319 / 457
連載
466 他国の人々
しおりを挟む
2016. 7. 31
********************************************
ティアは、地下でルクスが壊した魔導具を全て回収し、地上に戻って来た。
すると、あれほど苦しそうだった盗賊達が体を起こし、自分達の身にいったい何が起こったのかと話し合っている。
ティア達に助けられた事だけは分かるようで、攻撃してくる様子や、逃げる気もないようだ。
ふと目を向けた先。盗賊達から少し離れた場所では、カランタが地面に手と膝をつき、息を荒げていた。
近付いたティアに、カランタがゆっくりと顔を上げ、情けない声を出した。
「ティアぁ~」
「なんか、見たことある体勢だね」
初めてカランタとティアとして出会った時。膝をつかせたなと思い出す。
「うぅ……酷いよぉ」
「あ~、はいはい。これをあげよう」
「……ありがと……」
ティアはアイテムボックスから取り出した回復薬をカランタへと手渡した。しかし、それが優しさだけで済まない所がティアだ。
「天使に効くか確認したいんだよね~」
「素直に労ってよっ!」
座り込んで薬を一気に飲んだカランタ。それを、ティアは屈み込んで正面から実証実験を楽しむかのようにニヤニヤと見つめる。これには、泣きそうになりながらカランタが非難した。
最近、カランタは心を読まないようにしているようで、ティアが照れ隠しでそうしている事に気付かない。お陰で、自然な掛け合いが成立してしまう。
「なによ。出来たじゃん。さすがは天使様。白い羽とキラキラ属性は伊達じゃないね」
「……それ、褒めてる?」
「何言ってんの。この上なく、天使様を褒め称えてるでしょ?」
天使の力を信頼し、この場を任せたのだ。ティアにしてみれば、最高ランクの信頼の証だろう。
だが、残念ながらそれは他人に伝わりにくい。
「その天使様っていうのやめてよぉ。ティアに言われるのヤダ」
「ヤダって言われても、天使じゃん」
「そうだけど……たまには、と、父様って……昔みたいに……」
「さぁってと、話し合いをしましょうか」
「……うぅ……っ」
だらしない顔で、おかしな注文をつけにかかった天使など無視だ。薬を飲んで明らかに回復した様子なので、もう心配してやる必要もないだろう。
ティアが盗賊達の方へ視線を向けると、彼らは少々警戒した様子でこちらを見ていた。それも分からなくはない。
彼らに近付き、口を開こうとしたところで、風王が現れた。そして、仕入れてきた情報を耳打ちする。
盗賊達の中には精霊視力を持った者はいないらしく、カランタとルクスだけが不思議そうに内心、首を傾げていた。
受け取った情報を素早く自分の中で整理すると、そのまま口を開く。
「いらっしゃい。他国の方々。正式な入国をしていないようだね」
「っ⁉︎」
盗賊達だけでなく、ルクス達も息をのみ、この場に緊張が走る。
「門を通る時に使った魔導具はどこ? 大人しくあの国を出なくちゃならなくなった事情を話してくれれば、力になるけど?」
そう言えば、一人の男に視線が集まった。
「あなたがここのリーダー?」
「そ、そうだ……」
四十代後半といった所だろうか。その男は立ち上がり、ティアへと歩み寄る。
その瞳には、隠しきれない戸惑いの色が見えていた。武器は腰に剣が一振り。ティアには、風王の情報から、彼らの事情も予想出来ていた。それを踏まえると、ここで敵対するような馬鹿ではないだろうと考え、まずはこちらの立場を明かす。
「私はティア。冒険者で、あなた方のようにこの先の町を襲おうとする盗賊を退治するのよう依頼を受けた。けど……あなた達が盗賊ではないのなら、敵にはならないよ?」
「……この国では、お嬢ちゃんのような子どもに、盗賊退治を任せるのか?」
男は警戒を解かず、少しでも何か優位に立てる情報を手に入れようと探りを入れる。それに、ティアは正直に答えてやった。
「これでもAランクの冒険者だよ。 冒険者のランクは世界共通。どの国でも変わらないから分かるよね?」
「Aランク⁉︎ ウィストじゃぁ、国に三人もいねぇ……それが、こんな……」
「こんな小娘が? って感じ? 言っておくけど、あなた達の国なら、一人でも丸一日あれば落とせるよ? Aランクってのは、そういう存在だからね」
「あ、あぁ……そうだな……」
冒険者ギルドは世界中にある。国の中にあるが、正確に言えばその国に属しているわけではない。
王の命は聞かないが要望は聞く。そんな本来、単独の自由な組織なのだ。だからこそ、その国によってランク付けに差が出るような事もない。
人族と魔族やエルフなど、種族が違ったとしてもランク付けの違いがないのだ。
ただし、種族によってこれとは別のランク付けがあるのだが、人族にはないので関係ない。
「立ち話もなんだね。もうすぐ合流組も来るみたいだし、少しゆっくり話そうか」
そうして、ティアはゲルヴァローズの欠片を取り出し、家を出現させた。
「なっ⁉︎」
当然、これを知らない彼らは驚く。だが、ティアには、わざわざ懇切丁寧に説明してやる気はない。
「水王。水鏡をお願い。それと風王は会話を届けて。ここの人たちにも中の様子が分かるように」
お任せください
誰もが見えるように顕現した水王は、上空に水鏡を展開する。それは、家の中を映し出していた。
そして、今は聞こえないが、同じように顕現した風王の力によって、家の中での会話も聞こえるようにしてもらった。
「さぁ、これで安心でしょ? 入って。事情を聞こう。もうすぐ来る人達のリーダーも一緒にね」
そう言ってティアが向けたその視線の先には、本来の姿になったマティと火王に先導されてやって来た数名の男女が現れた。
「っ、ディっ⁉︎」
息を止めてしまうのも仕方が無い。更に、目の端に映ったそれを目にした半数は気絶してしまっていたのだった。
************************************************
舞台裏のお話。
サクヤ「こんにちは~」
ラキア「これは、ようこそいらっしゃいませ、カグヤ先生。それと、ウル師長様」
ウル「その呼び方は変わりませんか?」
ラキア「はい。ティア様が、魔術師長として認めておられるのは、ウル師長様だけですので」
ウル「え……」
サクヤ「へぇ。それって、今の魔術師長の子は認めてないってこと?」
ラキア「そのようです。経験値が足りないと仰っておいででした」
ウル「……」
サクヤ「若かったっけ?」
ラキア「いいえ。ウル師長様よりも四つ年上です。魔術師長としては妥当な年齢だそうですね」
サクヤ「そういえばそうねぇ。昔から大体六十か、七十過ぎが多かったものね。たまに若い子が選ばれてたけど」
ラキア「私もそうお聞きしました。ですが、ウル師長様は三十でその座に指名されたとか」
サクヤ「そうなの? 凄いじゃない。若い子を選ぶ時は、結構色々と難しいって聞いた事があるけど」
ラキア「ええ。若い分、人生経験も少ないですし、いくら魔力が高く優秀であっても、その後、何の影響を受け、考え方などが変わるか分かりませんから」
サクヤ「それはありそうね。優秀である事は重要だけど、国に仇名す事になったら困るものね。それは慎重にもなるわ」
ラキア「ですから、その場合は、特別な監査官が数人つくのだそうです」
サクヤ「こわっ。なにそれっ。監視役?」
ラキア「はい。クィーグの方から選ばれるそうですよ」
サクヤ「やだ、最強じゃない」
ラキア「因みに、代々魔術師長様には、年齢に関係なく必ず一人は監査官がついていると」
サクヤ「ウルにもついていたのね」
ウル「え?」
サクヤ「あら? 知らなかったの?」
ウル「はい……え?」
ラキア「あぁ、ウル師長様の最後の担当でしたら、師長様の引退と同時に現役を退かれ、今はディムースで子ども達の先生をしていらっしゃいますよ?」
サクヤ「まぁっ。先生だなんて。同じじゃない。今度挨拶しましょうね、ウル」
ウル「はい……え?」
つづく?
なんて事が起こってましたとさ☆
読んでくださりありがとうございます◎
初めて聞く裏話?
珍しく暴れる事なく話し合い。
ティアちゃんも少しは大人になったのでしょうか。
ただ、素直にはなれないようです。
連行されてきました侵入者さん達。
マティには逆らえませんね。
では次回、また明日です。
よろしくお願いします◎
********************************************
ティアは、地下でルクスが壊した魔導具を全て回収し、地上に戻って来た。
すると、あれほど苦しそうだった盗賊達が体を起こし、自分達の身にいったい何が起こったのかと話し合っている。
ティア達に助けられた事だけは分かるようで、攻撃してくる様子や、逃げる気もないようだ。
ふと目を向けた先。盗賊達から少し離れた場所では、カランタが地面に手と膝をつき、息を荒げていた。
近付いたティアに、カランタがゆっくりと顔を上げ、情けない声を出した。
「ティアぁ~」
「なんか、見たことある体勢だね」
初めてカランタとティアとして出会った時。膝をつかせたなと思い出す。
「うぅ……酷いよぉ」
「あ~、はいはい。これをあげよう」
「……ありがと……」
ティアはアイテムボックスから取り出した回復薬をカランタへと手渡した。しかし、それが優しさだけで済まない所がティアだ。
「天使に効くか確認したいんだよね~」
「素直に労ってよっ!」
座り込んで薬を一気に飲んだカランタ。それを、ティアは屈み込んで正面から実証実験を楽しむかのようにニヤニヤと見つめる。これには、泣きそうになりながらカランタが非難した。
最近、カランタは心を読まないようにしているようで、ティアが照れ隠しでそうしている事に気付かない。お陰で、自然な掛け合いが成立してしまう。
「なによ。出来たじゃん。さすがは天使様。白い羽とキラキラ属性は伊達じゃないね」
「……それ、褒めてる?」
「何言ってんの。この上なく、天使様を褒め称えてるでしょ?」
天使の力を信頼し、この場を任せたのだ。ティアにしてみれば、最高ランクの信頼の証だろう。
だが、残念ながらそれは他人に伝わりにくい。
「その天使様っていうのやめてよぉ。ティアに言われるのヤダ」
「ヤダって言われても、天使じゃん」
「そうだけど……たまには、と、父様って……昔みたいに……」
「さぁってと、話し合いをしましょうか」
「……うぅ……っ」
だらしない顔で、おかしな注文をつけにかかった天使など無視だ。薬を飲んで明らかに回復した様子なので、もう心配してやる必要もないだろう。
ティアが盗賊達の方へ視線を向けると、彼らは少々警戒した様子でこちらを見ていた。それも分からなくはない。
彼らに近付き、口を開こうとしたところで、風王が現れた。そして、仕入れてきた情報を耳打ちする。
盗賊達の中には精霊視力を持った者はいないらしく、カランタとルクスだけが不思議そうに内心、首を傾げていた。
受け取った情報を素早く自分の中で整理すると、そのまま口を開く。
「いらっしゃい。他国の方々。正式な入国をしていないようだね」
「っ⁉︎」
盗賊達だけでなく、ルクス達も息をのみ、この場に緊張が走る。
「門を通る時に使った魔導具はどこ? 大人しくあの国を出なくちゃならなくなった事情を話してくれれば、力になるけど?」
そう言えば、一人の男に視線が集まった。
「あなたがここのリーダー?」
「そ、そうだ……」
四十代後半といった所だろうか。その男は立ち上がり、ティアへと歩み寄る。
その瞳には、隠しきれない戸惑いの色が見えていた。武器は腰に剣が一振り。ティアには、風王の情報から、彼らの事情も予想出来ていた。それを踏まえると、ここで敵対するような馬鹿ではないだろうと考え、まずはこちらの立場を明かす。
「私はティア。冒険者で、あなた方のようにこの先の町を襲おうとする盗賊を退治するのよう依頼を受けた。けど……あなた達が盗賊ではないのなら、敵にはならないよ?」
「……この国では、お嬢ちゃんのような子どもに、盗賊退治を任せるのか?」
男は警戒を解かず、少しでも何か優位に立てる情報を手に入れようと探りを入れる。それに、ティアは正直に答えてやった。
「これでもAランクの冒険者だよ。 冒険者のランクは世界共通。どの国でも変わらないから分かるよね?」
「Aランク⁉︎ ウィストじゃぁ、国に三人もいねぇ……それが、こんな……」
「こんな小娘が? って感じ? 言っておくけど、あなた達の国なら、一人でも丸一日あれば落とせるよ? Aランクってのは、そういう存在だからね」
「あ、あぁ……そうだな……」
冒険者ギルドは世界中にある。国の中にあるが、正確に言えばその国に属しているわけではない。
王の命は聞かないが要望は聞く。そんな本来、単独の自由な組織なのだ。だからこそ、その国によってランク付けに差が出るような事もない。
人族と魔族やエルフなど、種族が違ったとしてもランク付けの違いがないのだ。
ただし、種族によってこれとは別のランク付けがあるのだが、人族にはないので関係ない。
「立ち話もなんだね。もうすぐ合流組も来るみたいだし、少しゆっくり話そうか」
そうして、ティアはゲルヴァローズの欠片を取り出し、家を出現させた。
「なっ⁉︎」
当然、これを知らない彼らは驚く。だが、ティアには、わざわざ懇切丁寧に説明してやる気はない。
「水王。水鏡をお願い。それと風王は会話を届けて。ここの人たちにも中の様子が分かるように」
お任せください
誰もが見えるように顕現した水王は、上空に水鏡を展開する。それは、家の中を映し出していた。
そして、今は聞こえないが、同じように顕現した風王の力によって、家の中での会話も聞こえるようにしてもらった。
「さぁ、これで安心でしょ? 入って。事情を聞こう。もうすぐ来る人達のリーダーも一緒にね」
そう言ってティアが向けたその視線の先には、本来の姿になったマティと火王に先導されてやって来た数名の男女が現れた。
「っ、ディっ⁉︎」
息を止めてしまうのも仕方が無い。更に、目の端に映ったそれを目にした半数は気絶してしまっていたのだった。
************************************************
舞台裏のお話。
サクヤ「こんにちは~」
ラキア「これは、ようこそいらっしゃいませ、カグヤ先生。それと、ウル師長様」
ウル「その呼び方は変わりませんか?」
ラキア「はい。ティア様が、魔術師長として認めておられるのは、ウル師長様だけですので」
ウル「え……」
サクヤ「へぇ。それって、今の魔術師長の子は認めてないってこと?」
ラキア「そのようです。経験値が足りないと仰っておいででした」
ウル「……」
サクヤ「若かったっけ?」
ラキア「いいえ。ウル師長様よりも四つ年上です。魔術師長としては妥当な年齢だそうですね」
サクヤ「そういえばそうねぇ。昔から大体六十か、七十過ぎが多かったものね。たまに若い子が選ばれてたけど」
ラキア「私もそうお聞きしました。ですが、ウル師長様は三十でその座に指名されたとか」
サクヤ「そうなの? 凄いじゃない。若い子を選ぶ時は、結構色々と難しいって聞いた事があるけど」
ラキア「ええ。若い分、人生経験も少ないですし、いくら魔力が高く優秀であっても、その後、何の影響を受け、考え方などが変わるか分かりませんから」
サクヤ「それはありそうね。優秀である事は重要だけど、国に仇名す事になったら困るものね。それは慎重にもなるわ」
ラキア「ですから、その場合は、特別な監査官が数人つくのだそうです」
サクヤ「こわっ。なにそれっ。監視役?」
ラキア「はい。クィーグの方から選ばれるそうですよ」
サクヤ「やだ、最強じゃない」
ラキア「因みに、代々魔術師長様には、年齢に関係なく必ず一人は監査官がついていると」
サクヤ「ウルにもついていたのね」
ウル「え?」
サクヤ「あら? 知らなかったの?」
ウル「はい……え?」
ラキア「あぁ、ウル師長様の最後の担当でしたら、師長様の引退と同時に現役を退かれ、今はディムースで子ども達の先生をしていらっしゃいますよ?」
サクヤ「まぁっ。先生だなんて。同じじゃない。今度挨拶しましょうね、ウル」
ウル「はい……え?」
つづく?
なんて事が起こってましたとさ☆
読んでくださりありがとうございます◎
初めて聞く裏話?
珍しく暴れる事なく話し合い。
ティアちゃんも少しは大人になったのでしょうか。
ただ、素直にはなれないようです。
連行されてきました侵入者さん達。
マティには逆らえませんね。
では次回、また明日です。
よろしくお願いします◎
10
お気に入りに追加
4,568
あなたにおすすめの小説

復讐はちゃんとしておりますから、安心してお休みください、陛下
七辻ゆゆ
ファンタジー
「フィオネよ、すまな……かった……」
死の床で陛下はわたくしに謝りました。
「陛下、お気が弱くなっておいでなのですね。今更になって、地獄に落とされるのが恐ろしくおなりかしら?」
でも、謝る必要なんてありません。陛下の死をもって復讐は完成するのですから。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。

【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です
葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。
王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。
孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。
王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。
働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。
何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。
隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。
そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも掲載予定です。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。