201 / 457
連載
305 ご挨拶いたします
しおりを挟む
2015. 12. 18
********************************************
ティアはとりあえず、こんな所で話し込んでも何だからと、フラムに乗り、ティアとサクヤ、そして、シルの名を受け継ぐ男と共に学園へと帰還した。
話はサクヤの部屋でという事にし、ティアは、心配を掛けたであろう兄達やキルシュとアデルに帰って来た事を報告した後、改めてサクヤの下へと戻った。
シルも報告を済ませ、ティアがサクヤの部屋を訪ねると同時に戻ってくる。
部屋に入ったティアとシルは、サクヤと共に会議室として使われる小部屋で向かい合った。
「それで?何を話そうっていうの?」
そうティアへと尋ねたサクヤは、もう隠すつもりもないらしく、尻尾や耳はないが、しっかりと女装した姿になっていた。
「だって、サク姐。気にならない?赤白の宮殿の事とか」
「それは……そうだけど……」
かつてバトラール王国の王家を影から守護していたクィーグ部隊。その人数は十人。強さや能力により、彼らは番号で名を付け、それを誇りに思っていた。
隠密能力に長けた精鋭部隊。クィーグ部隊は、クィーグと呼ばれる一族から生まれたものだ。
その一族全てが隠密能力の高い者達ばかり。身体能力も高く、裏の噂で囁かれるその一族と接触し、雇用の契約を結ぶ事を、多くの国の重鎮や王達は望んだ。
しかし、クィーグの者達は誇り高く、金や権力では決してその能力を使う事を良しとしなかった。彼らは自分達が真に主として仕えるに値する人物を見極め、献身する事を一族の掟としていたのだ。
そして、長いクィーグの一族の歴史の中で、その偉業を成し得た相手が二つ存在した。
一つがバトラール王家。その理由は知られてはいないが、一族で最も能力の高い者を十人。王家の守り役として派遣していた。
そして二つ目。それが豪嵐。彼らは、一族そのものと雇用契約を結んでいたのだ。
「シルさん。豪嵐の名前はちゃんと伝わってるんだね」
「……はい……」
歯切れが悪いのは、どこまで答えて良いものかと見極め難く思っているからだろう。それが分かるから、ティアは話を進める前に先ず、サクヤへと目を向けた。
「サク姐。契約の腕輪あるよね?」
「え?あ、あ~……ちょっと待ってね」
サクヤはしまい込んであった愛用のアイテムボックスから、黒くくすんだ幅広の腕輪を取り出し、男の前で右腕にはめた。すると、たった今まで黒く見えたその見た目が、眩しいほどの銀の輝きを放ち、美しく堀り込まれた装飾を浮かび上がらせた。
「っ……間違いありません……契約の銀の腕輪です……」
それは、クィーグの一族に伝わる魔導具。真に契約した者にしか渡すことはなく、はめる事もできない。言い伝えで知るその魔導具を目の当たりにし、そう男が呟くと、何処からともなくその人は現れた。
「豪嵐……サクヤ様とは知らず、ご無礼いたしました」
「女の人……もしかして、あなたが当代のフィズ?」
「はい。ティアラール・ヒュースリー様。一族の者がお世話になりながら、ご挨拶もせず失礼いたしました」
丁寧に両膝を床に突き、両手を前で重ねると、深く頭を下げるフィズ。一番を表すフィズの名を持つ者が、小柄で美しい女性であった事に驚いていたティアとサクヤは、咄嗟に反応できずにいた。
「あ、いや。そんな。顔を上げてちょうだい。私はカグヤって名乗ってるし、この姿を知ってるのも学園長だけだったのよ。むしろ、こっちが気付かなくて悪かったわ」
「お気遣いありがとうございます」
ゆっくりと顔を上げたフィズは、切れ長の瞳の美人だ。シルが着けているような布を顔や頭に巻き付けていない為、その表情も偽りなくよく分かる。
「いいのよ。あら?そういえば、さっき、ティアに一族の者が世話になったとか言ってなかった?何したの?」
ティアの今までの口振りからも、彼女達をクィーグの者だと、前々から認識していたのだろうと感じたサクヤは、首を傾げる。
まさか彼女達がティアの秘密を知っているはずはないだろう。そうなると、世話になった云々は、この学園へ来てからの事だと推測できた。
「うん?訓練かな?」
「訓練?」
「そう。主に追いかけっことか、隠れん坊とか、あとは……うちのハイパーメイドと双子を訓練相手に推薦したりとか?」
「はい?」
サクヤには意味が分からなかったようだ。
「だから、夜とか暇じゃん。そんで、夜の学園散歩に出て、いかに彼らを出し抜き、厳重に警備された学園の奥へ侵入するかってのをね」
「はい。未だに連敗が続いておりまして……我らの精進が足りず、ティア様には申し訳なく思っております」
「やだなぁ。充分楽しんでるから良いんだよ」
「いえ。必ずやご期待に沿えられるよう、一族一丸となって努力してまいります」
「楽しみにしてるね」
「はっ」
「……こら違反者」
もはや、ティアとクィーグの者に、夜の外出禁止規則は意味を成していなかった。
************************************************
舞台裏のお話。
門番A「っ、あ、あれは……っマティだ。黒いけどマティですよね?」
門番B「ん。間違いないな。それに……あれはっ、クレアさんだっ。伝令を飛ばせっ!クレアさん一人だ。問題ないっ」
街人A「クレアさん一人だってさ!歓迎の用意!」
街人B「っいいんだよなっ?一人の時は良いんだよなっ?」
冒険者A「クレア姐さんのお帰りだぁっ!」
マティ《なんかお祭り?》
クレア「あいつら……確かに一人で里帰りしたら騒いでもいいとは言ったけど……」
マティ《くんくん……なんかご飯の匂い……っ焼肉あるよっ!》
クレア「……本気で騒ぐつもりかい……まったく……」
マティ《おぉ。『クレア姐さんお帰りなさい』だって》
クレア「っ誰だいっ!あんな恥ずかしい大段幕を作ったヤツはっ!」
マティ《書いた人は分かんないけど……布からマスターの魔力を感じるよ?》
クレア「……」
マティ《あ、マーナさんだっ》
マーナ《お帰りなさいっ、クレアさん。お久しぶりですっ》
クレア「まったく、そんな大事にする事かい?一週間だけだよ?」
マーナ「一週間も居てくださるんですかっ⁉︎ど、どうしましょうっ。あ、あのその間、一時間だけでも良いので、お茶でもしながらお話を……」
クレア「構わないさ。けど、とりあえず……この大段幕の事をちょいマスターに問いただそうかねぇ……」
マーナ「あ、はいっ!」
マティ《このまま行く?楽しそう》
クレア「……」
マーナ「はいっ。ギルドまで、花道となっておりますからっ」
マティ《わぁ~い。尻尾いっぱい振るねっ》
マーナ「ええ。それとゆっくりお願いします」
マティ《オッケーっ。クレアママ。こういう時は、笑顔で手を振るって、主が言ってたよ?》
クレア「……私はどこから凱旋したんだい……」
マティ《いっくぞ~ぉ!》
マーナ「はい。お願いします」
クレア「……もう好きにしとくれ……」
つづく?
なんて事が起こってましたとさ☆
読んでくださりありがとうございます◎
とっても人気者だったようです。
学園の警備担当であるクィーグは、既にティアちゃんの遊び相手になっていたようです。
女頭領さん。
真面目な方のようですが、ティアちゃんの遊びにも律儀に付き合い、更には訓練してもらっていると認識しているようです。
ティアちゃん信奉者が一気に増えていそうですね。
中々本題に入れません。
次もどうでしょう。
では次回、一日空けて20日です。
よろしくお願いします◎
********************************************
ティアはとりあえず、こんな所で話し込んでも何だからと、フラムに乗り、ティアとサクヤ、そして、シルの名を受け継ぐ男と共に学園へと帰還した。
話はサクヤの部屋でという事にし、ティアは、心配を掛けたであろう兄達やキルシュとアデルに帰って来た事を報告した後、改めてサクヤの下へと戻った。
シルも報告を済ませ、ティアがサクヤの部屋を訪ねると同時に戻ってくる。
部屋に入ったティアとシルは、サクヤと共に会議室として使われる小部屋で向かい合った。
「それで?何を話そうっていうの?」
そうティアへと尋ねたサクヤは、もう隠すつもりもないらしく、尻尾や耳はないが、しっかりと女装した姿になっていた。
「だって、サク姐。気にならない?赤白の宮殿の事とか」
「それは……そうだけど……」
かつてバトラール王国の王家を影から守護していたクィーグ部隊。その人数は十人。強さや能力により、彼らは番号で名を付け、それを誇りに思っていた。
隠密能力に長けた精鋭部隊。クィーグ部隊は、クィーグと呼ばれる一族から生まれたものだ。
その一族全てが隠密能力の高い者達ばかり。身体能力も高く、裏の噂で囁かれるその一族と接触し、雇用の契約を結ぶ事を、多くの国の重鎮や王達は望んだ。
しかし、クィーグの者達は誇り高く、金や権力では決してその能力を使う事を良しとしなかった。彼らは自分達が真に主として仕えるに値する人物を見極め、献身する事を一族の掟としていたのだ。
そして、長いクィーグの一族の歴史の中で、その偉業を成し得た相手が二つ存在した。
一つがバトラール王家。その理由は知られてはいないが、一族で最も能力の高い者を十人。王家の守り役として派遣していた。
そして二つ目。それが豪嵐。彼らは、一族そのものと雇用契約を結んでいたのだ。
「シルさん。豪嵐の名前はちゃんと伝わってるんだね」
「……はい……」
歯切れが悪いのは、どこまで答えて良いものかと見極め難く思っているからだろう。それが分かるから、ティアは話を進める前に先ず、サクヤへと目を向けた。
「サク姐。契約の腕輪あるよね?」
「え?あ、あ~……ちょっと待ってね」
サクヤはしまい込んであった愛用のアイテムボックスから、黒くくすんだ幅広の腕輪を取り出し、男の前で右腕にはめた。すると、たった今まで黒く見えたその見た目が、眩しいほどの銀の輝きを放ち、美しく堀り込まれた装飾を浮かび上がらせた。
「っ……間違いありません……契約の銀の腕輪です……」
それは、クィーグの一族に伝わる魔導具。真に契約した者にしか渡すことはなく、はめる事もできない。言い伝えで知るその魔導具を目の当たりにし、そう男が呟くと、何処からともなくその人は現れた。
「豪嵐……サクヤ様とは知らず、ご無礼いたしました」
「女の人……もしかして、あなたが当代のフィズ?」
「はい。ティアラール・ヒュースリー様。一族の者がお世話になりながら、ご挨拶もせず失礼いたしました」
丁寧に両膝を床に突き、両手を前で重ねると、深く頭を下げるフィズ。一番を表すフィズの名を持つ者が、小柄で美しい女性であった事に驚いていたティアとサクヤは、咄嗟に反応できずにいた。
「あ、いや。そんな。顔を上げてちょうだい。私はカグヤって名乗ってるし、この姿を知ってるのも学園長だけだったのよ。むしろ、こっちが気付かなくて悪かったわ」
「お気遣いありがとうございます」
ゆっくりと顔を上げたフィズは、切れ長の瞳の美人だ。シルが着けているような布を顔や頭に巻き付けていない為、その表情も偽りなくよく分かる。
「いいのよ。あら?そういえば、さっき、ティアに一族の者が世話になったとか言ってなかった?何したの?」
ティアの今までの口振りからも、彼女達をクィーグの者だと、前々から認識していたのだろうと感じたサクヤは、首を傾げる。
まさか彼女達がティアの秘密を知っているはずはないだろう。そうなると、世話になった云々は、この学園へ来てからの事だと推測できた。
「うん?訓練かな?」
「訓練?」
「そう。主に追いかけっことか、隠れん坊とか、あとは……うちのハイパーメイドと双子を訓練相手に推薦したりとか?」
「はい?」
サクヤには意味が分からなかったようだ。
「だから、夜とか暇じゃん。そんで、夜の学園散歩に出て、いかに彼らを出し抜き、厳重に警備された学園の奥へ侵入するかってのをね」
「はい。未だに連敗が続いておりまして……我らの精進が足りず、ティア様には申し訳なく思っております」
「やだなぁ。充分楽しんでるから良いんだよ」
「いえ。必ずやご期待に沿えられるよう、一族一丸となって努力してまいります」
「楽しみにしてるね」
「はっ」
「……こら違反者」
もはや、ティアとクィーグの者に、夜の外出禁止規則は意味を成していなかった。
************************************************
舞台裏のお話。
門番A「っ、あ、あれは……っマティだ。黒いけどマティですよね?」
門番B「ん。間違いないな。それに……あれはっ、クレアさんだっ。伝令を飛ばせっ!クレアさん一人だ。問題ないっ」
街人A「クレアさん一人だってさ!歓迎の用意!」
街人B「っいいんだよなっ?一人の時は良いんだよなっ?」
冒険者A「クレア姐さんのお帰りだぁっ!」
マティ《なんかお祭り?》
クレア「あいつら……確かに一人で里帰りしたら騒いでもいいとは言ったけど……」
マティ《くんくん……なんかご飯の匂い……っ焼肉あるよっ!》
クレア「……本気で騒ぐつもりかい……まったく……」
マティ《おぉ。『クレア姐さんお帰りなさい』だって》
クレア「っ誰だいっ!あんな恥ずかしい大段幕を作ったヤツはっ!」
マティ《書いた人は分かんないけど……布からマスターの魔力を感じるよ?》
クレア「……」
マティ《あ、マーナさんだっ》
マーナ《お帰りなさいっ、クレアさん。お久しぶりですっ》
クレア「まったく、そんな大事にする事かい?一週間だけだよ?」
マーナ「一週間も居てくださるんですかっ⁉︎ど、どうしましょうっ。あ、あのその間、一時間だけでも良いので、お茶でもしながらお話を……」
クレア「構わないさ。けど、とりあえず……この大段幕の事をちょいマスターに問いただそうかねぇ……」
マーナ「あ、はいっ!」
マティ《このまま行く?楽しそう》
クレア「……」
マーナ「はいっ。ギルドまで、花道となっておりますからっ」
マティ《わぁ~い。尻尾いっぱい振るねっ》
マーナ「ええ。それとゆっくりお願いします」
マティ《オッケーっ。クレアママ。こういう時は、笑顔で手を振るって、主が言ってたよ?》
クレア「……私はどこから凱旋したんだい……」
マティ《いっくぞ~ぉ!》
マーナ「はい。お願いします」
クレア「……もう好きにしとくれ……」
つづく?
なんて事が起こってましたとさ☆
読んでくださりありがとうございます◎
とっても人気者だったようです。
学園の警備担当であるクィーグは、既にティアちゃんの遊び相手になっていたようです。
女頭領さん。
真面目な方のようですが、ティアちゃんの遊びにも律儀に付き合い、更には訓練してもらっていると認識しているようです。
ティアちゃん信奉者が一気に増えていそうですね。
中々本題に入れません。
次もどうでしょう。
では次回、一日空けて20日です。
よろしくお願いします◎
10
お気に入りに追加
4,567
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【7話完結】婚約破棄?妹の方が優秀?あぁそうですか・・・。じゃあ、もう教えなくていいですよね?
西東友一
恋愛
昔、昔。氷河期の頃、人々が魔法を使えた時のお話。魔法教師をしていた私はファンゼル王子と婚約していたのだけれど、妹の方が優秀だからそちらと結婚したいということ。妹もそう思っているみたいだし、もう教えなくてもいいよね?
7話完結のショートストーリー。
1日1話。1週間で完結する予定です。
側妃は捨てられましたので
なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」
現王、ランドルフが呟いた言葉。
周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。
ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。
別の女性を正妃として迎え入れた。
裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。
あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。
だが、彼を止める事は誰にも出来ず。
廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。
王妃として教育を受けて、側妃にされ
廃妃となった彼女。
その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。
実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。
それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。
屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。
ただコソコソと身を隠すつまりはない。
私を軽んじて。
捨てた彼らに自身の価値を示すため。
捨てられたのは、どちらか……。
後悔するのはどちらかを示すために。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
聖女の私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。
重田いの
ファンタジー
聖女である私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。
あのお、私はともかくお父さんがいなくなるのは国としてマズイと思うのですが……。
よくある聖女追放ものです。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。