎
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