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連載
369 朝の光を浴びて
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2016. 3. 17
********************************************
本気で泣いたのはいつ振りだろう。
少々、熱くなった目元と頭が痛いのは不快だ。サクヤが運んだのだろう。ティアはベッドの中にいた。
魔術で大人の姿になっていた筈のティアだが、いつもの十歳の姿に戻ってしまったようだ。
部屋にはベッドが四つ。うち二つにはアデルとサクヤが眠っている。
部屋の隅には、子犬サイズのマティと、こちらも小さなサイズになったフラムが専用のベッドであるベビーベッドの中で丸まって寄り添い、眠っていた。
ベッドからそっと抜け出したティアは、眠っている二人と二匹の様子を微笑ましく見てから、まだ朝も明けきらぬ外へと出た。
家から少し離れ、姿を大人へと変える。
それから朝靄の中、思い立ったように笑みを深めると、舞踏師の服装を纏った。
白で統一されたその服装は、袖口が広く、裾も長く美しいAラインのワンピース。ティアの均整の取れた身体に添い、シルエットも優美だ。
両足には金属製の軽い平な飾りがいくつも重なり、輪になってはまっている。足踏みをする度に、涼やかな音が響くのだ。
格好が決まった所で、ティアはアイテムボックスから棍棒を取り出した。
そして、ゆっくりと深呼吸を繰り返し、目を閉じて心を落ち着けると、気合いを一閃、鋭く一つ、二つと巧みに振るった棍棒で空気を突き、引き裂く。
シャランと鳴る足に付いた飾りの音。それが均等なリズムで刻まれだす。
闘舞『三の舞』。神に捧げられるような舞踏。一つ一つのキレのよい動き、乱れる事なく刻まれるリズム。
朝霧さえ晴らしていくような空気を裂く鋭い動き。繰り出されるのは棍棒だけではなく、高く伸びやかに蹴り上げられる足もだ。
やがて朝日が森に射し込んでくる。
その舞いを終えた時、ティアの足下には三つの輪が連なって描かれていた。
「ふぅ……」
そうして一息ついた時、拍手が聞こえた。
「……妖精王……」
笑顔を浮かべ、手を叩いていたのは、妖精王だった。
《さすがだな。見惚れたぞ》
「ふふっ、ありがとう。出て来ても良いの?」
《構わんさ。挑戦者は裏ルートの君のお仲間だけだからな。あちらはしっかりと管理できている》
王の服装は、白を基調としたものだ。常の王としての威厳も遜色なく、きっちりと短くまとめ、撫でつけられた金の髪は、朝日を受けて煌めいていた。
「……セリ様……」
そう呟いたのは、出会った時のセランディーオの服装ととても良く似ていると思ったからだ。
《誰を思い出したんだ?》
「え、あ~……」
面白そうに問いかけてきた妖精王から気まずげに目をそらす。
クツクツと笑いながら、妖精王がゆったりと歩み寄ってきた。
《ダンスでもどうかな》
そう言って手を差し出した妖精王に、ティアは思わず破顔する。
「ふふっ、音楽は?」
《それなら、ほれ》
妖精王が指を鳴らすと、どこからともなく弦楽器の音が響いた。
「なにこれ……ふふふっ、じゃぁ」
笑いながら、ティアは棍棒をしまうと、服装を夜会用のドレスへと変えた。濃紺のシンプルなドレス。右肩に同じ布で出来た大きなのワンポイントの花がついている。初めてセランディーオとダンスを踊った時のドレスだ。
これを見た妖精王が驚いたように目を丸くする。しかし、すぐに満面の笑みを浮かべ、ティアの手を取った。
「髪も赤くした方がいい?」
《いや。今のままでも、朝日で綺麗な赤に見える》
「そっか」
軽やかなステップ。朝日はまるで明るすぎる会場の光のようで、違和感はない。
ダンスに慣れ親しんだ手足の長さでのステップに、ティアも嬉しくなる。
《手紙、読んだんだな》
「うん。預かっててくれてありがとう……」
《いや……ちゃんと向き合えて良かった》
きっと、妖精王はこれが言いたかったのだろう。その言葉を聞いて、心配してこうして顔を出したのだろうとティアは感じた。
だから、素直な言葉を口にする。
「うん……シェリーやカル姐、それにサクヤ姐さんに会って、反省してたつもりだったんだけど……本当に『つもり』だったみたい。私は、自分で思うよりもずっと、沢山の人達に想われてたんだなって思い知った」
《あぁ。君は、多くの人に愛される子だった。だからこそ、あんなに強い信仰となって、人々の記憶に残ってきたんだろう。それに、今も感じているはずだ》
「何を?」
妖精王が真っ直ぐにティアを見て、眩しそうに目を細めて言った。
《わからないか?俺らには見える。君に、沢山の光が降り注いている。これは多分、祈り……信仰だな》
「え……」
そう言われて思い至る。こうして大人の姿を保てる理由。
それは、信仰という祈りの力が、今もティアへと魔力として力を与えているからだ。
目を瞠るティアを、妖精王は微笑みを浮かべ、ステップを踏みながら、優しく抱き寄せる。
ティアは、その大きな胸に顔を埋めながらその言葉を聞いた。
《今の君の力には、君を愛した者達の想いも詰まっている。君が気付かないだけで、もう受け取っていたんだ。手紙の主からの想いもな》
はっとした。それはティアが気付けなかった事だ。
理解した気でいたティアに、妖精王は優しく諭すのだった。
************************************************
舞台裏のお話。
トーイ「はぁ……」
チーク「はぁ……」
ツバン「はぁ……」
冒険者A「お、おい。あいつらはどうしたんだ?」
冒険者B「あ~、お前さんはサルバのもんじゃないのか」
冒険者A「そうだが……冒険者は皆仲間みたいなもんだろ?なんであいつらを見て、みんな、笑いながら避けてくんだ?」
冒険者C「ははっ、そりぁ、あの三バカが何で溜め息ついてんのか知ってるからだ」
冒険者A「は?」
冒険者B「恋しい相手がいるんだよ」
冒険者A「恋の悩みか?」
冒険者C「違う、違う。あ~、どっちかってぇと、育ての親をって感じか?」
冒険者B「そうだな。そっちが近いだろ。それにほら……恋人の方だと危険だ」
冒険者C「そ、そうだった」
冒険者A「育ての親か。本当の親……じゃねぇんだ? 師匠かっ」
冒険者D「いや、女王様だ」
冒険者A「へ?」
冒険者達「「「そのうち分かる」」」
つづく?
なんて事が起こってましたとさ☆
読んでくださりありがとうございます◎
鞭を持った女王様です。
ティアちゃんの人生見直しの時間。
妖精王も、言いたいことが沢山あったのです。
セリ様の手紙を読み、気付けたティアちゃんならば、話してもいいかなと思ったのでしょう。
改めてその想いを語ります。
では次回、また明日です。
よろしくお願いします◎
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本気で泣いたのはいつ振りだろう。
少々、熱くなった目元と頭が痛いのは不快だ。サクヤが運んだのだろう。ティアはベッドの中にいた。
魔術で大人の姿になっていた筈のティアだが、いつもの十歳の姿に戻ってしまったようだ。
部屋にはベッドが四つ。うち二つにはアデルとサクヤが眠っている。
部屋の隅には、子犬サイズのマティと、こちらも小さなサイズになったフラムが専用のベッドであるベビーベッドの中で丸まって寄り添い、眠っていた。
ベッドからそっと抜け出したティアは、眠っている二人と二匹の様子を微笑ましく見てから、まだ朝も明けきらぬ外へと出た。
家から少し離れ、姿を大人へと変える。
それから朝靄の中、思い立ったように笑みを深めると、舞踏師の服装を纏った。
白で統一されたその服装は、袖口が広く、裾も長く美しいAラインのワンピース。ティアの均整の取れた身体に添い、シルエットも優美だ。
両足には金属製の軽い平な飾りがいくつも重なり、輪になってはまっている。足踏みをする度に、涼やかな音が響くのだ。
格好が決まった所で、ティアはアイテムボックスから棍棒を取り出した。
そして、ゆっくりと深呼吸を繰り返し、目を閉じて心を落ち着けると、気合いを一閃、鋭く一つ、二つと巧みに振るった棍棒で空気を突き、引き裂く。
シャランと鳴る足に付いた飾りの音。それが均等なリズムで刻まれだす。
闘舞『三の舞』。神に捧げられるような舞踏。一つ一つのキレのよい動き、乱れる事なく刻まれるリズム。
朝霧さえ晴らしていくような空気を裂く鋭い動き。繰り出されるのは棍棒だけではなく、高く伸びやかに蹴り上げられる足もだ。
やがて朝日が森に射し込んでくる。
その舞いを終えた時、ティアの足下には三つの輪が連なって描かれていた。
「ふぅ……」
そうして一息ついた時、拍手が聞こえた。
「……妖精王……」
笑顔を浮かべ、手を叩いていたのは、妖精王だった。
《さすがだな。見惚れたぞ》
「ふふっ、ありがとう。出て来ても良いの?」
《構わんさ。挑戦者は裏ルートの君のお仲間だけだからな。あちらはしっかりと管理できている》
王の服装は、白を基調としたものだ。常の王としての威厳も遜色なく、きっちりと短くまとめ、撫でつけられた金の髪は、朝日を受けて煌めいていた。
「……セリ様……」
そう呟いたのは、出会った時のセランディーオの服装ととても良く似ていると思ったからだ。
《誰を思い出したんだ?》
「え、あ~……」
面白そうに問いかけてきた妖精王から気まずげに目をそらす。
クツクツと笑いながら、妖精王がゆったりと歩み寄ってきた。
《ダンスでもどうかな》
そう言って手を差し出した妖精王に、ティアは思わず破顔する。
「ふふっ、音楽は?」
《それなら、ほれ》
妖精王が指を鳴らすと、どこからともなく弦楽器の音が響いた。
「なにこれ……ふふふっ、じゃぁ」
笑いながら、ティアは棍棒をしまうと、服装を夜会用のドレスへと変えた。濃紺のシンプルなドレス。右肩に同じ布で出来た大きなのワンポイントの花がついている。初めてセランディーオとダンスを踊った時のドレスだ。
これを見た妖精王が驚いたように目を丸くする。しかし、すぐに満面の笑みを浮かべ、ティアの手を取った。
「髪も赤くした方がいい?」
《いや。今のままでも、朝日で綺麗な赤に見える》
「そっか」
軽やかなステップ。朝日はまるで明るすぎる会場の光のようで、違和感はない。
ダンスに慣れ親しんだ手足の長さでのステップに、ティアも嬉しくなる。
《手紙、読んだんだな》
「うん。預かっててくれてありがとう……」
《いや……ちゃんと向き合えて良かった》
きっと、妖精王はこれが言いたかったのだろう。その言葉を聞いて、心配してこうして顔を出したのだろうとティアは感じた。
だから、素直な言葉を口にする。
「うん……シェリーやカル姐、それにサクヤ姐さんに会って、反省してたつもりだったんだけど……本当に『つもり』だったみたい。私は、自分で思うよりもずっと、沢山の人達に想われてたんだなって思い知った」
《あぁ。君は、多くの人に愛される子だった。だからこそ、あんなに強い信仰となって、人々の記憶に残ってきたんだろう。それに、今も感じているはずだ》
「何を?」
妖精王が真っ直ぐにティアを見て、眩しそうに目を細めて言った。
《わからないか?俺らには見える。君に、沢山の光が降り注いている。これは多分、祈り……信仰だな》
「え……」
そう言われて思い至る。こうして大人の姿を保てる理由。
それは、信仰という祈りの力が、今もティアへと魔力として力を与えているからだ。
目を瞠るティアを、妖精王は微笑みを浮かべ、ステップを踏みながら、優しく抱き寄せる。
ティアは、その大きな胸に顔を埋めながらその言葉を聞いた。
《今の君の力には、君を愛した者達の想いも詰まっている。君が気付かないだけで、もう受け取っていたんだ。手紙の主からの想いもな》
はっとした。それはティアが気付けなかった事だ。
理解した気でいたティアに、妖精王は優しく諭すのだった。
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舞台裏のお話。
トーイ「はぁ……」
チーク「はぁ……」
ツバン「はぁ……」
冒険者A「お、おい。あいつらはどうしたんだ?」
冒険者B「あ~、お前さんはサルバのもんじゃないのか」
冒険者A「そうだが……冒険者は皆仲間みたいなもんだろ?なんであいつらを見て、みんな、笑いながら避けてくんだ?」
冒険者C「ははっ、そりぁ、あの三バカが何で溜め息ついてんのか知ってるからだ」
冒険者A「は?」
冒険者B「恋しい相手がいるんだよ」
冒険者A「恋の悩みか?」
冒険者C「違う、違う。あ~、どっちかってぇと、育ての親をって感じか?」
冒険者B「そうだな。そっちが近いだろ。それにほら……恋人の方だと危険だ」
冒険者C「そ、そうだった」
冒険者A「育ての親か。本当の親……じゃねぇんだ? 師匠かっ」
冒険者D「いや、女王様だ」
冒険者A「へ?」
冒険者達「「「そのうち分かる」」」
つづく?
なんて事が起こってましたとさ☆
読んでくださりありがとうございます◎
鞭を持った女王様です。
ティアちゃんの人生見直しの時間。
妖精王も、言いたいことが沢山あったのです。
セリ様の手紙を読み、気付けたティアちゃんならば、話してもいいかなと思ったのでしょう。
改めてその想いを語ります。
では次回、また明日です。
よろしくお願いします◎
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