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391 そんなに問題ですか?
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2016. 4. 17
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ダンジョンから帰り、数日が過ぎたある日の午後。
いつも通り放課後にルクスが学園へ迎えに来たのだが、ルクスはダンジョンから帰ってから少し元気がない。昨日よりも更に浮かない顔をしていた。
ティアはその理由を察していたが、あえて放置していた。しかし、もうそろそろ本人も、苦悩を隠しきれないようだ。
今日も存分に体を動かす為、皆と外門に向かって歩きながら、確認するように一応ルクスへ尋ねた。
「ルクス。何か悩んでる?」
「え? あ~……ちょっとな」
素直にそう答えるルクスに、これは相当だなとティアはため息をついた。
「師匠。恋の悩み相談でしたら、ティアではなく私かベルに言ってください」
「恋っ……いや、違うからっ」
エルヴァストの言葉に、一気に顔を赤らめるルクス。どうやら先日、妖精王の前で色々やらかした事を思い出してしまったようだ。
「ならば、どうしたというのです?」
「あ、あぁ……この剣の事でな」
動揺していた為だろう。そう言って、ルクスは無意識に悩みの本懐である腰に履いている剣へ目を向けた。
「剣……そういえば、よく見せていただいていませんが、それがあのダンジョンで手に入れたものですか?」
エルヴァストに言われ、しまったという顔をするルクス。
「そ、そうだ……」
「師匠?」
複雑な表情を見せるルクスの様子をエルヴァストが不思議に思いながら、その剣を見つめた。
「ふふふっ。ルクス、みんなに言ってないんだ?」
「……当たり前だろ……」
ルクスが剣について語らなかった理由は、その剣の正体にある。しかし、いつまでも隠しておくものでもないということで、いつもの草原へ着くと、家を出してその中で話す事にした。
今日は調子が良いと言うユフィアもこの場にいる。珍しく学生組が全員揃っていた。
全員が席につき、ティアに言われてルクスが剣をテーブルに置く。
「剣が手に入るなんて凄いよねっ」
「やっぱり相当古いものなのだろうか」
アデルが身を乗り出し、目を輝かせる。その隣でキルシュが少々羨ましそうに見て言った。
しかし、しばらくマジマジとその剣を見つめていたアデルが、次第にその表情を真剣なものへと変えていく。それに気付いたベリアローズがどうしたのかと声をかけた。
「アデル? 大丈夫か?」
「え? あっ、えっと……なんか、剣から変な感じが……」
「変な感じ?」
言われてベリアローズが眉を寄せながら剣を見つめた。
先にそれに気付いたのは同じように見つめていたエルヴァストだ。
「……なるほど。何か、力を感じるな……」
「……」
全員が注目しだした剣を前に、決まり悪気にルクスは目をそらす。
それを見て、エルヴァストがティアへ問いかけた。
「ティア。この剣はなんなんだ? 師匠が遠い目をしているんだが?」
「ふっ、くくっ、あははははっ」
ティアは耐えられないとついに笑い声を上げていた。
「ティア……」
これにはルクスがティアを睨む。
「ふふふっ。うんうん。アデルはさすがだね。剣を抜くともっと感じると思うよ。まだルクスが制御しきれてないから、ダダ漏れなの」
「ティアっ!」
「あははっ、だって本当の事だもんっ」
ルクスは羞恥心を隠しきれずにいた。これが恐らく浮かない顔の一番の理由だろう。だが、あえてそれを無視してティアは剣の情報を公表する。
「これは伝説のコルヴェールの剣だよ」
「「なっ」」
「それって、聖剣じゃんっ」
「凄い……あのコルヴェールの聖剣……」
「英雄コルヴェールといえば、物語の王道ですよね?凄いですっ。本物の聖剣を見られるなんてっ」
ベリアローズとエルヴァストは、目を見開き、伝説の剣に釘付けになった。
ユフィアも英雄コルヴェールの物語を知っているらしく、思わず手を組むと、キラキラとした瞳で剣と持ち主であるルクスを見つめる。
しかし、当のルクスはがっくりと肩を落としていた。
この様子に気付いた一同は、不思議そうにルクスへ視線を集める。
見かねたティアは、この剣の正体を教えるべく苦笑しながら口を開いた。
「あのね。確かにコルヴェールの剣で間違いないんだけど、物語に語られてない事があってね」
そこで言葉を切ったティアに、ルクス以外の全員の視線が向けられる。
ティアは未だに暗い顔をしているルクスを一瞥してから続けた。
「剣を抜いたら分かるんだけど、剣の色が黒に近い青なんだ。暗い海の青……古代語でセイルー。そんな青い色の剣で青剣っていうのが聖なる剣の聖剣って伝わったみたいなの」
英雄であったコルヴェールのイメージも関係していたのだろう。
「それでね。こっからが重要なんだけど」
ティアが身を乗り出し、少し声を落とすと、一同は耳を澄ませるようにティア同様にぐっと身を乗り出した。
これにニヤリと笑ったティアは、ルクスが言えなかった事実を皆に告げる。
「この剣、実は聖剣どころか魔剣なんだ」
全員が一瞬、理解出来ずに固まった。
最初に正気に戻ったのはベリアローズとエルヴァストだ。
「ま、魔剣?」
「魔剣って……魔を宿す剣という意味だよな?」
戸惑いながら剣とルクスを交互に見る二人。ルクスを見る目に同情の色が窺えた。
「魔剣のイメージはあまり良くないが……」
「それだけ力のある剣ということでは?」
キルシュはなんと言ったらいいのかと顔を顰め、ユフィアは首を傾げていた。
「まぁ、イメージは確かに良くないけど、魔剣っていうのは、魔力を秘めた剣って事なんだ。だから、物語とかに出てくる悪いイメージは忘れてやって」
聖剣も魔剣も実際はそう変わらない。どちらも大きな力を秘めている物だ。
「聖剣も魔剣も、使い手によって良いものにも悪いものにもなる。だから、魔剣だからって問題があるわけじゃない」
ティアはそっと剣に触れる。そうすると溢れ出そうとしている力が少しだけ弱まった。
「この剣は主人を選ぶんだ。込められた魔力を制御できる人の手でしか抜くことができないようになってる。けど、魔剣にも色々あって、魔剣に悪いイメージがついたのは、主人を選べなかったせい。単純に持ち主が魔剣に込められた魔力と相性が悪くて、制御できずに暴走した結果なの」
力に引き摺られ、制御できないまま魔力を暴走させた多くの魔剣。それは主人が悪かっただけだ。剣が悪いわけではない。
元々、魔剣は持ち主となる者に合わせて作られたその人だけのオリジナルの剣なのだ。そうそうそれ以外の人とマッチングする事はない。
「それに、魔剣に比べて、本当は聖剣の方が質が悪いんだよ?」
こう言えば、ルクスがゆっくりと顔を上げた。
************************************************
舞台裏のお話。
シェリス「……」
マーナ「……マスター。あの、この書類を……」
シェリス「そこに」
マーナ「はっ、はいっ、失礼します」
シェリス「……」
マーナ「はぁ……マスター、どうしたんでしょう……」
職員A「ティアさんと何かあったのでは?」
マーナ「そうよね……喧嘩でもしたのかしら」
職員B「ティアさんとマスターなら、喧嘩なんかにならないですよ。あっても一方的にマスターが怒られる側でしょう」
職員C「それで落ち込んでおられるのか?」
マーナ「それが一番あり得るわね……」
職員A「そういえば、この前の休みの時はマスターが出かけられていて、ティアさんとはすれ違いでしたね」
職員B「それかっ」
職員C「会えなかったのは大きい」
マーナ「でも、マスターはティアさんと離れていてもお話ができる魔導具をお持ちよね?」
職員A「や、やっぱりティアさんに怒られた?」
職員達「「う~ん……」」
マーナ「はぁ……これ以上続くようなら、ティアさんかカル様にお願いしましょう」
職員達「「「はい」」」
シェリス「私としたことがっ……なぜ、なぜっ、ティアとの通信を忘れるなどっ……っあり得ないっ」
つづく?
なんて事が起こってましたとさ☆
読んでくださりありがとうございます◎
シェリスは激しく後悔中でした。
ルクスが悩んでいるようなので、少し助けてあげるつもりのようです。
内緒にしていたり、誤解されるのは後で精神的にダメージを受ける可能性が高いですからね。
何よりも、聖剣だと周りが認識した場合、本当は魔剣なんだという事実を話辛くなりますもんね。
真実を知る味方は多めに作っておくべきです。
では次回、また明日です。
よろしくお願いします◎
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ダンジョンから帰り、数日が過ぎたある日の午後。
いつも通り放課後にルクスが学園へ迎えに来たのだが、ルクスはダンジョンから帰ってから少し元気がない。昨日よりも更に浮かない顔をしていた。
ティアはその理由を察していたが、あえて放置していた。しかし、もうそろそろ本人も、苦悩を隠しきれないようだ。
今日も存分に体を動かす為、皆と外門に向かって歩きながら、確認するように一応ルクスへ尋ねた。
「ルクス。何か悩んでる?」
「え? あ~……ちょっとな」
素直にそう答えるルクスに、これは相当だなとティアはため息をついた。
「師匠。恋の悩み相談でしたら、ティアではなく私かベルに言ってください」
「恋っ……いや、違うからっ」
エルヴァストの言葉に、一気に顔を赤らめるルクス。どうやら先日、妖精王の前で色々やらかした事を思い出してしまったようだ。
「ならば、どうしたというのです?」
「あ、あぁ……この剣の事でな」
動揺していた為だろう。そう言って、ルクスは無意識に悩みの本懐である腰に履いている剣へ目を向けた。
「剣……そういえば、よく見せていただいていませんが、それがあのダンジョンで手に入れたものですか?」
エルヴァストに言われ、しまったという顔をするルクス。
「そ、そうだ……」
「師匠?」
複雑な表情を見せるルクスの様子をエルヴァストが不思議に思いながら、その剣を見つめた。
「ふふふっ。ルクス、みんなに言ってないんだ?」
「……当たり前だろ……」
ルクスが剣について語らなかった理由は、その剣の正体にある。しかし、いつまでも隠しておくものでもないということで、いつもの草原へ着くと、家を出してその中で話す事にした。
今日は調子が良いと言うユフィアもこの場にいる。珍しく学生組が全員揃っていた。
全員が席につき、ティアに言われてルクスが剣をテーブルに置く。
「剣が手に入るなんて凄いよねっ」
「やっぱり相当古いものなのだろうか」
アデルが身を乗り出し、目を輝かせる。その隣でキルシュが少々羨ましそうに見て言った。
しかし、しばらくマジマジとその剣を見つめていたアデルが、次第にその表情を真剣なものへと変えていく。それに気付いたベリアローズがどうしたのかと声をかけた。
「アデル? 大丈夫か?」
「え? あっ、えっと……なんか、剣から変な感じが……」
「変な感じ?」
言われてベリアローズが眉を寄せながら剣を見つめた。
先にそれに気付いたのは同じように見つめていたエルヴァストだ。
「……なるほど。何か、力を感じるな……」
「……」
全員が注目しだした剣を前に、決まり悪気にルクスは目をそらす。
それを見て、エルヴァストがティアへ問いかけた。
「ティア。この剣はなんなんだ? 師匠が遠い目をしているんだが?」
「ふっ、くくっ、あははははっ」
ティアは耐えられないとついに笑い声を上げていた。
「ティア……」
これにはルクスがティアを睨む。
「ふふふっ。うんうん。アデルはさすがだね。剣を抜くともっと感じると思うよ。まだルクスが制御しきれてないから、ダダ漏れなの」
「ティアっ!」
「あははっ、だって本当の事だもんっ」
ルクスは羞恥心を隠しきれずにいた。これが恐らく浮かない顔の一番の理由だろう。だが、あえてそれを無視してティアは剣の情報を公表する。
「これは伝説のコルヴェールの剣だよ」
「「なっ」」
「それって、聖剣じゃんっ」
「凄い……あのコルヴェールの聖剣……」
「英雄コルヴェールといえば、物語の王道ですよね?凄いですっ。本物の聖剣を見られるなんてっ」
ベリアローズとエルヴァストは、目を見開き、伝説の剣に釘付けになった。
ユフィアも英雄コルヴェールの物語を知っているらしく、思わず手を組むと、キラキラとした瞳で剣と持ち主であるルクスを見つめる。
しかし、当のルクスはがっくりと肩を落としていた。
この様子に気付いた一同は、不思議そうにルクスへ視線を集める。
見かねたティアは、この剣の正体を教えるべく苦笑しながら口を開いた。
「あのね。確かにコルヴェールの剣で間違いないんだけど、物語に語られてない事があってね」
そこで言葉を切ったティアに、ルクス以外の全員の視線が向けられる。
ティアは未だに暗い顔をしているルクスを一瞥してから続けた。
「剣を抜いたら分かるんだけど、剣の色が黒に近い青なんだ。暗い海の青……古代語でセイルー。そんな青い色の剣で青剣っていうのが聖なる剣の聖剣って伝わったみたいなの」
英雄であったコルヴェールのイメージも関係していたのだろう。
「それでね。こっからが重要なんだけど」
ティアが身を乗り出し、少し声を落とすと、一同は耳を澄ませるようにティア同様にぐっと身を乗り出した。
これにニヤリと笑ったティアは、ルクスが言えなかった事実を皆に告げる。
「この剣、実は聖剣どころか魔剣なんだ」
全員が一瞬、理解出来ずに固まった。
最初に正気に戻ったのはベリアローズとエルヴァストだ。
「ま、魔剣?」
「魔剣って……魔を宿す剣という意味だよな?」
戸惑いながら剣とルクスを交互に見る二人。ルクスを見る目に同情の色が窺えた。
「魔剣のイメージはあまり良くないが……」
「それだけ力のある剣ということでは?」
キルシュはなんと言ったらいいのかと顔を顰め、ユフィアは首を傾げていた。
「まぁ、イメージは確かに良くないけど、魔剣っていうのは、魔力を秘めた剣って事なんだ。だから、物語とかに出てくる悪いイメージは忘れてやって」
聖剣も魔剣も実際はそう変わらない。どちらも大きな力を秘めている物だ。
「聖剣も魔剣も、使い手によって良いものにも悪いものにもなる。だから、魔剣だからって問題があるわけじゃない」
ティアはそっと剣に触れる。そうすると溢れ出そうとしている力が少しだけ弱まった。
「この剣は主人を選ぶんだ。込められた魔力を制御できる人の手でしか抜くことができないようになってる。けど、魔剣にも色々あって、魔剣に悪いイメージがついたのは、主人を選べなかったせい。単純に持ち主が魔剣に込められた魔力と相性が悪くて、制御できずに暴走した結果なの」
力に引き摺られ、制御できないまま魔力を暴走させた多くの魔剣。それは主人が悪かっただけだ。剣が悪いわけではない。
元々、魔剣は持ち主となる者に合わせて作られたその人だけのオリジナルの剣なのだ。そうそうそれ以外の人とマッチングする事はない。
「それに、魔剣に比べて、本当は聖剣の方が質が悪いんだよ?」
こう言えば、ルクスがゆっくりと顔を上げた。
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舞台裏のお話。
シェリス「……」
マーナ「……マスター。あの、この書類を……」
シェリス「そこに」
マーナ「はっ、はいっ、失礼します」
シェリス「……」
マーナ「はぁ……マスター、どうしたんでしょう……」
職員A「ティアさんと何かあったのでは?」
マーナ「そうよね……喧嘩でもしたのかしら」
職員B「ティアさんとマスターなら、喧嘩なんかにならないですよ。あっても一方的にマスターが怒られる側でしょう」
職員C「それで落ち込んでおられるのか?」
マーナ「それが一番あり得るわね……」
職員A「そういえば、この前の休みの時はマスターが出かけられていて、ティアさんとはすれ違いでしたね」
職員B「それかっ」
職員C「会えなかったのは大きい」
マーナ「でも、マスターはティアさんと離れていてもお話ができる魔導具をお持ちよね?」
職員A「や、やっぱりティアさんに怒られた?」
職員達「「う~ん……」」
マーナ「はぁ……これ以上続くようなら、ティアさんかカル様にお願いしましょう」
職員達「「「はい」」」
シェリス「私としたことがっ……なぜ、なぜっ、ティアとの通信を忘れるなどっ……っあり得ないっ」
つづく?
なんて事が起こってましたとさ☆
読んでくださりありがとうございます◎
シェリスは激しく後悔中でした。
ルクスが悩んでいるようなので、少し助けてあげるつもりのようです。
内緒にしていたり、誤解されるのは後で精神的にダメージを受ける可能性が高いですからね。
何よりも、聖剣だと周りが認識した場合、本当は魔剣なんだという事実を話辛くなりますもんね。
真実を知る味方は多めに作っておくべきです。
では次回、また明日です。
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