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閑話2-9 双子の休暇②
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2018. 10. 30
**********
「思ったんだけど、この屋敷に侵入するより、学園に侵入した方が楽じゃないのかな?」
「だよね? それとも、これって遊びとか?」
この屋敷に侵入する者達の狙いは、間違いなくティアだ。本性を知っている身内としては、ティアに手を出そうなんて考えるだけでも正気を疑う。
けれど、外では未だティアは聖女で、深層の令嬢で、高嶺の花だ。
まさか、そんな彼女が時に高笑いしながら返り討ちにできるなんて思わないだろう。
屋敷に侵入できないならば、学園でと考えるのが普通ではないかと思うのだ。
「あ、兄さん達は知らないんだね。丁度いいから、そいつら捨ててくるついでに、頼んでいい?」
「「頼み?いいよ?」」
この際、気分転換にもなるし、学園街も見て回りたい。多少のお荷物があってもそこは気にならない。
「良かった」
「何すればいいの?」
「どこに行けばいいの?」
お買い物の一つくらいついでにこなすよと気分良く言った。
「学寮の、ベル様とエル様のお部屋の鉢植えに、水をやってきて欲しいんだ。ティア様のお部屋のは明日以降で大丈夫だから、お願いね」
「「水やり?」」
あれ、それは明日以降にも行けと言っていないだろうか。
「うん。はい。これが学園の見取り図。それで、ここがベル様達のお部屋で、この下がティア様のお部屋だから」
「「え、うんうん」」
そういえば、学園に行くのって初めてだ。受け取った見取り図を食い入るように二人で見つめる。
「ティア様も、兄さん達が暇そうだったら変わってもらえばいいって仰っていたし、訓練にもなるしね」
「「へぇ……えっ? どういう事?」」
一瞬、見取り図に夢中になり過ぎて流してしまった。訓練と聞こえた気がしたのだが、気のせいだろうか。
「大丈夫。ちょっと手強い訓練相手ってだけだから」
気のせいじゃなかった。
「意味が分かんないよ?」
「手強いってどれくらい?」
一体、どんな罠が?
「行けば分かるよ。あと、私でも三回に一回は失敗する。ティア様が『中々やる』って言うくらいだから」
「「Aランク任務!?」」
想像できない。ラキアが三回に一回失敗するとか、絶対Aランクどころじゃない。
「う~ん……Sに片足突っ込むかも」
やっぱり!!
「「それ、ムリ!!」」
死ねと言うのか。そこまで鬼畜な妹だっただろうか。
そうだったかもしれない。
次にボソッと呟かれた言葉に、反射的に『鬼畜!』と言いそうになった。
「ティア様に報こっ」
「「っ、行って来ますっ!!」」
「うん。ガンバってね」
久し振りに笑顔で見送られた。ちょっと感動。
「……ティア様の特訓に比べたらね……」
「……特別メニューをもらうくらいならね……」
今までの特訓の日々に比べれば、きっと楽だ。
「「うんっ」」
心を決めた。
既に『休暇』という文字は『遠征』とか『出張』に変わっていた。
◆ ◇ ◆
「あ、兄さん達。早かったじゃない」
帰ってきてすぐに笑顔で迎え入れてくれた妹に発した第一声はこれだ。
「「ッなんなのあそこっ!!」」
多分、Sランクどころでもない。
「何って、学園でしょ。どこ行って来たの?」
「そうだけど、そうだけどねっ!」
「ティア様の訓練以外で、あんなヒヤヒヤするの初めてだよ!」
涙目だ。だって怖かった。ティアやマティとの鬼ごっこよりもヒヤっとした。
「でも、水やり出来たんでしょ?」
「「ギリギリだったよ!」」
逃げ切れたのが奇跡だ。二度とやりたくない。むしろ、なんで自分達は誰にも見つからないように不法侵入したんだろう。別に正面から行って、水やりに来ましたと言えばよかったではないか。
「気配を消してても気付くんだよ!?」
「経路をどれだけ考えても、隙がほとんどないって、どういうこと!?」
「そこが良いんじゃない」
「「どこがっ!?」」
何度二人で『ここって学園だよね?』と確認し合っただろう。
因みに、捕まえた侵入者を行きに兵へ引き渡したのだが、出迎えてくれた騎士が爽やかな笑顔で『あ、伯爵家ですよね? お預かりします。ラキア様によろしくお伝えください』と言われた。
すっごく平和で、すっごく謎だった。
慣れ過ぎじゃないだろうか。
それに比べて、学園はあれだ。きっと『特殊訓練施設』なんだ。
「絶対に敵に回しちゃダメなやつだよ!」
「今なら、城にも余裕で侵入できる気がするよ!」
「まぁ、城の方が大分ランクが落ちるよ」
「「行った事あるのっ!?」」
冗談じゃないのは分かっているが、疑ってしまう。
「うん。あそこで一番手強いのは、エル様のお母様だもの」
「っ、どうゆうことっ!?」
「っ、何やってんのっ!?」
騎士でも兵でもなく、エルヴァストの母親。確かメイドのはずではないか。
メイドならありか。あれ? メイドって何だっけ?
大混乱だ。
「エル様のお手紙とか、お菓子の差し入れをビアンさんに届けてるんだよ」
「「っ、なんで、正面から行かないの!?」
「……なんでだろう……?」
「「ティア様ぁぁぁっ」」
間違いなく、自分たちは毒されている。
そして、二人にとっての休暇は『ちょっと刺激的な遠征訓練』という認識になった。
【双子の休暇 完】
**********
読んでくださりありがとうございます◎
次回、12時今回の最後です。
**********
「思ったんだけど、この屋敷に侵入するより、学園に侵入した方が楽じゃないのかな?」
「だよね? それとも、これって遊びとか?」
この屋敷に侵入する者達の狙いは、間違いなくティアだ。本性を知っている身内としては、ティアに手を出そうなんて考えるだけでも正気を疑う。
けれど、外では未だティアは聖女で、深層の令嬢で、高嶺の花だ。
まさか、そんな彼女が時に高笑いしながら返り討ちにできるなんて思わないだろう。
屋敷に侵入できないならば、学園でと考えるのが普通ではないかと思うのだ。
「あ、兄さん達は知らないんだね。丁度いいから、そいつら捨ててくるついでに、頼んでいい?」
「「頼み?いいよ?」」
この際、気分転換にもなるし、学園街も見て回りたい。多少のお荷物があってもそこは気にならない。
「良かった」
「何すればいいの?」
「どこに行けばいいの?」
お買い物の一つくらいついでにこなすよと気分良く言った。
「学寮の、ベル様とエル様のお部屋の鉢植えに、水をやってきて欲しいんだ。ティア様のお部屋のは明日以降で大丈夫だから、お願いね」
「「水やり?」」
あれ、それは明日以降にも行けと言っていないだろうか。
「うん。はい。これが学園の見取り図。それで、ここがベル様達のお部屋で、この下がティア様のお部屋だから」
「「え、うんうん」」
そういえば、学園に行くのって初めてだ。受け取った見取り図を食い入るように二人で見つめる。
「ティア様も、兄さん達が暇そうだったら変わってもらえばいいって仰っていたし、訓練にもなるしね」
「「へぇ……えっ? どういう事?」」
一瞬、見取り図に夢中になり過ぎて流してしまった。訓練と聞こえた気がしたのだが、気のせいだろうか。
「大丈夫。ちょっと手強い訓練相手ってだけだから」
気のせいじゃなかった。
「意味が分かんないよ?」
「手強いってどれくらい?」
一体、どんな罠が?
「行けば分かるよ。あと、私でも三回に一回は失敗する。ティア様が『中々やる』って言うくらいだから」
「「Aランク任務!?」」
想像できない。ラキアが三回に一回失敗するとか、絶対Aランクどころじゃない。
「う~ん……Sに片足突っ込むかも」
やっぱり!!
「「それ、ムリ!!」」
死ねと言うのか。そこまで鬼畜な妹だっただろうか。
そうだったかもしれない。
次にボソッと呟かれた言葉に、反射的に『鬼畜!』と言いそうになった。
「ティア様に報こっ」
「「っ、行って来ますっ!!」」
「うん。ガンバってね」
久し振りに笑顔で見送られた。ちょっと感動。
「……ティア様の特訓に比べたらね……」
「……特別メニューをもらうくらいならね……」
今までの特訓の日々に比べれば、きっと楽だ。
「「うんっ」」
心を決めた。
既に『休暇』という文字は『遠征』とか『出張』に変わっていた。
◆ ◇ ◆
「あ、兄さん達。早かったじゃない」
帰ってきてすぐに笑顔で迎え入れてくれた妹に発した第一声はこれだ。
「「ッなんなのあそこっ!!」」
多分、Sランクどころでもない。
「何って、学園でしょ。どこ行って来たの?」
「そうだけど、そうだけどねっ!」
「ティア様の訓練以外で、あんなヒヤヒヤするの初めてだよ!」
涙目だ。だって怖かった。ティアやマティとの鬼ごっこよりもヒヤっとした。
「でも、水やり出来たんでしょ?」
「「ギリギリだったよ!」」
逃げ切れたのが奇跡だ。二度とやりたくない。むしろ、なんで自分達は誰にも見つからないように不法侵入したんだろう。別に正面から行って、水やりに来ましたと言えばよかったではないか。
「気配を消してても気付くんだよ!?」
「経路をどれだけ考えても、隙がほとんどないって、どういうこと!?」
「そこが良いんじゃない」
「「どこがっ!?」」
何度二人で『ここって学園だよね?』と確認し合っただろう。
因みに、捕まえた侵入者を行きに兵へ引き渡したのだが、出迎えてくれた騎士が爽やかな笑顔で『あ、伯爵家ですよね? お預かりします。ラキア様によろしくお伝えください』と言われた。
すっごく平和で、すっごく謎だった。
慣れ過ぎじゃないだろうか。
それに比べて、学園はあれだ。きっと『特殊訓練施設』なんだ。
「絶対に敵に回しちゃダメなやつだよ!」
「今なら、城にも余裕で侵入できる気がするよ!」
「まぁ、城の方が大分ランクが落ちるよ」
「「行った事あるのっ!?」」
冗談じゃないのは分かっているが、疑ってしまう。
「うん。あそこで一番手強いのは、エル様のお母様だもの」
「っ、どうゆうことっ!?」
「っ、何やってんのっ!?」
騎士でも兵でもなく、エルヴァストの母親。確かメイドのはずではないか。
メイドならありか。あれ? メイドって何だっけ?
大混乱だ。
「エル様のお手紙とか、お菓子の差し入れをビアンさんに届けてるんだよ」
「「っ、なんで、正面から行かないの!?」
「……なんでだろう……?」
「「ティア様ぁぁぁっ」」
間違いなく、自分たちは毒されている。
そして、二人にとっての休暇は『ちょっと刺激的な遠征訓練』という認識になった。
【双子の休暇 完】
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読んでくださりありがとうございます◎
次回、12時今回の最後です。
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