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連載
閑話1の舞台裏では……③
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再編集2018.9.9
ーーーーーーーーーーー
カルツォーネ「案外呆気なく終わってしまったから
少し調査もしていこうかな。
付き合ってくれるかい?」
ゲイル 「いいぜ。けど、本当に妙な森だな……
見たこともねぇ植物ばっかだぜ……」
クロノス 「………」
ゲイル 「おい、クロ。お前
さっきから何してんだ?」
クロノス 「あ、はい。
目についた植物や薬草を
スケッチしております」
ゲイル 「スケッチ?」
カルツォーネ 「どれどれ……うわっ、上手い……」
クロノス 「ありがとうございます。
ティア様にも以前、褒めていただきました」
カルツォーネ 「……君、有能過ぎやしないかい?
ティアの役に立ち過ぎて……あれ?
でも、シェリーにマークされてないよね?」
ゲイル 「そう言やぁ……
こんだけ嬢ちゃんの名前を連呼してたら
目ぇつけられててもおかしくねぇ……」
クロノス 「マスターにはたまに
便利屋と呼ばれますが……
それが関係あるのでしょうか?」
カルツォーネ 「……それだね……
ティアの道具でしかないと……
そう言う事か……」
ゲイル 「ルクスみてぇに
ティア嬢ちゃんを恋愛対象に
してねぇってのもあるだろうな……」
クロノス 「はいっ。私は、
ティア様の道具でありたいのです」
カル・ゲイル 「「道具……」」
カルツォーネ 「なんだろうね……
言っている事は異常な気がするのに
あの爽やかさを見ると
寧ろ清らかささえ感じるよ……」
ゲイル 「玩具ではないってぇのが
ミソかもな……
三バカとも違う
純粋な信仰心を感じるぜ……」
クロノス 「そんな……
確かに信仰に近いですが
まだまだティア様に
ご満足いただける程には
役に立っていません。
これからも精進してまいります」
ゲイル 「お、おう……」
カルツォーネ 「ティアって
なんだってこういう人種に
好かれるのだろうね……」
ーーーーーーーーーー
それは女神だから?
一応、ここでキリです。
クロちゃんは立派な騎士になっていましたって事が伝わればいいなというエピソードでした。
~~~~~~~~~~
おまけ秘話1
立派な騎士を目指し進化を続けるクロノスの一方で
サラちゃんは、マティによく遊ばれます。
マティの玩具だと言っても過言ではありませんっ。
むしろ玩具ですっ!
というお話をどうぞ!!
ザラン 「っおい!」
あ、そっか。
マティのお嫁さんにすればいいですね。
マティ 《わぁい。
ゴハンにする?ボールにする?的にする?》
ザラン 「最初のゴハンさえ
嫌な予感がすんぞっ!」
ティア 「うん?あぁ、サラちゃん。
マティのゴハン取って来てね。 ちょっくらAランクの森まで☆」
ザラン 「俺のメシじゃねぇのかよ!」
ティア 「だって、サラちゃんがお嫁さんじゃん」
ザラン 「…………ゴハンにする?」
マティ 《そうする~ぅ》
ザラン 「……うぅ……(涙)」
微笑ましい家庭が見えました。
ーーーーーーーーーーー
おまけ秘話2
これは、ドーバン侯爵家から引き取られたメイド
アリシアとベティが
ラキアちゃんに指導を受けている所。
メイドさん教育の現場を覗いてみました。
ラキア 「ほら、そのような手付きでは
いつまでも終わりませんよ」
アリシア 「うぅ、だって、
料理なんてしたことありませんもん……」
ラキア 「なんと無能な。
メイドならば、
万が一屋敷が焼失、崩壊した時に備え
野営料理くらいは出来て当たり前ですよ」
ベティ 「そんな事
そうそうあり得ませんよ~ぉぉぉ」
ラキア 「何を言うのです?
日々警戒に当たるのが普通でしょう」
アリ・べ 「「普通じゃないですっ」」
ラキア 「おかしいですねぇ……
っ、まさか火消しと屋敷の修繕訓練も
受けた事がないのでは?」
アリシア 「……なんですか?それ…」
ベティ 「……訓練って?」
ラキア 「っなんとっ!
あなた達はいったい
今まで何をやってきたのですかっ!?」
アリ・べ 「「……普通のメイドです……」」
ラキア 「普通、メイドならば
そこのカチカの実も
軽くナイフで割れる筈でしょう」
アリシア 「出来ませんって、普通って何ですかっ?
外で斧を使って割る固い実なんですよ?」
ベティ 「そうです。こんなナイフじゃ、
男の人でも絶対に無理ですよっ!」
ラキア 「軟弱な……奥様でもやりますよ?」
アリシア 「どんな奥様ですか……」
ベティ 「きっと、筋肉ムキムキです」
ラキア 「失礼な!
奥様はどんなご婦人よりも可憐で
可愛らしいお方です。
よく見ていなさい」
アリシア 「ですから、
そんなナイフじゃ……え……」
ベティ 「……割れた……」
ラキア 「ほらご覧なさい。
斧など使っては
中の実まで潰れてしまうではありませんか。
ナイフが一番です」
アリ・べ 「「……ありえないんですけど……」」
ラキア 「さぁ、あなた達もやってみなさい」
アリ・べ 「「ムリです!」」
ラキア 「その言葉は、
息が絶える時にしか言ってはいけません。
習わなかったのですか?」
アリシア 「誰にですかっ!」
ベティ 「息が絶えるって……死ぬ時に普通、
言いませんよ?」
ラキア 「それくらいの覚悟をした時に
口にしろと言っているのです。
その前に大抵の事は出来るようになります」
アリ・べ 「「………」」
ラキア 「なんです?」
アリシア 「いえ。今の言葉……感動しました」
ベティ 「私も……尊敬します」
ラキア 「当然です。これは、
私が尊敬する方々からいただいた言葉ですから」
アリ・べ 「「ど、どなたです……?」」
ラキア 「ティア様と、当家の家令です」
アリシア 「……ティア様って、あの女の子よね?」
ベティ 「うん。その家令に、
小さい時に言われたんじゃない?
すごく活発そうな子だったし」
アリシア 「だよね。
だって、いくらなんでもあんな小さな子が……」
ベティ 「でも、小さな女王様だったよね……」
アリシア 「……言いそう?」
ベティ 「……言いそう……」
ラキア 「何をコソコソと言っているのです?
早くやりますよ。
悠長にしていたら、夕食に間に合いません」
アリシア 「は、はいっ……って、何ですか、
その技はっ!? は、速っ!」
ベティ 「スゴイ……芋の皮が
薄いリボンみたいに宙に舞ってる……曲芸?」
アリシア 「え?あれ?ナイフじゃない?」
ベティ 「むしろ、刃物なの?」
ラキア 「これはクナイです。
あなた達にはまだ早いですからね。
そこにあるのを使ってください」
アリシア 「いえ……はい。
普通のナイフで充分です……」
ベティ 「普通にしかできません……」
ラキア 「これが普通なのですが……
他のお屋敷の普通は、変わっていますね」
アリシア 「……普通ってのが
何か分からなくなってきた……」
ベティ 「うん……私達が普通なんだよね?」
アリ・べ 「「……普通って……?」
~~~~~~~~~~
ユフィア 「あの……ラキアさん?
私にも何か出来る事はあるかしら?」
ラキア 「ユフィア様。
お勉強は終わられましたか?」
ユフィア 「あ、まだなのだけれど……
その、少し分らない所もあって……」
ラキア 「おや。では、それはベル様が
お戻りになりましたら、
是非お訊ねください。
必ずや、疑問を解消出来る
素晴らしい解答をくださる事でしょう」
ユフィア 「そ、そうね。そうさせていただくわ」
ラキア 「では、今のうちに
お聞きになりたい事を
書き留めいただいて……
こちらの白紙帳をお使いください」
ユフィア 「いいの?
なんだか可愛らしい花も描かれているわ。
こんな綺麗な表紙の白紙帳なんて……」
ラキア 「いいえ。これでなくてはなりません。
そうですね……
お手すきの時に
是非ともこの花と花言葉を
お調べになられると良いでしょう」
ユフィア 「花と……花言葉?
あ、あっちに本があったわね。
分かったわ。ありがとう」
ベティ 「……凄く素敵な白紙帳だったね……」
アリシア 「うん……メモ紙で十分だもんね。
すぐ捨てちゃうし」
ラキア 「分かっていませんね。
あれは記録なのです。
人生の軌跡を記すべきものです。
そして、あれは当伯爵家に伝わる
伝統ある白紙帳なのです」
アリ・べ 「「で、伝統の……」」
ラキア 「そうです。こんな事もあろうかと
常に持ち歩いていましたが……
やはり間違いではなかったのですね……
これで、伯爵家も安泰です」
アリシア 「そんなに凄いもの……」
ベティ 「あれ一つで安泰なんて……
なんか凄い魔導具の一種とか?」
アリシア 「そ、そっか。あり得るよね」
ラキア 「はい?魔導具ではありませんよ?
ただの白紙帳です」
アリシア 「「伝統あるって
言ったじゃないですかっ!」」
ラキア 「あの花の絵に意味はありますが
ただの白紙帳です。
勿論、これから素晴らしい物へと
変貌していきますが……」
アリ・べ 「「す、素晴らしい物……」」
ラキア 「はい。その名も『愛伝紙帳』!
日々、手渡し、手渡され、
言葉では言えない想いを綴り、伝える!
こうして、愛を確かめながら、
夫婦となるその時までの軌跡を
綴ってゆくのですっ!」
アリ・べ 「「っステキっ!」」
ラキア 「そう。忘れてはいけませんっ。
私たちの仕事は
主人と主家の幸せをサポートする事ですっ」
アリ・べ 「「はいっ」」
ラキア 「理解したなら
さっさと手を動かしなさいっ。
主人の為に、最高の料理を提供するのですっ」
アリ・べ 「「っわ、わかりましたっ」」
ラキア 「返事はハッキリっ。
迷い無くなさいっ!」
アリ・べ 「「イエッサー!!」」
ラキア 「……おかしいですね……
そんな返事は聞いた事がありません…」
こうして常識は塗り替えられていきます。
つづく
ーーーーーーーーーーー
カルツォーネ「案外呆気なく終わってしまったから
少し調査もしていこうかな。
付き合ってくれるかい?」
ゲイル 「いいぜ。けど、本当に妙な森だな……
見たこともねぇ植物ばっかだぜ……」
クロノス 「………」
ゲイル 「おい、クロ。お前
さっきから何してんだ?」
クロノス 「あ、はい。
目についた植物や薬草を
スケッチしております」
ゲイル 「スケッチ?」
カルツォーネ 「どれどれ……うわっ、上手い……」
クロノス 「ありがとうございます。
ティア様にも以前、褒めていただきました」
カルツォーネ 「……君、有能過ぎやしないかい?
ティアの役に立ち過ぎて……あれ?
でも、シェリーにマークされてないよね?」
ゲイル 「そう言やぁ……
こんだけ嬢ちゃんの名前を連呼してたら
目ぇつけられててもおかしくねぇ……」
クロノス 「マスターにはたまに
便利屋と呼ばれますが……
それが関係あるのでしょうか?」
カルツォーネ 「……それだね……
ティアの道具でしかないと……
そう言う事か……」
ゲイル 「ルクスみてぇに
ティア嬢ちゃんを恋愛対象に
してねぇってのもあるだろうな……」
クロノス 「はいっ。私は、
ティア様の道具でありたいのです」
カル・ゲイル 「「道具……」」
カルツォーネ 「なんだろうね……
言っている事は異常な気がするのに
あの爽やかさを見ると
寧ろ清らかささえ感じるよ……」
ゲイル 「玩具ではないってぇのが
ミソかもな……
三バカとも違う
純粋な信仰心を感じるぜ……」
クロノス 「そんな……
確かに信仰に近いですが
まだまだティア様に
ご満足いただける程には
役に立っていません。
これからも精進してまいります」
ゲイル 「お、おう……」
カルツォーネ 「ティアって
なんだってこういう人種に
好かれるのだろうね……」
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それは女神だから?
一応、ここでキリです。
クロちゃんは立派な騎士になっていましたって事が伝わればいいなというエピソードでした。
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おまけ秘話1
立派な騎士を目指し進化を続けるクロノスの一方で
サラちゃんは、マティによく遊ばれます。
マティの玩具だと言っても過言ではありませんっ。
むしろ玩具ですっ!
というお話をどうぞ!!
ザラン 「っおい!」
あ、そっか。
マティのお嫁さんにすればいいですね。
マティ 《わぁい。
ゴハンにする?ボールにする?的にする?》
ザラン 「最初のゴハンさえ
嫌な予感がすんぞっ!」
ティア 「うん?あぁ、サラちゃん。
マティのゴハン取って来てね。 ちょっくらAランクの森まで☆」
ザラン 「俺のメシじゃねぇのかよ!」
ティア 「だって、サラちゃんがお嫁さんじゃん」
ザラン 「…………ゴハンにする?」
マティ 《そうする~ぅ》
ザラン 「……うぅ……(涙)」
微笑ましい家庭が見えました。
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おまけ秘話2
これは、ドーバン侯爵家から引き取られたメイド
アリシアとベティが
ラキアちゃんに指導を受けている所。
メイドさん教育の現場を覗いてみました。
ラキア 「ほら、そのような手付きでは
いつまでも終わりませんよ」
アリシア 「うぅ、だって、
料理なんてしたことありませんもん……」
ラキア 「なんと無能な。
メイドならば、
万が一屋敷が焼失、崩壊した時に備え
野営料理くらいは出来て当たり前ですよ」
ベティ 「そんな事
そうそうあり得ませんよ~ぉぉぉ」
ラキア 「何を言うのです?
日々警戒に当たるのが普通でしょう」
アリ・べ 「「普通じゃないですっ」」
ラキア 「おかしいですねぇ……
っ、まさか火消しと屋敷の修繕訓練も
受けた事がないのでは?」
アリシア 「……なんですか?それ…」
ベティ 「……訓練って?」
ラキア 「っなんとっ!
あなた達はいったい
今まで何をやってきたのですかっ!?」
アリ・べ 「「……普通のメイドです……」」
ラキア 「普通、メイドならば
そこのカチカの実も
軽くナイフで割れる筈でしょう」
アリシア 「出来ませんって、普通って何ですかっ?
外で斧を使って割る固い実なんですよ?」
ベティ 「そうです。こんなナイフじゃ、
男の人でも絶対に無理ですよっ!」
ラキア 「軟弱な……奥様でもやりますよ?」
アリシア 「どんな奥様ですか……」
ベティ 「きっと、筋肉ムキムキです」
ラキア 「失礼な!
奥様はどんなご婦人よりも可憐で
可愛らしいお方です。
よく見ていなさい」
アリシア 「ですから、
そんなナイフじゃ……え……」
ベティ 「……割れた……」
ラキア 「ほらご覧なさい。
斧など使っては
中の実まで潰れてしまうではありませんか。
ナイフが一番です」
アリ・べ 「「……ありえないんですけど……」」
ラキア 「さぁ、あなた達もやってみなさい」
アリ・べ 「「ムリです!」」
ラキア 「その言葉は、
息が絶える時にしか言ってはいけません。
習わなかったのですか?」
アリシア 「誰にですかっ!」
ベティ 「息が絶えるって……死ぬ時に普通、
言いませんよ?」
ラキア 「それくらいの覚悟をした時に
口にしろと言っているのです。
その前に大抵の事は出来るようになります」
アリ・べ 「「………」」
ラキア 「なんです?」
アリシア 「いえ。今の言葉……感動しました」
ベティ 「私も……尊敬します」
ラキア 「当然です。これは、
私が尊敬する方々からいただいた言葉ですから」
アリ・べ 「「ど、どなたです……?」」
ラキア 「ティア様と、当家の家令です」
アリシア 「……ティア様って、あの女の子よね?」
ベティ 「うん。その家令に、
小さい時に言われたんじゃない?
すごく活発そうな子だったし」
アリシア 「だよね。
だって、いくらなんでもあんな小さな子が……」
ベティ 「でも、小さな女王様だったよね……」
アリシア 「……言いそう?」
ベティ 「……言いそう……」
ラキア 「何をコソコソと言っているのです?
早くやりますよ。
悠長にしていたら、夕食に間に合いません」
アリシア 「は、はいっ……って、何ですか、
その技はっ!? は、速っ!」
ベティ 「スゴイ……芋の皮が
薄いリボンみたいに宙に舞ってる……曲芸?」
アリシア 「え?あれ?ナイフじゃない?」
ベティ 「むしろ、刃物なの?」
ラキア 「これはクナイです。
あなた達にはまだ早いですからね。
そこにあるのを使ってください」
アリシア 「いえ……はい。
普通のナイフで充分です……」
ベティ 「普通にしかできません……」
ラキア 「これが普通なのですが……
他のお屋敷の普通は、変わっていますね」
アリシア 「……普通ってのが
何か分からなくなってきた……」
ベティ 「うん……私達が普通なんだよね?」
アリ・べ 「「……普通って……?」
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ユフィア 「あの……ラキアさん?
私にも何か出来る事はあるかしら?」
ラキア 「ユフィア様。
お勉強は終わられましたか?」
ユフィア 「あ、まだなのだけれど……
その、少し分らない所もあって……」
ラキア 「おや。では、それはベル様が
お戻りになりましたら、
是非お訊ねください。
必ずや、疑問を解消出来る
素晴らしい解答をくださる事でしょう」
ユフィア 「そ、そうね。そうさせていただくわ」
ラキア 「では、今のうちに
お聞きになりたい事を
書き留めいただいて……
こちらの白紙帳をお使いください」
ユフィア 「いいの?
なんだか可愛らしい花も描かれているわ。
こんな綺麗な表紙の白紙帳なんて……」
ラキア 「いいえ。これでなくてはなりません。
そうですね……
お手すきの時に
是非ともこの花と花言葉を
お調べになられると良いでしょう」
ユフィア 「花と……花言葉?
あ、あっちに本があったわね。
分かったわ。ありがとう」
ベティ 「……凄く素敵な白紙帳だったね……」
アリシア 「うん……メモ紙で十分だもんね。
すぐ捨てちゃうし」
ラキア 「分かっていませんね。
あれは記録なのです。
人生の軌跡を記すべきものです。
そして、あれは当伯爵家に伝わる
伝統ある白紙帳なのです」
アリ・べ 「「で、伝統の……」」
ラキア 「そうです。こんな事もあろうかと
常に持ち歩いていましたが……
やはり間違いではなかったのですね……
これで、伯爵家も安泰です」
アリシア 「そんなに凄いもの……」
ベティ 「あれ一つで安泰なんて……
なんか凄い魔導具の一種とか?」
アリシア 「そ、そっか。あり得るよね」
ラキア 「はい?魔導具ではありませんよ?
ただの白紙帳です」
アリシア 「「伝統あるって
言ったじゃないですかっ!」」
ラキア 「あの花の絵に意味はありますが
ただの白紙帳です。
勿論、これから素晴らしい物へと
変貌していきますが……」
アリ・べ 「「す、素晴らしい物……」」
ラキア 「はい。その名も『愛伝紙帳』!
日々、手渡し、手渡され、
言葉では言えない想いを綴り、伝える!
こうして、愛を確かめながら、
夫婦となるその時までの軌跡を
綴ってゆくのですっ!」
アリ・べ 「「っステキっ!」」
ラキア 「そう。忘れてはいけませんっ。
私たちの仕事は
主人と主家の幸せをサポートする事ですっ」
アリ・べ 「「はいっ」」
ラキア 「理解したなら
さっさと手を動かしなさいっ。
主人の為に、最高の料理を提供するのですっ」
アリ・べ 「「っわ、わかりましたっ」」
ラキア 「返事はハッキリっ。
迷い無くなさいっ!」
アリ・べ 「「イエッサー!!」」
ラキア 「……おかしいですね……
そんな返事は聞いた事がありません…」
こうして常識は塗り替えられていきます。
つづく
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