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349 また来ます
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2016. 2. 18
********************************************
「また来るからね」
《おう。いつでも来いよ》
ティアは妖精王に騎士の特訓計画について、全面的に協力してくれるとの約束を取り付けた。
その後、家を回収し、ついでにボーンドラゴンを連れ出して妖精達を全員返還すると、妖精王とフィンに見送られ、ダンジョンの入り口へと出てきていた。
《うっうっ……ホーネちゃん……》
《ホーネ……ペリィチェ……ここよりも広い場所に行けるのだから、あの子には良いことでしょう》
《うぅっ、ですがフィン様っ》
ボーンドラゴンの見送りに出て来ていたペリィチェは、今まで育ててきた事もあり、離れ難いようだ。
「えっと……カル姐。保護区は完全に立ち入り禁止じゃないよね?」
見かねたティアがカルツォーネに確認する。
その理由を正しく察したカルツォーネは、笑顔でペリィチェへ告げた。
「あぁ。審査はあるけれど、君はこのドラゴンの母親みたいなものだからね。いつでも来てくれ」
《えっ……あ、はいっ》
ドラゴン同士、フラムに頼んでボーンドラゴンへはこれから住処が変わると伝えたので大人しく見送られる姿勢を見せている。
ペリィチェも納得したならば、ここでの問題は後一つだろう。
「カル姐、一人で連れていけるの?」
「大丈夫だ。どうやら手伝いを寄越したみたいだからね」
「うん?あ、本当だ」
空を見上げると、グリフォンや天馬に乗って、魔族の騎士が数名やってくるのが見えた。
王佐達が迎えを手配したらしい。
《気を付けて帰れよ》
「うん。今度は、友達を連れてくるね。あ、あと……」
《ん?なんだ?》
これも言わなくてはならなかったと思い出したティアは、妖精王の耳に口を寄せる。
「近々、ここの裏ルートに挑戦させたい人がいるからよろしくね」
《……よく知ってんなぁ……けど、いけるのか?》
「うん。対策はバッチリ。攻略特典もちゃんと用意しておいてね」
《わかった》
楽しみだと笑う妖精王。また昔のように多くの挑戦者を迎えられたらと思っているようだ。
《よしっ、フィン。今夜から全部見直すぞ》
《はいっ》
妖精王とフィンのやる気は充分だろう。
「シェリー。また週末には顔を出すから、お仕事頑張ってね」
「……分かりました」
シェリスの乗ってきたグリフォンとカルツォーネの天馬がやって来たので、ティアはすかさずシェリスを見送る準備に入る。
姿を見せる事はないが、ここの入り口の警備をするクィーグの者が、グリフォンと天馬を休ませ、待機させていたのだ。
「私もまた近々顔を出すからね」
「カルは来なくてもいいです」
シェリスの返しに、カルツォーネが笑顔で素直じゃないなと呟いた。
ボーンドラゴンを囲み、魔族の騎士達とカルツォーネ、そして、サルバに帰るシェリスが飛び立った。
今は少し雲が出ているので、あまり目立たなくていいだろう。
「すごい眺めね……」
「うん」
サクヤとティアは並んでその様を見送る。
ボーンドラゴンの大きさもあるが、それを囲むグリフォンと天馬が空を駆けていく美しい円は、影にしか見えなくても圧感だった。
「それじゃぁ、私達はフラムに乗って帰ろっか。マティは寝ちゃったしね」
「ふふっ、なんだか、白いクッションにしか見えないわね」
「毛の質も変えてるからね。フワフワだよ?」
「ほんとうだわ。抱っこしてもいい?」
「うん。ん?」
「どうかしたの?」
ティアは不意に視線を感じたように思った。
「ん~……何でもない」
一瞬であった事で、相手を特定する事は出来なかったが、ティアはクィーグの者だろうと結論付けた。
フラムに大きくなってもらい、その背に飛び乗る。ティアの後ろにはマティを抱いたサクヤが乗り、ゆっくりと空へ羽ばたく。
《じゃぁな~》
こうして、ティア達は妖精王に見送られ、学園への帰路に着いた。
そんな中、クィーグの者達もティアの計画の為に、密かに慌ただしく駆け出していたのだった。
************************************************
舞台裏のお話。
パールファンム《帰っちゃったんだ……》
ピューリィ《なんだかんだ言って、私達も嬉しかったんですよね……》
キプシィーム《そうですわね。わたくしのキャクターちゃん達をいじめた人達であっても……》
パールファンム《やっぱり、また昔みたいに賑やかになると嬉しいよね》
ピューリィ《はい。張り合いがあります》
パールファンム《これ以降、キャクターちゃん達はヤらせませんわ》
パ・ピ……
キプシィーム《ふっふっふっ……キャクターちゃん達の餌にして差し上げますわっ》
パールファンム《キプシィームさぁ、あのキャクターの事、まだ報告してなくない?》
キプシィーム《……》
ピューリィ《ペリィチェはそれ程怒られなかったみたいですけど、どうなるかわかりませんよ?》
キプシィーム《だ、大丈夫ですっ。だって、実在していますものっ》
パールファンム《変異種だけどね》
ピューリィ《単体ですけどね》
キプシィーム《……》
ミルポーラ《ふぁぁぁ~ぁ……ここはあったかいね~》
パ・ピ・キ《……》
ミルポーラ《ん~……どうかしたの~?》
パールファンム《キプシィーム。そんなに怒られないかも》
ピューリィ《上がいますものね》
キプシィーム《仕事はしていましたもの》
ミルポーラ《ん~?》
つづく?
なんて事が起こってましたとさ☆
読んでくださりありがとうございます◎
ちゃんと起きてお留守番してましたからね。
ダンジョン攻略完了。
若干、ラスボス戦が不戦勝になったり、フィールドに問題があったりしましたが、これでティアちゃんの攻略はおしまいですね。
さて、妖精王との計画はどうなるのか。
そして、裏ルート挑戦者とは?
では次回、また明日です。
よろしくお願いします◎
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「また来るからね」
《おう。いつでも来いよ》
ティアは妖精王に騎士の特訓計画について、全面的に協力してくれるとの約束を取り付けた。
その後、家を回収し、ついでにボーンドラゴンを連れ出して妖精達を全員返還すると、妖精王とフィンに見送られ、ダンジョンの入り口へと出てきていた。
《うっうっ……ホーネちゃん……》
《ホーネ……ペリィチェ……ここよりも広い場所に行けるのだから、あの子には良いことでしょう》
《うぅっ、ですがフィン様っ》
ボーンドラゴンの見送りに出て来ていたペリィチェは、今まで育ててきた事もあり、離れ難いようだ。
「えっと……カル姐。保護区は完全に立ち入り禁止じゃないよね?」
見かねたティアがカルツォーネに確認する。
その理由を正しく察したカルツォーネは、笑顔でペリィチェへ告げた。
「あぁ。審査はあるけれど、君はこのドラゴンの母親みたいなものだからね。いつでも来てくれ」
《えっ……あ、はいっ》
ドラゴン同士、フラムに頼んでボーンドラゴンへはこれから住処が変わると伝えたので大人しく見送られる姿勢を見せている。
ペリィチェも納得したならば、ここでの問題は後一つだろう。
「カル姐、一人で連れていけるの?」
「大丈夫だ。どうやら手伝いを寄越したみたいだからね」
「うん?あ、本当だ」
空を見上げると、グリフォンや天馬に乗って、魔族の騎士が数名やってくるのが見えた。
王佐達が迎えを手配したらしい。
《気を付けて帰れよ》
「うん。今度は、友達を連れてくるね。あ、あと……」
《ん?なんだ?》
これも言わなくてはならなかったと思い出したティアは、妖精王の耳に口を寄せる。
「近々、ここの裏ルートに挑戦させたい人がいるからよろしくね」
《……よく知ってんなぁ……けど、いけるのか?》
「うん。対策はバッチリ。攻略特典もちゃんと用意しておいてね」
《わかった》
楽しみだと笑う妖精王。また昔のように多くの挑戦者を迎えられたらと思っているようだ。
《よしっ、フィン。今夜から全部見直すぞ》
《はいっ》
妖精王とフィンのやる気は充分だろう。
「シェリー。また週末には顔を出すから、お仕事頑張ってね」
「……分かりました」
シェリスの乗ってきたグリフォンとカルツォーネの天馬がやって来たので、ティアはすかさずシェリスを見送る準備に入る。
姿を見せる事はないが、ここの入り口の警備をするクィーグの者が、グリフォンと天馬を休ませ、待機させていたのだ。
「私もまた近々顔を出すからね」
「カルは来なくてもいいです」
シェリスの返しに、カルツォーネが笑顔で素直じゃないなと呟いた。
ボーンドラゴンを囲み、魔族の騎士達とカルツォーネ、そして、サルバに帰るシェリスが飛び立った。
今は少し雲が出ているので、あまり目立たなくていいだろう。
「すごい眺めね……」
「うん」
サクヤとティアは並んでその様を見送る。
ボーンドラゴンの大きさもあるが、それを囲むグリフォンと天馬が空を駆けていく美しい円は、影にしか見えなくても圧感だった。
「それじゃぁ、私達はフラムに乗って帰ろっか。マティは寝ちゃったしね」
「ふふっ、なんだか、白いクッションにしか見えないわね」
「毛の質も変えてるからね。フワフワだよ?」
「ほんとうだわ。抱っこしてもいい?」
「うん。ん?」
「どうかしたの?」
ティアは不意に視線を感じたように思った。
「ん~……何でもない」
一瞬であった事で、相手を特定する事は出来なかったが、ティアはクィーグの者だろうと結論付けた。
フラムに大きくなってもらい、その背に飛び乗る。ティアの後ろにはマティを抱いたサクヤが乗り、ゆっくりと空へ羽ばたく。
《じゃぁな~》
こうして、ティア達は妖精王に見送られ、学園への帰路に着いた。
そんな中、クィーグの者達もティアの計画の為に、密かに慌ただしく駆け出していたのだった。
************************************************
舞台裏のお話。
パールファンム《帰っちゃったんだ……》
ピューリィ《なんだかんだ言って、私達も嬉しかったんですよね……》
キプシィーム《そうですわね。わたくしのキャクターちゃん達をいじめた人達であっても……》
パールファンム《やっぱり、また昔みたいに賑やかになると嬉しいよね》
ピューリィ《はい。張り合いがあります》
パールファンム《これ以降、キャクターちゃん達はヤらせませんわ》
パ・ピ……
キプシィーム《ふっふっふっ……キャクターちゃん達の餌にして差し上げますわっ》
パールファンム《キプシィームさぁ、あのキャクターの事、まだ報告してなくない?》
キプシィーム《……》
ピューリィ《ペリィチェはそれ程怒られなかったみたいですけど、どうなるかわかりませんよ?》
キプシィーム《だ、大丈夫ですっ。だって、実在していますものっ》
パールファンム《変異種だけどね》
ピューリィ《単体ですけどね》
キプシィーム《……》
ミルポーラ《ふぁぁぁ~ぁ……ここはあったかいね~》
パ・ピ・キ《……》
ミルポーラ《ん~……どうかしたの~?》
パールファンム《キプシィーム。そんなに怒られないかも》
ピューリィ《上がいますものね》
キプシィーム《仕事はしていましたもの》
ミルポーラ《ん~?》
つづく?
なんて事が起こってましたとさ☆
読んでくださりありがとうございます◎
ちゃんと起きてお留守番してましたからね。
ダンジョン攻略完了。
若干、ラスボス戦が不戦勝になったり、フィールドに問題があったりしましたが、これでティアちゃんの攻略はおしまいですね。
さて、妖精王との計画はどうなるのか。
そして、裏ルート挑戦者とは?
では次回、また明日です。
よろしくお願いします◎
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