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346 情報開示は待ってください
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2016. 2. 14
********************************************
カルツォーネは、魔族の中ではまだ若い。とはいえ、結婚する事が早い訳ではない。
「少し前から、話は出ていたんだ。私は兄貴達の誰かが戻ってきたら王を辞める気だったんだが……どうもそれに大臣達が反対らしくてね」
カルツォーネは、兄達が不在の間だけ、仮に王位に就いたつもりだった。
あくまでも、国を守る為。玉座を空けないようにしているだけ。
しかし、周りはそう思ってはいなかったようだ。
「そっかぁ。多分、国の人達は、カル姐を王のままにしたいんだね。だから、早く次代をって事か」
次期王まで決めてしまえば、カルツォーネの王位は揺るがないと考えたのだろう。
《あんたが結婚なぁ……ってか、相手は決めてんのか?》
「ふふっ、気になるかい?」
「気になるっ」
ティアはカルツォーネに迫る勢いで言った。
これにカルツォーネは一層魅力的な笑みを向ける。
「そうだなぁ。なら、ヒントだ。サルバにいる人だよ」
「サルバに?」
ティアは頭をフル回転させる。だが、どうしてもカルツォーネと合いそうな人物が浮かんでこない。
「わかんないよ?」
《想像できん》
そこで、シェリスが口を開く。
「カル。まさか、相手に考えているのは人族の者なのですか?」
「そうだが? シェリスだってそう立場は変わらないし、ティアがいいのだろう?」
「……そうですね……」
ティアを困り顏で見つめるシェリス。
反対などできるはずがない。里長であるシェリスと王であるカルツォーネ。共に責任ある立場だ。
シェリスの視線に耐えかねたティアが、内心、シェリスの暴走を危惧しながらもカルツォーネへと言った。
「で、でもカル姐。カル姐の場合は、慎重にやらないと大変な事になると思うよ?」
これにはサクヤも妖精王も同意する。
「きっと、国民が暴動を起こすでしょうね。カルに相手が出来るっていうのもあるけど、同族じゃないのは色々と面倒よ?」
《その相手が不憫だ……》
上手く手を回し、周りに納得させなくては、相手はキツイだろう。
「まぁ、そうだね。うん。だから、もう少し黙っていようかな」
ここでも明かすべきではないかもしれない。いくら親しい間柄であり、そうそう口を割らないメンバーであっても、ここは注意が必要だ。
とてもデリケートな問題であり、ティア達にとっては友人の将来の事。追及するつもりはなかった。
「そうして欲しいわね……危険だわ」
「機密事項だよね。魔族の国の為にも、情報開示はもう少し待ってくれる?」
「面倒な事になりそうなので、巻き込まないでください」
《気になるが……あまりにも危険な情報だからな……起きたばっかだし、ちょい平穏な時間をくれ》
相手は知りたい。だが、それを知れば、爆弾を身に付けたようなものだ。今はまだ、あまりにもリスクが高い。
ティア達は揃って聞かなかった事にしようと決めた。
「ふふっ、でも、本当に私が困ったら助けてくれるだろ?」
「それは、もちろん」
カルツォーネが手を貸して欲しいと言えば、一も二もなく飛んでいって、手助けする。
それがティア達全員の思いだ。
「ありがとう。その時はよろしく頼むよ」
晴れやかなその笑顔に、ティアも笑みを向けた。
そこへ、フィンが飲み物を抱えて戻ってくる。
《お待たせ。テーブルも用意するわね》
そう言って、フィンはティア達へテーブルとイスを用意してくれた。
その時、ティアが気付いた。
「あれ?火王は?」
「そういえば……姿が見えなくなったねぇ。いないのかい?」
カルツォーネやシェリス、サクヤは、精霊視力を持っていない。
そうなると当然、彼らには精霊達が見えない。だが、精霊王達は全員に等しく見えるようにと顕現してくれていたのだ。
「うん。どっか行ったみたい」
「料理は……出来たみたいだけど、どうしたんだろうね?」
サクヤの料理は、火王によって絶妙な火加減を得て完成していた。
「そうなのよね~。突然、何かを感じたみたいに消えちゃって……誰かに呼び出されたのかしら?」
《ははっ、火王を呼び出すなんて事が出来るヤツは大精霊王くらいしか居ねぇって》
そう笑う妖精王だが、カルツォーネとサクヤとシェリスはティアを見つめていた。
何を言いたいのかを察したフィンが、妖精王に言う。
《王……彼女になら可能です》
《あ、あ~……そ、そうみたいだな……》
風王と水王がティアの傍に寄る。それを見て、妖精王は頬を痙攣させていた。
そんな落ち着かない雰囲気になっていく中、突然その声が響く。
《キュ~ゥ》
「へ? フラム?」
入り口が少し開き、その隙間を縫って入ってきたのは小さなサイズになったフラムだった。
《キュ、キュ~ゥっ》
「あ~、はいはい。ごめんね、一人にして」
ティアの胸へ飛び込んで甘えるフラムを撫でながら、ティアは入り口を見つめた。
その扉はゆっくりと開き、人が一人通れるくらい開いた時、火王がゆったりとした足取りで入ってくる。
「あ、パパ、ありがとう」
「ん……」
寡黙で出来るパパは、そうティアへコクリと頷いたのだった。
************************************************
舞台裏のお話。
マティ 《むぐむぐ……》
火王 《マティ、ゆっくり》
マティ 《む、はぁ~い》
風王 《よく食べますね》
水王 《もう半分近くなくなっていますわね》
火王 《食べて、寝る子は育つ》
風王 《……なんでしょう……何かイラっとしますね……》
水王 《なんだか負けているような気がするのは気のせいかしら?》
火王 《野菜も食べるんだ》
マティ 《え~……苦いのやだぁ》
火王 《苦くない》
マティ 《本当?》
火王 《火加減で変わる》
マティ 《む~……ん、あ、本当だ。おいしいよっ?》
火王 《いい子だ》
マティ 《うん。マティ、野菜も食べられるいい子だよっ》
風王 《お、おかしいですわ。なにかダメージが……》
水王 《そうですわね……》
火王 《……ん……》
マティ 《どうしたの?パパ》
火王 《すぐに戻る》
マティ 《はぁ~い。お留守してま~す》
風王 《なんでしょう……》
水王 《なにも聞こえたりしていませんわよね?》
マティ 《多分、フラムが起きたんだと思う》
風・水 へ?
マティ 《パパが行ったなら大丈夫だよ》
風・水 やっぱり。負けている気がする……?
つづく?
なんて事が起こってましたとさ☆
読んでくださりありがとうございます◎
育児の出来るパパですからね。
カル姐さんの相手については、もう少し先です。
気になりますけどね。
近場にいるようです。
パパは、目が覚めたのを感じたのでしょうね。
では次回、また明日です。
よろしくお願いします◎
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カルツォーネは、魔族の中ではまだ若い。とはいえ、結婚する事が早い訳ではない。
「少し前から、話は出ていたんだ。私は兄貴達の誰かが戻ってきたら王を辞める気だったんだが……どうもそれに大臣達が反対らしくてね」
カルツォーネは、兄達が不在の間だけ、仮に王位に就いたつもりだった。
あくまでも、国を守る為。玉座を空けないようにしているだけ。
しかし、周りはそう思ってはいなかったようだ。
「そっかぁ。多分、国の人達は、カル姐を王のままにしたいんだね。だから、早く次代をって事か」
次期王まで決めてしまえば、カルツォーネの王位は揺るがないと考えたのだろう。
《あんたが結婚なぁ……ってか、相手は決めてんのか?》
「ふふっ、気になるかい?」
「気になるっ」
ティアはカルツォーネに迫る勢いで言った。
これにカルツォーネは一層魅力的な笑みを向ける。
「そうだなぁ。なら、ヒントだ。サルバにいる人だよ」
「サルバに?」
ティアは頭をフル回転させる。だが、どうしてもカルツォーネと合いそうな人物が浮かんでこない。
「わかんないよ?」
《想像できん》
そこで、シェリスが口を開く。
「カル。まさか、相手に考えているのは人族の者なのですか?」
「そうだが? シェリスだってそう立場は変わらないし、ティアがいいのだろう?」
「……そうですね……」
ティアを困り顏で見つめるシェリス。
反対などできるはずがない。里長であるシェリスと王であるカルツォーネ。共に責任ある立場だ。
シェリスの視線に耐えかねたティアが、内心、シェリスの暴走を危惧しながらもカルツォーネへと言った。
「で、でもカル姐。カル姐の場合は、慎重にやらないと大変な事になると思うよ?」
これにはサクヤも妖精王も同意する。
「きっと、国民が暴動を起こすでしょうね。カルに相手が出来るっていうのもあるけど、同族じゃないのは色々と面倒よ?」
《その相手が不憫だ……》
上手く手を回し、周りに納得させなくては、相手はキツイだろう。
「まぁ、そうだね。うん。だから、もう少し黙っていようかな」
ここでも明かすべきではないかもしれない。いくら親しい間柄であり、そうそう口を割らないメンバーであっても、ここは注意が必要だ。
とてもデリケートな問題であり、ティア達にとっては友人の将来の事。追及するつもりはなかった。
「そうして欲しいわね……危険だわ」
「機密事項だよね。魔族の国の為にも、情報開示はもう少し待ってくれる?」
「面倒な事になりそうなので、巻き込まないでください」
《気になるが……あまりにも危険な情報だからな……起きたばっかだし、ちょい平穏な時間をくれ》
相手は知りたい。だが、それを知れば、爆弾を身に付けたようなものだ。今はまだ、あまりにもリスクが高い。
ティア達は揃って聞かなかった事にしようと決めた。
「ふふっ、でも、本当に私が困ったら助けてくれるだろ?」
「それは、もちろん」
カルツォーネが手を貸して欲しいと言えば、一も二もなく飛んでいって、手助けする。
それがティア達全員の思いだ。
「ありがとう。その時はよろしく頼むよ」
晴れやかなその笑顔に、ティアも笑みを向けた。
そこへ、フィンが飲み物を抱えて戻ってくる。
《お待たせ。テーブルも用意するわね》
そう言って、フィンはティア達へテーブルとイスを用意してくれた。
その時、ティアが気付いた。
「あれ?火王は?」
「そういえば……姿が見えなくなったねぇ。いないのかい?」
カルツォーネやシェリス、サクヤは、精霊視力を持っていない。
そうなると当然、彼らには精霊達が見えない。だが、精霊王達は全員に等しく見えるようにと顕現してくれていたのだ。
「うん。どっか行ったみたい」
「料理は……出来たみたいだけど、どうしたんだろうね?」
サクヤの料理は、火王によって絶妙な火加減を得て完成していた。
「そうなのよね~。突然、何かを感じたみたいに消えちゃって……誰かに呼び出されたのかしら?」
《ははっ、火王を呼び出すなんて事が出来るヤツは大精霊王くらいしか居ねぇって》
そう笑う妖精王だが、カルツォーネとサクヤとシェリスはティアを見つめていた。
何を言いたいのかを察したフィンが、妖精王に言う。
《王……彼女になら可能です》
《あ、あ~……そ、そうみたいだな……》
風王と水王がティアの傍に寄る。それを見て、妖精王は頬を痙攣させていた。
そんな落ち着かない雰囲気になっていく中、突然その声が響く。
《キュ~ゥ》
「へ? フラム?」
入り口が少し開き、その隙間を縫って入ってきたのは小さなサイズになったフラムだった。
《キュ、キュ~ゥっ》
「あ~、はいはい。ごめんね、一人にして」
ティアの胸へ飛び込んで甘えるフラムを撫でながら、ティアは入り口を見つめた。
その扉はゆっくりと開き、人が一人通れるくらい開いた時、火王がゆったりとした足取りで入ってくる。
「あ、パパ、ありがとう」
「ん……」
寡黙で出来るパパは、そうティアへコクリと頷いたのだった。
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舞台裏のお話。
マティ 《むぐむぐ……》
火王 《マティ、ゆっくり》
マティ 《む、はぁ~い》
風王 《よく食べますね》
水王 《もう半分近くなくなっていますわね》
火王 《食べて、寝る子は育つ》
風王 《……なんでしょう……何かイラっとしますね……》
水王 《なんだか負けているような気がするのは気のせいかしら?》
火王 《野菜も食べるんだ》
マティ 《え~……苦いのやだぁ》
火王 《苦くない》
マティ 《本当?》
火王 《火加減で変わる》
マティ 《む~……ん、あ、本当だ。おいしいよっ?》
火王 《いい子だ》
マティ 《うん。マティ、野菜も食べられるいい子だよっ》
風王 《お、おかしいですわ。なにかダメージが……》
水王 《そうですわね……》
火王 《……ん……》
マティ 《どうしたの?パパ》
火王 《すぐに戻る》
マティ 《はぁ~い。お留守してま~す》
風王 《なんでしょう……》
水王 《なにも聞こえたりしていませんわよね?》
マティ 《多分、フラムが起きたんだと思う》
風・水 へ?
マティ 《パパが行ったなら大丈夫だよ》
風・水 やっぱり。負けている気がする……?
つづく?
なんて事が起こってましたとさ☆
読んでくださりありがとうございます◎
育児の出来るパパですからね。
カル姐さんの相手については、もう少し先です。
気になりますけどね。
近場にいるようです。
パパは、目が覚めたのを感じたのでしょうね。
では次回、また明日です。
よろしくお願いします◎
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