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3rd ステージ
027 楽しかったか?
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ヒストリアは、呆然としたままの王達へ声をかける。
《ということだ。なんとかなりそうで良かったな》
「……本当に……?」
これにより、危険視された刻印術は有用性を示すことができる。魔法陣技師達がこの技術を知れば、今回の件で技師達の立場を悪くさせた者を、自分たち独自の情報網を使ってでも見つけ出そうとするだろう。
魔法師長は信じられないという表情をしていた。そんな彼に、リンディエールはヒストリアから渡された原本となった本と、新たに製本をした本を手渡した。
「ええもん見さしてもろおたわ。近々、ウチが書いたのも届けるよって。どうするかは任せるわ。よろしゅうな」
「は、はい……ありがとうございます。楽しみにしております!」
可愛いじいちゃんだなとリンディエールは笑顔で頷いた。
「……王よ。やっぱり宰相、辞めてもいいですか?」
「ダメに決まってんだろ」
「チッ」
本気の舌打ちをするクイントに、王は盛大なため息をついていた。
「な、なあ、嬢ちゃん。あれは……うちに登録しないか!」
商業ギルド長が立ち上がって提案する。
「ええけど……ゆうたやろ。知り合いの魔法陣技師と相談してからやわ。どの道、生産ラインを確立せな意味ないしな」
リンディエールしか作れない物では意味ないだろうと顔をしかめて見せる。正しく伝わったらしいギルド長は肩を落とした。
「……やっぱり難しいのか?」
「それなりや。せやからヒーちゃんも、まとめえゆうたんよ。一般向けに落とし込まな、ただの道楽研究で終わるで」
「……嬢ちゃんは本当……商売できそうだな」
それが分かるのは、やっぱりおかしいとあえて口にしはしなかった。
「ん? ウチ、あくせく働くん嫌いやで? まあ、登録はそのうちしとくわ。技師のオババにも便利やから言われとったしな」
「オババとは誰のことだ?」
尋ねたのはエルスだった。クイントや祖父母達もこちらを見ているので、皆が気になったのだろう。
「あ~……趣味で魔法陣技師に鞍替えしたゆう……名前なんやったかな……フ……フシ……あ、ファシ……?」
名前なんて呼ばないので、覚えていない。だが、エルス達は思い当たったらしい。
「まさか……ファシード・トレザール技師では……」
「それや! なんや、見た目と違うて男らしい名前やなと思ったんよ。まあ、ウチは普段からオババ呼んどるでまたすぐ忘れるやろうけどなっ」
リンディエールはまったく悪気なく笑った。だが、周りはそうもいかない。
「っ、あ、あの方の居場所を知っているのか!?」
「ちょっ、嬢ちゃん! 知ってんなら教えてくれ!」
なんだか必死なエルスとギルド長を不思議に思いながら、リンディエールは考える。
「ん~……あかんな。手紙くらいなら行く時に渡したってもええけど、ただでさえ臆病でなあ……オババ自身も昔よりも人が怖いゆうとったし。会いに行っても全力で引き籠るで? 特に、商人恐怖症や。なんや、追いかけ回されたんやて」
「……そ、そうか……いや、手紙でいいから頼みたい……」
ギルド長は残念そうにしながらも、エルスと目配せあってから頭を下げた。
頷くと、次にクイントが尋ねる。
「リンはどうやって、あの方と知り合いに?」
「なんや、宰相さんまで知っとるん? えらい有名なんやね」
「リン……技師ファシードといえば、世界でも三本の指に入るほど高名な魔法師ですよ。因みに……」
「わたくしの師でもあります」
誰よりも驚いていたらしい魔法師長がおずおずと手を上げた。
「魔法師長さんの? は~……死にかけとったのを助けて良かったわ」
「んん?」
「し、死にかけ……」
クイントと魔法師長が時を止める。だが、それにリンディエールは気付かない。衝撃的な出会いを思い出していたのだ。
「最初見たとき、ヨボヨボのガリガリな上に黒いボロボロのフードでなあ。スケルトン系の魔物や思ってん。場所も迷宮の深層でなあ。な~んか気配が人間臭あて、調べて良かったわ。魔法師長さんのお師匠さんなら、ヨボヨボでもおかしないしなあ。あははは。思わず薬の実験台にしてもうたけど、今はピンピンしとるで、心配せんといてや」
「……心配……心配は……今のどこでするのが正解なのでしょうか? わたくし……よく分からなくなって参りました……」
「多分、正解などありませんよ。お気を確かに……」
少しふらついた魔法師長の背中をクイントが支える。
「なんや。混沌としてきたなあ。そろそろ日も落ちだすし、お開きにしよか」
「……リンちゃん……いえ、いいのよ。そうね。時間も時間だものね」
混沌を作ったのはお前だろうと、誰もがツッコミそうになったが、あえて一同は口を閉じた。ということで、解散となった。
もちろん、近いうちにまた連絡するからとクイントとエルスには何度も念を押された。
そして、最後。魔法師長がヒストリアの方へ少し近付いて頭を丁寧に下げた。
「ヒストリア様。ご協力、心から感謝いたします。その……またお会いできますでしょうか」
《……ここへはリンを通さないと来るのは難しいぞ》
「そ、そうでございますねえ……」
心から残念そうな魔法師長に、ヒストリアもどうしたらいいのかと困惑していた。なので、リンディエールは笑って提案する。
「そないに難しゅう考えんでもええやんっ。魔法師長さんもコレ持っとるやろ」
「通信の……あっ」
《そうか……》
「な? ヒーちゃんと登録。どないや?」
「願ってもない! お願いいたします!」
《っ、わ、分かった》
途端にキラキラと嬉しそうに、期待するように見つめる魔法師長。それに少し身を引きながらも、ヒストリアは恥ずかしそうに受け入れていた。
すると、私も私もと、他の面々も登録を願い出た。当然のようにリンディエールにもだ。
王まで来たので、どうしようかと思ったが、仲間外れにするのもと思い登録した。
ヒストリアも困惑しながらも全て受け入れていた。そんな様子を見て、リンディエールは微笑む。
「これで、ヒーちゃんの友達百人計画も本格始動やな」
そう少しふざけた感じで呟きながらも、リンディエールは嬉しくて仕方がなかった。ヒストリアが心から嬉しく感じているのが、その目を見れば分かる。
その日の夜。
ベッドに入り、眠る前にヒストリアへ通信した。
《なんだ? 眠れないのか?》
「ん~、あんな……今日の最後のやつ。なんや、合コンみたいでおもろかったなあ」
《っ、ははっ。本当だ。そうか、あれが合コンの連絡先交換ってやつだなっ。はははっ。確かにそんな感じだったなっ》
「せやろ?」
《だな!》
ヒストリアに前世の情報を色々教えておいて良かった。話がすぐに通じて良い。
「なあ、ヒーちゃん。楽しかったか?」
《ああ……けど……》
「どうしたん?」
何か言いづらそうにする様子に、リンディエールはベッドから身を起こす。
《……たぶん、リンが居るから楽しいんだと思う……ありがとな》
「っ、そ、そんなもん。礼なんていらんわっ。もうっ、水くさいでっ。う、ウチも……ヒーちゃんと居るん楽しいねん……今度は邪魔されんようにデートしような」
《ああ……楽しみだ》
おやすみと言って通信を切り、目を閉じる。だが、リンディエールはしばらくして、赤くなった顔を覆ってベッドをゴロゴロと転がった。
「っ~、なんやもうっ。こっちまで恥ずかしいセリフ言うてしまったやんかっ。ピュアなのもええ加減にせなかあんで!」
悶えること数分。疲れて寝た。
***********
読んでくださりありがとうございます◎
また一日空きます。
よろしくお願いします◎
《ということだ。なんとかなりそうで良かったな》
「……本当に……?」
これにより、危険視された刻印術は有用性を示すことができる。魔法陣技師達がこの技術を知れば、今回の件で技師達の立場を悪くさせた者を、自分たち独自の情報網を使ってでも見つけ出そうとするだろう。
魔法師長は信じられないという表情をしていた。そんな彼に、リンディエールはヒストリアから渡された原本となった本と、新たに製本をした本を手渡した。
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「は、はい……ありがとうございます。楽しみにしております!」
可愛いじいちゃんだなとリンディエールは笑顔で頷いた。
「……王よ。やっぱり宰相、辞めてもいいですか?」
「ダメに決まってんだろ」
「チッ」
本気の舌打ちをするクイントに、王は盛大なため息をついていた。
「な、なあ、嬢ちゃん。あれは……うちに登録しないか!」
商業ギルド長が立ち上がって提案する。
「ええけど……ゆうたやろ。知り合いの魔法陣技師と相談してからやわ。どの道、生産ラインを確立せな意味ないしな」
リンディエールしか作れない物では意味ないだろうと顔をしかめて見せる。正しく伝わったらしいギルド長は肩を落とした。
「……やっぱり難しいのか?」
「それなりや。せやからヒーちゃんも、まとめえゆうたんよ。一般向けに落とし込まな、ただの道楽研究で終わるで」
「……嬢ちゃんは本当……商売できそうだな」
それが分かるのは、やっぱりおかしいとあえて口にしはしなかった。
「ん? ウチ、あくせく働くん嫌いやで? まあ、登録はそのうちしとくわ。技師のオババにも便利やから言われとったしな」
「オババとは誰のことだ?」
尋ねたのはエルスだった。クイントや祖父母達もこちらを見ているので、皆が気になったのだろう。
「あ~……趣味で魔法陣技師に鞍替えしたゆう……名前なんやったかな……フ……フシ……あ、ファシ……?」
名前なんて呼ばないので、覚えていない。だが、エルス達は思い当たったらしい。
「まさか……ファシード・トレザール技師では……」
「それや! なんや、見た目と違うて男らしい名前やなと思ったんよ。まあ、ウチは普段からオババ呼んどるでまたすぐ忘れるやろうけどなっ」
リンディエールはまったく悪気なく笑った。だが、周りはそうもいかない。
「っ、あ、あの方の居場所を知っているのか!?」
「ちょっ、嬢ちゃん! 知ってんなら教えてくれ!」
なんだか必死なエルスとギルド長を不思議に思いながら、リンディエールは考える。
「ん~……あかんな。手紙くらいなら行く時に渡したってもええけど、ただでさえ臆病でなあ……オババ自身も昔よりも人が怖いゆうとったし。会いに行っても全力で引き籠るで? 特に、商人恐怖症や。なんや、追いかけ回されたんやて」
「……そ、そうか……いや、手紙でいいから頼みたい……」
ギルド長は残念そうにしながらも、エルスと目配せあってから頭を下げた。
頷くと、次にクイントが尋ねる。
「リンはどうやって、あの方と知り合いに?」
「なんや、宰相さんまで知っとるん? えらい有名なんやね」
「リン……技師ファシードといえば、世界でも三本の指に入るほど高名な魔法師ですよ。因みに……」
「わたくしの師でもあります」
誰よりも驚いていたらしい魔法師長がおずおずと手を上げた。
「魔法師長さんの? は~……死にかけとったのを助けて良かったわ」
「んん?」
「し、死にかけ……」
クイントと魔法師長が時を止める。だが、それにリンディエールは気付かない。衝撃的な出会いを思い出していたのだ。
「最初見たとき、ヨボヨボのガリガリな上に黒いボロボロのフードでなあ。スケルトン系の魔物や思ってん。場所も迷宮の深層でなあ。な~んか気配が人間臭あて、調べて良かったわ。魔法師長さんのお師匠さんなら、ヨボヨボでもおかしないしなあ。あははは。思わず薬の実験台にしてもうたけど、今はピンピンしとるで、心配せんといてや」
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少しふらついた魔法師長の背中をクイントが支える。
「なんや。混沌としてきたなあ。そろそろ日も落ちだすし、お開きにしよか」
「……リンちゃん……いえ、いいのよ。そうね。時間も時間だものね」
混沌を作ったのはお前だろうと、誰もがツッコミそうになったが、あえて一同は口を閉じた。ということで、解散となった。
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《そうか……》
「な? ヒーちゃんと登録。どないや?」
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途端にキラキラと嬉しそうに、期待するように見つめる魔法師長。それに少し身を引きながらも、ヒストリアは恥ずかしそうに受け入れていた。
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《なんだ? 眠れないのか?》
「ん~、あんな……今日の最後のやつ。なんや、合コンみたいでおもろかったなあ」
《っ、ははっ。本当だ。そうか、あれが合コンの連絡先交換ってやつだなっ。はははっ。確かにそんな感じだったなっ》
「せやろ?」
《だな!》
ヒストリアに前世の情報を色々教えておいて良かった。話がすぐに通じて良い。
「なあ、ヒーちゃん。楽しかったか?」
《ああ……けど……》
「どうしたん?」
何か言いづらそうにする様子に、リンディエールはベッドから身を起こす。
《……たぶん、リンが居るから楽しいんだと思う……ありがとな》
「っ、そ、そんなもん。礼なんていらんわっ。もうっ、水くさいでっ。う、ウチも……ヒーちゃんと居るん楽しいねん……今度は邪魔されんようにデートしような」
《ああ……楽しみだ》
おやすみと言って通信を切り、目を閉じる。だが、リンディエールはしばらくして、赤くなった顔を覆ってベッドをゴロゴロと転がった。
「っ~、なんやもうっ。こっちまで恥ずかしいセリフ言うてしまったやんかっ。ピュアなのもええ加減にせなかあんで!」
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