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15th ステージ
165 力押し推奨やでな!
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教皇ソルマルトやヘルナ達年長組が、捕まえたブランシェレルの者達をしっかりとお説教してくれるということで、リンディエールはヒストリアと他の国のブランシェレルの根城を潰し回ることにした。
「名簿の回収も完了や。ほれ、あんたらも行ってこいっ」
ヒストリアが使い魔を使って、噂を流し、この国でも攻め込まれると焦らせ、急いで対策を練るべきではないかと集会を開かせる。そうして追い詰めた彼らを一網打尽にするのだ。
そして、ソルマルト達が待つ聖皇国の、綺麗になった迷宮内の広場へと転移門を繋げて、そこに人数と名を確認しながら放り込む。
名と人数の記録は、ソルマルトから教会の人員が派遣されていた。今の神官達は、ソルマルトやヘルナ達から指導を受けていてまともで真面目だ。彼らもブランシェレルには怒っているようだった。
「きちんと名乗りなさい。家名が嫌でもです! 当主への説教ができないでしょう!」
「家の方で生活していけないようならば、必ず力になります。ですが、テロ行為を行うような組織はダメですよ」
「あなたのご家族達には、あなたがどれほど心苦しい思いをしてきたか、しっかりと分からせます。その悔しさも後で話してくださいね」
本気で子ども達やこの組織に入らずにはいられなかった者達を諭していく。
一方で、リンディエール達実働部隊にも、その国ごとで協力者がいた。
「そっちで把握しとった子どもらは全員見つかっとるな?」
「はい。先日、連れ去られた第二王子も保護できました」
「さよか。けど、王子持ってかれとってどうすんねん! それでも暗部か!」
「っ、面目次第もございません……っ」
その国の暗部を使い、調べさせ、更に使い魔でも探らせて、メンバーを特定した。漏れがないよう、裏から包囲も抜かりなくさせている。
この間の王家の警護はエリクィールや、前剣聖が買って出た。その友人の拳王とも呼ばれる武闘術の天才なんかも、子どもを使って気に入らんという理由で手伝ってくれている。
どの国に行っても、たいてい、祖父のファルビーラや祖母のヘルナ達の知り合いや友人達が手を貸してくれる。そういった人たちは、王族と関係を持っているため、話も通してくれるので有り難い。
「王子も、一度説教はさせてもらうよって、返すんは、明日以降や伝えといてくれるか?」
「はい! 剣聖様や他の上位冒険者の方々に王や王妃がお説教を受けているので、寧ろ明日以降の方が有り難いです」
親の方にも言い聞かせる必要がある。年齢も実力も知名度も王族よりも上の剣聖や上位冒険者達ならば、王や王妃達も話を聞かざるを得ない。そもそも、話を聞かないような傲慢な王族は守らない。
「ほんなら、それでよろしゅう。ここも後は任せてええか?」
「もちろんです! ご協力に感謝いたします!」
「ええんよ。掃除は思い立った時にやるんが吉や」
「これを思い立ってすぐにやれる行動力には感服いたします」
「うちは力押し推奨やでな!」
「なるほど……日頃の鍛錬がものを言うのですね……勉強になります!」
「あんさんらも気張りやっ」
「「「はい!」」」
ふむふむと頷く者が多かった。しっかりとリンディエールの冗談混じりの言葉が、訳されて通じているのが面白いと、ヒストリアは彼らとのやり取りをずっと見て笑っていた。
「冗談で済まさずに真面目に聞くとは、やるなあ」
「ヒーちゃん。何感心しとんの? 次行こうや」
「そうだな」
「今日はあと二つ国を回んで」
「強行軍だな」
「もう王城に護衛の冒険者のおっちゃんらが待機し始める頃やもん。急がなあかんわ」
「はいはい」
そうして、十日とせずにほぼ大陸中の掃除が終わった。
「さあ~て。人材は有効に使わなあかんよなっ」
「……リンの言う力押しで、大氾濫も何とかなりそうに思えてきたよ……」
ブランシェレルのメンバーを鍛え直すと決めていた。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
遅れがちで申し訳ありません。
「名簿の回収も完了や。ほれ、あんたらも行ってこいっ」
ヒストリアが使い魔を使って、噂を流し、この国でも攻め込まれると焦らせ、急いで対策を練るべきではないかと集会を開かせる。そうして追い詰めた彼らを一網打尽にするのだ。
そして、ソルマルト達が待つ聖皇国の、綺麗になった迷宮内の広場へと転移門を繋げて、そこに人数と名を確認しながら放り込む。
名と人数の記録は、ソルマルトから教会の人員が派遣されていた。今の神官達は、ソルマルトやヘルナ達から指導を受けていてまともで真面目だ。彼らもブランシェレルには怒っているようだった。
「きちんと名乗りなさい。家名が嫌でもです! 当主への説教ができないでしょう!」
「家の方で生活していけないようならば、必ず力になります。ですが、テロ行為を行うような組織はダメですよ」
「あなたのご家族達には、あなたがどれほど心苦しい思いをしてきたか、しっかりと分からせます。その悔しさも後で話してくださいね」
本気で子ども達やこの組織に入らずにはいられなかった者達を諭していく。
一方で、リンディエール達実働部隊にも、その国ごとで協力者がいた。
「そっちで把握しとった子どもらは全員見つかっとるな?」
「はい。先日、連れ去られた第二王子も保護できました」
「さよか。けど、王子持ってかれとってどうすんねん! それでも暗部か!」
「っ、面目次第もございません……っ」
その国の暗部を使い、調べさせ、更に使い魔でも探らせて、メンバーを特定した。漏れがないよう、裏から包囲も抜かりなくさせている。
この間の王家の警護はエリクィールや、前剣聖が買って出た。その友人の拳王とも呼ばれる武闘術の天才なんかも、子どもを使って気に入らんという理由で手伝ってくれている。
どの国に行っても、たいてい、祖父のファルビーラや祖母のヘルナ達の知り合いや友人達が手を貸してくれる。そういった人たちは、王族と関係を持っているため、話も通してくれるので有り難い。
「王子も、一度説教はさせてもらうよって、返すんは、明日以降や伝えといてくれるか?」
「はい! 剣聖様や他の上位冒険者の方々に王や王妃がお説教を受けているので、寧ろ明日以降の方が有り難いです」
親の方にも言い聞かせる必要がある。年齢も実力も知名度も王族よりも上の剣聖や上位冒険者達ならば、王や王妃達も話を聞かざるを得ない。そもそも、話を聞かないような傲慢な王族は守らない。
「ほんなら、それでよろしゅう。ここも後は任せてええか?」
「もちろんです! ご協力に感謝いたします!」
「ええんよ。掃除は思い立った時にやるんが吉や」
「これを思い立ってすぐにやれる行動力には感服いたします」
「うちは力押し推奨やでな!」
「なるほど……日頃の鍛錬がものを言うのですね……勉強になります!」
「あんさんらも気張りやっ」
「「「はい!」」」
ふむふむと頷く者が多かった。しっかりとリンディエールの冗談混じりの言葉が、訳されて通じているのが面白いと、ヒストリアは彼らとのやり取りをずっと見て笑っていた。
「冗談で済まさずに真面目に聞くとは、やるなあ」
「ヒーちゃん。何感心しとんの? 次行こうや」
「そうだな」
「今日はあと二つ国を回んで」
「強行軍だな」
「もう王城に護衛の冒険者のおっちゃんらが待機し始める頃やもん。急がなあかんわ」
「はいはい」
そうして、十日とせずにほぼ大陸中の掃除が終わった。
「さあ~て。人材は有効に使わなあかんよなっ」
「……リンの言う力押しで、大氾濫も何とかなりそうに思えてきたよ……」
ブランシェレルのメンバーを鍛え直すと決めていた。
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遅れがちで申し訳ありません。
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