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412 迫り来る影
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2016. 5. 16
********************************************
ティアは外へと向かう途中、シェリスの通信を受けた。毎日の習慣であるおやすみコールだ。
シェリスは、ティアの心情を声で聞き分ける天才だ。少々元気がないことに気付いたのだろう。
だが、その理由は週末に会って話すと伝え、通信を切った。今、優先すべきはルクスだと思ったからだ。
そして、屋敷の入り口から見える位置で無心に剣を振るルクスを見つけた。
ティアはゆっくりと近付き、そんなルクスの背中を見つめる。視線に気付いたルクスは、息を大きく吐いて剣を下ろした。
「ルクス」
声を掛けたティアに、ルクスは背を向けたまま言った。
「別に俺は、ティアが何者だって構わないんだ。ティアはティアだ。どんな秘密があったって、それは変わらないし、それを知ったことで嫌いになるとか、離れるとかあり得ない」
一気に吐き出した言葉は、ルクスが今まで溜め込んでいたものだったのだろう。そう思うと、少し胸が痛んだ。
「俺が頼りないのは分かってる。そりゃぁ、ジルバールやカル様にはまだ及ばないだろう。けどっ」
そう一度言葉を切ったルクスは、振り返ってティアをまっすぐに見た。
「傍にいるのは俺だろっ。ここに一緒に今、向き合ってるのは俺だ。離れた場所にいるわけじゃない。だから、ちゃんと話せよっ。一人で……泣くなっ……」
「ルクス……」
その時、ルクスは一筋の涙を零した。ルクスにとって、秘密を打ち明けられない事よりも、ティアが見せた涙の方がショックだったようだ。
気まずげに目をそらし、乱暴に腕で目元をこするルクスに、ティアは堪らず駆け寄った。
「っ……⁉︎」
瞬間的にティアは【時回廊】を発動させ、大人の姿になる。そして、そのまま抱きつき、ルクスの首へと腕を回した。
「ごめん……」
剣が地面に落ちる。呆然としていたルクスだったが、しばらくしてゆっくりとティアの背中へ腕を回した。
「ちゃんと話すから……だから……ごめんね……」
「っ……」
いつも言葉が足りないのだ。気遣ってくれる事に気付かないわけではない。ただ、それに甘えてしまうのだ。
ルクスはずっと我慢してくれているのだと知っていた。打ち明けられないまま過ごすうち、そのままでもいいかなとまた甘えてしまったのだ。
だが、もうそれもここまでだろう。自分はいつだって友人達に恵まれている。それに胡座をかいて、当たり前だと思っていてはいけない。
「ルクス……私はね……私の生まれる前の名前はね……サティア。サティア・ミュア・バトラール。国を守れなかったバカな王女だったんだ……」
静かに囁くようにルクスの耳元で
呟いた言葉は、夜の風に溶けて消えていった。
◆◆◆◆◆
妖精王は、不穏な気配を感じて飛び起きた。万が一にもと思って外の気配を窺っていたのだ。予想は残念ながら当たってしまった。
《フィンっ、ここは任せた》
返事も聞かず、そう声を響かせた後、急いで地上に飛び出した。
そこでは、最近顔馴染みになったメイド服の少女が黒い影と戦っていた。
《ラキアちゃん。ここは任せろ》
「妖精王様⁉︎ ですが……っ」
魔獣の形をした黒い影は、目の前の森に無数に存在しているようだ。夜の闇より濃く、邪悪な気配を放っている。
月明かりに照らし出されたその姿は、確かに魔獣だ。フットウルフやウッドベア。ビックキャット。しかし、その体には、妙な刻印があった。何より、瞳には正気が感じられなかったのだ。
《息も感じられない……気配も、生き物のそれじゃねぇな……》
獣独特の息遣いどころか、呼吸音や鼓動が一切感じられない。まるで作り物。虚ろな影だった。
《ラキアちゃんとクィーグは、町の方を守れ。それと、ティアにこの事をっ》
指示を出している間にも、唐突に突進してきたウッドベアを切り伏せる妖精王。手応えも紙を切るようなものだった。
斬られたウッドベアは、倒れる寸前に黒い霧となって霧散してしまう。それはまるでダンジョン内の魔獣のようだ。
《このやろう……俺らの専売特許を無断使用してんじゃねぇよっ!》
次々と切り伏せていく妖精王。だが、その数は全く減っているように感じられなかった。
それから、全体像を知ろうと、森全域に感覚を広げる。
《くそっ、やっぱり森の外にも出てんじゃねぇかっ……》
クィーグの一部隊が森の外へ出た魔獣達を倒しているようだが、間に合いそうにない。
その時、大きな赤い影が目の前を横切り、一気に魔獣を吹き飛ばしていった。
《王様ぁっ。主を呼んで来るから、それまでガンバってね~っ》
そう言って魔獣を蹴散らしながら森の外へと向かっていくマティ。
《お……おう……ディストレアってぇのは、本当に恐ろしいな……》
町の方へ戻ったラキアが指示したのだろう。その勢いに、マティが本気でここで暴れたならば、早々に一掃できるのではないかと思ってしまった。判断を誤ったかもしれない。
《仕方ねぇ。あの子が来るまで、あの町を守らんとな》
ティアが作ろうとしている町を、こんな得体の知れないものに壊させる気はない。
《かかってこいやぁっ!》
一層気を引き締め、妖精王は黒い魔獣の群れへと立ち向かっていくのだった。
************************************************
舞台裏のお話。
火王 《……》
フラム《キュゥ……スゥ……》
子ども達「「「うぅ~ん……」」」
ラキア「あ、騒がせて申し訳ありません火の王」
火王 《今、皆眠った所なのだ……》
ラキア「そうでしたか……なんとか町の入り口の手前で食い止めます」
火王 《もう少ししたら、私も出る》
ラキア「分かりました。申し訳ありません」
マティ《マティは主を呼んでこればいいんだね》
ラキア「はい」
マティ《りょうか~い。王様に挨拶してから行ってくる》
ラキア「お願いしますね。では火の王。ここは」
火王 《あぁ》
子どもA「ヒノ様……何かあったの?」
火王 《少しな。だが、問題ない》
子どもB「俺たちが小さいの見てるよ?」
子どもC「私達はここにいればいいんだよね?」
火王 《あぁ……なら、早めに済ませてくる。いい子にな》
子ども達「「「うん。いってらっしゃい」」」
つづく?
なんて事が起こってましたとさ☆
読んでくださりありがとうございます◎
火王……また子どもを増やしました……。
動き出した黒い影。
防衛戦ですが、戦闘力は充分です。
妖精王様はご立腹の様子。
ラキアちゃんやクィーグ、それに双子とフラムもいるはずですからね。
何とかなるでしょう。
問題は、外へ出て行く奴らですね。
いい雰囲気の二人の邪魔にならなければいいのですが。
では次回、また明日です。
よろしくお願いします◎
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ティアは外へと向かう途中、シェリスの通信を受けた。毎日の習慣であるおやすみコールだ。
シェリスは、ティアの心情を声で聞き分ける天才だ。少々元気がないことに気付いたのだろう。
だが、その理由は週末に会って話すと伝え、通信を切った。今、優先すべきはルクスだと思ったからだ。
そして、屋敷の入り口から見える位置で無心に剣を振るルクスを見つけた。
ティアはゆっくりと近付き、そんなルクスの背中を見つめる。視線に気付いたルクスは、息を大きく吐いて剣を下ろした。
「ルクス」
声を掛けたティアに、ルクスは背を向けたまま言った。
「別に俺は、ティアが何者だって構わないんだ。ティアはティアだ。どんな秘密があったって、それは変わらないし、それを知ったことで嫌いになるとか、離れるとかあり得ない」
一気に吐き出した言葉は、ルクスが今まで溜め込んでいたものだったのだろう。そう思うと、少し胸が痛んだ。
「俺が頼りないのは分かってる。そりゃぁ、ジルバールやカル様にはまだ及ばないだろう。けどっ」
そう一度言葉を切ったルクスは、振り返ってティアをまっすぐに見た。
「傍にいるのは俺だろっ。ここに一緒に今、向き合ってるのは俺だ。離れた場所にいるわけじゃない。だから、ちゃんと話せよっ。一人で……泣くなっ……」
「ルクス……」
その時、ルクスは一筋の涙を零した。ルクスにとって、秘密を打ち明けられない事よりも、ティアが見せた涙の方がショックだったようだ。
気まずげに目をそらし、乱暴に腕で目元をこするルクスに、ティアは堪らず駆け寄った。
「っ……⁉︎」
瞬間的にティアは【時回廊】を発動させ、大人の姿になる。そして、そのまま抱きつき、ルクスの首へと腕を回した。
「ごめん……」
剣が地面に落ちる。呆然としていたルクスだったが、しばらくしてゆっくりとティアの背中へ腕を回した。
「ちゃんと話すから……だから……ごめんね……」
「っ……」
いつも言葉が足りないのだ。気遣ってくれる事に気付かないわけではない。ただ、それに甘えてしまうのだ。
ルクスはずっと我慢してくれているのだと知っていた。打ち明けられないまま過ごすうち、そのままでもいいかなとまた甘えてしまったのだ。
だが、もうそれもここまでだろう。自分はいつだって友人達に恵まれている。それに胡座をかいて、当たり前だと思っていてはいけない。
「ルクス……私はね……私の生まれる前の名前はね……サティア。サティア・ミュア・バトラール。国を守れなかったバカな王女だったんだ……」
静かに囁くようにルクスの耳元で
呟いた言葉は、夜の風に溶けて消えていった。
◆◆◆◆◆
妖精王は、不穏な気配を感じて飛び起きた。万が一にもと思って外の気配を窺っていたのだ。予想は残念ながら当たってしまった。
《フィンっ、ここは任せた》
返事も聞かず、そう声を響かせた後、急いで地上に飛び出した。
そこでは、最近顔馴染みになったメイド服の少女が黒い影と戦っていた。
《ラキアちゃん。ここは任せろ》
「妖精王様⁉︎ ですが……っ」
魔獣の形をした黒い影は、目の前の森に無数に存在しているようだ。夜の闇より濃く、邪悪な気配を放っている。
月明かりに照らし出されたその姿は、確かに魔獣だ。フットウルフやウッドベア。ビックキャット。しかし、その体には、妙な刻印があった。何より、瞳には正気が感じられなかったのだ。
《息も感じられない……気配も、生き物のそれじゃねぇな……》
獣独特の息遣いどころか、呼吸音や鼓動が一切感じられない。まるで作り物。虚ろな影だった。
《ラキアちゃんとクィーグは、町の方を守れ。それと、ティアにこの事をっ》
指示を出している間にも、唐突に突進してきたウッドベアを切り伏せる妖精王。手応えも紙を切るようなものだった。
斬られたウッドベアは、倒れる寸前に黒い霧となって霧散してしまう。それはまるでダンジョン内の魔獣のようだ。
《このやろう……俺らの専売特許を無断使用してんじゃねぇよっ!》
次々と切り伏せていく妖精王。だが、その数は全く減っているように感じられなかった。
それから、全体像を知ろうと、森全域に感覚を広げる。
《くそっ、やっぱり森の外にも出てんじゃねぇかっ……》
クィーグの一部隊が森の外へ出た魔獣達を倒しているようだが、間に合いそうにない。
その時、大きな赤い影が目の前を横切り、一気に魔獣を吹き飛ばしていった。
《王様ぁっ。主を呼んで来るから、それまでガンバってね~っ》
そう言って魔獣を蹴散らしながら森の外へと向かっていくマティ。
《お……おう……ディストレアってぇのは、本当に恐ろしいな……》
町の方へ戻ったラキアが指示したのだろう。その勢いに、マティが本気でここで暴れたならば、早々に一掃できるのではないかと思ってしまった。判断を誤ったかもしれない。
《仕方ねぇ。あの子が来るまで、あの町を守らんとな》
ティアが作ろうとしている町を、こんな得体の知れないものに壊させる気はない。
《かかってこいやぁっ!》
一層気を引き締め、妖精王は黒い魔獣の群れへと立ち向かっていくのだった。
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舞台裏のお話。
火王 《……》
フラム《キュゥ……スゥ……》
子ども達「「「うぅ~ん……」」」
ラキア「あ、騒がせて申し訳ありません火の王」
火王 《今、皆眠った所なのだ……》
ラキア「そうでしたか……なんとか町の入り口の手前で食い止めます」
火王 《もう少ししたら、私も出る》
ラキア「分かりました。申し訳ありません」
マティ《マティは主を呼んでこればいいんだね》
ラキア「はい」
マティ《りょうか~い。王様に挨拶してから行ってくる》
ラキア「お願いしますね。では火の王。ここは」
火王 《あぁ》
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火王 《少しな。だが、問題ない》
子どもB「俺たちが小さいの見てるよ?」
子どもC「私達はここにいればいいんだよね?」
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子ども達「「「うん。いってらっしゃい」」」
つづく?
なんて事が起こってましたとさ☆
読んでくださりありがとうございます◎
火王……また子どもを増やしました……。
動き出した黒い影。
防衛戦ですが、戦闘力は充分です。
妖精王様はご立腹の様子。
ラキアちゃんやクィーグ、それに双子とフラムもいるはずですからね。
何とかなるでしょう。
問題は、外へ出て行く奴らですね。
いい雰囲気の二人の邪魔にならなければいいのですが。
では次回、また明日です。
よろしくお願いします◎
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