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ミッション9 学園と文具用品
334 奥が深いんだね
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セルジュから威圧が消える。しかし、令嬢達はそのままだ。理解出来ないことが立て続けに起こり、思考力が停止寸前にまで追い込まれている彼女達は、呆っとした状態で振り向き、フィルズを見ていた。その視線を受けて、セルジュの腹の中を見て大分堪えたようだなとフィルズは苦笑した。
一方、セルジュはクルフィを問いただしていた。
「クルフィ……呼んだの?」
《いえ。報告は先ほどから逐一していましたが》
「来るって知ってたの?」
《はい。昨日から学園に来ておられます》
「「「え!?」」」
これには、カリュエルとリサーナも反応した。
「ちょい通るぞ~」
フィルズはひょいひょいと令嬢達の隙間を縫って、セルジュの傍までくる。
「そんで? まだ尋問中?」
「え? あ、うん。目的を白状してもらおうかと」
「そっか。なら頑張れ」
「え?」
「ん? 尋問の仕方、親父から教えられてるだろ?」
「へ? 父上が?」
「そう。親父らしいことが分からんとか言うから、学園生活で役に立ちそうな知識とか教えたらどうかって提案したんだよ。それなら貴族相手の尋問の仕方でも手始めに教えるかって」
「……なんで尋問……?」
「「それが最初?」」
よりにもよって、なぜ最初が尋問なのか。セルジュだけでなくカリュエルとリサーナもわけがわからないという顔をする。
フィルズは、クルフィが用意した椅子に座り、テーブルに片肘をついて頬をのせた。
「実地で執務を教えるのは、用意がまだ間に合わんって言ってた。貴族との付き合い方やマナーは、カティ達が教えてくれてただろ?」
「うん……」
前王妃のカティルラからは、貴族の上手いあしらい方についてを学び、前王のファイラルークがタヌキやキツネとの闘い方を教えていた。もちろん、カリュエルとリサーナ、リュブラン達も一緒にだ。リュブラン達も、いずれ特級の冒険者を目指すならば、知っていて損はないというわけだ。
「だから、他に役立つものってなると、今回みたいな時に使える尋問術だろ?」
「今回……みたいな?」
「そう。親父も、ファシーも女達の足の引っ張り合いに巻き込まれることが結構あったらしいから」
答えながら、いつの間にかクルフィが用意した紅茶を口にする。しかし、その味に思わず確認を入れる。
「ん~。この紅茶は、この部屋にある茶葉か?」
《はい。確認されたいかと思いまして》
「そうだな。やっぱ、あんま良くねえな。この部屋、カリュ達も使うことを想定してんだろ?」
王族が使うと想定されて用意された茶葉のはず。しかし、この世界の紅茶と言えば、産地も種類もごちゃ混ぜにした茶葉を使っている。愛飲する貴族達が気にするのは、色と複雑な香りらしい。色々な種類の茶葉をごちゃ混ぜにすれば、それは複雑な香りにもなるだろう。それを良しとしてきたのだ。
「うん。え? あ……そっか。私たちはもうここの紅茶飲まないから……」
「そうですわね……部屋に用意されている茶葉は、王宮のものと同じはずですわ。一年の時に飲んでいましたから」
カリュエルとリサーナは、その味に幼い頃から慣れ親しんできた。しかし、今はとてもではないが、口にしたいと思えない。セルジュは特にだ。
「美味しくないよね。一度飲んだけど、食事もあんまりだし、気分も最悪になるから、今は茶葉持参で来てるよ」
セイスフィア商会では、茶葉の種類を研究し、農家ごとで特色のあるお茶を作っている。それに慣れてしまったセルジュ達は、今までのお茶は飲めなくなっていた。
「さすが兄さん。けど、種類が混ざってるわけじゃねえな。採る時期が悪いのかも」
「時期とかでも変わるの?」
「ああ。若芽の時期から数えて一番摘み、二番摘み、収穫期摘みと、三回旬の時期がある。もちろん、種類によっては、年に一度だけってのもあるがな」
「へえ~」
「知りませんでしたわ……葉なら、落葉の時期以外は、常に採れるものとばかり……」
「奥が深いんだね……」
実が成るまで待たなければならないものと違って、いつでもお手軽に採れると思っていたようだ。
「まあな。生産者も本当に美味い紅茶を飲んだ事がねえんだ。紅茶は貴族のものとか言ってる所もあるらしいから、研究もしねえの」
貴族がこれが美味しいのだと言ってしまえば、生産者はそうなのかと納得するしかない。平民である生産者の方で自主的に改良すると言うことはまずしないのだ。それは、価値を認めた貴族を否定することになるためだ。求められた物が至高で、その先を研究して売り込むことまではしなかった。認められた時点で、それが完成なのだ。だから、余計に発展しない。こうしたものがこの世界には多い。
「その内、ここの生産地へも行かねえとな。今は近場でやり取りできる範囲でしか手を回してねえからさ」
茶葉は、貴族家が押さえている農家ではなく、新たに、新たなことを提案しても抵抗がない農家を選んで、セイスフィア商会で契約している。そのため、当然だが、王宮に卸していたような貴族が後ろ盾となっている商会と契約している農家には声をかけていなかった。よって、王宮の紅茶はセイスフィア商会で出すお茶とは違っている。
カリュエルが記憶を探りながら口を開く。
「確か、王宮の茶葉はフリエール伯爵領から来ているはずだよ」
「フリエールだと、二つ隣か。まあ、放っておいても、あっちから接触して来るだろ。お茶の専門店作ったし」
「「「え!? それ知らない!」」」
「急遽だからな。ルークが紅茶だけじゃなく、薬草茶とかも気軽に買える場所が欲しいって。そんで店長やりたがったんだよ」
「「っ、お祖父様……っ」」
「……もう帰る気ないね……」
「いつか、喫茶店のマスターにしてやる約束したからな」
「「「なにそれ……」」」
「内緒 ☆」
「「「……」」」
絶対ロクなことではないと、カリュエルもリサーナも、セルジュも警戒心は消せなかった。
「そんで? こいつらどうすんの?」
「え? あ、忘れてた」
すっかり令嬢達は放置されていた。彼女達は呆然としたままだ。涙は乾いてしまっている。
「兄さんはどうしたいんだ?」
「二度と突っかかってこないように反省させたいけど……はっきり言って、何が悪いかも分かってないような奴らに、それを説明するのも面倒……」
「ふ~ん。なら、こいつら使ってもいいか?」
「え? フィルが?」
「うん」
しっかりと頷くフィルズに、セルジュは本気かと目を丸くした。セルジュよりも面倒くさがりなフィルズがどうしたのだろうという驚きもある。
「……何に使うつもり?」
「先ずは、手始めに売店の手伝いをさせる」
「「「バイテン?」」」
聞いた事のない響きの言葉に、セルジュ達は首を傾げていた。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
一方、セルジュはクルフィを問いただしていた。
「クルフィ……呼んだの?」
《いえ。報告は先ほどから逐一していましたが》
「来るって知ってたの?」
《はい。昨日から学園に来ておられます》
「「「え!?」」」
これには、カリュエルとリサーナも反応した。
「ちょい通るぞ~」
フィルズはひょいひょいと令嬢達の隙間を縫って、セルジュの傍までくる。
「そんで? まだ尋問中?」
「え? あ、うん。目的を白状してもらおうかと」
「そっか。なら頑張れ」
「え?」
「ん? 尋問の仕方、親父から教えられてるだろ?」
「へ? 父上が?」
「そう。親父らしいことが分からんとか言うから、学園生活で役に立ちそうな知識とか教えたらどうかって提案したんだよ。それなら貴族相手の尋問の仕方でも手始めに教えるかって」
「……なんで尋問……?」
「「それが最初?」」
よりにもよって、なぜ最初が尋問なのか。セルジュだけでなくカリュエルとリサーナもわけがわからないという顔をする。
フィルズは、クルフィが用意した椅子に座り、テーブルに片肘をついて頬をのせた。
「実地で執務を教えるのは、用意がまだ間に合わんって言ってた。貴族との付き合い方やマナーは、カティ達が教えてくれてただろ?」
「うん……」
前王妃のカティルラからは、貴族の上手いあしらい方についてを学び、前王のファイラルークがタヌキやキツネとの闘い方を教えていた。もちろん、カリュエルとリサーナ、リュブラン達も一緒にだ。リュブラン達も、いずれ特級の冒険者を目指すならば、知っていて損はないというわけだ。
「だから、他に役立つものってなると、今回みたいな時に使える尋問術だろ?」
「今回……みたいな?」
「そう。親父も、ファシーも女達の足の引っ張り合いに巻き込まれることが結構あったらしいから」
答えながら、いつの間にかクルフィが用意した紅茶を口にする。しかし、その味に思わず確認を入れる。
「ん~。この紅茶は、この部屋にある茶葉か?」
《はい。確認されたいかと思いまして》
「そうだな。やっぱ、あんま良くねえな。この部屋、カリュ達も使うことを想定してんだろ?」
王族が使うと想定されて用意された茶葉のはず。しかし、この世界の紅茶と言えば、産地も種類もごちゃ混ぜにした茶葉を使っている。愛飲する貴族達が気にするのは、色と複雑な香りらしい。色々な種類の茶葉をごちゃ混ぜにすれば、それは複雑な香りにもなるだろう。それを良しとしてきたのだ。
「うん。え? あ……そっか。私たちはもうここの紅茶飲まないから……」
「そうですわね……部屋に用意されている茶葉は、王宮のものと同じはずですわ。一年の時に飲んでいましたから」
カリュエルとリサーナは、その味に幼い頃から慣れ親しんできた。しかし、今はとてもではないが、口にしたいと思えない。セルジュは特にだ。
「美味しくないよね。一度飲んだけど、食事もあんまりだし、気分も最悪になるから、今は茶葉持参で来てるよ」
セイスフィア商会では、茶葉の種類を研究し、農家ごとで特色のあるお茶を作っている。それに慣れてしまったセルジュ達は、今までのお茶は飲めなくなっていた。
「さすが兄さん。けど、種類が混ざってるわけじゃねえな。採る時期が悪いのかも」
「時期とかでも変わるの?」
「ああ。若芽の時期から数えて一番摘み、二番摘み、収穫期摘みと、三回旬の時期がある。もちろん、種類によっては、年に一度だけってのもあるがな」
「へえ~」
「知りませんでしたわ……葉なら、落葉の時期以外は、常に採れるものとばかり……」
「奥が深いんだね……」
実が成るまで待たなければならないものと違って、いつでもお手軽に採れると思っていたようだ。
「まあな。生産者も本当に美味い紅茶を飲んだ事がねえんだ。紅茶は貴族のものとか言ってる所もあるらしいから、研究もしねえの」
貴族がこれが美味しいのだと言ってしまえば、生産者はそうなのかと納得するしかない。平民である生産者の方で自主的に改良すると言うことはまずしないのだ。それは、価値を認めた貴族を否定することになるためだ。求められた物が至高で、その先を研究して売り込むことまではしなかった。認められた時点で、それが完成なのだ。だから、余計に発展しない。こうしたものがこの世界には多い。
「その内、ここの生産地へも行かねえとな。今は近場でやり取りできる範囲でしか手を回してねえからさ」
茶葉は、貴族家が押さえている農家ではなく、新たに、新たなことを提案しても抵抗がない農家を選んで、セイスフィア商会で契約している。そのため、当然だが、王宮に卸していたような貴族が後ろ盾となっている商会と契約している農家には声をかけていなかった。よって、王宮の紅茶はセイスフィア商会で出すお茶とは違っている。
カリュエルが記憶を探りながら口を開く。
「確か、王宮の茶葉はフリエール伯爵領から来ているはずだよ」
「フリエールだと、二つ隣か。まあ、放っておいても、あっちから接触して来るだろ。お茶の専門店作ったし」
「「「え!? それ知らない!」」」
「急遽だからな。ルークが紅茶だけじゃなく、薬草茶とかも気軽に買える場所が欲しいって。そんで店長やりたがったんだよ」
「「っ、お祖父様……っ」」
「……もう帰る気ないね……」
「いつか、喫茶店のマスターにしてやる約束したからな」
「「「なにそれ……」」」
「内緒 ☆」
「「「……」」」
絶対ロクなことではないと、カリュエルもリサーナも、セルジュも警戒心は消せなかった。
「そんで? こいつらどうすんの?」
「え? あ、忘れてた」
すっかり令嬢達は放置されていた。彼女達は呆然としたままだ。涙は乾いてしまっている。
「兄さんはどうしたいんだ?」
「二度と突っかかってこないように反省させたいけど……はっきり言って、何が悪いかも分かってないような奴らに、それを説明するのも面倒……」
「ふ~ん。なら、こいつら使ってもいいか?」
「え? フィルが?」
「うん」
しっかりと頷くフィルズに、セルジュは本気かと目を丸くした。セルジュよりも面倒くさがりなフィルズがどうしたのだろうという驚きもある。
「……何に使うつもり?」
「先ずは、手始めに売店の手伝いをさせる」
「「「バイテン?」」」
聞いた事のない響きの言葉に、セルジュ達は首を傾げていた。
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