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ミッション10 子ども達の成長
396 誘われるもん!
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リザフトとリューラが姿を消した時には、フィルズは屋敷に戻っていた。談話室で、スクリーンを見ながら祈りを捧げるようにしているのは、ユゼリアとワンザだ。
もちろん、広場にいる人々も全員、リザフト達が消えた場所に向けて祈りを捧げていた。今は驚くほど静まり返っている。城の中に居る者達も同じだ。一部の者を除き、スクリーンに向けて、祈りを捧げていた。それをしない一部の者達は、ただ呆然と見つめるだけ。信じられないものを見たという感覚なのだろう。
一方、談話室に居るセルジュとエンリアントは、すでに顔を上げていた。セルジュはもちろんだが、エンリアントも早い段階からここに出入りしていたため、リザフトやリューラとも顔を合わせている。さすがに初めて遭遇した時は言葉も出なかったし、相当驚いていたが、今は敬意を忘れてはいないが、ちょっと遊びに来る偉い人くらいの認識になっている。
ファスター王が気軽にやってくる場所であることもあり、一々驚いたり、跪いてはいられない。そんな態度を神々も望んではいなかった。
「あ、フィル。お帰り」
フィルズに気付いたセルジュが笑顔を向ける。
「ただいま。そろそろ腹減っただろ。ちょい遅いが、昼飯にしようぜ。これから広場でも出す新商品な。リザフト達ももうすぐ来るだろう」
そう言って、調理場に歩き出していれば、談話室のドアを開けてリザフトとリューラが入ってくる。ビズの所に残っていたはずのジュエルとハナをそれぞれ抱えていた。金色のクマは来ていない。
「いやあ、久し振りにあんな大勢の前で喋ったよ~」
「フィル! どうだったかしら。やっぱり、空から行ったのは正解よね?」
「ん? そうだな。すげえ、らしかった。やっぱ、カッコいいよ」
「でしょう? リザフトったら、最初、舞台の上にいきなり現れる気だったのよ?」
「情緒がねえな」
「そうよねっ!」
「えー」
リザフトは肩を落とし、リューラは胸を張った。そこに、セルジュも口を開く。
「ふふっ。リューラ様があれに乗って空から現れるのは、とても神秘的で美しかったです。あの場面をフィルに絵に描いて欲しいと思いました」
「まあっ。ふふっ。それはステキね。フィル。気が向いたらでいいわ。描いてちょうだい」
「あ~、うん。俺もあれは残したいと思ったからいいぜ」
そんな話をしていると、広場の方にゆっくりとざわめきが戻ってくるのが確認できた。そこで、神殿長が前に出る。
『今回のことで、消えた加護を嘆くのではなく、自分の何がそうさせてしまったのかを考えてください。もちろん、それは誰もに言えます。常に考えて行きましょう。そして、可能性を見つけていきましょう』
これに多くの者が真剣な顔で頷いていた。
「良い顔だねえ」
「ふふふっ。本当に」
リザフトとリューラも席に着きながら、そんな愛しい子ども達の様子を満足げに見て笑っていた。
◆ ◆ ◆
広場では、リーリルが終了を宣言する。
『これにて、商業ギルド主催、公開審判を終了いたします。ありがとうございました』
「「「「「おお~」」」」」
「「「「「ありがとう~」」」」」
充分に間を置いてから、次にクラルスが前に出た。
『では、これよりはセイスフィア商会が取り仕切らせていただきます!』
そう宣言したクラルスは、一瞬で衣装を変えた。柔らかな黄色い服。メガネは胸ポケットにしまい、白い手袋でマイクを持つ。
『お時間がある方々は、是非この後もしばらくお付き合いください!』
「何するの!?」
「あっ! いつものクーちゃんだ!」
「「「「「クーちゃ~ん!!」」」」」
「クーちゃんって、あの女の人のこと? 可愛いね」
「セイスフィア商会かあ、まだ俺行ってないわ」
「うそ! お前っ! なんなら今から行くか!? 行かないなんてもったいないぞ!」
「あの公爵領のよね? 王都にもできたの?」
「え~、公爵領より、王都に来る方が近いじゃない。やった!」
先ほどまでの静かさはどこに行ったのかという程、観客達は大騒ぎしている。
『さあ、みなさん。そろそろお腹が空いて来た頃かと思います。屋台の物はもう楽しまれましたか?』
「まだ~」
「食べたよー!」
「美味しかった!」
「まだでーす!」
クラルスの声で、雰囲気が一気に変わったのを感じた観客達は、楽しそうに返事を返していた。
『それでは! まずは今日お披露目した屋台の食べ物についてご説明します!』
スクリーンに、屋台の料理が一つずつ出てきて、それの解説をしていく。因みに、この時には舞台の上に居るのはクラルスだけになっていた。
『これだけじゃちょっと足りないわ~って方も居るかな? そんな方達に朗報! 新たにこれより広場の各所に売り場を用意して出す商品があります! それがこちら!』
「え? パン?」
「なんか挟んである……」
「やべえ……うまそう!」
スクリーンに出たのは、つい先日、売り出しが決まったコッペパンシリーズだった。
『今回、発表するこちらは、コッペパンシリーズ! 第一弾として、三種類をご用意しました!』
三分割されて表示された三種類のパン。順に説明していく。
『一つ目は、煮詰めて甘くなったアプラの実を挟んだ、おやつにもピッタリな一品。アプラーナです。シャリっと歯応えも残っているアプラは、煮詰めたことであの独特な酸っぱさがほとんどなくなります。さっぱりと食べてしまえる上品な甘酸っぱさはやみつきになること間違いなしです!』
「甘いって……どれくらい甘いのかしら……」
「お貴族様達が食べるお菓子みたいな? 甘いの?」
「アプラか……酸っぱいのよね。それが甘い……気になる……」
女性達の反応が良かった。
『二つ目は、ボリューム満点! かつて、賢者様方が居た時代、その賢者様達も愛したといわれる、『焼きそば』という料理。それを再現し、挟んだ一品です。その名も焼きそばパン! 中に挟んだ麺と呼ばれる長いものは、モチモチで甘辛いソースが染み込んでいます。葉物野菜と薄切りのお肉が一緒に入っており、挟んである中身だけでも満足できるしっかりとしたお料理のお惣菜パンです!』
「あれ……マジでうまそう……」
「さっきからなんか……香ばしい匂いしてんだけど、それかな……」
「やべえ……茶色いけど、うまそう……」
こちらは男性がしっかりと興味を持ったようだ。
『三つ目は、野菜を詰め込んだ、栄養満点な一品。サラダパンAです! 今回は、たっぷりなポテイモのサラダとリタースを挟みました。ポテイモのサラダの中には、細かく刻まれた野菜が幾つも入っており、食感と色合いも楽しめるものになっています!』
「ポテイモのサラダ! あれ好き!」
「え? なにそれ」
「知らないの? お惣菜? のお店でね、売ってたの。セイスフィア商会のセイルブロードにある店で!」
「なんか可愛いわね。赤いのは……ネンシンかしら」
「黄色のはクルフね!」
にんじんは四角く小さく切られて入れられており、コーンも鮮やかな黄色。そこにレタスがひらひらと挟み込まれていて、彩りが美しい。
『パン自体も、セイスフィア商会特製のフワフワ、もっちりとしたもので、一度食べたら虜になる美味しさですよ!』
「パンね! セイスフィア商会のパンは違うものね!」
「あのパンはダメよ! もう前のを食べられないもの!」
「一日一つでいいから食べたくなるのよね! そんなに高くないし、毎食食べてるけど!」
「ヤバいよな……あのパン」
「マジで、匂いだけでヨダレ出るもんよ」
「分かる。今までのパン屋はもう行けねえわ」
「あの匂いね! 反則よね! 誘われるもん!」
パン狂いは着々と誕生しているようだ。
『このコッペパン! 今日からひと月、毎日各種五百個をセイスフィア商会のセイルブロードのパン屋さんで販売します! た、だ、し、購入制限で、おひとり様、二つまでとさせていただきます! そして! このコッペパンの包み紙の中に……』
スクリーンに、包み紙に包まれているコッペパンが映り、その底の部分が見せられた。そこに、セイスフィア商会のマークの入った小さなカードがある。
『このカードが五百個の内、三個に入っています。これを、敷地内に居るクマに渡すと、セイルブロード内で使える商品券がもらえます!』
「え!」
「いくらだろう」
「え、でも、お金もらえるようなものでしょう?」
「店で買い物する時に引き換えればいいから助かるな」
その日にもらって、その日に使うなら、強盗に遭うこともない。セイルブロードの中は、警備がしっかりしているからだ。変に限定品なんて渡せば、家を特定されて襲われる可能性もない事もない。だからフィルズも商品券にしたのだ。
『今日、これからお売りするコッペパンの中にもいくつか入っています。でも、どうか、家まで秘密にしてくださいね』
口元に人差し指を立てて見せるクラルス。安全を考えるならバレないようにと伝えていた。
『さて、これよりは、セイスフィア商会のご紹介映像を流していきます! お時間のある方々はゆっくりご覧になってください。因みに今日のコッペパンは、各種数千は用意しています。そして、特別に購入制限はおひとり様三つまでです!』
「やった!」
「やっぱ、三つとも欲しいもんね!」
「絶対買う!」
これぞ罠だ。
『三種類ひとつずつお買い上げの場合は、三種セットとご注文を。では、みなさま、良い午後をお過ごしください。またお会いしましょう。ごきげんよう!』
「「「「「ごきげよう~」」」」」
もう少しで日も傾きだす。夕食用に買い求める者は多いだろう。そして、売り場を散らばらせたことで、動線を分け、安全に広場から解散してもらうことができそうだ。
こうして、広場での初めての民間によるイベントは終わった。
しかし、王城内ではまだ終わりとはいかない。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
本日、最新第6巻が出荷されました。
今回はこのシリーズ初の書き下ろしの番外編
が入っております。
かなりのページなので満足していただけると思います。
特定の書店様だけのSSには
この番外編にチラリと出てくるある人物
次の章でも出てきて気になるあの子が
メインになっています。
SS配布の書店さんが近くにある方々は
そちらもお楽しみください。
では、第6巻もよろしくお願いします◎
紫南
もちろん、広場にいる人々も全員、リザフト達が消えた場所に向けて祈りを捧げていた。今は驚くほど静まり返っている。城の中に居る者達も同じだ。一部の者を除き、スクリーンに向けて、祈りを捧げていた。それをしない一部の者達は、ただ呆然と見つめるだけ。信じられないものを見たという感覚なのだろう。
一方、談話室に居るセルジュとエンリアントは、すでに顔を上げていた。セルジュはもちろんだが、エンリアントも早い段階からここに出入りしていたため、リザフトやリューラとも顔を合わせている。さすがに初めて遭遇した時は言葉も出なかったし、相当驚いていたが、今は敬意を忘れてはいないが、ちょっと遊びに来る偉い人くらいの認識になっている。
ファスター王が気軽にやってくる場所であることもあり、一々驚いたり、跪いてはいられない。そんな態度を神々も望んではいなかった。
「あ、フィル。お帰り」
フィルズに気付いたセルジュが笑顔を向ける。
「ただいま。そろそろ腹減っただろ。ちょい遅いが、昼飯にしようぜ。これから広場でも出す新商品な。リザフト達ももうすぐ来るだろう」
そう言って、調理場に歩き出していれば、談話室のドアを開けてリザフトとリューラが入ってくる。ビズの所に残っていたはずのジュエルとハナをそれぞれ抱えていた。金色のクマは来ていない。
「いやあ、久し振りにあんな大勢の前で喋ったよ~」
「フィル! どうだったかしら。やっぱり、空から行ったのは正解よね?」
「ん? そうだな。すげえ、らしかった。やっぱ、カッコいいよ」
「でしょう? リザフトったら、最初、舞台の上にいきなり現れる気だったのよ?」
「情緒がねえな」
「そうよねっ!」
「えー」
リザフトは肩を落とし、リューラは胸を張った。そこに、セルジュも口を開く。
「ふふっ。リューラ様があれに乗って空から現れるのは、とても神秘的で美しかったです。あの場面をフィルに絵に描いて欲しいと思いました」
「まあっ。ふふっ。それはステキね。フィル。気が向いたらでいいわ。描いてちょうだい」
「あ~、うん。俺もあれは残したいと思ったからいいぜ」
そんな話をしていると、広場の方にゆっくりとざわめきが戻ってくるのが確認できた。そこで、神殿長が前に出る。
『今回のことで、消えた加護を嘆くのではなく、自分の何がそうさせてしまったのかを考えてください。もちろん、それは誰もに言えます。常に考えて行きましょう。そして、可能性を見つけていきましょう』
これに多くの者が真剣な顔で頷いていた。
「良い顔だねえ」
「ふふふっ。本当に」
リザフトとリューラも席に着きながら、そんな愛しい子ども達の様子を満足げに見て笑っていた。
◆ ◆ ◆
広場では、リーリルが終了を宣言する。
『これにて、商業ギルド主催、公開審判を終了いたします。ありがとうございました』
「「「「「おお~」」」」」
「「「「「ありがとう~」」」」」
充分に間を置いてから、次にクラルスが前に出た。
『では、これよりはセイスフィア商会が取り仕切らせていただきます!』
そう宣言したクラルスは、一瞬で衣装を変えた。柔らかな黄色い服。メガネは胸ポケットにしまい、白い手袋でマイクを持つ。
『お時間がある方々は、是非この後もしばらくお付き合いください!』
「何するの!?」
「あっ! いつものクーちゃんだ!」
「「「「「クーちゃ~ん!!」」」」」
「クーちゃんって、あの女の人のこと? 可愛いね」
「セイスフィア商会かあ、まだ俺行ってないわ」
「うそ! お前っ! なんなら今から行くか!? 行かないなんてもったいないぞ!」
「あの公爵領のよね? 王都にもできたの?」
「え~、公爵領より、王都に来る方が近いじゃない。やった!」
先ほどまでの静かさはどこに行ったのかという程、観客達は大騒ぎしている。
『さあ、みなさん。そろそろお腹が空いて来た頃かと思います。屋台の物はもう楽しまれましたか?』
「まだ~」
「食べたよー!」
「美味しかった!」
「まだでーす!」
クラルスの声で、雰囲気が一気に変わったのを感じた観客達は、楽しそうに返事を返していた。
『それでは! まずは今日お披露目した屋台の食べ物についてご説明します!』
スクリーンに、屋台の料理が一つずつ出てきて、それの解説をしていく。因みに、この時には舞台の上に居るのはクラルスだけになっていた。
『これだけじゃちょっと足りないわ~って方も居るかな? そんな方達に朗報! 新たにこれより広場の各所に売り場を用意して出す商品があります! それがこちら!』
「え? パン?」
「なんか挟んである……」
「やべえ……うまそう!」
スクリーンに出たのは、つい先日、売り出しが決まったコッペパンシリーズだった。
『今回、発表するこちらは、コッペパンシリーズ! 第一弾として、三種類をご用意しました!』
三分割されて表示された三種類のパン。順に説明していく。
『一つ目は、煮詰めて甘くなったアプラの実を挟んだ、おやつにもピッタリな一品。アプラーナです。シャリっと歯応えも残っているアプラは、煮詰めたことであの独特な酸っぱさがほとんどなくなります。さっぱりと食べてしまえる上品な甘酸っぱさはやみつきになること間違いなしです!』
「甘いって……どれくらい甘いのかしら……」
「お貴族様達が食べるお菓子みたいな? 甘いの?」
「アプラか……酸っぱいのよね。それが甘い……気になる……」
女性達の反応が良かった。
『二つ目は、ボリューム満点! かつて、賢者様方が居た時代、その賢者様達も愛したといわれる、『焼きそば』という料理。それを再現し、挟んだ一品です。その名も焼きそばパン! 中に挟んだ麺と呼ばれる長いものは、モチモチで甘辛いソースが染み込んでいます。葉物野菜と薄切りのお肉が一緒に入っており、挟んである中身だけでも満足できるしっかりとしたお料理のお惣菜パンです!』
「あれ……マジでうまそう……」
「さっきからなんか……香ばしい匂いしてんだけど、それかな……」
「やべえ……茶色いけど、うまそう……」
こちらは男性がしっかりと興味を持ったようだ。
『三つ目は、野菜を詰め込んだ、栄養満点な一品。サラダパンAです! 今回は、たっぷりなポテイモのサラダとリタースを挟みました。ポテイモのサラダの中には、細かく刻まれた野菜が幾つも入っており、食感と色合いも楽しめるものになっています!』
「ポテイモのサラダ! あれ好き!」
「え? なにそれ」
「知らないの? お惣菜? のお店でね、売ってたの。セイスフィア商会のセイルブロードにある店で!」
「なんか可愛いわね。赤いのは……ネンシンかしら」
「黄色のはクルフね!」
にんじんは四角く小さく切られて入れられており、コーンも鮮やかな黄色。そこにレタスがひらひらと挟み込まれていて、彩りが美しい。
『パン自体も、セイスフィア商会特製のフワフワ、もっちりとしたもので、一度食べたら虜になる美味しさですよ!』
「パンね! セイスフィア商会のパンは違うものね!」
「あのパンはダメよ! もう前のを食べられないもの!」
「一日一つでいいから食べたくなるのよね! そんなに高くないし、毎食食べてるけど!」
「ヤバいよな……あのパン」
「マジで、匂いだけでヨダレ出るもんよ」
「分かる。今までのパン屋はもう行けねえわ」
「あの匂いね! 反則よね! 誘われるもん!」
パン狂いは着々と誕生しているようだ。
『このコッペパン! 今日からひと月、毎日各種五百個をセイスフィア商会のセイルブロードのパン屋さんで販売します! た、だ、し、購入制限で、おひとり様、二つまでとさせていただきます! そして! このコッペパンの包み紙の中に……』
スクリーンに、包み紙に包まれているコッペパンが映り、その底の部分が見せられた。そこに、セイスフィア商会のマークの入った小さなカードがある。
『このカードが五百個の内、三個に入っています。これを、敷地内に居るクマに渡すと、セイルブロード内で使える商品券がもらえます!』
「え!」
「いくらだろう」
「え、でも、お金もらえるようなものでしょう?」
「店で買い物する時に引き換えればいいから助かるな」
その日にもらって、その日に使うなら、強盗に遭うこともない。セイルブロードの中は、警備がしっかりしているからだ。変に限定品なんて渡せば、家を特定されて襲われる可能性もない事もない。だからフィルズも商品券にしたのだ。
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『さて、これよりは、セイスフィア商会のご紹介映像を流していきます! お時間のある方々はゆっくりご覧になってください。因みに今日のコッペパンは、各種数千は用意しています。そして、特別に購入制限はおひとり様三つまでです!』
「やった!」
「やっぱ、三つとも欲しいもんね!」
「絶対買う!」
これぞ罠だ。
『三種類ひとつずつお買い上げの場合は、三種セットとご注文を。では、みなさま、良い午後をお過ごしください。またお会いしましょう。ごきげんよう!』
「「「「「ごきげよう~」」」」」
もう少しで日も傾きだす。夕食用に買い求める者は多いだろう。そして、売り場を散らばらせたことで、動線を分け、安全に広場から解散してもらうことができそうだ。
こうして、広場での初めての民間によるイベントは終わった。
しかし、王城内ではまだ終わりとはいかない。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
本日、最新第6巻が出荷されました。
今回はこのシリーズ初の書き下ろしの番外編
が入っております。
かなりのページなので満足していただけると思います。
特定の書店様だけのSSには
この番外編にチラリと出てくるある人物
次の章でも出てきて気になるあの子が
メインになっています。
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そちらもお楽しみください。
では、第6巻もよろしくお願いします◎
紫南
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