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連載
418 いつでも頼もしい友人
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2016. 5. 24
********************************************
カルツォーネは、森に入ってしばらくは天馬の通れる広い場所に集まる魔獣達を倒していた。
しかし、一向にその数が減らない上に、日が落ちた暗い森の中では動きにくい。一度、今のこの場の状況を整理しようと考えた。
「上から確認するか」
そうして、カルツォーネは天馬に跨り、上空へと舞い上がる。
森の上に出ると、この魔獣が出現している元を探して気配を探った。しかし、どれだけ意識を集中しても、森全体に魔力が満ちていて、特定ができない。
「これは、本当に厄介だなぁ……ん?」
ふと何かの気配が意識に引っかかった。
「誰だ? ティア?……いや……」
物凄い勢いで反対側の森の入り口から向かってくる気配。それがティアとディストレアである相棒のマティだというのはすぐに分かった。
ティアならば、この事態に必ず動くだろう事は予想できる。
だが、カルツォーネが引っかかりを覚えたのはティア達ではない。
「この気配……どこかで……」
それは森の只中。中心辺りだろうか。知っている気配だと思った。
「シュリ、あっちだ」
天馬を操り、気配を殺して近付くと、警戒してかなり高度を上げてから下を見下ろした。
当然だが、森の中は暗くて物の判断はできない。姿を確認するのはさすがに無理かと思ったその時だった。強い風が木々を大きく揺らし、月明かりがそこに射し込んたのだ。
「っ、まさか……!」
息を呑み、驚愕したのは一瞬。その人物に向かってティアが一気に距離を詰めてきている事に気付く。
ティアが辿り着くより先にと、カルツォーネは獲物を見つけた狩人のように、鋭い眼光を月の光で反射させる。そして、次の瞬間、躊躇なく天馬から飛び降りた。
空中で剣を抜き、その人物へ向かって一撃必殺になり得る程の力の込もった斬撃を撃ち放つ。
その斬撃は深く大地を穿ち、周りの木々を木っ端微塵にする。
しかし、土煙りの上がるその場所から、突如として黒い霧が吹き上がった。
それを咄嗟に風の魔術で避けたのだが、少々顔を掠ったようだ。ピリピリとした刺激が右頬に走った。
この霧は危険だと本能が告げている。以前、これの報告もその人物と共に上がっていたと記憶している。お陰で確信に変わった。
いよいよ霧の中に身を躍らせるという時。風が渦を巻き、得体の知れない黒い霧を絡め取る。そして、そこに一つの瓶が投げ込まれ、破裂した。すると、黒い霧が綺麗に霧散するように消えたのだ。
無事地面に降り立ったカルツォーネは、肩に大きな切り傷を負いながらも、狂ったような笑みを浮かべる男と対峙する事になった。
最初に声を出したのは男の方だ。
「くひひっ、黒鬼殿。いや、魔王様とお呼びすべきですかな?」
「……ジェルバっ……」
カルツォーネは憎らしげにその男……ジェルバを睨み付けた。
傷からは今もまだ血が溢れているのが分かる。それを手で押さえてはいるが、まるで痛覚を感じていないかのように、ジェルバは常と変わらない笑みを浮かべていた。
「いやはや……なんとも心躍る再会ですなぁ。くひひっ」
「貴様かっ! この騒動の首謀者はっ!!」
カルツォーネは、少し前にティアからジェルバの生存を知らされていた。国の方でも、その行方を追っていたのだが、残念ながらようとして知れなかったのだ。
「くひひひっ、首謀者などとおこがましい。私はあくまで裏方ですよ」
「なんだとっ? ほぉ……そいつは何者だ?」
カルツォーネはジェルバに気を取られていたため、ジェルバの後ろに虚ろな様子で立ち尽くす人物に今まで気づかなかった。
ジェルバとこうして話していても微動だにしない。何より、カルツォーネの方さえ見ない上、先ほどの攻撃の余波を食らったようにも見えなかった。横を向いたまま何かを胸から腹の辺りで抱え、この場に留まっている。
その時、その人物が何か呟いた。すると、抱えた何かから黒い影がいくつも飛び出していったのだ。
「なるほど……あれがこれの元凶ということか」
「くひひ……」
「何がおかしいっ」
魔獣を出現させる何かを突き止められたのにも関わらず、ジェルバは笑みを浮かべていた。
「失礼。ですが、魔王様であってもあれは壊せませんよ」
「なんだと……」
そこへ魔獣に乗った青年が駆けてきた。
「ジェルバ様っ!」
青年は、すり抜けざまにジェルバを魔獣に乗せる。そして、今の状況を作り出していると見える人物も、同時に別の魔獣が咥えていく。逃げる気なのだろう。
逃がすものかとカルツォーネが魔力を高めた時だった。
猛スピードの赤い弾丸がそれらを魔獣ごと吹っ飛ばしたのだ。
《敵発見!!》
「だからって、体当たりはビックリするわっ!」
《いたっ、痛いよ主……。主が逃がすなって言ったんじゃん》
「だからって、原始的過ぎるわ! 危なかったでしょっ」
《うっ、うん……ちょっとぶつかった所痛い……でも、主に叩かれた所が一番痛い……》
「それは、痛みが誤魔化せて良かったじゃない」
《うん?あ、そっか》
何だか一気に、知らず強張っていた体から力が抜ける。
そんなカルツォーネの様子に、ティアは気付いたのだろう。マティから下りたティアは得意気な笑みを向ける。
かつてのマティアスもそうだった。夜の月明かりさえ集めてしまうほど美しく、緊迫した状況下であっても常に強さを秘めた笑みを浮かべる。
それは、絶対的強者の貫禄と、この場の空気を全て自分のものとしてしまう不思議な引力を持って、彼女を更に美しく見せていた。
そして言うのだ。
「お待たせ、カル姐」
「ふふっ、あぁ。待ってたよ」
どんな時、どんな場所であっても変わらない。彼女は頼もしい自慢の友人なのだから。
************************************************
舞台裏のお話。
妖精王 《ん? 良いタイミングだな》
火王 《……カル殿か……》
妖精王 《だな。そんで、凄ぇ勢いでそこに突っ込んでいくのが……》
火王 《マティだ》
妖精王 《いや、そこはサティアだと……あぁ、まぁ、そうだな》
火王 《……あれでは怪我をする……》
妖精王 《おいおいっ。どこ行く気だよ! ここを手伝いに来たんだろっ。それに、向こうには風王がいる》
火王 《意味がない》
妖精王 《いやいや。だからって、この状況であっちに行かれたら俺が困るっ》
火王 《……お前なら大丈夫だ》
妖精王 《んん? 待て、その目はマジで見捨てる気だろ! 頼むぜ、パパっ!》
火王 《……》
妖精王 《うおっ。更に冷たくっ……わ、悪かったっ。友人だ。友人としてここに残ってくれ!》
火王 《……》
妖精王 《へっ? まさか俺って、友人でもねぇのっ⁉︎》
火王 《…………友人だ……》
妖精王 《お、おう……沈黙が痛ぇぜ……》
つづく?
なんて事が起こってましたとさ☆
読んでくださりありがとうございます◎
こっちは友人よりも子どもなのかもです。
ピンチな時。
平常心をなくした時。
そんな時に駆けつけてくれる友人。
それがカル姐さんにとってのティアちゃんやマティアスであり、ティアちゃんにとってのカル姐さんなんだと思います。
お互いが助け合える関係は素敵ですね。
では次回、一日空けて26日です。
よろしくお願いします◎
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カルツォーネは、森に入ってしばらくは天馬の通れる広い場所に集まる魔獣達を倒していた。
しかし、一向にその数が減らない上に、日が落ちた暗い森の中では動きにくい。一度、今のこの場の状況を整理しようと考えた。
「上から確認するか」
そうして、カルツォーネは天馬に跨り、上空へと舞い上がる。
森の上に出ると、この魔獣が出現している元を探して気配を探った。しかし、どれだけ意識を集中しても、森全体に魔力が満ちていて、特定ができない。
「これは、本当に厄介だなぁ……ん?」
ふと何かの気配が意識に引っかかった。
「誰だ? ティア?……いや……」
物凄い勢いで反対側の森の入り口から向かってくる気配。それがティアとディストレアである相棒のマティだというのはすぐに分かった。
ティアならば、この事態に必ず動くだろう事は予想できる。
だが、カルツォーネが引っかかりを覚えたのはティア達ではない。
「この気配……どこかで……」
それは森の只中。中心辺りだろうか。知っている気配だと思った。
「シュリ、あっちだ」
天馬を操り、気配を殺して近付くと、警戒してかなり高度を上げてから下を見下ろした。
当然だが、森の中は暗くて物の判断はできない。姿を確認するのはさすがに無理かと思ったその時だった。強い風が木々を大きく揺らし、月明かりがそこに射し込んたのだ。
「っ、まさか……!」
息を呑み、驚愕したのは一瞬。その人物に向かってティアが一気に距離を詰めてきている事に気付く。
ティアが辿り着くより先にと、カルツォーネは獲物を見つけた狩人のように、鋭い眼光を月の光で反射させる。そして、次の瞬間、躊躇なく天馬から飛び降りた。
空中で剣を抜き、その人物へ向かって一撃必殺になり得る程の力の込もった斬撃を撃ち放つ。
その斬撃は深く大地を穿ち、周りの木々を木っ端微塵にする。
しかし、土煙りの上がるその場所から、突如として黒い霧が吹き上がった。
それを咄嗟に風の魔術で避けたのだが、少々顔を掠ったようだ。ピリピリとした刺激が右頬に走った。
この霧は危険だと本能が告げている。以前、これの報告もその人物と共に上がっていたと記憶している。お陰で確信に変わった。
いよいよ霧の中に身を躍らせるという時。風が渦を巻き、得体の知れない黒い霧を絡め取る。そして、そこに一つの瓶が投げ込まれ、破裂した。すると、黒い霧が綺麗に霧散するように消えたのだ。
無事地面に降り立ったカルツォーネは、肩に大きな切り傷を負いながらも、狂ったような笑みを浮かべる男と対峙する事になった。
最初に声を出したのは男の方だ。
「くひひっ、黒鬼殿。いや、魔王様とお呼びすべきですかな?」
「……ジェルバっ……」
カルツォーネは憎らしげにその男……ジェルバを睨み付けた。
傷からは今もまだ血が溢れているのが分かる。それを手で押さえてはいるが、まるで痛覚を感じていないかのように、ジェルバは常と変わらない笑みを浮かべていた。
「いやはや……なんとも心躍る再会ですなぁ。くひひっ」
「貴様かっ! この騒動の首謀者はっ!!」
カルツォーネは、少し前にティアからジェルバの生存を知らされていた。国の方でも、その行方を追っていたのだが、残念ながらようとして知れなかったのだ。
「くひひひっ、首謀者などとおこがましい。私はあくまで裏方ですよ」
「なんだとっ? ほぉ……そいつは何者だ?」
カルツォーネはジェルバに気を取られていたため、ジェルバの後ろに虚ろな様子で立ち尽くす人物に今まで気づかなかった。
ジェルバとこうして話していても微動だにしない。何より、カルツォーネの方さえ見ない上、先ほどの攻撃の余波を食らったようにも見えなかった。横を向いたまま何かを胸から腹の辺りで抱え、この場に留まっている。
その時、その人物が何か呟いた。すると、抱えた何かから黒い影がいくつも飛び出していったのだ。
「なるほど……あれがこれの元凶ということか」
「くひひ……」
「何がおかしいっ」
魔獣を出現させる何かを突き止められたのにも関わらず、ジェルバは笑みを浮かべていた。
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「なんだと……」
そこへ魔獣に乗った青年が駆けてきた。
「ジェルバ様っ!」
青年は、すり抜けざまにジェルバを魔獣に乗せる。そして、今の状況を作り出していると見える人物も、同時に別の魔獣が咥えていく。逃げる気なのだろう。
逃がすものかとカルツォーネが魔力を高めた時だった。
猛スピードの赤い弾丸がそれらを魔獣ごと吹っ飛ばしたのだ。
《敵発見!!》
「だからって、体当たりはビックリするわっ!」
《いたっ、痛いよ主……。主が逃がすなって言ったんじゃん》
「だからって、原始的過ぎるわ! 危なかったでしょっ」
《うっ、うん……ちょっとぶつかった所痛い……でも、主に叩かれた所が一番痛い……》
「それは、痛みが誤魔化せて良かったじゃない」
《うん?あ、そっか》
何だか一気に、知らず強張っていた体から力が抜ける。
そんなカルツォーネの様子に、ティアは気付いたのだろう。マティから下りたティアは得意気な笑みを向ける。
かつてのマティアスもそうだった。夜の月明かりさえ集めてしまうほど美しく、緊迫した状況下であっても常に強さを秘めた笑みを浮かべる。
それは、絶対的強者の貫禄と、この場の空気を全て自分のものとしてしまう不思議な引力を持って、彼女を更に美しく見せていた。
そして言うのだ。
「お待たせ、カル姐」
「ふふっ、あぁ。待ってたよ」
どんな時、どんな場所であっても変わらない。彼女は頼もしい自慢の友人なのだから。
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舞台裏のお話。
妖精王 《ん? 良いタイミングだな》
火王 《……カル殿か……》
妖精王 《だな。そんで、凄ぇ勢いでそこに突っ込んでいくのが……》
火王 《マティだ》
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火王 《……あれでは怪我をする……》
妖精王 《おいおいっ。どこ行く気だよ! ここを手伝いに来たんだろっ。それに、向こうには風王がいる》
火王 《意味がない》
妖精王 《いやいや。だからって、この状況であっちに行かれたら俺が困るっ》
火王 《……お前なら大丈夫だ》
妖精王 《んん? 待て、その目はマジで見捨てる気だろ! 頼むぜ、パパっ!》
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妖精王 《うおっ。更に冷たくっ……わ、悪かったっ。友人だ。友人としてここに残ってくれ!》
火王 《……》
妖精王 《へっ? まさか俺って、友人でもねぇのっ⁉︎》
火王 《…………友人だ……》
妖精王 《お、おう……沈黙が痛ぇぜ……》
つづく?
なんて事が起こってましたとさ☆
読んでくださりありがとうございます◎
こっちは友人よりも子どもなのかもです。
ピンチな時。
平常心をなくした時。
そんな時に駆けつけてくれる友人。
それがカル姐さんにとってのティアちゃんやマティアスであり、ティアちゃんにとってのカル姐さんなんだと思います。
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