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連載
269 サルバで危険なもの
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2015. 10. 29
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キルシュの瞳に挑発的な光を見た男は、のそりと立ち上がり、ティア達の方へと数歩近付く。
「へんっ。見た所、貴族の坊ちゃんにしか見えねぇが?ガールフレンドを引き連れての遊びか?」
そう言って男は、その酒に酔った目を、キルシュの周りに向ける。そして、唐突にいやらしい笑みを浮かべた。
「んっだよ……可愛いネェちゃんがいんじゃねぇか」
男が目を向けたのは、あろうことかユフィアだった。それに気付いたベリアローズが、すかさずユフィアの前へと一歩踏み出し、その背に隠す。
「ベル様……」
「大丈夫だ」
今まで殆ど外へ出た経験のないユフィアだ。下心が透けて見える、男の目に晒された事もない。気味の悪い視線に小さく体を震わせたユフィアは、不安そうにベリアローズの服の端を掴んだ。
そんなユフィアを安心させるように、ベリアローズは少しだけ振り返ると、その綺麗な顔に穏やかな笑みを浮かべて見せた。
「なんだよ。兄ちゃん。彼女だったか?」
「婚約者だ」
「へぇっ。こりゃぁ、失敬した。だが……兄ちゃんにはもったいねぇなぁ」
「……死にたいのか?」
「なにぃ?」
これにはベリアローズも頭にきたようだ。静かな殺気が渦巻いていく。
「よくも姉上に、そんな目を……」
キルシュも、ユフィアに向ける男の目が気に入らなかったのだろう。何より。喧嘩を売った自分から目をそらされた事に苛立っていた。
「ふっ、ははっ、こりゃぁいい。女顔の、いかにもひ弱そうなマスターに、貴族の坊ちゃん達がデートで来るギルド……マジで平和ボケしてんじゃん」
これには、サルバの冒険者達も内心ピクリと反応した。だが、誰一人それを顔に出して動こうとする者はいない。
「はは、これだけ言われて、なんで怒んねぇの?」
「あれか?やっぱ、平和なんか?」
表情を変えない周りの冒険者達に、男の仲間達も顔を見合わせて笑みを見せた。そんな彼らに、親切にも説明をする為、エルヴァストがいつの間にか近付いていた。
「うむ。このサルバは、確かに平和だ」
「っ……」
エルヴァストの存在に気付いていなかった彼らは、ヒクリと息を呑む。
「ここの冒険者達は優秀でな。働き者が多い。よって、サルバ周辺の平和は、よく保たれているのだ」
うんうんと、周りの冒険者達は、怒りを治めながら、エルヴァストの言葉に耳を傾ける。
「だが、そんなサルバでも、平和が唐突に失われる場所……というか、失わせる者がいる」
「な、何を言ってやがる……」
エルヴァストの神妙な様子に、酔っていた男も、少しずつ冷静になっていく。
「これは、爆弾のような者でな。私達は、それを避ける心構えがいつでも出来ているのだが、お前達のような愚か者には、少々どころではない手痛い結果になるだろう。充分に気を付ける事だ」
そう言って、エルヴァストは数歩男達のいる場所から下がる。その表情には、本気の同情が窺えたのだが、それを男達が問うより先に、再びエルヴァストが口を開いた。
「いや、すまん。『今後』充分に気を付けるようにだった。今は……もはや手遅れだ」
「へ?」
いつの間にか、男達のいるテーブルの周りから、冒険者達はそれぞれのつくテーブルや椅子ごと、少々距離を置いていた。
彼らからまっすぐに道が出来るその先には、不敵に笑ったティアがいる。
「ふふっ、みんな、良くわかってるねぇ」
そう言ったティアに、サルバの冒険者達は、先ほどまでの苛立ちなど忘れてしまったように、楽しそうに返した。
「そりゃぁ、巻き添え食らう訳にいかんしなぁ」
「姫が考える事だからな」
「しっかり、仕置きを頼むぜ」
「威力の計算、間違えんでくれよ」
彼らは、既に無礼な余所者達を肴にする気満々だ。
「うんうん。さすがだわ。それじゃぁ、行ってみようっ」
「は?」
ここで、事態を把握できないのは、このサルバの恐ろしさを知らない男達だけだ。
「シェリー。良いよね?」
「勿論です。貴女の望むままに」
そう甘く笑みを浮かべたシェリスを確認したティアは、嬉しそうに男達へと向き直ると、手を後ろへと組んで言った。
「訓練場で叩きのめしてあげるよ」
その言葉が男達の耳に届いた時、ティアの前から突風が駆け抜ける。
その凶悪なまでの風は、他に被害を出す事なく、冒険者達がテーブルで作った道を真っ直ぐに通り、男達だけをまとめて吹き飛ばすと、背後の壁へと叩きつけたのだった。
************************************************
舞台裏のお話。
ルクス「クロノス」
クロノス「ええ、行きましょう」
マーナ「あら?お二人とも、ティアちゃんをあのままで良いのですか?」
ルクス「不本意ですが、傍にアレがいるなら、問題はないでしょう」
クロノス「ルクス……マスターと呼べば良いのでは……?」
ルクス「……良いんだ。気にするな。マーナさん。今、訓練場は空いていますか?」
マーナ「え?あ、十名程が下りて行ったと思いますが?」
クロノス「なら、間に合いそうだな」
ルクス「ああ。では、訓練場をお借りします。それと、創工士が必要になると思いますので、手配をお願いします」
マーナ「は、はぁ……創工士ですか?あ……ティアちゃんがどこか……」
クロノス「ルクス。避難指示を出して来た。それと、やはりあの位置で間違いない」
ルクス「そうか。他の奴らも、しっかりと道を作っているしな」
マーナ「あの?」
職員A「あ、マーナさん。私が創工士に話付けてきます」
職員B「直径……二メールから三メールで予想しといた方が良さそうっすね」
マーナ「ちょっと、あなた達?」
職員C「マーナさん。心配しなくても、ちょっと壁に大穴開けられるだけですって」
クロノス「威力は抑えてくださると思いますので、こちらの人的被害は心配ありません」
ルクス「ティアの事だから、観客席も壊さないように角度を考えるだろう。問題ないな」
マーナ「だから、なんなのっ⁉︎」
つづく?
なんて事が起こってましたとさ☆
読んでくださりありがとうございます◎
冒険者達だけではなく、職員達もティアに慣れてきています。
唯一残された常識人がマーナさんです。
サルバの冒険者達は、もうわかっていますね。
危険物の取り扱いには、充分に注意してください。
さて、ちょっとお仕置きしてやりますか。
ティアちゃんは既に楽しそうです。
キルシュも、実力を見せられるかもしれませんね。
では次回、また明日です。
よろしくお願いします◎
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キルシュの瞳に挑発的な光を見た男は、のそりと立ち上がり、ティア達の方へと数歩近付く。
「へんっ。見た所、貴族の坊ちゃんにしか見えねぇが?ガールフレンドを引き連れての遊びか?」
そう言って男は、その酒に酔った目を、キルシュの周りに向ける。そして、唐突にいやらしい笑みを浮かべた。
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男が目を向けたのは、あろうことかユフィアだった。それに気付いたベリアローズが、すかさずユフィアの前へと一歩踏み出し、その背に隠す。
「ベル様……」
「大丈夫だ」
今まで殆ど外へ出た経験のないユフィアだ。下心が透けて見える、男の目に晒された事もない。気味の悪い視線に小さく体を震わせたユフィアは、不安そうにベリアローズの服の端を掴んだ。
そんなユフィアを安心させるように、ベリアローズは少しだけ振り返ると、その綺麗な顔に穏やかな笑みを浮かべて見せた。
「なんだよ。兄ちゃん。彼女だったか?」
「婚約者だ」
「へぇっ。こりゃぁ、失敬した。だが……兄ちゃんにはもったいねぇなぁ」
「……死にたいのか?」
「なにぃ?」
これにはベリアローズも頭にきたようだ。静かな殺気が渦巻いていく。
「よくも姉上に、そんな目を……」
キルシュも、ユフィアに向ける男の目が気に入らなかったのだろう。何より。喧嘩を売った自分から目をそらされた事に苛立っていた。
「ふっ、ははっ、こりゃぁいい。女顔の、いかにもひ弱そうなマスターに、貴族の坊ちゃん達がデートで来るギルド……マジで平和ボケしてんじゃん」
これには、サルバの冒険者達も内心ピクリと反応した。だが、誰一人それを顔に出して動こうとする者はいない。
「はは、これだけ言われて、なんで怒んねぇの?」
「あれか?やっぱ、平和なんか?」
表情を変えない周りの冒険者達に、男の仲間達も顔を見合わせて笑みを見せた。そんな彼らに、親切にも説明をする為、エルヴァストがいつの間にか近付いていた。
「うむ。このサルバは、確かに平和だ」
「っ……」
エルヴァストの存在に気付いていなかった彼らは、ヒクリと息を呑む。
「ここの冒険者達は優秀でな。働き者が多い。よって、サルバ周辺の平和は、よく保たれているのだ」
うんうんと、周りの冒険者達は、怒りを治めながら、エルヴァストの言葉に耳を傾ける。
「だが、そんなサルバでも、平和が唐突に失われる場所……というか、失わせる者がいる」
「な、何を言ってやがる……」
エルヴァストの神妙な様子に、酔っていた男も、少しずつ冷静になっていく。
「これは、爆弾のような者でな。私達は、それを避ける心構えがいつでも出来ているのだが、お前達のような愚か者には、少々どころではない手痛い結果になるだろう。充分に気を付ける事だ」
そう言って、エルヴァストは数歩男達のいる場所から下がる。その表情には、本気の同情が窺えたのだが、それを男達が問うより先に、再びエルヴァストが口を開いた。
「いや、すまん。『今後』充分に気を付けるようにだった。今は……もはや手遅れだ」
「へ?」
いつの間にか、男達のいるテーブルの周りから、冒険者達はそれぞれのつくテーブルや椅子ごと、少々距離を置いていた。
彼らからまっすぐに道が出来るその先には、不敵に笑ったティアがいる。
「ふふっ、みんな、良くわかってるねぇ」
そう言ったティアに、サルバの冒険者達は、先ほどまでの苛立ちなど忘れてしまったように、楽しそうに返した。
「そりゃぁ、巻き添え食らう訳にいかんしなぁ」
「姫が考える事だからな」
「しっかり、仕置きを頼むぜ」
「威力の計算、間違えんでくれよ」
彼らは、既に無礼な余所者達を肴にする気満々だ。
「うんうん。さすがだわ。それじゃぁ、行ってみようっ」
「は?」
ここで、事態を把握できないのは、このサルバの恐ろしさを知らない男達だけだ。
「シェリー。良いよね?」
「勿論です。貴女の望むままに」
そう甘く笑みを浮かべたシェリスを確認したティアは、嬉しそうに男達へと向き直ると、手を後ろへと組んで言った。
「訓練場で叩きのめしてあげるよ」
その言葉が男達の耳に届いた時、ティアの前から突風が駆け抜ける。
その凶悪なまでの風は、他に被害を出す事なく、冒険者達がテーブルで作った道を真っ直ぐに通り、男達だけをまとめて吹き飛ばすと、背後の壁へと叩きつけたのだった。
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舞台裏のお話。
ルクス「クロノス」
クロノス「ええ、行きましょう」
マーナ「あら?お二人とも、ティアちゃんをあのままで良いのですか?」
ルクス「不本意ですが、傍にアレがいるなら、問題はないでしょう」
クロノス「ルクス……マスターと呼べば良いのでは……?」
ルクス「……良いんだ。気にするな。マーナさん。今、訓練場は空いていますか?」
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クロノス「なら、間に合いそうだな」
ルクス「ああ。では、訓練場をお借りします。それと、創工士が必要になると思いますので、手配をお願いします」
マーナ「は、はぁ……創工士ですか?あ……ティアちゃんがどこか……」
クロノス「ルクス。避難指示を出して来た。それと、やはりあの位置で間違いない」
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マーナ「あの?」
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マーナ「ちょっと、あなた達?」
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ルクス「ティアの事だから、観客席も壊さないように角度を考えるだろう。問題ないな」
マーナ「だから、なんなのっ⁉︎」
つづく?
なんて事が起こってましたとさ☆
読んでくださりありがとうございます◎
冒険者達だけではなく、職員達もティアに慣れてきています。
唯一残された常識人がマーナさんです。
サルバの冒険者達は、もうわかっていますね。
危険物の取り扱いには、充分に注意してください。
さて、ちょっとお仕置きしてやりますか。
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